東京の方言の特徴は?東京弁以外にも種類がある?
東京の方言(東京弁)の特徴
- 標準語と勘違いされやすい。
- 発音やイントネーション、語尾が特徴的
1.標準語と勘違いされやすい
さて、導入でもお話しさせていただきましたが、東京弁というのは標準語じゃないのかという疑問ですが、実は違うんです。
それに加えて、東京弁と東京方言というのもなんとまた別のものなんですよ。
東京方言というのは東京で話されている言葉を指します。
そして東京方言の中には大きく分けて「山の手言葉」「江戸言葉」の二つに分けられます。
「山ノ手言葉」というのは、今の共通語の元となっている言葉です。
「江戸言葉」というのは別名「下町言葉」とも言いまして、徳川家康の時代から発展した言葉です。
徳川家康の入場に伴い、様々な地域から人が集まり各地の方言が混ざり合ってできました。
そして「江戸言葉」のことを指して「東京弁」といいます。
2.発音やイントネーション、語尾が特徴的
標準語に似通っている東京方言ではありますが、それでもやっぱり独特の発音やイントネーション、語尾というのはあります。
順をを追って説明させていただきますね。
なかでも有名とされているのは「ひ」が言えずに「し」に訛ってしまうというものです(例:「東」→「しがし」)。
ほかには発音のイントネーションが英語の疑問文のように語尾が上がります。例として挙げると「クラブ」は東京ではラブのほうにアクセントが来ますが、本来標準語ではクの方にアクセントが来ます。
東京弁は語尾につきましても特徴的で、中にはこれって東京弁なのって思うようなものまでありますよ。
- 「~じゃん」
- 「~づらい(例:歩きづらい)」
- 「~だべ」
- 「~わ」「~わよ」
「~じゃん」や「~づらい」なんて皆さんもよく使うんじゃないでしょうか。
「~じゃん」は「~だよね」という意味で使われます。
一つ、注意として「~じゃん」は他県の方からは嫌いな方言として挙げられていたり、若者言葉としてみなされています。
ですから、時と場合を考えて使うことを控えるのも大事ですよ。
逆に「~だべ」が東京弁と聞くとちょっとイメージと違うような気がしませんか。
「~だよ」と同じ使い方をします。
東京だけではなく、関東エリア東北、北海道、東日本各地域で使われる語尾なんです。
「~わ」「~わよ」なんて方言語じゃなくて女言葉なんじゃないのかって思う方もいるでしょうね。
上品な印象を持たすことができるそうなので、皆さんもぜひ使ってみてはどうでしょうか。
さて、ここまで東京方言・東京弁の発音・アクセント・語尾について紹介させていただきましたが、東京にも東京独特の話し方があります。
意外だったかもしれませんね。
東京の方言(東京弁)の種類
上でも説明させていただきましたが、東京方言には大きく二つに分けて「山ノ手言葉」「江戸言葉」があります。
そして最近新しく台頭してきた「首都圏方言」なんていうのもあります。
「首都圏方言」東京やベッドタウンで派生してきた共通語を素にした方言です。
それにさらに加えていくつか方言があるみたいです。
意外にも東京は方言の種類が豊富なんです。
- 多摩弁
- 小笠原方言
- 八丈方言
- 北部伊豆諸島方言
などなどの方言がありますよ。
東京都民がよく使う東京弁の定番フレーズ12選
- かたす
- しょっぱな
- ぺっちゃんこ
- しゃしゃる
- 乗っかる
- ウザい
- マジ
- あんまり
- 「~さ」
- しょっぱい
- でかい
- だべる
- いかさま
- 「おっ~」
- すげー
①:かたす
「片す」と書いて片づけるという意味ですが主に関東から東日本において広く使われます。
片づけるを砕けて言う言葉かと思われるかもしれませんが、れっきとした東京方言です。
ですから関西の方に使っても通じないそうですよ。
②:しょっぱな
物事のはじめ、出だしを意味します。
「初っ端」と書きます。
今でもよく使う言葉ですが、この言葉ができたのは江戸時代です。
江戸時代からずっと使われて今でもよく使うなんてすごい言葉ですよね。
③:ぺっちゃんこ
押しつぶされて平らになることを意味します。
音の響きがかわいらしいですよね。
東京弁の中には「っ」をいれることでアクセントを前に持ってきてリズムをよくするという東京弁があるんです。
他に例を挙げますと「ちっちゃい」「ありったけ」などが挙げられます。
④:しゃしゃる
出しゃばるとか目立つという意味ですが、調子に乗ってんじゃーねーよってニュアンスが強いでしょうか。
悪目立ちをした相手に啖呵を切るときに使う言葉です。
しゃしゃり出るから派生してできた言葉ですが、今現在ではしゃしゃるの方が使いますよね。
⑤:乗っかる
何かものの上に乗るときに使います。
本の上に乗っかるや、椅子の上に乗っかるというと分かりやすいでしょうか。
文字にするとわかりやすいですが、普段話しているときに乗っかるというと通じない時があるみたいですよ。
ちなみに、電車や乗り物に乗るという意味では乗っかるは使えないようです。
自転車に乗っかるはダメで、自転車の荷台に乗っかるはOKって考えるとわかりやすいかもしれませんね。
⑥:ウザい
共通語のように思いますが、東京でうまれた東京方言です。
意味としては、うっとうしいですが、昨今ではもっとカジュアルに悪口として使われていますよね。
「うっざ」とぺっちゃんこで紹介させていただいた「っ」をいれて省略をする東京方言なんかもありますよ。
⑦:マジ
本気と書いてマジと読みます。
方言ではなく若者言葉なのではと思う方もいらっしゃるとは思うのですが、方言です。
若い人は良く使いますから、きっと意外だったんじゃないでしょうか。
⑧:あんまり
あんまりは、そのまんまあまりという意味ですが、あんまりは文章で書くことが少ないです。
あんまりおいしくないなあって言いますけど、文章ではあまりおいしくないって書きますよね。
多くは、話すときにあんまりと言います。
発音は「ん」を強調します。
⑨:「~さ」
これだけですと分かり辛いので例を挙げますね。
- あのさ
- 実はさ
- 私はさ
特に意味はないのですが、切り出しにくいことを告げるときなどによく使われます。
標準語のように思いますが、れっきとした方言、東京方言なんです。
⑩:しょっぱい
塩辛いという意味の言葉ですが、皆さんもよく日常で使うんじゃないでしょうか。
れっきとした東京方言なんです。
関西地方では、塩辛いという意味で「からい」と言うので、一緒にご飯に行ったときなんかはこんがらがっちゃうかもしれませんね。
⑪:でかい
標準語じゃないのとおもうかもしれませんが、「でかい」は東京で生まれた言葉です。
よく耳にしますし、口にすることも多いんじゃないでしょうか?
でもれっきとした方言なんです。
⑫:だべる
おしゃべりをするという意味です。友好的な関係で気楽におしゃべりをするというニュアンスが強いですね。
明治のころに関東で広まった言葉で、ですから地方では伝わらない言葉なんですよ。
⑬:いかさま
詐欺やずるを意味する言葉ですが、もっぱらギャンブルの不正での場面で使われている印象があるんじゃないでしょうか。
実は、これも東京方言なんです。
青年漫画をよく読んでいる方にはなじみ深い単語かもしれませんね。
⑭:「おっ~」
これだけではいまいちよくわかりにくいと思いますので例を挙げますね。
- おっぱじめる
- おっこちる
- おっかける
- おっかない
意味は特にないようなのですが、言葉の最初につけることでおちゃめな雰囲気を出すことができます。
「おっ」をつけることができる言葉は限られているので、例に挙げさせていただいた言葉以外にも調べてみると面白いかもしれませんね。
⑮:すげー
もう共通語じゃないのってレベルでよく使われますよね。
意味はもちろん「すごい」という意味ですが、実は東京弁なんです。
アニメや漫画でもよく使われているため、外国の方にも通じるぐらいメジャーな東京弁です。
クールジャパンさすがですね。
東京方言・東京弁の中でも皆さん日常でよく使ってるだろうなあというフレーズを選んで紹介させていただきました
皆さんが共通語のように普段使ってる言葉の中にも、方言があると知ってもらえたら幸いです。。
東京都民が思わず使っちゃう東京弁の面白フレーズ5選!
- かたじけない
- 水菓子
- あんだって
- てやんでえ
- お天道様
①:かたじけない
「かたじけない」というのはありがたい、申し訳ないという意味です。
時代劇を見ていたらよく耳にする言葉ですが、現在だと口にすることは、友達同士でちょっとふざけながらぐらいになってしまうと思います。
こちらは「江戸言葉」に分類される江戸の下町で話されていた言葉です。
ありがたい、申し訳ないという意味なので、返事は「どういたしまして」が最適です。
②:水菓子
羊羹やゼリー、わらび餅のことかと思いきや、果物のことを指して、水菓子といいます。
ちょっとおしゃれな言い方ですよね。
本来は江戸時代の言葉で、その頃はフルーツはとても高級品でした。
最近では、誤用が広がって上で挙げた羊羹などのことを水菓子と呼んでもいいみたいです。
③:あんだって
なんだってが訛った、かわいい東京方言です。
何を言っているのか聞き取れなかったり、どういう意味? って尋ねるときに使います。
東京方言では「な」が「あ」になまってしまうことがあり、あんだってもそれにあたります。
少々きつめの言葉に聞こえてしまうかもしれませんが、そういう所も含めてかわいらしい東京方言です。
④:てやんでえ
てやんでえって言われてもすぐにはピンとくる人は少ないんじゃないでしょうか。
時代劇で怒っている人が言ってたりするのを聞いたりはするなあって人がほとんどだと思います。
「てやんでえ」はいい加減にしろという意味で江戸時代の下町言葉です。
いざ使われてしまうとちょっと対処に困っちゃうかもしれませんね。
⑤:お天道様
子供を叱るときにお天道様が見てるから悪いことはしちゃいけないって言いますよね。
そのお天道様は、実は東京弁なんです。
お天道様は太陽のことですが、特に敬意や親しみを込める際に使われたり、神格化したしたものとして扱うときに使われる言葉です。
普段は使わない言葉ですけど、お天道様が見てるって感覚は忘れないようにしたいものですね。
ちょっと江戸っ子っぽい気分になれるような東京方言・東京弁を集めて紹介させていただきました。
皆さんも友達の間で使って粋な会話を楽しんでみてください。
【番外編】東京弁で言われたい!グッとくる告白フレーズ5選
- ごきげんよう
- 大好き
- あそばす
- 「~してくださいな」
- 好きになっちゃったわ
①:ごきげんよう
「ごきげんよう」は女性の方が丁寧にあいさつをするときの言葉ですね。
東京方言の中では「山ノ手言葉」に分類されます。
いまでは普段耳にしないですが、お嬢様学校では使われてるイメージがあります。
だからこそ、気になる人に不意打ちのように使われたら男の子はギャップを感じてしまうかもしれませんね。
②:大好き。
告白に余計なものは要らないのかもしれませんね。
語りすぎず、ダイレクトに好意を伝えられるこの言葉が一番告白には最適かもしれません。
③:あそばす
あそばすは「山ノ手言葉」で尊敬語の一種です。
あそばすをつけた「あそばせ言葉」というものがあります。
「いらっしゃい」との代わりに「おいであそばせ」と言ったり「失礼しました」の代わりに「ごめんあそばせ」というと上品な印象を与えられてよいかもしれませんね。
古風な凛としたたたずまいをしたい時なんかにもいいかもしれません。
④:~してくださいな
子供っぽくなってしまうかもしれませんが、頼みごとをする際に「~してくださいな」というと、物腰の柔らかな印象を与えることができます。
皆さんも、気になる人に「~してくださいな」とお願いすることで甘えてみたりすると、そのギャップに男の子はキュンとしちゃうかもしれませんよ。
⑤:好きになっちゃったわ
最初の方で紹介させていただいた「わ」「わよ~」の語尾を使った告白フレーズです。
先ほどの大好きのように、自然な流れで飾らずに好意を告げられるといいかもしれませんね。
先ほどは、「江戸言葉」を中心に紹介させていただいたので、こちらは「山ノ手言葉」を中心に紹介させていただきました。
「山ノ手言葉」は敬語表現がとても発達しています。
告白する際は、「山ノ手言葉」を使ってお上品に攻めてみるのもいいかもしれませんね。
【番外編】東京都出身の芸能人や東京で撮影された東京弁の映画やドラマ
様々な映画やドラマが東京都を舞台に撮影されています。
標準語と区別がつきにくいのが東京方言の特徴でもありますので、地方から来た方でも自然と喋れてしまうのが東京方言・東京弁です。
ですから、今日、テレビをつけていれば東京方言や東京弁を聞かないことはないといっても過言ではありません。
江戸言葉を使った映画ですと「男はつらいよ」が挙げられます。
下町を舞台にした映画で、江戸言葉を学びたい時は是非ご覧になってみてください。
ほかには江戸時代からの言葉ですので、時代劇を見るのも参考になっていいかもしれませんよ。
東京の方言は何種類?東京弁の特徴や定番フレーズを紹介!【かわいい/告白フレーズ/映画やドラマ】まとめ
これまで東京方言・東京弁についてご紹介させていただきました。
東京方言・東京弁は日常に広く浸透しています。
ここで紹介させていただいた東京方言・東京弁以外にも、数多くの東京方言・東京弁があります。
たまには、何の気なしにいま話している言葉は、共通語じゃなくて東京方言や東京弁なのかもしれないって勉強してみるのも楽しいかもしれませんよ。