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2019/03/28

日本三大祭りとは?ねぶたや阿波踊りは三大祭りに入る?見どころや地方の祭りもご紹介

皆さんは日本三大祭りといえばどこの祭りを思い浮かべますか?

日本には歴史的にも文化的にも価値が高く、見る人も参加する人も熱くさせる素晴らしい祭りがたくさんあります。
それぞれの歴史や見どころを見ていきながら三大祭りの魅力に迫ってみましょう。

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日本三大祭りとは?共通点はあるの?

「日本三大祭り」とは明確に決められたものではありません。
しかし諸説ある中でも、京都の祇園祭大阪の天神祭は、日本三大祭りのうちの2つとしてほぼ認識が一致するところのようです。

今回は、そこに江戸東京を代表する神田祭を加えたものを「日本三大祭り」として設定し、ご紹介していきます。
今回ご紹介する日本三大祭りには、古くから日本の要所として栄えた三つの大都市を代表する祭りであるというところや、その地理的要因から、その時代の権力者である朝廷や幕府と深く結びついて発祥し、発展してきた歴史をもつというところに共通点を見出すことができます。

ではそれぞれの祭りについて歴史や見どころを詳しく見ていきましょう。

<下に続く>

日本三大祭り①:祗園祭

まずはじめに、京都の夏の風物詩で、日本三大祭りの代表格である祇園祭からご紹介します。

  1. 祇園祭とは?
  2. 祇園際の歴史
  3. 祇園際の見どころは?

祗園祭とは?

祇園祭は1000年以上の歴史を持つ夏の京都を代表する盛大な祭りです。
毎年7月1日から31日までの1ヶ月間にわたってさまざまな行事が行われます。

八坂神社の祭礼を発祥とし、そこに八坂神社の氏子地域の町が主催となって作り上げられた行事が融合したものが現在の祇園祭の形となっています。
祇園祭といえば町から町へ巡行する華やかな山鉾の様子を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

八坂神社の氏子地域で、祇園祭で利用する山や鉾を保存し運営する役割をもつ町は山鉾町と呼ばれています。
誰もが祇園祭の姿としてイメージする山鉾巡行は、この山鉾町が主体となって作り上げた町人の祭りとしての側面です。

祗園祭の歴史

祇園祭の発祥は、平安時代に八坂神社で執り行われていた御霊会という儀式であるとされています。
8世紀の終わり頃から都の平安京では疫病が流行し、多くの人が亡くなりました。

疫病は現世に恨みを残して亡くなった人々の怨霊の祟りであると考えられていた当時の都では、怨霊を奉り、祟りを鎮める儀式を執り行って都の平安を祈願していました。
9世紀に入ると、864年の富士山の大噴火、869年の大津波を引き起こした貞観地震などの大災害も続き、社会不安がさらに膨らんだことを重く受け止めた朝廷は、疫神や怨霊の祟りを鎮める御霊会869年に現在の八坂神社で執り行い、無病息災を祈ったのです。

この869年の御霊会が祇園祭の発祥とされています。

一方で山鉾巡行は庶民が完成させた祭りの形です。
山鉾巡行が祇園御霊会と融合されるようになった時期は不明ですが、鎌倉時代末期には竿状の鉾の周りで風流な舞曲を演じたという記録が残っています。

室町時代に入り京都に商工業者の自治組織が成立すると、町ごとに趣向をこらした山鉾を作って巡行させるようになりました。
舞を演じる稚児の乗った屋台や猿楽能の演目を模した作り物のなども合わさり、現在みられるような華やかな山鉾巡行の形が完成されていきます。

そのため室町時代以降には、すでに祇園祭のクライマックスは山鉾巡行というイメージがついていたようです。
長い歴史の中で政治的混乱のために祇園祭が中断していた時代にも、神事がなくても山鉾巡行だけは行いたいという声明が町人からあがっていることから、山鉾巡行はこの頃からすでに町人主体の行事になっていたことがわかります。

祗園祭の見どころは?

祇園祭の見どころは、まずは何と言っても7月17日の前祭24日の後祭に行われる山鉾巡行でしょう。
山や鉾は釘を一本も使わない伝統技法で組み立てられており、その姿は巡行の日以外でも京都の街中のいたるところで間近に見ることができます。

コンチキチン、という特徴ある祇園囃子とともに美しい山鉾が京都の通りを行く様子は「動く美術館」とも称されていて圧巻です。
見事な刺繍の織物や舶来の品で飾られた豪華絢爛な山鉾は重要有形文化財に指定されており、山鉾行事そのものはユネスコの無形文化遺産にも登録されています。

山鉾巡行の前夜祭である宵山の夜には、祇園囃子が流れる中で、明かりの灯った駒形提灯に彩られた豪華な山鉾をじっくりと鑑賞できます。
古都の夏の夜の風情を楽しむことができる宵山の夜も、是非体験してみたい祇園祭の魅力の一つです。

また、宵山の日に限り、山鉾町の旧家に保存されている秘蔵の屏風絵や着物、武具などの大変貴重な美術品や調度がそれぞれのお宅で公開されるため、こちらも大きな見どころの一つになっています。
山鉾巡業が町に支えられて完成した祭りであることがよくわかる貴重な機会ですので、こちらも見逃すことができません。

八坂神社の神事として行われる神輿渡御神輿洗花傘巡行も見どころが満載ですので、祇園祭は一月を通して楽しむことができます。

<下に続く>

日本三大祭り②:天神祭

次にご紹介するのは、夏の大阪を盛大に彩る天神祭です。

  1. 天神祭とは?
  2. 天神祭の歴史
  3. 天神祭の見どころは?

天神祭とは?

天神祭は日本全国の天満宮で開催される祭りの総称ですが、その中でも特に大阪天満宮を中心に大阪市で開かれるものが天神祭として広く知られています。
天満宮の神様である菅原道真にちなんだ祭りですので、道真の命日である25日を前後して行われます。

大阪天満宮の天神祭は毎年6月の25日前後の吉日から7月25日までの1ヶ月間にわたってさまざまな行事が執り行われます。
ここでは日本三大祭りに選ばれることの多い大阪天満宮の天神祭について見ていきましょう。

天神祭の歴史

菅原道真の死後、京の都で続いた天変地異は非業の死を遂げた菅原道真の祟りによるものと当時の人々は考えていました。
その御霊を鎮め、都の平安を祈願するために朝廷が道真を祭神として祀ったことが天満宮の始まりです。

天満宮の造営は祇園祭の前身となった御霊会の始まりとほぼ同じ時期にあたるため、当時の京の都ではいかに祈りが大切にされていたかが見てとれるでしょう。
大阪天満宮の天神祭は、大阪天満宮の鎮座から2年後の951年に始まったと記録されています。

最初の神事は、旧淀川である大川から神鉾を流し、流れ着いた場所で禊払いを行うというもので、神鉾が流れ着いた場所には船で道真の御神霊が向かうとされていました。
これが現在の天神祭の見どころの一つである鉾流神事船渡御の起源であると言われています。

江戸時代に入ると天神祭はより華やかに執り行われるようになり、この頃からすでに日本三大祭りの一つと呼ばれるようになりました。
当時の壮大な祭りの様子は『東海道中膝栗毛』にも記されており、その賑わいぶりをみてとることができます。

その後は祇園祭と同じように歴史の流れによって中断される時期を経ながらも、消失することなく、天神祭は現在まで続く歴史ある祭礼となっています。

天神祭の見どころは?

天神祭のハイライトは、7月25日本宮の日に行われる陸渡御の行列と、大川(旧淀川)を渡る船渡御です。
陸渡御、船渡御は、天満宮の氏子地域の平安を年に一度神様にお披露目するという意味がこめられており、陸渡御では総勢3000人もの大行列が天満宮の本殿から船渡御の乗船場である天神橋までを華やかに練り歩きます。

道真の御神霊を乗せた御鳳輦鳳御輿玉御輿など、見どころは尽きません。
陸渡御の一行が船着き場に到着すると、続いていよいよ船渡御が始まります。

日が落ちる頃には川の両岸にたくさんのかがり火や提灯が灯され、大川には100隻以上の船団が列を作り、祭りの雰囲気は一気に最高潮へ。
だんじり囃子が響き渡る中で奉納花火が打ち上げられると、かがり火や花火が大川の水面に美しく映り、「火と水の祭礼」とも言われる大阪の一大夏祭りはクライマックスを迎えます。

<下に続く>

日本三大祭り③:神田祭

日本三大祭りの三つ目は、江戸・東京を代表する祭りである神田祭です。

  1. 神田祭とは?
  2. 神田祭の歴史
  3. 神田祭の見どころは?

神田祭とは?

神田祭は、東京都千代田区の神田明神で行われる祭礼で、江戸・東京を代表する祭りです。
江戸時代には幕府の庇護を受けて盛大に執り行なわれた神田祭は「天下祭」とも称され、徳川将軍家と深くつながりのある祭りとして発展してきました。

祭礼は徳川家康が天下統一を果たした旧暦の9月15日に執り行われていましたが、現在では5月の中旬に移動され、本祭は西暦の奇数年に隔年で開催されています。

神田祭の歴史

記録が残っていないために神田祭の詳しい起源は不明ですが、現在に伝わる大祭の形となったのは江戸時代以降であるとされています。
1600年、徳川家康は会津征伐の成功を神田明神に祈願し勝利をおさめます。

続く関ヶ原の合戦における戦勝の祈願も成就し、見事勝利をおさめ天下統一を果たしたことから、神田明神は家康の崇敬する神社となり、社殿や神輿、祭器の寄進が行われました。
そのため神田祭は徳川家にとって大変縁起のある祭りであるとされ、幕府をあげての庇護を受けた祭りは現在まで伝わる盛大な催しとしての姿に成長していきました。

神田祭の見どころは?

神田祭の本祭は隔年で開催されます。
神田祭本祭の見どころは、氏子地域がそれぞれに担ぐきらびやかな神輿です。

色や形もさまざまなたくさんの神輿が東京都内を巡る様子は、都会の中でも熱気溢れる伝統的な祭りを楽しむことができる貴重な機会です。

<下に続く>

ねぶたや阿波踊りは日本三大祭りには入らないの?

「日本三大祭り」とはどこかに明確に定められたものではないため、祭りの性質や意義、また地方やその規模によってさまざまな候補があげられます。
祭りの見方によって「三大」のとらえ方も変化するからです。

東北の短い夏を熱くする青森のねぶた祭は、その華やかさや盛り上がりから見ても、知名度が全国区の祭りという中では十分に日本三大祭りとしての風格をもっていますが、ねぶた祭は主に「東北三大祭り」として広く認識されています。

徳島の阿波踊りも、国内最大規模の盆踊りとして大変有名な祭りで、その踊り子や観客の数は他の盆踊りから抜きん出たものとなっています。
また、徳島県や県人会の指導による県外での阿波踊りの普及も盛んなため全国で阿波踊りを目にすることができ、こちらも日本三大祭りとしての規模をもつと言えるでしょう。

徳島の阿波踊りは「日本三大盆踊り」そして「四国三大祭り」としても知られています。

<下に続く>

実はたくさんある三大祭り!日本の他には何があるの?

祭りには多様な側面があり、同時に多様な見方ができるということがわかったところで、ここではそれぞれの地方を代表するさまざまな三大祭りをご紹介します。
これまでご紹介してきた祭りも登場しますので是非チェックしてみてください。

  1. 東北三大祭り
  2. 東京・江戸三大祭り
  3. 京都三大祭り
  4. 大阪三大祭り
  5. 九州三大祭り

東北三大祭り

東北三大祭りは、青森のねぶた祭秋田の竿燈まつり仙台の七夕まつりです。
8月上旬に次々と開催され、東北の短い夏を熱く彩ります。

青森のねぶた祭は、たくさんの趣向をこらした迫力のあるねぶたが圧巻で、次々にやってくるねぶたから目を離すことができません。
お囃子や、「ラッセラー」という独特の調子の掛け声とともに踊り歩く跳人とともに街が熱く盛り上がります。

秋田の竿燈まつりは、提灯をたくさん下げた長さ12mほどの竿燈を差し手と呼ばれる職人たちが掲げ、さまざまな大技で華麗に操りながら練り歩きます。
竿燈は黄金の稲穂のように輝き、約280本ほどの竿燈が集まった様子は大変美しいものです。

仙台の七夕まつりは、伊達政宗の時代から続く伝統行事であった仙台七夕をもとに、昭和2年に地元の商家が豪華絢爛な七夕飾りを飾ったことが始まりとされ、七夕祭りとしては日本一のスケールを誇ります。
期間中は、仙台市の中心部や商店街がそれぞれに意匠をこらした華やかな七夕飾りで彩られます。

東京・江戸三大祭り

続いては、祭り好きの江戸っ子が盛り上げてきた江戸三大祭りのご紹介です。
日本三大祭りの一つにも掲げられる神田明神の神田祭日枝神社の山王祭は誰もが納得する江戸三大祭りとして知られています。

山王祭は、江戸城の鎮守として徳川家から崇敬された日枝神社の祭礼で、幕府と密接なつながりのあった神田明神の神田祭と同じように「天下祭」として大きく発展しました。
1681年から現在まで、神田祭と山王祭の本祭は一年ごとに交互に執行われています。

山王祭の本祭の年に行われる神幸祭では、豪華で格調の高い祭りの行列が23区をまたいで巡行します。
江戸三大祭りのもう一つの候補は、将軍家ゆかりの天下祭に対して、江戸の町人たちが中心となって形成されてきた、富岡八幡宮の深川八幡祭り浅草神社の三社祭で意見が分かれることが多いようです。

どちらの祭りも神輿の巡行が中心で、町人の祭りらしい豪快な神輿巡行をみることができます。

京都三大祭り

日本の古都京都では、平安時代から続く寺社仏閣とともに、1000年以上の時を経て発展してきた歴史ある祭りが数多く現存しています。
春は上加茂神社、下鴨神社の葵祭(賀茂祭)、夏は日本三大祭りにも掲げられる八坂神社の祇園祭、秋は平安神宮の時代祭と、古い都の香りを感じ、日本を形作ってきた歴史を肌で感じることができる、格調高く優雅な祭りが京都三大祭りの特徴です。

大阪三大祭り

大阪三大祭りは日本三大祭りに掲げられる大阪天満宮の天神祭を筆頭に、大阪の夏を彩る華やかな夏祭りがそろいます。
江戸時代から言い伝えられる「愛染さんで始まり住吉さんで締める」との言葉通り、浴衣姿のあでやかな愛染娘を乗せた宝恵駕籠の行列が見どころの愛染堂勝鬘院の愛染祭、力強く川の中を渡る御輿渡御が見どころの住吉大社の住吉祭が広く大阪三大祭りとして知られています。

また愛染祭は聖徳太子が始めた日本最古の夏祭りとして歴史のある祭りです。

九州三大祭り

九州三大祭りには、地域も意義も異なる三つの祭りがあげられます。
秋の収穫を祝う長崎長崎くんちは、長崎の地理的、歴史的要因から、ポルトガルやオランダ、中国の文化の影響を色濃く受けた異国調で迫力のある奉納踊が大変特徴的で、その舞は国の重要無形民俗文化財に指定されています。

熊本の八代神社の秋祭りである妙見祭も同じく重要無形民俗文化財に登録されています。
妙見祭の祭神である妙見神は北極星と北斗七星を神格化したもので、中国から亀蛇に乗って海を渡ってきた渡来神であると記録されており、古くから中国との海上貿易が盛んであった八代という地域性がここにも見てとることができます。

「玉せせり」とも称される福岡筥崎宮の玉取祭は毎年1月3日に行われる、その年の吉兆を占う正月行事です。
清められた重さ8㎏ほどの木の玉に触れると幸運が授かると言われ、氏子が二組に分かれて玉を奪い合い、豊作や豊漁を祈ります。

<下に続く>

【番外編】ヤマザキは現代の日本三大祭りの1つ?

ところで皆さんは現代の日本三大祭りというものをご存じでしょうか。
インターネット上では、東映まんが祭り花王ヘアケア祭りとともにヤマザキ春のパンまつりが国民的な「日本三大祭り」としてずいぶん前から盛り上がりをみせてきました。

ヤマザキ春のパンまつりは、毎年春に開催されるヤマザキの販売促進キャンペーンで、1981年に始まって以来現在まで途切れることなく続いている大人気のイベントです。
例年2月から4月に開催されるパン祭りは、北海道では春の訪れが遅いことを考慮して1ヶ月遅く設定されています。

指定されたヤマザキの商品を購入して点数シールを規定分集めると、景品の「白いお皿」をもらうことができます。
「白いお皿」は世界最大のガラス食器メーカーであるアルク・フランス社製で、毎年このためにデザインされ、毎年違ったお皿が提供されています。

一流レストランでも使用されている同社の「白いお皿」を手に入れることができる機会として、また暖かい季節の訪れとともにパンを持って出かける機会も増えるとして、ヤマザキ春のパンまつりは私たちの生活に根ざした国民的な祭りと言えるかもしれませんね。

<下に続く>

日本のさまざまな祭りに目を向けてみよう

古くから八百万の神々を信仰し風土を大切にする慣習がある日本には、土地に根づいた歴史ある祭りが地方ごとに数多く存在します。
その多くはユネスコの無形文化遺産や国の重要無形民俗文化財に指定されていることが多く、歴史的文化的価値の高いものとして世界に認められています。

便利で快適な暮らしが求められる現代ですが、地域と深くつながりのある祭りに目を向け、私たちが生きる時代を作り上げてきた歴史に目を向けてみるのも素敵なことかもしれません。

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