田植えの時期はいつからいつまで?
田植えの時期は地域によって異なり、4~6月頃に行うのが一般的です。
なかには8月頃に田植えをする地域もありますが、なぜ春頃に行うことが多いのでしょうか、また時期に幅があるのでしょうか。
その理由としては、以下のようなものがあります。
- 田植えに適した気温があるから
- 田植え後にも成長に適した気温があるから
- 二期作・二毛作をするから
稲は15度以上の気温でないと成長しませんので、田植えも15度以上の時期に行うのが基本となります。
また、田植え時だけ15度を超えていればいい、というわけではなく、収穫時期まで15度を下回らない季節を選ぶことになるでしょう。
そのため、田植え時に15度を超えていても、冬には15度を下回ることが予想されるので、例えば秋に田植えをすることは基本的に不可能となります。
また、比較的温暖な地域においては、早くから田植え条件を満たし、成長スピードや収穫時期も早くなるので、田植え前に別の作物を育てたり(二期作)、田植えを二回したり(二毛作)するため、2回目の田植えは遅くなる傾向にあります。
これらが田植え時期に幅を持たせ、また他の季節ではなく春頃に田植えをする理由といえるでしょう。
地域別の田植え時期
それでは、地域別の田植え時期を詳しく見ていきましょう。
各表は、平成25年から29年における耕種期日の最盛期(最も田植えが行われた日)と、5年間の中で耕種期日の最盛期が最も早い日、最も遅い日を表しています。
北海道地方
H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | 最早 | 最遅 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
北海道 | 5.29 | 5.26 | 5.24 | 5.24 | 5.24 | 5.24 | 5.29 |
北海道地方は、毎年5月下旬を中心に行われています。
北海道地方は、田植えの時期が安定している地域といえます。
東北地方
H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | 最早 | 最遅 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
青森 | 5.24 | 5.20 | 5.20 | 5.21 | 5.20 | 5.20 | 5.24 |
岩手 | 5.19 | 5.17 | 5.15 | 5.17 | 5.17 | 5.15 | 5.19 |
宮城 | 5.12 | 5.11 | 5.10 | 5.11 | 5.11 | 5.10 | 5.12 |
秋田 | 5.24 | 5.22 | 5.21 | 5.21 | 5.22 | 5.21 | 5.24 |
山形 | 5,21 | 5.18 | 5.18 | 5.18 | 5.18 | 5.18 | 5.21 |
福島 | 5.18 | 5.17 | 5.16 | 5.16 | 5.17 | 5.16 | 5.18 |
毎年5月中旬から下旬を中心に行われており、東北地方は、田植えの時期が比較的安定している地域といえるでしょう。
関東地方
H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | 最早 | 最遅 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
茨城 | 5. 6 | 5. 6 | 5. 6 | 5. 6 | 5. 5 | 5.5 | 5.6 |
栃木 | 5. 7 | 5. 6 | 5. 6 | 5. 6 | 5. 6 | 5.6 | 5.7 |
群馬 | 6.14 | 6.16 | 6.12 | 6.13 | 6.14 | 6.12 | 6.16 |
埼玉 | 5.22 | 5.23 | 5.22 | 5.21 | 5.22 | 5.21 | 5.23 |
千葉 | 4.28 | 4.28 | 4.27 | 4.27 | 4.29 | 4.27 | 4.29 |
東京 | 6.16 | 6. 8 | 6.13 | 6.13 | 6.11 | 6.8 | 6.16 |
神奈川 | 6. 1 | 6. 1 | 6. 1 | 6. 1 | 6. 2 | 6.1 | 6.2 |
千葉県は4月下旬、神奈川県・群馬県・東京都は6月上旬から中旬、茨城県・栃木県は5月上旬を中心に田植えが行われています。
関東地方は、田植えの時期にバラツキがある地域といえるのではないでしょうか。
北陸地方
H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | 最早 | 最遅 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
新潟 | 5.12 | 5.10 | 5.10 | 5. 9 | 5.10 | 5.9 | 5.12 |
富山 | 5.12 | 5.11 | 5.10 | 5.12 | 5.12 | 5.10 | 5.12 |
石川 | 5. 5 | 5. 5 | 5. 4 | 5. 4 | 5. 5 | 5.4 | 5.5 |
福井 | 5.16 | 5.16 | 5.15 | 5.16 | 5.14 | 5.14 | 5.16 |
毎年5月上旬から中旬に行われており、北陸地方は、田植えの時期が比較的安定している地域といえるでしょう。
中部地方
H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | 最早 | 最遅 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
山梨 | 5.30 | 5.30 | 5.28 | 5.27 | 5.28 | 5.27 | 5.30 |
長野 | 5.22 | 5.23 | 5.22 | 5.22 | 5.22 | 5.22 | 5.23 |
岐阜 | 5.27 | 5.27 | 5.27 | 5.27 | 5.28 | 5.27 | 5.28 |
静岡 | 5.20 | 5.21 | 5.19 | 5.18 | 5.19 | 5.18 | 5.21 |
愛知 | 5.23 | 5.24 | 5.23 | 5.23 | 5.23 | 5.23 | 5.24 |
毎年5月中旬から下旬に行われており、中部地方は、田植えの時期が比較的安定している地域といえます。
近畿地方
H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | 最早 | 最遅 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
三重 | 5. 2 | 5. 2 | 5. 1 | 4.30 | 5. 1 | 4.30 | 5.2 |
滋賀 | 5.10 | 5. 9 | 5. 9 | 5. 9 | 5. 9 | 5.9 | 5.10 |
京都 | 5.23 | 5.24 | 5.22 | 5.23 | 5.21 | 5.21 | 5.24 |
大阪 | 6. 9 | 6. 7 | 6. 7 | 6. 8 | 6. 8 | 6.7 | 6.9 |
兵庫 | 6. 4 | 6. 4 | 6. 4 | 6. 3 | 6. 3 | 6.3 | 6.4 |
奈良 | 6. 8 | 6. 8 | 6. 8 | 6. 8 | 6. 8 | 6.8 | 6.8 |
和歌山 | 6. 4 | 6. 4 | 6. 3 | 6. 3 | 6. 4 | 6.3 | 6.4 |
三重県・滋賀県は4月下旬から5月上旬、京都府は5月下旬、大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県は6月上旬に行われています。
近畿地方は、田植えの時期にバラツキがある地域といえるのではないでしょうか。
中国地方
H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | 最早 | 最遅 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
鳥取 | 5.26 | 5.25 | 5.25 | 5.25 | 5.24 | 5.24 | 5.26 |
島根 | 5.15 | 5.14 | 5.13 | 5.13 | 5.15 | 5.13 | 5.15 |
岡山 | 6. 9 | 6. 7 | 6. 7 | 6. 8 | 6. 7 | 6.7 | 6.9 |
広島 | 5.18 | 5.18 | 5.18 | 5.18 | 5.18 | 5.18 | 5.18 |
山口 | 5.30 | 5.31 | 5.31 | 6. 2 | 6. 2 | 5.30 | 6.2 |
毎年5月中旬から6月上旬に行われており、中国地方は、田植えの時期が比較的安定している地域といえます。
四国地方
H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | 最早 | 最遅 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
徳島 | 5.22 | 5.22 | 5.23 | 5.22 | 5.23 | 5.22 | 5.23 |
香川 | 6.15 | 6.14 | 6.14 | 6.14 | 6.15 | 6.14 | 6.15 |
愛媛 | 6. 2 | 6. 2 | 6. 1 | 6. 2 | 6. 1 | 6.1 | 6.2 |
高知 | 5.26 | 5.28 | 5.25 | 5.25 | 5.27 | 5.25 | 5.28 |
毎年5月下旬から6月中旬に行われており、四国地方は、田植えの時期が比較的安定している地域といえるでしょう。
ちなみに徳島県と高知県のデータは、早期栽培ではなく普通栽培のデータを使用しています。
九州・沖縄地方
H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | 最早 | 最遅 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
福岡 | 6.16 | 6.17 | 6.17 | 6.16 | 6.17 | 6.16 | 6.17 |
佐賀 | 6.19 | 6.20 | 6.19 | 6.19 | 6.19 | 6.19 | 6.20 |
長崎 | 6.15 | 6.15 | 6.14 | 6.13 | 6.16 | 6.13 | 6.16 |
熊本 | 6.13 | 6.14 | 6.14 | 6.17 | 6.14 | 6.13 | 6.17 |
大分 | 6.13 | 6.13 | 6.13 | 6.13 | 6.13 | 6.13 | 6.13 |
宮崎 | 6.15 | 6.16 | 6.15 | 6.14 | 6.15 | 6.14 | 6.16 |
鹿児島 | 6.21 | 6.21 | 6.21 | 6.20 | 6.22 | 6.20 | 6.22 |
沖縄 | 8.10 | 8.13 | 8. 9 | 8.18 | 8.18 | 8.9 | 8.18 |
沖縄を除くと、毎年6月中旬から6月下旬に行われており、九州地方は、田植えの時期が比較的安定している地域といえます。
しかし沖縄は8月上旬から中旬に行われており、九州・沖縄地方で考えると、田植えの時期にバラツキのある地域といえるでしょう。
ちなみに宮崎県と鹿児島県のデータは、早期栽培ではなく普通栽培のデータを使用しており、沖縄県に関しては、第一期ではなく第二期のデータを使用しています。
お米の種類による田植えの時期
ここからは、お米の種類別に田植えの時期を見ていきましょう。
以下の有名な3種類をご紹介します。
- あきたこまち
- ひとめぼれ
- コシヒカリ
お米の種類による田植えの時期①:あきたこまち
あきたこまちは、名前にも入っている秋田県・岩手県・茨城県を中心に東北産が多いです。
先ほどのデータから、秋田県は5月下旬、岩手県は5月中旬、茨城県は5月上旬を中心に田植えを行っているので、あきたこまちは5月中に田植えを行うお米といえます。
お米の種類による田植えの時期②:ひとめぼれ
ひとめぼれは、宮城県・岩手県・福島県を中心に東北産が多いです。
先ほどのデータから、宮城県は5月上旬から中旬、岩手県は5月中旬、福島県は5月中旬を中心に田植えを行っているので、ひとめぼれは5月上旬から中旬に田植えを行うお米といえるでしょう。
お米の種類による田植えの時期③:コシヒカリ
コシヒカリは、新潟県・茨城県・栃木県を中心に北陸産・関東産が多いです。
先ほどのデータから、新潟県は5月上旬から中旬、茨城県は5月上旬、栃木県も5月上旬を中心に田植えを行っているので、コシヒカリは、5月上旬から中旬に田植えを行うお米といえます。
以上3種類を見てきましたが、他地域でも栽培されていますし、各農家によっても栽培時期は変化すると思うので注意してください。
なんでコシヒカリが人気なの?
コシヒカリが人気の理由:全国各地で田植えができる
コシヒカリの人気について、全国各地で栽培可能な特徴に着目して見ていきましょう。
理由を簡単に説明しますと、コシヒカリは全国で栽培されているため競争が特に激しく、各農家が工夫を重ね続けた結果、品質がドンドンと向上していったのです。
一部地域でしか栽培されていない種類は、競争意識が生まれにくいので、各農家は現状に満足しがちだと思います。
一方で、コシヒカリは全国で栽培されており競争が激しく、肥料の与え方や栽培手順を工夫するなど、農家の人達が品質の向上に心血を注いでいるので、大勢の人から支持されるのでしょう。
コシヒカリが人気の理由:お米の味
コシヒカリの人気について、次はお米自体に着目して見ていきましょう。
理由については、以下のようなものがあります。
- お米自体が濃い味でおいしい
- 濃い味付けの料理と合う
先ほども見てきたように、コシヒカリは農家の方が品質を向上させようと試行錯誤をしてきたので、硬すぎず柔らかすぎず、粘りや旨味もあり、お米だけ食べても美味しいと感じるでしょう。
お米自体の味としては、比較的濃い目となっています。
そして、基本的にコシヒカリは大体のオカズと合いますが、中でも濃い味付けの料理に最適でしょう。
コシヒカリも濃い味なので、一緒に食べても料理の味に負けず、お米自体を味わうことが可能なためです。
一方で、お米そのものを調理するチャーハンなどには、特徴である粘りが邪魔をするのでオススメできません。
濃い味付けの料理に適した米をお探しの方は、コシヒカリがオススメですよ。
田植えの時期が決まる条件は?
田植えの条件としては、以下が挙げられます。
- 収穫日まで15度以上の気温が見込める
- 代搔きが完了している
先ほども説明しましたが、稲は15度以上の気温でないと成長しませんので、収穫まで15度以上が望める季節、例えば春頃に田植えを行うのが良いでしょう。
代搔きとは、田の表面に肥料をまき水を入れた状態にして、土を細かく砕き、表面を平らにする作業のことです。
これを行うことで、苗の成長が良くなったり、雑草が生えにくくなったりするので、お米の栽培を成功させるには必須の作業といえるでしょう。
関東近郊で田植えが体験できるスポット3選
次は、田植え体験が可能なスポットを見ていきましょう。
都内近郊では、以下のスポットがあります。
都内近郊で田植えが体験できるスポット①:石坂ファームハウス
石坂ファームハウスでは、田植えだけでなく、稲刈り、ワラ細工、収穫したもち米を使用した餅つきが体験可能です。
ブルーベリー摘みなどのイベントもあり、田植えを皮切りに、様々な農業体験をしたい人にはオススメのスポットといえるでしょう。
また、ジャガイモとゴマのオーナー募集も行っているので、興味のある方は公式サイトの方をご覧ください。
石坂ファームハウス
住所:〒191-0033 東京都日野市百草671
電話番号:042-591-6477
営業時間:不明
定休日:田植え体験は5,6月辺りに行われる
入場料や利用料:田植え体験は5,000円
URL:公式サイト
足立区都市農業公園
家族で田植えを体験することが可能です。
他にも野菜収穫の体験など、農業に関するイベントが毎週開かれていることは、大きな魅力ではないでしょうか。
農業体験だけでなく、ランタンを作成したり、けん玉・折り紙で遊んだりと、子供の楽しめるイベントが多数あり、親子で参加するのにオススメなスポットですので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
足立区都市農業公園
住所:〒123-0864 東京都足立区鹿浜2丁目44−1
電話番号:03-3853-4114
営業時間:9:00~18:00(5~8月)、9:00~17:00(その他)
定休日:田植え体験は5,6月辺りに行われる
入場料や利用料:田植え体験は1,000円以下
URL:公式サイト
夕やけ小やけふれあいの里
田植えはもちろんのこと、どんど焼き、みそ作り体験、川にいる昆虫探し、アジサイ散策など、貴重な体験をしたり、自然と触れ合ったりすることが可能です。
毎月何らかのイベントが開催されているので、興味のあるイベントはないか、公式サイトよりチェックしてみてください。
夕やけ小やけふれあいの里
住所:〒192-0156 東京都八王子市上恩方町2030
電話番号:042-652-3072
営業時間:9:00~16:00(11月~3月)、9:00~16:30(4月~10月)
定休日:田植え体験は5,6月辺りに行われる
入場料や利用料:入場料は大人200円、中学生以下100円、4歳未満無料
URL:公式サイト
関東近郊で子供と田植え体験ツアー10選【田植えの仕方|服装|準備物】田植え体験とは? 田植えとは、ビニールハウスなどで育てた稲の苗を、田に植え替えることをいいま...
実際に田植え体験をしてみよう!
田植えの時期を中心に、お米の種類や田植えを体験できるスポットについて見てきました。
田植えに関する知識が多少は深まったと思いますので、今回ご紹介したスポットに足を運び、実際に体験してみてはどうでしょうか。