鹿児島の開聞岳で登山を楽しもう!
鹿児島県指宿市にある開聞岳は、登山の名所としても知られています。
薩摩半島の南端にあることから、指宿市街とその周辺にある池田湖なども見ることができます。
標高924メートルという低さから、日帰りでの登山にもおすすめの山といえます。
開聞岳は、日本百名山、新日本百名山、及び九州百名山にも選定されています。
また、南九州の主要な景勝地として、1964年に「霧島錦江湾国立公園」に指定されています。
開聞岳の概要
開聞岳は、鹿児島県、薩摩半島の南端に位置している山です。
標高は924メートルで、円錐形をしていることから「薩摩富士」とも呼ばれています。
開聞岳が属する指宿市では、開聞岳を観光スポットとして、登山はもちろんのこと、山麓の公園、ログハウス、キャンプ場、パターゴルフ場など、家族で楽しめる公園も整備されています。
このような開聞岳及びその周辺の観光スポットを楽しむため、JRでは「開聞駅」があるほか、車でのアクセスも可能とするため駐車場の整備もされています。
924メートルという比較的短時間で登り切れる標高であることから、日帰り登山のコースとして人気です。
開聞岳の頂上からの景色を楽しもう!
鹿児島には様々な景観スポットがあり、その代表と言えるのが霧島連山や屋久島などが挙げられます。
至近で見る景観ももちろん壮観ですが、それらを山頂から望むこともまた趣深いものです。
開聞岳は、924メートルと低い標高ながら、山頂からはこれら霧島・屋久島はもちろんのこと、鹿児島内の観光名所が一望できます。
池田湖や、天候次第では桜島・硫黄島も望むことができます。
また、こうした南九州景勝地は現在、霧島錦江湾国立公園として整備されています。
休日に自然を感じるアクティビティを楽しむ場所としてはやはり絶好の場所といえるでしょう。
開聞岳登山の諸情報
開聞岳登山におすすめのシーズンは?
開聞岳の登山は景観もよく、気持ちよく登山することができます。
ただし、注意が必要な時期があります。
それは、鹿児島に台風が接近する時期です。
鹿児島に台風が最接近するのは夏の時期がもっとも多く、秋にも台風が接近することがあります。
また、冬の時期はいかに日本の中でも温かい鹿児島という地域であるとはいえ、積雪もある地域です。
そのため、開聞岳の登山は、春の時期がもっとも適しているといえます。
ただし、春先のみ登れる山というわけではなく、基本的に台風が直撃している時期以外、積雪がある場所以外であれば、気持ちよく登山を楽しむことができる山です。
開聞岳の各シーズンでの気候
基本的に開聞岳は、一年を通じて気候の変動が少なく、シーズンを通して登山が楽しめる山であるといえます。
春には、山麓のふれあい公園で桜・ヒガンサクラが楽しめます。
夏場は気温が上がり、熱中症やハチ・アブへの対策が必要となります。
ただし、日は長くなるので充分に登山への時間を作ることができるでしょう。
夏場には台風が接近することがあるため、この点には注意が必要です。
冬の開聞岳は、常用樹が多いため冬とは思えないほどの緑に包まれています。
ただし、山頂付近は0℃近くまで冷え込むことがあるので、防寒対策はしっかりと行う必要があります。
また独立峰であることから風が強く吹く日もあります。
開聞岳登山でおすすめの服装
開聞岳は、標高こそ924メートルと低い山ですが、それでもしっかりと登山対策としての服装は必要です。
特に、登山シーズンとなる4~5月には、天候の変化に備えてウィンドブレーカー・レインウェアの使用が必要です。
この時期になるとニット帽は少し暑いので、キャップなどを着用するのがおすすめです。
夏場は温かいので、ダウンなどの防寒着はそれほど必要とはされませんが、急な天候の変化に備えて、レインウェアはシーズンを通して持っていくことをおすすめします。
また、秋~冬には麓では想像もつかないほどの寒さとなっている場合があります。
特に10月・11月以降はダウンジャケットやネックウォーマー、手袋などしっかりとした防寒対策をして登山するのがよいでしょう。
開聞岳登山での所要時間
開聞岳の登山道は、登山道入り口から直進した後、ややらせん形を描くように配置されています。
この登山道の総歩行距離はおよそ9kmあり、平均的な登山・下山時間はそれぞれ、登りが約3時間程度、下りが2時間半程度とされています。
開聞岳で見れる動物と植物
開聞岳では、時期に合わせて様々な植物を見ることができます。
登山シーズンとなる春ごろはシダ植物のウラジロ、花ではスミレ、イヌガシなどが見られるほか、九州で見られるとされるツクシショウジョウバカマなども見つけられる可能性があります。
より時期が進むとウツギなどが見られるほか、冬が開けて春が近づく2~3月にはカワヅサクラ・ソメイヨシノも見ることができます。
開聞岳の登山口へのアクセス方法
車でのアクセス方法
まず車で開聞岳にアクセスする際には、指宿枕崎線の「開聞駅」を目指しましょう。
ここから、指宿市役所開聞庁舎前を通り過ぎて線路を渡り、開聞保健センターの横を抜けるように開聞岳を目指していって、指宿中央家畜市場を目印に西側に進むと、「かいもん山麓ふれあい公園」にたどり着くことができます。
ここはそのまま二合目登山口となっており、200台の車が駐車できます。
また、駐車料金は無料で、トイレも設置されているので登山前の準備を行うには絶好のスポットです。
電車でのアクセス方法
電車で開聞岳へアクセスする場合には、JR九州でのアクセスになります。
もっとも近い駅は指宿枕崎線の「開聞」駅となり、ここから徒歩で二合目登山口までは、およそ1.7kmの道程となります。
県道243号を経由するか、直進してもアクセスすることができますが、243号を経由するルートでは2.2kmと500mほど距離が長くなります。
1.7kmを歩くルートでは27分程度の歩行時間となります。
一方、243号を歩行する場合には、33分程度の歩行時間となります。
開聞岳登山コースの概要
開聞岳登山コース中のお手洗いスポット
登山が可能な山の中には、登山ルート上にトイレが整備されている場合があります。
しかし、開聞岳においては登山ルート上にはトイレがありません。
この点は注意が必要となるでしょう。
開聞岳を登る場合には、山麓にある「ふれあい公園駐車場」内にある数カ所のトイレを利用するか、登山口のトイレを活用することになります。
山頂にもトイレはないので、登山を始める前にしっかりとトイレを済ませて、下山するまでトイレに行かなくても済むようにしてから、登山に臨むようにしましょう。
開聞岳登山各所での景観や注意点を解説!
開聞岳登山・2合目
登山口となる二合目付近は、常緑樹に覆われたエリアとなっています。
比較的登りやすいルートですので、無理をせずに歩き続けるようにしましょう。
なお、このあたりは地面がむき出しの岩場であったり木の根が多くあるため、つまづいたり滑ったりしないように注意する必要があります。
春先に登る場合には、このあたりには見事なソメイヨシノが咲き誇っているため、景色を楽しみつつ準備運動などをするのもよいでしょう。
開聞岳登山・5合目
五合目付近まで登ると、展望デッキへたどり着けます。
展望デッキからは、鹿児島湾方面、長崎鼻、桜島、霧島連山などの景観を味わうことができます。
ベンチがありますので、ここで小休止することもできるでしょう。
順調に登山が進んだ場合、ここまではおよそ45分程度です。
二合目を過ぎて五合目に向かう途中で開聞山麓自然公園からの遊歩道と交わる道があるため、登山道と間違えて進むことがないよう注意する必要があります。
開聞岳登山・7合目
七合目まで登ると、やや視界が開けてきます。
東シナ海、竹島、硫黄島を眺めることができ、天候に恵まれれば種子島や屋久島も見ることができます。
七合目から八合目までの間では、「仙人堂」と呼ばれる火口跡を見ることができます。
また、七合目から八合目は岩場となるため、これまで以上に足元に注意しての登山が必要となります。
転んで怪我をすることがないよう注意しながら、次のチェックポイントとなる九合目を目指して進みましょう。
開聞岳登山・9合目
九合目に到達すると、山頂が近くなるため非常に登りの斜度も高くなり、負担も重くなります。
そして特徴的なのは、九合目から山頂までのおよそ0.4キロメートルの間にはしごがあります。
縄が張ってあるため、両手を使って一歩一歩登っていく必要があります。
ここでは、3月下旬ごろには、ショウジョウバカマの花が見られることがあります。
開聞岳登山・山頂
山頂へ到達すると、360度のパノラマを見渡す景観を楽しむことができます。
霧島連山・桜島・宮之浦岳といった景観を一望できます。
なお、ここから下山するときには、下から吹き上げてくる風に注意しつつ下山するようにしましょう。
登山においては特に下山時に怪我が多発するため、特に注意しながら下山するようにしましょう。
開聞岳登山と合わせて楽しみたい周辺おすすめスポット6選【観光名所/人気温泉】
では、開聞岳周辺の観光スポットをみていきましょう。
開聞岳には、以下の観光スポットがあります。
1. 開聞山麓自然公園
2. レジャーセンターかいもん
3. 鰻池
4. 池田湖
5. フラワーパークかごしま
6. 長崎鼻
続いて、開聞岳周辺のおすすめスポットを、それぞれ詳しくみていきます。
開聞岳周辺のおすすめスポット➀: 開聞山麓自然公園
開聞山麓自然公園は、開聞岳の山麓にある自然公園です。
開聞岳登山口よりも東側川尻側に存在します。
園内ではトカラ馬を見ることができます。
また、園内にはハイビスカスほか約500種類の食用サボテンが植えられているなど、自然豊かな公園です。
いぶすきゴルフクラブもあるので、ゴルフが好きな方はここを目標とすることもあるでしょう。
長崎鼻・東シナ海・遠くに佐多岬を一望できる展望所も設けられています。
開聞山麓自然公園
住所:鹿児島県指宿市開聞川尻6743
電話番号:0993-32-2051
営業時間:8:00~17:00
定休日:年中無休
入場料や利用料:大人:大人:360円 子供:子供:210円
URL:http://www.ibusuki.or.jp/tourism/play/post-39/
開聞岳周辺のおすすめスポット➁: レジャーセンターかいもん
レジャーセンターかいもんは、開聞岳から東側、川尻側の東シナ海に面した場所に位置しています。
レジャーセンターかいもん内には、温泉のほか、25メートルの温泉プール、サウナ、気泡浴、全身浴を備えるほか、全天候型のゲートボール場もあります。
大人はもちろん、子どもも一緒に楽しめる施設です。
開聞岳登山の帰りに汗を落とす目的でこのレジャーセンターかいもんを訪れるというのもよい選択肢でしょう。
泉質はナトリウム塩化物強塩温泉、泉温は59℃、神経痛や筋肉痛、関節痛や慢性皮膚炎といった症状の方が効能を求めて訪れています。
駐車場は無料で40台、大型車3台が停車できるため、車でのアクセスにも適しています。
レジャーセンターかいもん
住所:鹿児島県指宿市開聞川尻5401-6
電話番号:0993-32-5584
営業時間:10:00~21:00 (受付終了20:00)
定休日:水 (祝日の場合は翌日)
入場料や利用料:大人:大人:340円 中学生以上 子供:子供:170円 3歳以上、小学生以下
URL:http://www.ibusuki.or.jp/spa/public/leisure/
開聞岳周辺のおすすめスポット③: 鰻池
鰻池は、指宿市にある巨大カルデラ湖、「池田湖」の東側に位置する湖です。
木々が生い茂る自然豊かな湖であり、大鰻が獲れたことからこの名前がついたとされています。
直径は1.3km、水深は56.5m、周囲約4.2kmの、ほぼ円形の火口湖です。
以前はうなぎの養殖が盛んでしたが、現在は水質の悪化などで行われていません。
とはいえ、美しい湖面や周辺の景観は、ただ眺めるだけでも、また写真スポットとしても人気の場所です。
鰻池
住所:鹿児島県指宿市山川成川
電話番号:0993-22-2111
営業時間:-
定休日:-
入場料や利用料:-
URL:http://www.ibusuki.or.jp/tourism/view/unagiike/
開聞岳周辺のおすすめスポット➃: 池田湖
池田湖は、開聞岳からもその姿を眺めることができるカルデラ湖です。
開聞岳と、指宿枕崎線を挟んでちょうど反対側に位置しています。
周囲15km、水深233mと、九州最大のカルデラ湖であり、湖水は藍色で澄んでいます。
幻の怪獣「イッシー」の発祥の地であり、湖畔にはイッシーのモニュメントがあります。
また、この湖には体長2m、胴回り50cmにも及ぶ大うなぎが生息しているとされています。
古くは、開聞の御池・神の御池とも呼ばれていました。
池田湖
住所:鹿児島県指宿市池田
電話番号:0993-22-2111 指宿市観光課
営業時間:-
定休日:-
入場料や利用料:-
URL:http://www.ibusuki.or.jp/tourism/view/ikedalake/
開聞岳周辺のおすすめスポット➄: フラワーパークかごしま
フラワーパークかごしまは、「花・風・光のシンフォニー」をテーマとして、自然とのふれあいができる観光地です。
長崎鼻に至るルート上にあります。
園内には、花や植物を楽しめる屋内庭園のほか、温室があります。
またこのほか、展望デッキ、展望回廊、花と香りの回廊といった回廊型の庭園があるほか、「花の図書館」「蝶の館」といった施設もあります。
園内にある売店では、人気のお土産である「安納芋タルト」や「かごしま知覧茶シフォンケーキ」、「鹿児島マンゴープリン」なども販売されています。
食べ物以外には、「キバナイペー」と呼ばれる、花木類も販売されています。
フラワーパークかごしま
住所:鹿児島県指宿市山川岡児ヶ水1611番地
電話番号:0993-35-3333
営業時間:AM9:00~PM5:00 (入園は4:30まで)
定休日: 12月30日・12月31日
入場料や利用料:高校生以上 個人620円 団体490円 小・中学生個人300円 団体240円
URL:http://www.fp-k.org
開聞岳周辺のおすすめスポット➅: 長崎鼻
長崎鼻は、薩摩半島の最南端にある岬です。
開聞岳の展望台からもこの長崎鼻が見えるほか、長崎鼻からも開聞岳を望むことができます。
長崎鼻の岬の少し手前には、薩摩長崎鼻灯台があります。
天候がよければ、南の海上に屋久島・竹島・硫黄島を見ることができます。
非常に気持ちのよい景観を楽しむことができるうえ、駐車場も30台の収容能力があるため、観光スポットとしても活用されている場所です。
またトイレもあるため、ドライブ中の休憩地点としてもうってつけといえます。
浜辺は火山灰が積もったやや黒めの灰となっており、子どもを連れて行っても退屈させることはないでしょう。
長崎鼻
住所:鹿児島県指宿市山川岡児ヶ水長崎鼻
電話番号:0993-22-2111
URL:http://www.ibusuki.or.jp/tourism/view/nagasakibana/
開聞岳の登山、周辺観光も合わせて楽しんじゃおう!
開聞岳は、924メートルという比較的登りやすい標高ではありますが、それでも岩場あり、ハシゴありと、登りがいのある山です。
また、周辺には自然を活かしたアクティビティ・施設が数多くあるため、登山以外にも、また登山と合わせて休日を楽しむのにぴったりの場所といえるでしょう。
景観を楽しむうえでも、遠くの桜島や硫黄島はもとより、山麓に咲き誇るソメイヨシノ、登っている最中に見ることができるショウジョウバカマの花など、楽しめる要素が盛りだくさんです。