【日本三大の前に】鍾乳洞とは?
まず鍾乳洞とは何なのかですが、簡単に言うと石灰岩が雨水や地下水によって浸食されてできた洞窟を言います。水が地下に侵食する際に二酸化炭素を含み弱酸性となり、石灰岩を侵食していきます。
侵食速度は非常に遅く何万年という年月をかけて今のような巨大な鍾乳洞が形成されています。洞窟内には石灰を含んだ水が天井から垂れる際に石灰の成分だけが固まりできる鍾乳石や石筍(せきじゅん)と呼ばれるものがあるのが特徴です。
長い年月をかけて石灰岩を侵食し小さな洞窟ができ、それらがいくつか連結することでとても大きな鍾乳洞ができます。日本最大のもので全長10キロを超えるほどのものもあります。
鍾乳洞の内部は日光の影響を受けないため一年間の気温が安定しており真夏でも肌寒いような環境になっています。訪れる際は服装に気を付けた方がいいでしょう。
日本三大鍾乳洞①:山口県・秋芳洞
秋芳洞の読み方と見どころは?
まず読み方ですが「あきよしどう」と読みます。秋吉台国定公園の地下100メートルに広がる鍾乳洞で国の特別天然記念物にも指定されています。
日本最大級の鍾乳洞である秋芳洞ですが全長が10.7キロもあります。
その中で1キロメートルが観光ルートとして一般公開されていて約60分ほどで回ることができます。
また、観光ルートとは別に冒険コースも作られています。冒険コースは懐中電灯を持って梯子を登ったり、鍾乳石の間をくぐり抜けたりとちょっとしたケービングも体験できるアドベンチャーなコースです。
秋芳洞にはいくつも見どころがあります。
その中から秋芳洞の見どころを以下の三つ選びました。
- 百枚皿
- 傘づくし
- 黄金柱
一つずつ詳しく見ていきましょう。
百枚皿
秋芳洞を代表する名所で、国内国外からこれを目当てに訪れる観光客も多くいます。百枚皿は階段状に石が連なっており、いくつもの皿が重なりあっているように見えることからその名前が付きました。
流れ出る水に含まれる成分が沈積することでできた形状で、絶え間なく流れ落ちてくる水が百枚皿を形成しました。
入り口から近い場所にあるのでぜひチェックしてみてください。
傘づくし
天井から無数に垂れるつららのような鍾乳石が、天井から傘をぶら下げているように見えることからその名前がつきました。
大小様々な大きさの鍾乳石があり、それらは今でも成長を続けています。
傘づくしは洞窟内の一番広いエリアにあり開放的な空間に広がります。
黄金柱
傘づくしをさらに奥に進んでいくと現れるのがこの黄金柱です。
黄金柱は一つの鍾乳石ではなくいくつもの鍾乳石が重なり合い形成されたものです。
高さ約15メートル、幅約4メートルの巨大な柱は秋芳洞のシンボルでもあります。秋芳洞のチケットにも写真が使われているほどのスポットなのでぜひチェックしてみてください。
秋芳洞へのアクセス
秋芳洞には公共機関でアクセスするか車でアクセスするかのどちらかになります。公共機関は電車とバスを利用します。
電車の場合はJR山陽本線の「新山口駅」で降りてバスに乗り換えて、所要時間約45分の「秋芳洞バス停」で降りるとアクセスすることができます。美祢駅と東萩駅からもバスを利用してアクセスすることが可能です。
車の場合は、「美祢東ジャンクション」から小郡萩道路を経て「秋吉台インターチェンジ」で降りると所要時間約5分でアクセスすることができます。
秋芳洞周辺も観光するのであれば車が便利です。
秋芳洞
住所: 山口県美祢市秋芳町秋吉秋吉台
電話番号:0837-62-0115
営業時間:8:30~17:30 ※3月~11月 通常期
8:30~16:30 ※12月~2月 閑散期
定休日:無休
入場料や利用料:大人1200円
高校生1200円
中学生950円
小学生600円
URL:秋芳洞
日本三大鍾乳洞②:岩手県・龍泉洞
龍泉洞の読み方と見どころは?
次に紹介するのは岩手県にある龍泉洞(りゅうせんどう)です。
洞内にすむコウモリと共に国の天然記念物に指定されています。
現在発見されている全長4088メートルのうち約700メートルが観光ルートとして一般公開されています。なお、現在も調査を続けており今後も新たな鍾乳洞が発見される可能性があります。
龍泉洞にはいくつも見どころがあります。
龍泉洞の見どころを以下の三つ選びました。
- 百間廊下
- 地底湖
- 5種類のコウモリ
一つずつ詳しく見ていきましょう。
百間廊下
龍泉洞に入り奥に進むために通る通路が百間廊下です。
洞窟の奥に向かい直線的に続くこの廊下は昔、龍が通ったことでできたという逸話があります。
今のように道が整備されていない頃は、松明を持った若者が舟をこいで
洞窟の上流を目指すための出発地点となっていたそうです。
ここは仕事運のパワースポットとしても言われています。
地底湖
龍泉洞は現在八つの地底湖が発見されている水が豊かな鍾乳洞です。その中で一般公開されている地底湖は三つあります。
龍泉洞の地底湖は世界でも有数の水質を誇るもので青色に輝く湖はこの世のものとは思えないほどの美しさです。第一地底湖は35メートル、第二地底湖は38メートル、第三地底湖は98メートルとなっており、透き通るようなドラゴンブルーを体感できます。
第一地底湖には上からのぞき込むことができる展望台もあります。
そこからは地底湖の全貌を覗くことができます。
5種類のコウモリ
これは実際に見れるかわかりませんが龍泉洞には5種類のコウモリが生息しています。これは日本ではとても珍しく天然記念物になっています。
12月~3月の間にはガイドによる冬眠中のコウモリを観察する「コウモリうぉっちんぐ」も開催されているそうです。
龍泉洞へのアクセス
龍泉洞へのアクセスは車がおすすめです。
東北自動車道・盛岡IC~国道455号線~約2時間
東北自動車道・盛岡南IC~国道455号線~約2時間となっています。
またバスの場合は盛岡から岩泉(龍泉洞)で約2時間になります。しかし、本数が少ないためバスの利用を考えている方は気を付けてください。
龍泉洞
住所:岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉神成1番地
電話番号:0194-22-2566
営業時間:8:30~17:00(10~4月)
8:30~18:00(5月~9月)
定休日:無休
入場料や利用料:大人(高校生以上)1000円
小・中学生500円
URL:龍泉洞
日本三大鍾乳洞③:高知県・龍河洞
龍河洞の読み方と見どころは?
高知県の高知空港の北東に位置する龍河洞(りゅうがどう)は国の天然記念物に指定されている全長4キロの鍾乳洞になっています。一般公開されているコースは1キロメートルあります。
龍河洞は弥生時代に住居として使用していた形跡が確認されており、コース内で面影を見ることができます。
更に、龍河洞は史跡と地質百選にも選ばれており、学術的にも大きな意味を持つ鍾乳洞です。
他の二つの鍾乳洞に比べて内部は狭い箇所があったり、全体を通して高低差が大きいので冒険気分が味わえます。内部を観覧するコースには二種類あり、一般コースを見る観光コースと、さらに冒険的な体験ができる冒険コースがあります。
冒険コースでは専属のガイドと一緒に、地面を這って鍾乳洞の隙間を進んだり、真っ暗闇の中をライトを持ちながら進んだりと本格的なケイビングを体験できるコースです。
入り口でつなぎや長靴など道具をレンタルできるので手ぶらでも安心して参加できます。
龍河洞にはいくつも見どころがあります。
その中から龍河洞の見どころを以下の三つ選びました。
- 記念の滝
- 天降石
- 神の壺
それではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
記念の滝
記念の滝は龍河洞内部にある落差11メートルの滝で、昭和6年にこの奥に奥洞が発見されたことを記念し名づけられました。龍河洞内部には地下水による滝が多く存在し、地上で見られるような滝つぼも存在します。
記念の滝は、滝つぼを下からライトアップされていてとても幻想的な風景が広がります。ぜひチェックしてください。
天降石
天降石は龍河洞内部で最大の規模を誇る石柱です。高さが11メートルあり最も迫力のあるスポットになっています。
天降石の横には絞り幕と呼ばれる鍾乳石があり二つとも独特の形をしており歴史を感じる鍾乳石です。
神の壺
コース終盤にある弥生時代の住居跡にある神の壺は、龍河洞のシンボルでもあります。2000年の時を経て鍾乳石と一体化した壺は学術的にも大切な資料となっています。
神の壺のほかに昭和12年より神の壺を再現しようと実験的に置かれている壺もありこちらは80年の年月をかけてもやや鍾乳石と一体化している程度です。
龍河洞へのアクセス
公共機関を利用しても、車でもアクセスすることができます。
公共機関の場合は土佐山田駅からとさでん交通バスで20分ほどで行くことができます。
車の場合は南国インターチェンジから25分、高知空港から15分ほどでアクセス可能です。
龍河洞
住所:高知県香美市土佐山田町逆川1424
電話番号:0887-53-2144
営業時間:8:30~17:00
定休日:無休
入場料や利用料:大人 1100円
中学生 700円
小学生 550円
(冒険コースは別途料金有)
URL:龍河洞
三大だけじゃない?日本六大鍾乳洞!
福島県・あぶくま洞
福島県にある、あぶく洞は、8000万年かけてできた鍾乳洞で全長約600メートルあります。洞内で最大のホール「滝根御殿」では、クリスタルカーテンやボックスワーク、シールド、洞穴サンゴなど、ほかでは見れない鍾乳石を鑑賞することができます。
あぶくま洞
住所:福島県田村市滝根町菅谷東釜山1番地
電話番号:0247-78-2125
営業時間:8:30~17:00
定休日:無休
入場料や利用料:一般 1200円
中学生 800円
小学生600円
URL:あぶくま洞
沖縄県・玉泉洞
沖縄にある玉泉洞は国内最大級の全長5000メートル、鍾乳石の数は100万本以上で国内最多となる沖縄を代表するスポットです。
鍾乳洞内は様々なライトアップされた鍾乳石や滝なども見ることができます。
おきなわワールド文化王国内にあり他の観光スポットも一緒に回ることもできるます。
玉泉洞
住所:沖縄県南城市玉城前川1336番地
電話番号:098-949-7421
営業時間:AM9:00〜PM18:00
定休日:無休
URL:おきなわワールド
熊本県・球泉洞
1973年(昭和48年)3月に発見された全長4.8キロの鍾乳洞で九州最大の鍾乳洞になります。
見学コースには体験コースがあり、地下200メートルを探検することができます。
地底には氷のように冷たく澄んだ地下水が流れ大自然を体感することができます。
球泉洞は恋人の聖地プロジェクトのシンボルに指定されたハート型の石もあり探検コース内で見ることができます。
球泉洞
住所:熊本県球磨郡球磨村大瀬1121
電話番号:0966-32-0080
営業時間:4・5・6月:8:30~18:00
7・8月:8:30~18:30
9・10月:8:30~18:00
11・12・1・2・3月:8:30~17:00
定休日:無休
入場料や利用料:大人(高校生以上) 1,100円
中学生 800円
小学生 600円
幼児・3歳以上 450円
URL:球泉洞
【番外編】世界三大鍾乳洞ってあるの?
世界三大鍾乳洞という表し方は明記されていませんが、世界でも最大級といわれているのが
- ムル(マレーシア)
- ポストイナ(スロベニア)
- カールズバッド(アメリカ)
の三つがあります。
規模としてはムルが約300キロメートルという驚きのサイズの鍾乳洞です。内部は日本の鍾乳洞のような洞窟というよりは、大きな広場が続いているような開けた空間が多いようです。
ポストイナ鍾乳洞では内部でトロッコにのることができアトラクションのように楽しむことができます。
また、アップダウンも少なく気軽に訪れることができるようです。
ガールズバッドはにはビックルームと呼ばれる空間があり、なんとアメリカンフットボールのコートが14面分の広場があります。鍾乳洞とセットでコウモリの大群も有名で夕方になると30万~40万のコウモリをみることができます。
日本から鍾乳洞の観光をメインにしているツアーもあるので機会があればぜひチェックしてみてください。
日本三大鍾乳洞で地底の冒険を
想像がつかないほどの長い時間をかけて作られる鍾乳洞。日本国内にも数多く存在し、一つひとつに特徴があります。
今回紹介した鍾乳洞は特徴が色濃く表れた様々な見どころのある鍾乳洞になります。
ガイドのつくツアーやケイビングが楽しめる鍾乳洞もあるのでぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。