神奈川県にあるユーシン渓谷とはどんなところ?
ユーシン渓谷は、丹沢大山国定公園内にあり、丹沢湖へ流れる玄倉川沿いにある渓谷です。
ユーシンとは地名で、由来は多々あり、有名なものは大正時代の森林管理小屋の番人が「谷深くして、水勢勇まし」という意味で「湧津」と名付けたというものです。
しかし「涌深」や「有信」、「幽神」という漢字があてられる事もあります。
ユーシン渓谷は1947年に全長9kmの「玄倉林道」が開通して、知られるようになりました。
深緑や紅葉の名所として有名ですが、観光地化はあまりされていません。
ある条件がそろうと、渓谷内にある玄倉ダムの水面が青く輝くため「ユーシンブルー」として人気になりました。
ユーシン渓谷が崩落危機のため通行止め!解除予定時期はいつ頃?
ユーシン渓谷の玄倉林道は、これまでも何度か一部通行止めになった事があります。
最近は赦免崩落が頻繁に起きていて、2018年1月から、石崩隧道(3号隧道)から洞角隧道(6号隧道)の間は通行禁止になっています。
この区間には「ユーシンブルー」が見られる玄倉ダムがありますが、現在は行けません。
神奈川県のお知らせによると、崩壊した斜面の対策は2019年度末を目途に工事中です。
ユーシンブルーを目にするには、通行止めが解除される2020年まで待ちましょう。
石崩隧道までは2019年2月現在も行くことができます。
鮮やかな青になるのは玄倉ダムですが、他の場所もほんのりと青く輝いている様子が見られますよ。
景色もよく、高低差があまりなく歩きやすいので、行楽シーズンにはぴったりです。
通行止め地点までの往復は大人の足で3時間ほどを目安に行きましょう。
ユーシン渓谷へ行くベストシーズンはいつ?
実際にユーシン渓谷に行くとしたらいつが良いでしょうか。
ユーシン渓谷の見どころを紹介します。
ベストシーズン
ユーシン渓谷に行くベストシーズンは、春と秋です。
春の新緑は心身ともに爽やかな気分にしてくれます。
秋はなんといっても、紅葉が素晴らしいです。
もちろん、夏にいくのもおすすめです。
ユーシン渓谷は真夏でも涼しいので、ハイキングに適しています。
冬になると心配なのは雪ですが、雪国の山のように何メートルも降り積もる事もありません。
しかしユーシン渓谷は整備された場所でもないため、登山初心者は避けた方が無難でしょう。
絶景ポイント
最高の絶景ポイントは「玄倉ダム」のユーシンブルーです。
何故青く見えるのかは、正式に研究されたわけではありませんが、全国にある青い池や湖から推測はできます。
全国の青い池は、空が青く見える理由と同じように、太陽の青い光だけを反射しています。
おそらく、ユーシンブルーもそのような理由で青く見えるのでしょう。
北海道にある神の子池は、透明度が高く、底に倒れている木が見えます。
玄倉ダムも底がはっきりと見えるぐらい透明度が高いです。
また神の子池は底に石灰岩があり、同じく北海道の「美瑛の青い池」も水中に白い微粒子が溶け込んでいます。
それが光を反射しやすい理由だろうと言われています。
ユーシン渓谷も、きちんと水質調査すれば、光を反射しやすい理由が明らかになるでしょう。
ユーシン渓谷で行くべき絶景ポイントはどこ?
とはいえ、2020年まで玄倉ダムへは通行止めになっています。
ユーシンブルーを見る事はできません。
しかし、ユーシン渓谷はそれ以外にも見どころはたくさんあります。
通行止め期間でもたのしめる絶景ポイントを紹介します。
絶景ポイント① :玄倉大橋
ユーシン渓谷に行くには、バス亭か駐車場から徒歩で行きますが、最初に「玄倉大橋」を渡ります。
その橋の上から見る丹沢湖と空、木々のコントラストは目に鮮やかです。
絶景ポイント② :玄倉第1発電所
玄倉大橋を渡って10分ほど歩くと「玄倉第1発電所」がありますが、実は運が良ければここでも「ユーシンブルー」が見られます。
後で紹介する、ユーシンブルーが見られる条件を参考にして、狙ってみましょう。
絶景ポイント③ :境隧道
玄倉第1発電所から40分ほど歩くと、林道に入るゲートがあります。
それをくぐって更に30分ほど歩くと、第一のトンネル「境隧道」があります。
暗いトンネルを抜けると、コケがびっしり生えたモコモコの石垣が現れます。
思わず触ってしまいそうになるぐらい見事なコケで、まるでジブリ映画の世界に入ったようです。
絶景ポイント④ :新青崩隧道
さらに20分ほど行くと第二のトンネル「新青崩隧道」があります。
ここは途中から渓谷側が柱のみになっていて、誰もが足を止め、写真に収めたくなる景色が広がります。
その先にある第三のトンネル「石崩隧道」は現在通行止めですが、そこを抜ければユーシンブルーは目の前です。
ちなみに石崩隧道の内部は、岩をそのまま削ったような形をしていて、冒険心をくすぐります。
しかし今回の通行止めは、このトンネルの崩壊が原因なので、通行止めが解除されても、残念ですが岩のトンネルは見られない可能性が高いです。
ユーシン渓谷のユーシンブルーが見れる条件とは?
ユーシンブルーを見るためには、いくつか条件が必要です。
ユーシンブルーが見れる条件
まずは、晴れの日であること。
ユーシンブルーは、太陽の光を反射しているので、太陽が出ている日でないとみられません。
次に、前日に雨が降っていないこと。
前日に雨が降っていると、当日が雲一つない晴天でも、ユーシンブルーが綺麗に出ない可能性が高いです。
そして、水が多いこと。
水が少ないとユーシンブルーが綺麗に見えません。
玄倉ダム付近が通行止めになる前は、ユーシン渓谷のある山北町観光協会のサイトでも水が多いか少ないかを発表していました。
けれど通行止め後はそのアナウンスもありません。
おそらく、ユーシンブルーといえば第2発電所という思い込みで、第1発電所でも見られる事を知っている人が少ないからでしょう。
なので、通行止め解除前に「第1発電所のユーシンブルー」を見たい場合は、観光協会に「今日は水が多いかどうか」を問い合わせてみましょう。
ユーシンブルーが見れる時期
以上の条件を満たしていれば、季節は問わず見られます。
ユーシン渓谷で紅葉が観れる時期は?
丹沢湖の紅葉は神奈川の景勝50選にも選ばれていて、ユーシン渓谷も紅葉の名所としても有名です。
渓谷に広がる雄大な紅葉とユーシンブルーのコントラストは、是非一度は見ておきたい光景です。
紅葉は例年11月上旬から色づき始め、中旬に最盛期を迎えます。
11月下旬までは紅葉を楽しめます。
紅葉情報は山北町観光協会のサイトでも確認できます。
気候も温かく、歩きやすい時期です。
この時期は「山北町産業まつり」や、「西丹沢もみじ祭り」などもあり、ユーシン渓谷付近の町が活気づく季節でもあります。
山北町産業まつりは山北駅付近で行われます。
山北町の名産品販売や鉄道公園の機関車の運行もあります。
西丹沢もみじ祭りは、「千人鍋」ともよばれ、いくつのも大鍋で丹沢の野菜とイノシシ肉がふんだんに入ったしし鍋を、紅葉を堪能しながら食べられるお祭りです。
参加には抽選に応募することが必要です。
ユーシン渓谷での注意点とおすすめの服装は?
ユーシン渓谷は、高低差はあまりなく、初心者やファミリーでもハイキングが楽しめるスポットです。
けれど、山は山なので、いくつかの注意点があります。
注意点
まずは、丹沢の山々には春から秋にかけて熊が出没します。
熊鈴などの大きな音が出るものを鳴らしながら散策しましょう。
次に、ユーシン渓谷にはいくつかトンネルがありますが、それらはすべて電灯がありません。
昼間でも真っ暗の中を歩くことになるので、懐中電灯は必携です。
そして、なだらかな山道ですが、距離が長いです。
通行止め場所まで行って帰ってくるとなると、3時間はかかります。
適度に休憩をはさみたいところですが、崖の近くで立ち止まると、崩落に巻き込まれる危険性もあります。
よっぽど危険な場合は警告が出るか通行止めになりますが、崖側には近寄らないようにしましょう。
おすすめの服装
道は塗装されていなく、滑りやすいです。
絶対にサンダルやハイヒールで行くのはやめましょう。
登山の格好で行けば大丈夫ですが、黒は避けましょう。
熊や虫は、黒い部分を狙って攻撃するからです。
都心からでも日帰りで行ける!ユーシン渓谷のアクセス方法は?【駐車場情報も】
ユーシン渓谷に行く場合、方法は三つです。
- 車
- バス
- 電車
車でのアクセス方法
車でユーシン渓谷に行くには、東名高速道路経由で丹沢湖まで行きます。
ユーシン渓谷への入り口付近には三つの無料駐車場があります。
近い順に「ユーシン渓谷駐車場」「丹沢湖ビジターセンター跡地」「丹沢湖森林館」です。
駐車場は変更する場合もあるため、行く前に公式サイトで確認しましょう。
バスでのアクセス方法
ユーシン渓谷入り口のバス停は「玄倉」です。
小田急線「新松田駅」と、JR御殿場線「谷峨駅」から出ている西丹沢ビジターセンター」行きのバスに乗ります。
「新松田駅」からは約45分、「谷峨駅」から約20分かかります。
バスの本数が少なく、ダイヤは季節ごとに変わるので、必ず行き帰りの時刻を確認しましょう。
電車でのアクセス方法
ユーシン渓谷の最寄り駅は、JR御殿場線「谷峨駅」です。
ただし、入り口に行くまで2時間も山道を歩きます。
歩くのは川沿いで、塗装された道路ではありますが、途中に休憩できるお店やカフェがあるわけではありません。
バスに遅れた時は、素直に次のバスを待つかタクシーを使う事をおすすめします。
通行止め解除前でも見どころがたくさんあるユーシン渓谷に行こう
ユーシン渓谷の崩落による通行止め区間は、2019年度末を目途に現在工事中です。
一番人気である「第2発電所のユーシンブルー」には、解除されるまで行けません。
しかし「第1発電所」でもユーシンブルーが見られる事は、意外にも知られていません。
つまり人気スポットには行けないのでシーズン中でもあまり混まない事が予想されます。
ある意味、今年は最後のチャンスです。
2019年は穴場となるユーシン渓谷に行ってみましょう。