上海の通貨は人民元
上海の通貨は、中国の通貨である人民元です。中国語では人民币(レンミンビー)というためRMBと表記されます。
現在のレートでは1元=16.5円(2018年12月現在)です。このレートの上下が大きいのでレート計算アプリなどでこまめにチェックすることをおすすめします。
人民元の種類はお札が6種類、硬貨が6種類あります。お札は以下のとおりです。
- 100元札
- 50元札
- 20元札
- 10元札
- 5元札
- 1元札
硬貨の種類は以下のとおりです。分硬貨は現在ほとんど流通していません。
- 1元
- 5角(0.5元)
- 1角(0.1元)
- 5分(0.05元)
- 2分(0.02元)
- 1分(0.01)
中国では現在、電子決済が主流で、現金を目にすることは少なくなりました。上海は特に国際経済都市なので、電子決済率は98%以上と言われています。
電子決済は偽札や盗難の心配がなく、とても便利なのでおすすめなのですが、日本人が使うのは簡単ではありません。アリペイやウィーチャットペイといった電子決済システムの登録には、中国の銀行口座が必須だからです。
ですので、長期滞在や留学でない限り、現金支払いで大丈夫です。どうしても電子決済したい場合は、現地で口座を作るか、アリペイアプリをダウンロードしておいて、現地の口座を持っている友人などに現金を渡し、電子送金してもらうという手もあります。
上海の物価は日本に比べて高い?安い?
中国=安いというイメージはもはや過去のものです。急激な経済成長を遂げた中国、その中心上海では物価も上昇を続けています。
特に日本と比べると割高だと感じることが多くあります。これには円と元のレート率の上下が関係しています。
というのも、数年前の2014年頃は円安が進み1元=19円まで値を下げていました。それより前の2010年頃は円高で1元=12〜13円だったのです。
いまいちピンとこないので、1杯のコーヒーで比べてみましょう。全く同じコーヒーが数年でこのように価格変動します。
- 2010年 コーヒー1杯 240円
- 2014年 コーヒー1杯 380円
- 2018年 コーヒー1杯 330円
2010年に240円だったコーヒーが、2014年には380円にまで上がり、2018年現在330円に落ち着いているということです。コーヒー程度なら100円前後の誤差で済みますが、これが数万円のチケットや宿泊代だったらと考えるとゾッとしますね。
中国なら人件費が安いとか、旅費が安いなどというのはもう昔の話なのです。日によっても上下しますので、こまめにチェックしたり、換金のタイミングを選ぶことをおすすめします。
上海の物価が高い理由
上海の物価が高い理由①:円安傾向にある
ほんの数年前まで、日本企業がたくさん上海に出店したり、工場を作ったりしていました。人件費が安く、材料も安く手に入ったからです。
ところが今はどんどん撤退しています。なぜでしょうか。
円安、つまり円の価値が下がっているからです。円の価値が下がると、たとえ安い人件費、材料費でもたくさん円を払わなければならなくなります。
上海は特にバブル期真っ只中と言われ、円と元のレートは上下が激しいものの、元の価値は上昇傾向にあります。それで、日本と比べると同じものでも割高になるのです。
上海の物価が高い理由②:不動産価格の高騰
上海の物価上昇の一番の特徴は、不動産価格の高騰にあります。暴騰と言われるほど、急激に上昇したのです。
中国の新聞によると、2018年までの10年間で上海の不動産価格は610%上昇したとなっています。これは世界でも類を見ない上昇です。
10年前に家賃10万円だった家が、現在では家賃61万円になっているということです。リフォームや修理をしていないのに、6倍になるのです。
それで、不動産オーナーの収入は急激に増加し、お店のテナント料や駐車料金なども上昇したました。それにより物価も上がり続けています。
日本のバブル時代のような現象が、現在進行中なのです。
上海の物価が高い理由③:高級志向になりつつある
①の人民元の価値上昇、②の不動産価格の上昇によって、富裕層が生まれました。このチャイナマネー富裕層は桁違いのお金持ちです。
以前、日本のアイドルの人気投票の際に、中国の富豪の買い占めでは?と話題になりましたね。決して驚くことではありません。
何もしなくてもお金が増えていく富裕層が中国には存在するのです。お金がある富裕層は高級志向になり、本物、安心できるものを求めるようになりました。
一般的な所得者でも、インターネットで情報が入るので、少し高くても質の良い、信頼できる商品を買うようになりました。全体的な高級志向が、物価の上昇を加速させています。
上海の物価が高い理由④:外国人の増加
インターネットの普及や、LCCの国際路線が増えたことで、上海を訪れる外国人がどんどん増えています。そうすると、上海の物価も外国人をターゲットに強気の価格になっていきます。
中国人は本来お金にシビアで、高いと思うと見向きもしませんし、いくらでも値切ります。ところが外国人はそうではありません。
値段が多少高くても、「ここにしかない」とか「インスタ映えする」といった付加価値のためにお金を払います。そういう外国人の影響で、中国人も安さ第一主義ではなくなりつつあるのです。
上海の物価を日本の物価と比較
全体的に物価が高いと言われる上海ですが、思ったより安いものもたくさんあります。上海で賢く有意義に過ごすために、少し予習しておきましょう。
旅行中に利用するものの価格を、日本と上海とで比較していきます。
上海の物価を日本の物価と比較:交通
電車
上海のメトロはとても安く4〜5元です。日本円で100円未満で大体どこでも行けます。観光客に人気のリニア鉄道も8分乗って50元くらいなので、日本では考えられないくらい安いです。
高鉄と呼ばれる新幹線のようなものもあります。何等席にするかにもよりますが、上海のお隣の杭州市まで2時間ほど乗っても80元〜、日本円にすると1400円くらいです。
日本で新幹線2時間というと東京〜名古屋くらいですが、少なくとも1万円はすることを考えると、中国の新幹線は破格ですね。
タクシー
上海はタクシーも安いので、気軽に利用できます。3km以内なら14元〜、3km以上はkm=2.4元の計算です。
ホテルから駅まで10kmあったとしても30元くらい、日本円で500円未満です。東京のタクシーは初乗り410円ですから、圧倒的に安いですね。
バス
上海のバスは一律2元です。遠距離バスなど5元前後のバスもありますが、市内のバスは基本どこまで乗っても2元です。
乗るときに支払うスタイルなので、乗る前に小銭を用意しておきましょう。両替もしてくれませんし、お釣りも出ませんので、注意してください。
上海の物価を日本の物価と比較:通信費
上海の空港でSIMカードを購入すると、8日間2GBで200元〜となっています。日本の格安SIM と比べると割高です。
しかも中国国内ではインターネットに規制がかかっていて、Google、Twitter、LINEは使えません。yahooは開けますが検索機能は使えません。
こんなに使えないのに200元は高すぎです。それを回避するために、香港のSIMカードを事前に購入しておくことをおすすめします。
8日間2GBで1500円前後ですし、中国のインターネット規制を回避することができます。上海はいたるところにフリーWIFIが飛んでいるので、インターネット通信量はいくらでも節約できます。
上海の物価を日本の物価と比較:コンビニ
お水
上海の物価の特徴は、国産のものは安く、輸入品は高いという点です。コンビニのお水一つとっても、国産の最安のものは2元、輸入ものの水は20元と大幅に違います。
お水だからと甘く見て適当に買うと、大変なことになりますので、よく値段を確認して購入してください。
お酒
お水と同じくお酒の価格にも幅があります。国産のビールは一瓶5元〜とお安いのですが、日本やドイツのビールは一缶20元前後です。
紹興酒や中国焼酎などはランクにもよりますが50元くらいからあります。ワインは輸入品なので安くても100元〜です。
タバコ
上海のコンビニにはタバコは売っていません。タバコ専門店に売っています。
中国のタバコは安く、一箱7元くらいからあります。とはいえ、上海人はメンツを大事にするので、普段は安いタバコを吸っていても、人前や商談のときには高いタバコを取り出します。
高いタバコは40元くらいしますから、日本のタバコより割高です。喫煙の規制が緩く、愛煙者天国と言われる上海ですが、それなりに苦労があるようです。
上海の物価を日本の物価と比較:レストラン
ひと昔前は物価の安かった上海のレストランも、今では日本とあまり変わりません。普通のレストランでもディナーは200元前後、3000円以上はします。ランチ定食も50元〜つまり800円以上といったところです。
地元の庶民的なラーメン屋さんなら30元くらいで食べられます。ビックマックが23元なので約380円、日本とほぼ同じくらいです。
上海の物価を日本の物価と比較:ローカルフード
上海旅行の楽しみの一つが食べ歩きです。肉まんは2元、小籠包は6個入りで10元くらいと格安でとても美味しいのでおすすめです。
上海で根強い人気があるのがタピオカミルクティーです。中国語では珍珠奶茶ジェンジューナイチャと言います。
タピオカの飲み物は日本でも一昔前に流行った記憶がありますが、上海ではすでに定番の飲み物です。ミルクティーだけでなく、ミルクウーロン茶や黒糖茶などいろいろなバリエーションがあります。
ホットもアイスもどれも美味しいのでぜひ試してほしい一品です。15〜30元くらいで楽しめます。
上海の物価を日本の物価と比較:ショッピング
上海で買い物をすると、レートの関係で割高に感じるかもしれません。特に外資系ブランドのものや、日本製のものは高い傾向にあります。
例えばプラダやグッチなどの外国ブランドは直営店でも日本より割高です。ユニクロやニトリなど、日本では低価格でおなじみのお店でも、2〜3割高めになっています。
それに対して中国ブランドの洋服や靴は低価格です。例えば上海生まれのスニーカーブランド「Feiyue」のスニーカーは100元前後、2000円するかしないかの価格帯です。
Feiyueは白地に赤青のラインが入ったカンフーシューズで、上海では学生がよく履く靴だったそうですが、フランス人デザイナーの目にとまり、ヨーロッパで発売されて人気に火がついたブランドです。低価格で軽く、デザインも豊富とあって欧米人を中心に人気があります。
上海の物価を日本の物価と比較:観光、テーマパーク
上海のテーマパークと言えば2016年にオープンしたばかりの上海ディズニーランドでしょう。入園チケットは公式サイトで購入できます。上海ディズニーランド公式サイト
上海ディズニーランドのチケットは日付指定で平日、週末&祝日、特別な祝日(春節と国慶節)の3段階で値段が分かれています。
- 平日 399元(日本円で6500円)
- 週末&祝日 575元(日本円で9400円)
- 特別な祝日 665元(日本円で1万800円)
平日の大人のチケットだと、東京ディズニーリゾートの7400円より少し安いですね。週末や祝日は高くなるので、中国の祝日をチェックする必要があります。
ただ注意が必要なのが、上海ディズニーランドの場合は身長140cm以上は何歳でも大人料金になる点です。日本のように、小学生料金、中高生料金と年齢で分かれてはいません。
上海の物価を日本の物価と比較:ホテル
上海にもハイアットやオークラ、ヒルトンなどの星つき有名ホテルが多数あります。どのホテルも日本より安めに宿泊できます。
例えば上海の中心にあるハイアットオンザバンドはツインルーム2万円〜。ハイアット東京は安くても5万前後ですから、半額以下です。
星つきでない格安ホテルなら一泊千円から泊まれます。格安といっても、シャワーもベッドもWi-Fiもついた普通のホテルです。
価格や立地など、好みに合わせて選べるのが上海のホテルの良いところかもしれません。
上海の物価を日本の物価と比較:スターバックス
上海にはスターバックスがいたる所にあります。上海市内だけで800近い店舗があるようです。
- カプチーノ、トールサイズ27元(440円)
- キャラメルマキアート、トールサイズ31元(505円)
- アメリカン、トールサイズ 22元(358円)
ということで日本より少し割高です。中国のスターバックスはショートサイズがないという違いもあります。
ちなみに上海には世界最大の面積を誇るスターバックス・リザーブ・ロースタリー・シャンハイという店舗があります。こちらはコーヒー豆の焙煎、ベーカリー、ショップ、バーすべてが揃ったスターバックスです。
全自動でコンピューター制御された焙煎機の大きさに圧倒されながらコーヒーやサンドイッチを楽しめます。上海の新観光スポットとして大人気です。
上海の物価を日本の物価と比較:お土産
上海で人気のお土産といえばチャイナドレスです。オーダオメイドで作るのがおすすめですが、生地代で250元くらい、仕立て代で100元くらいですから、合わせて350元日本円で6000円以下でオーダーできます。
時間がなくて、既製のチャイナドレスを買うなら100元前後から探せます。もちろん刺繍が入っていたり良質のシルクだったりすると500元くらいになりますが。
お茶は好みが分かれるので、お土産にはあまり向きません。オレオやプリッツなどのお菓子は手軽で安心感もあります。
プリッツは一箱5元で、上海カニ味、麻婆豆腐味、フカヒレ味などが人気です。日本ではもう売っていないオレオも一箱13元〜とお手頃ですし、バースデーケーキ味やティラミス味などの知られざる味が楽しめます。
上海で特に物価が高いものと安いものは?
上海で特に物価が高いもの
上海で特に高いのは、家賃と輸入品です。輸入品と言っても、海外ブランドのものに限らず、ワインやチーズ、牛肉など、輸入に頼らざるを得ないものが高い傾向にあります。
上海で特に物価が安いもの
上海で特に安いのは、交通費、衣料品です。タクシーもバスも、日本では考えられない安さです。
服なども中国産のものや、オーダーメイドなど、中国の労働力で作っているものは今でも安いままです。
物価の高い上海までの渡航費用は?
食費や宿泊費などはあまり日本と変わらない上海。渡航費用はどれくらい必要でしょうか?
日本と上海を結ぶ路線はいくつもあり、格安航空券も多数出ています。中でも有名な春秋航空は羽田〜上海2999円となっています。
ここに燃油サーチャージや空港使用量が加算されますが、最安値で行ける日を選べば1万円未満で往復可能です。およそ2時間半の道のりですから、狭いシートもさほど辛くありません。
JALやANAなどの日系航空会社を利用すると最低でも往復3万円はかかります。機内でのサービスやトラブル対応などはやはり大手航空会社の方が数段上なので、それでも安いと感じるかもしれません。
物価の高い上海を旅行する予算の目安は?
上海3泊4日で19800円などの格安ツアーも出ていますので、おさえようと思えば3万以内で旅行できます。交通費も安い上海なら、旅費をおさえつつあちこち観光することはできます。
ただ、食費を安くしようと格安のローカル食堂や、道ばたで焼いている焼き鳥などに飛びつくのは危険です。お皿も手も洗っていない、冷蔵もしていないのが普通だからです。
ある程度安全な食事をするためには、上海では最低でも1食50元かけてください。3泊4日なら、航空券以外に食費、宿泊費、交通費で1500元、日本円で2万5千円くらいはみておきましょう。
お土産やマッサージなどは、高いものから安いものまでいろいろありますから、お財布と相談してみてくださいね。
移動手段は安い、それ以外の物価は高いのが上海!
まとめると、航空券や地下鉄などの移動手段は激安。それ以外の食べ物や買い物、遊ぶお金は日本と同じかそれ以上かかるということです。
ただし、肉汁たっぷりの小籠包や肉まん、人々の賑やかさ、眩しいネオン、夜中まで公園で踊るおばさまたち、などなど、日本では絶対お目にかからない光景がここにあります。何から何まで安い!というわけではないけれど、気軽に行けるおすすめの都市です。
時間とお金に少し余裕が出たら、活気とやる気にあふれた上海に飛んでみてください。