ミャンマーの言語、公用語は何??
ミャンマーの言語はミャンマー語です。ビルマ語とも呼ばれています。
ミャンマー語は、様々な民族が住むミャンマーの中で一番多い民族であるビルマ族の言語です。この『ミャンマー』『ビルマ』という呼び方には歴史的な背景があります。
ミャンマー政府がミャンマーという国名を採択したのは1989年のことです。それ以前はビルマと呼ばれていました。
ですが、国名変更というこの重要な決定は、住民投票などもなく軍事政権下で独自に下されたものでした。そうした経緯への疑問や、ビルマ族以外の民族を軽視しているなどの理由で、どちらの名称を受け入れるか国内外で意見が分かれています。
ですので、ミャンマー語は共通語と言う扱いで、公用語ではありません。多数存在する民族に配慮しているからです。
複雑な背景を持つミャンマー語ですが、その特徴は可愛らしい丸文字です。丸と丸を組み合わせたような独特の文字は、違いが分かるまでは少し苦労します。
発音も難しく、小さい『っ』で終わる単語や『っか』のように息を強く吐く単語があります。日本語にはない発音に戸惑う人も多いようです。
また、中国語と同じく声調を持つ言語なので、単語の音程も覚えなければなりません。なかなか手強い言語だということが分かります。
ミャンマーでは英語は通じるの?
ミャンマーでも多くの場面で英語が通じます。イギリスの植民地だった時代があるため、比較的英語が根付いているのです。
アジアの他の国々に比べて英語が通じやすいので、ミャンマーでは英語が通じると言われてきました。でも、そこに落とし穴があるのです。
現地の人が話せるのはごく簡単な英語の単語程度です。ペラペラな英語で長文で話しかけると通じません。
ゆっくり、簡単な単語での英会話が可能ということです。
かつミャンマー訛りの独特な英語を聞き取る心の準備も必要です。
というのも、ミャンマーでは小さい頃から英語を習うのですが、いわゆる暗記型の英語。話し方を習うわけではありません。
さらに、英語を習っても、使う機会がほとんどないという問題もあります。それで、独特のなまりを持った英語を話す人が多いのです。
ちょっと変わったイントネーションのミャンマー英語ですが、慣れればスムーズにコミュニケーションが取れます。ホテルやレストランなどでは、英会話によく慣れていてきれいな英語を話すミャンマー人も多くいます。
ミャンマー人は真面目で勤勉な国民性だと言われています。また仏教国で、人助けで徳を積むという考えが根付いているので困っている人のことは喜んで助けてくれます。
何か困ったときでも、少し会話してみたい時でも、どんどん英語で話しかけてみましょう。ミャンマー人の少しはにかんだ英語に、心が和みます。
ミャンマーで英語が通じるスポット
レストラン
ミャンマー料理は日本人好みの味で人気です。また民族ごとに特色があるので、種類が豊富で飽きません。そんなミャンマーのレストランですが、英語のメニューがあるお店は多くありません。ヤンゴンなどの観光地や高級レストランでは英語が通じますが、ローカルなレストランでは難しいでしょう。写真付きメニューがあるところを選ぶと安心です。
タクシー
タクシー運転手の英語力は年代によって差があります。若い運転手は英語が話せる人が多くいます。と言っても、地名や行き先は現地語で言わないと通じないので、準備が必要です。
最近ではUberやGrabなどの配車アプリが使えるようになっていて、行き先を言わなくても連れて行ってくれるようになりました。以前は料金も交渉制だったのが、アプリを使うと料金も事前に分かり、キャッシュレスで精算できるのでとても便利になりました。
ホテルやショップ
ヤンゴンやマンダレー、バガンなど観光地のホテルではほとんど英語が通じます。安めのホテルやゲストハウスなどでも、簡単な英語なら大丈夫です。観光客向けのショップでも英語が通じる所がほとんどですが、地元の屋台などでは難しいでしょう。
観光スポット
水上ホテルがあることで人気のインヤー湖や、古都ヤゴー、仏院など、見どころが沢山ありますが、観光地のほとんどで英語が通じます。ただし、人気のガパリビーチやシットウェー市場などはまだまだローカルスポットなので、英語が通じない場面も多々あります。通訳アプリなどを準備しておくと安心です。
ミャンマーの言語教育事情
ミャンマーはたくさんの民族で形成されている国です。それぞれの民族の言語、特徴を大切にしています。
それぞれの民族が持つ民族語での教育が許可されていて、ミャンマー語の習得が必須なわけではありません。ミャンマー語は公用語という位置付けではありませんが、ほとんどの学校でミャンマー語で授業が行われていて、実質的な公用語と言えます。
幼稚園から英語教育が行われていて、高校の卒業試験は、ミャンマー語の試験以外は英語で出題されます。ですが、高校卒業まで行ける子はそう多くありません。
ほとんどの子が、経済的な理由や、留年などの問題で途中退学していくのです。それで、ミャンマー人の英会話レベルにも落差がかなりあります。
暗記型だった授業を、考える授業に変える取り組みも行われています。日本の技術が提供されていて、教科書も変わり、楽しく学ぶ環境作りが行われているのです。
言語教育もまだまだ発展途上ですが、真面目なミャンマー人のことですから、英語やその他の言語もこれからもっと浸透していくことでしょう。
日常会話で使えるミャンマー語の数字の数え方
数字 | 表記 | 読み方 |
---|---|---|
1 | တစ်တစ် | ティッ |
2 | နှစ် | ニッ |
3 | သုံး | トウン |
4 | လေး | レー |
5 | ငါး | ンガー |
6 | ခွောကျ | チャッ |
7 | ခုနှစ် | クンニッ |
8 | ရှစ် | シッ |
9 | ကိုး | コー |
10 | ဆယ် | タセー |
100 | တရာ | セッ |
1,000 | တထောင် | タウン |
10,000 | တသောင်း | ターウン |
ミャンマー語の日常会話で使う便利な挨拶10選
では、ミャンマー語の挨拶で覚えておきたいフレーズを見ていきましょう。ミャンマー語の挨拶で覚えておきたいフレーズには以下のものがあります。
- おはよう
- こんにちは
- ありがとう
- ばいばい/さようなら
- OK
- 私は○○です。
- 私の名前は○○です。
- あなたの名前は何ですか?
- すみません
- ごめんなさい 続いて、ミャンマー語の挨拶で覚えておきたいフレーズをそれぞれ詳しくみていきます。
おはよう
မဂၤလာပါ။
ミンガラバー
こんにちは
မဂၤလာပါ။
ミンガラバー
ありがとう
ကျေးဇူးတင်ပါတယ်။
チェーズーティンパーデー
ばいばい/さようなら
တ္ားတော့မယ်နော်။
トァートーメーノー
OK
ဟုတ်ကဲ့။
ホウッケー
私は○○です。
နာမည် ○○ ပါ။
マナメー ○○バー
私の名前は○○です。
ကျွန်မနာမည် ○○ပါ။
テュワンマナメー ○○バー
あなたの名前は何ですか?
နာမည်ဘယ်သူလဲ။
ナーメーベトゥレー
すみません
စိုက်မရိုပါတယ်။
サイッマシーパーデー
ごめんなさい
တောင်းပန်ပါတယ်။
タウンパンパーデー
ミャンマーの日常会話でよく使う便利な言葉10選
では、ミャンマー語の日常会話で覚えておきたいフレーズをみていきましょう。
ミャンマー語の日常会話で覚えておきたいフレーズには以下のものがあります。
- ○○をください。
- これはいくらですか?
- お会計をしてください。
- クレジットカードは使えますか?
- 写真を撮ってもいいですか?
- ○○に行きたいです。
- 旅行の目的を尋ねられて/観光です。
- 滞在日数を尋ねられて/○日です。
- おすすめの料理はなんですか?
- おいしいです!
続いて、ミャンマー語の日常会話で覚えておきたいフレーズを、それぞれ詳しくみていきます。
○○をください。
ကြေးဇူးပွုပွီး
チェーズーフープイ
これはいくらですか?
ဒီဘယ်လောက်ပါလဲ?
デェペラパネイ?
お会計をしてください。
ယင်းကုန်ပစ္စည်းကိုသွားရောက်ဖတ်ရှုပါ
ティエン コンパーシューカー コアユウカイシュウパー
クレジットカードは使えますか?
သငျသညျခရက်ဒစ်ကတ်များကိုလက်ခံပါသလား
キニャーキニャーフィアサディトキャートマャラノーサカンパサラ
写真を撮ってもいいですか?
ကျွန်မပုံကိုယူနိုင်သလား?
チャワーン ポンコユー ナンサラー
○○に行きたいです。
ငါမှမသွားချင်
ナーグアー ム スアー チン
旅行の目的を尋ねられて/観光です。
ခရီးသွားလာရေးလုပ်ငန်းဖြစ်ပြီး
ヒーカラリー ロウァンチェティ
滞在日数を尋ねられて/○日です。
○ဒါဟာနေ့
○ナハンィ
おすすめの料理はなんですか?
အဘယ်အရာကိုအကြံပြုသလဲ?
ペイヤークー チャンピューサレイ?
おいしいです!
အရသာရှိသော
ヤーサーシーソー
めくるめくミャンマーを見るなら今!
鎖国状態から抜け出し、積極的に観光客を受け入れているミャンマー。近年のIT化には目を見張るものがあります。
その一方で、大切に守られている大自然や世界遺産には、何千年と変わらないミャンマーの心が刻まれています。
多数存在する民族がそれぞれを大切にするようになった今、ミャンマー独特の風土や食べ物を自由に楽しめるようになりました。日本では目にすることのない伝統工芸や、少数民族の料理などが、数え切れないほどあります。
近代化が進む大都会と、ゆっくりと時間が流れる田舎が混在するミャンマー。変化の途上にある国なので、数年後には大きく変わっていることでしょう。
今のミャンマーは、今しか見られないミャンマーなのです。