富山の方言の特徴は?富山弁以外にも種類がある?
富山方言(富山弁)は、かわいくて面白いフレーズがたくさんあります。
標準語と真逆の意味になるという特徴があるため、何かと誤解をされやすい方言でもあります。
かわいくも独特の富山方言のフレーズは、標準語の意味と反対になるため、聞いてみると全く相手に伝わっていなかったということがあるようです。
意味を知ると驚いてしまうフレーズもある面白い富山方言(富山弁)。
かわいくて人気がありくすっと笑えますが、公の場面では困ることも多いよう。
富山出身の方は県外にでると、富山方言(富山弁)が抜けるまで辛い思いをすることも多いようです。
それでもかわいくてつい助けてあげたくなるのが富山方言(富山弁)のようです。
富山の方言(富山弁)の特徴
富山の方言は語尾が変化していきます。
語尾が「するちゃ」や「~するけ?」に変っていくのが富山方言(富山弁)です。
また、「なーん」のようにのびたり語尾を(ねえええ)のようにのばす特徴のあるかわいく聞こえる方言。
語尾が揺れてのびるとはたとえば、富山方言では「かわいいね」が「かわええねええ」となり、イントネーションがのびる風になります。
富山の方言の「なーん」はインパクトがありますが、他にもかわいくて面白い方言があります。
富山の方言(富山弁)の種類
富山弁の種類は一つで富山県で同じ方言が話されています。
富山の地域によってイントネーションなどの多少の差はありますが、県内でどこにいっても同じ富山弁です。
それでは、これからくわしく富山方言(富山弁)の定番フレーズをみていきましょう。
富山県民がよく使う富山弁の定番フレーズ12選
①:~け?
富山弁で「今年は旅行にいくけ?」という時があります。
これは標準語で(ことしは旅行にいくの?)という意味です。
富山弁では、「~け?」を語尾につけて質問をするという特徴があります。
標準語で「~の?」と言った場合は富山弁で「~け?」となる面白い富山弁です。
方言だからできる語尾がかわいらしく聞こえます。
②:気の毒
何かと誤解をされることが多い富山弁。
しかし、富山の方言には奥ゆかしい日本人らしさがあります。
「気の毒」とは標準語で「ありがとう」の意味になります。
気の毒とありがとうは別の意味のように思えるため、富山弁を知らないと結びつけるのが難しいですよね。
意味を知らなかったら、よかったのかわるかったのか疑問に思ってしまうこともある「気の毒」という言葉。
何かをしてもらって(そんなことしてもらって気を遣わせてしまった)という遠慮がちな意味をこめて富山方言では「気の毒」と言います。
標準語の「気の毒」とは別の意味になります。
③:つかえん
「つかえん」と言われるとそのまま「使えないのか・・・」という意味、にはならない富山弁。
富山弁で「つかえん」は「かまわない」という標準語になります。
「つかえん」と「かまわない」は標準語や富山弁以外の方が聞くと結びつかないので複雑に思うかわいい方言の一つです。
「このウェットティッシュつかえん?」は、(このウェットティッシュ(つかっても)かまわない?)
「つかえんちゃ」は、(かまわないよ。差支えないよ。)
「ごめんね、つかえん?」は、(ごめんね、かまわない?)(ごめんね、支障ない?)になります。
真逆の意味にとらえられる可能性がある富山方言は頭の体操によさそうです。
ただつねに気を付けていたりドキッとすることがあるので、富山方言(富山弁)を知るのは結構大変そうな印象です。
同じ富山県同志だったり北陸の近い場所の方々とならニュアンスが伝わりやすく安心です。
富山県出身の方に教えてもらうのも楽しいです。
④:もうども
「もうども」という富山弁は分かりやすい方言です。
「もうども」は「決して」という意味で、言い換えるだけで意味が分かります。
「もうどもしないちゃ。」は標準語で(決してしません。)
「もうどもないちゃ。」は標準語で(決して(そんなこと)ないよ。)の意味。
富山の人は反省するときに、もうどもしないちゃ。ということに慣れているようで、富山方言でもうどもしないちゃ。と言われると思わず許してしまいますよね。
⓹:たいそ
「たいそ」はかわいらしい富山弁の一つです。「たいそ」は、「おっくう」という標準語に言い換えられます。
「おっくう」「疲れた」「しぶしぶする」というときに「たいそ」と富山弁では言います。
「あぁ、たいそ。」は、標準語で「あぁ、おっくう。」「あぁ疲れた。」「あぁしぶしぶするかぁ。」の意味。
標準語は直接的に聞こえますが、富山方言で「たいそ」と言われるとかわいらしくて思わず手伝ってしまいたくなります。
⓺:あいが
「あいが」という富山弁は以下のように言います。
「ねえ、わたしもあいがほしいちゃ。」は「ね、わたしもあれがほしいな。」になります。
「あいが」という富山方言は、ハートの愛なのかと思ってしまいますが、富山弁では「あれが」「あんな風なのが」という意味なのです。
知れば知るほど奥が深い富山方言です。
⓻:あいそない
富山弁で「あいそむない」は、標準語の「無愛想」「寂しい」「つまらない」という意味になります。
人によると思いますが、人に対してもっと気にかけてほしいときや楽しさがないという場合に使います。
富山弁で「あの人あいそむないのぉ。」は標準語で「あの人愛想がないよね。」になります。
「この棚愛想むないねえ。花飾るちゃ。」は、「この棚さびしいね。お花をかざろう。」の意味。
「あいそむない」は標準語で「愛想がない」で言い方が違いますが言葉の意味は同じです。
⓼:だら
「だら」という富山弁は、「バカ」「あほ」という意味になります。
「バカ」「あほ」は東日本と西日本で意味が異なりますが、富山方言では「だら」を使います。
「だら」は愛情をこめて使うことが多くかわいい人にたいして言う富山の方言です。
「だら」は「バカ」「あほ」の意味ですが、見下げた表現ではなくかわいいなあずっとお世話したいなあという意味のよう。
富山弁で「あんただらやねええ。」は標準語で(あんたあほやねん。)になり、他には
「お前だらけ。」(あなたバカなの?)と言えます。
⑨:うしなかす
「うしなかす」という富山弁は標準語で「失う」「紛失する」という意味があります。
「失う」と「紛失する」という言葉が混じり「うしなかす」という富山方言ができたようです。
殆んどの場合で、「うしなかす」は「捨てておいて」という意味として使われます。
富山弁で「これうしなかしおいてちゃ。」は「これ捨ててとおいてね。」になります。
「うしなかす」という富山弁は、お年寄りや年配の方が多く使われる富山方言の一つ。
動物の牛と関係がありそうですが、全く関係ありません。
⓾:いいがに
「いいがに」という富山弁は標準語で「構わないのに」「いいのに」に言い換えられます。
使い方も標準語と同じで分かりやすい方言です。
「そんなことしてもらわんでもいいがに。」は「そんな風にしてもらわなくてもいいのに。」
奥ゆかしい気持ちが表れている富山弁の一つです。
⑪:しかしかっと
「しかしかっと」という富山弁は標準語で「テキパキと」「素早く」に言い換えられます。
こちらも使い方は標準語と同じで分かりやすい方言です。
「何しとるがけ?しかしかっとせんにゃ。」(何してるの?テキパキとしよー。)と標準語でなります。
⑫:まいけ
「まいけ」という富山方言は語尾につけます。
富山弁で「行こうまいけ。」は標準語で(行こうか。)
「行くまいけ。」は標準語で(行く?)です。
最近はあまり使われなくなりましたが、お年寄りや年配の方が使われる富山方言のようです。
富山県民が思わず使っちゃう富山弁の面白フレーズ5選!
①:おっじゃけ?
いきなり「おっじゃけ?」と聞かれるとかわいいですが何を意味しているのかさっぱりわからないのが方言。
「おっじゃけ?」は富山弁で「次男?」の意味になります。
「あんたおっじゃけ?」は、(あなたは次男ですか?)
と聞かれています。
長男の場合は「あんちゃん」と富山弁でいいます。
あんちゃんも可愛いですが、次男のことをおっじゃけという富山方言はとても愛想があってかわいく聞こえます。
②:だいてやっちゃ
いきなり「だいてやっちゃ」と言われると多くの富山方言を知らない方は「え!」と驚くと思います。
意味を分かると安心です。
富山方言は「だいてやっちゃ」が標準語の「出します」という意味になります。
富山方言は「し」を「い」と発音するので「出いて」が「出して」。
「やっちゃ」は「する」に富山弁の語尾「ちゃ」が付いたものなので「だいてやっちゃ」が「出すね」になります。
「このはがきだいてやっちゃ。」は、(このはがきだしてくるね。)
「今日はだいてやっちゃ。」は(今日はおごります。)になります。
③:くどく
「くどく」という富山弁は標準語での使われ方と全く別の意味になります。
「くどく」と聞くと、話をして言葉や何らかの対応で相手を説き伏せたり、意のままに動かすということを思い浮かべますが、富山方言の「くどく」は「愚痴を言う」という意味です。
「だんなにくどいてもらうちゃ。」は、(夫に愚痴を言ってもらうわ。)
「上司にくどかれたけ。」は、(上司に愚痴を言われたの?)です。
このように富山方言は誤解を受けることもある面白くかわいい方言です。
④:だんない
富山弁で「だんない」とは標準語で「大丈夫」という意味です。
「だんない、だんない」と続けて使うことが多く、その意味は「大丈夫大丈夫」になります。
何かを気にかけてもらった時に使う富山方言です。
ここにおいてもだんないけ。⇒ここにおいても大丈夫かな?ここにおいても構わないかな?ここにおいても差支えないかな?
「だんないだんない。」は、(大丈夫ダイジョウブ。)(全く差支えないよ。)(構わないよ。)です。
「だんない」にはありがとうの意味が込められています。
⓹:なーん
「なーん」は富山弁を代表する方言の一つです。
「なーん」は揺れてのびるという富山弁の特徴をもった富山県の方がみんな使う方言です。
「いいえ」や「違う」の意味です。
違うと否定されるとキツイ印象を受けてしまう時も富山弁の「なーん」だとニュアンスが可愛く柔らかく聞こえますね。
「なーん、ちがうちゃ。」は、標準語で(いいえ、違います。)(いいえ、違うよ。)
「それなーん。」は、(それ違う?)です。
富山の人は、県外にでてきても富山方言がふとした時にでてくるようで、違うといいたい時に思わず「なーん」と言います。
「なーん」が「あーん」に言ったように思えるため標準語を話す方は全く反対の意味にとらえています。
富山弁:「これをするの?」 「なーん」(ちがうよ)
標準語:「これをするの?」 「なーん」(そうそう)
【番外編】富山弁で言われたい!グッとくる告白フレーズ5選
①:好きなんほんとやち
富山弁で「ほんとやち」は標準語で「本当だよ」の意味になります。
告白の時に本当だよと言われると、ドキドキしてグッとなりますね。
「ほんとやち」(ほんとうだよ)と、好きなこと強く伝えようという気持ちが伝わってうれしくなりますよね。
告白のフレーズに「好きなんほんとやち」を使ってみましょう。
②:ちょっこし付き合ってくれへん?
富山弁で「ちょっこし」は標準語の「すこし」「ちょっと」の意味です。
控えめな印象で告白の時の繊細な気持ちが伝わりグッとなります。
好きな人の様子を伺うような印象で思わずいいよと言ってしまいますね。
告白のフレーズ「ちょっこし付き合ってくれへん?」を使って控えめに聞いてみましょう。
③:あんたのことが好きなが
語尾に方言をつける特徴がある富山弁ですが、「~なが」もその一つ。
「~なが」は標準語で「~だよ」という強く肯定する表現です。
「あんなたのことが好きなが。」は「あなたのことが好きなんだよ。」という少々相手を説き伏せる表現になります。
男性にぜひ使っていただきたいグッとくる告白フレーズです。
④:気になっとんたんぜ。
「気になっとんたんぜ」も、語尾に方言をつけるという特徴のある富山弁の一つ「ぜ」です。
この「ぜ」は標準語の男性がつかう「ぜ」とは少し異なり富山では女性も使います。
「気になっとんたんぜ」⇒「気になっていたんだよ。」「気になっていたの。」
という告白フレーズになります。
⓹:好きになってもいいがけ?
「好きになってもいい?」とすでに好きなのに、相手の気持ちに合わせて気持ちを我慢しようという気持ちが伝わってきてグッとくる告白フレーズです。
「が」「け」「がけ」も語尾に付ける富山弁です。
主に疑問形の時につけます。
「が」「け」「がけ」はどれも「~の?」と標準語で言い換えられますが、「がけ」は「が」と「け」が両方あるより強めの「~なの?」という表現になります。
富山弁は語尾につけたり長く揺れる方言があり、イントネーションやニュアンスが可愛いですよね。
【番外編】富山県出身の芸能人や富山で撮影された富山弁の映画やドラマ
富山出身の芸能人は結構いらっしゃいます。
俳優の西村雅彦・室井滋・風吹ジュンがいますし、野球選手にも石川歩や相撲にも朝乃山がいます。
アイドルはあまり富山方言で取り上げられることがありませんが、ビエノロッジ(Vienolossi)という富山のアイドルグループがあります。
ビエノロッジは語尾から読むと富山の名産で富山の宝石と言われているシロエビになるかわいいアイドルグループです。
また、富山が舞台になっている映画やドラマもたくさんあります。
2018年公開のとなりの怪物くんや2017年公開の追憶は最近の映画ですし、その他にも人生の約束・アオハライド・釣りバカ日誌など富山がロケ地になった映画があります。
ドラマでは、白線流しや恋仲が富山がロケ地になっていて富山は以前からロケ地になっています。
かわいい富山弁の特徴や定番フレーズ紹介のまとめ
富山方言について詳しくのべてきました。
富山県の人達が話す富山弁は、語尾やフレーズがとってもかわいい方言であることが分かりました。
標準語と全く別の意味になるフレーズがあるため、富山弁以外の人が聞くと誤解を受けてしまうも面白い富山弁です。
かわいくてどこかグッとくる富山方言(富山弁)の中でお気に入りの語尾やフレーズを見つけてみてください。