クセになる味?長野県伊那地方で生まれたローメンとはどんな食べ物?
ローメンとは、1950年代に長野県伊那地方で生まれたB級グルメです。
見た目は焼きそばのようだったり、ラーメンのようだったり、提供する店によって異なります。
ラーメンのような見た目のタイプの発祥はまだ冷蔵庫が普及する前の時代。
生麺を少しでも長持ちさせようと、麺を一度蒸して乾燥させてみた所、独特の味と風味の麺になったことから、それを料理として提供し始めたのが始まりと言われています。
一方焼きそばのような見た目のタイプの発祥は、戦中に中国で食べたものの味を店主が再現しようとしたものだということです。
このように味や見た目には様々な違いがある料理ですが、定義は蒸した麺の上にキャベツと羊肉(マトン)がのっていることです。
近年はB級グルメのブームもあり、伊那の町おこしに一役買おうと、様々なB級グルメイベントに参加しています。
しかし、マトンも麺も独特の風味があるのがとっつきにくい印象を与えるようで、全国的な認知度はあまり高くはありません。
イベントでも行列のできる人気の店には程遠いのが現状です。
しかし地元での知名度は高く、伊那地方では60店舗以上も店がある人気のグルメです。
ローメンには2種類ある
先ほど少し触れましたが、ローメンは大きく分けて2種類あります。
ラーメンのような見た目のスープ風と焼きそば風です。
それぞれの特徴をみていきましょう。
スープ風ローメン
ラーメンのように、スープの中に麺が浸かっていて、トッピングとしてキャベツとマトンがのっています。
麺は普通の中華麺より固めに出来ているため、お年寄りの方々や子どもには食べにくいという欠点がありますが、このスープ風はスープで麺を煮込むため、柔らかい仕上がりとなるのが特徴です。
だしもお店によって味が違いますが、多くは豚ガラを中心にしたコクがあるスープが多いです。
麺が一度乾燥させるときに茶色く変色するので、その点がラーメンとは違う見た目になっています。
焼きそば風ローメン
焼きそばの中華麺ではなく、ローメンの麺を使っていますが、味付けはソースをベースにしていることが多いので、見た目はほとんど焼きそばと大差ありません。
蒸してある麺を茹でてからキャベツやマトンとともに炒めて作ります。
茹でてから調理はしますが、一度乾燥させている分普通の中華麺よりは固くコシがあるのが特徴です。
ローメンのおすすめの食べ方は?
ローメンは味付けにこれを使わなければならないという定義がないため、店舗によって味が全く異なります。
いろいろな店舗巡りをして、好みの味を見つけるのも面白いです。
しかし60店舗以上あるお店を回るのには抵抗がありますよね。
そこでおすすめなのが薬味です。
ローメンはもともとついている味付けに、薬味をかけて食べます。
その置いてある薬味は一味・七味唐辛子、ソース、お酢、ソース、ごま油などお店によって様々ですが、それらを使うと自分の好みの味に調整することができます。
スープタイプが好きか、焼きそば風が好きかなどだいたいの好みで店を決めた後は、自分で食べながら好みの味を追求するのが美味しい食べ方といえますね。
ローメンの普及活動をする伊那ローメンズクラブもある!
伊那ローメンズクラブとは「日本料理あすなろ」が代表で、伊那のB級グルメであるローメンを全国に広めようと活動する団体です。
伊那にある店が並ぶマップやスタンプラリーの作成やお店の上りの作成などを主な活動として行っています。
この団体によって6月4日はムシ、つまり蒸しの日ということでローメンの日に制定し、それにちなんだイベントも行われます。
また近年のB級グルメブームもあり、全国的にB級グルメのイベントが開催されていますが、そのようなイベントへの出店もクラブの役割の一つです。
ローメンはどこで食べれるの?東京や埼玉も!おすすめのお店10選!
ではローメンのレストランをみてきましょう。
ローメンには以下のレストランがあります。
- 萬里
- 四方路
- うしお
- シャントン
- 華蔵
- お食事処 みすゞ
- 天壇
- 菊香堂
- 大衆酒場 春日
- 麺飯菜館じょうじょう
続いてローメンのレストランを、それぞれ詳しくみていきます。
ローメンのレストラン①:萬里
「中国料理とローメンの館」という看板が立っているほど、前面に売り出している萬里。
実はこちらがスープ風の発祥の地とされています。
全体的にあっさりした味付けになっていて、七味、お酢など置いてある調味料を自分で足して好みの味に自分で仕上げるスタイルです。
その他にも羊や鹿、馬などを使った珍しい料理のメニューが数多くあります。
大人数でいろいろなメニューにチャレンジしてみるのも面白いお店です。
ちなみに一番人気は豚頭です。
萬里
住所:長野県伊那市坂下3308 入舟会館
電話番号:0265-72-3347
営業時間:11時から14時/ 17時から21時
定休日:月曜日
ローメンのレストラン②:お食事処四方路(すまろ)
オリジナルのスープで麺を煮込んであることが特徴のお店です。
豚骨ラーメンのようにとろみがあり、しっかり味が付いているスープでそのまま食べても十分おいしいです。
またどうしてもマトンは苦手という方には豚肉でのローメンも食べることができるのが嬉しいポイントです。
夏季限定で冷やしローメンというメニューもあります。
他にも伊那のもう一つの名物であるソースかつ丼も人気メニューです。
定食屋メニューが充実しているので、地元の人に親しまれているお店です。
お食事処四方路
住所:長野県伊那市美篶9375−3
電話番号:0265-72-8322
営業時間:11時から14時半/ 17時から21時
定休日:日曜日
ローメンのレストラン③:うしお
焼きそば風ローメンの人気店です。
お店の中にマトンの独特の香りがただよい、好きな人は食欲をそそられます。
焼きそば風ということで初めから甘辛いソースで味付けがしてあり、そのままでも美味しいですが唐辛子を好みでかけて食べます。
地元の人はさらにソースを追加して食べる人も多いようです。
うしお煮という馬のモツ煮も人気メニューの一つでそれをつまみにお酒を飲む地元の人で、いつもにぎわっている人気店です。
混雑時には外で順番待ちをしなくてはいけないこともあるので、時間を調整して行くといいですね。
うしお
住所:長野県伊那市荒井3460
電話番号:0265-72-4595
営業時間:11時半から13時/ 17時から21時
定休日:日曜日
ローメンのレストラン④:シャントン
スープ風と焼きそば風の中間のような、麺が半分ほどスープに浸っているローメンが楽しめるローメンの専門店です。
トッピングは羊肉とキャベツに加え、もやしがのっています。
ローメンしかメニューにはなく、大きさを選んで注文するのですが、一番大きい大サイズは洗面器程の大きさがあるとか。
男性の人気は「学」と呼ばれる大きさのものだそうなので、注文するときは注意しましょう。
ローメンは味付けを自分で変えられるところが魅力ですが、こちらのお店のポイントは他の薬味と一緒においてある自家製のたれです。
コクがあって美味しいと評判です。
もともとは薄い味付けなのでしっかりかけて食べるのがおすすめですよ。
シャントン
住所: 長野県 上伊那郡箕輪町中箕輪12063
電話番号:0265-96-7668
営業時間:16時から20時半
定休日:日曜日
ローメンのレストラン⑤:華蔵
チャレンジメニューが売りのお店です。
ローメン7人前、揚げ餃子2人前、ご飯2人前を30分で食べきるという内容です。
チャレンジ成功するとお題が無料+賞金5000円なので、自信がある人はぜひ足を運んでみてください。
失敗した場合はお代4000円の支払いです。
またマトンが苦手な人のために豚肉での「ローメン」とマトンでの「チャ―ローメン」があるのも人気の理由の一つです。
味はソースベースのスープ風なので、味がしっかりついていてそのままでも美味しいですよ。
華蔵
住所:長野県伊那市高遠町小原998−1
電話番号:0265-94-3580
営業時間:11時から14時/ 17時から23時
定休日:月曜日
ローメンのレストラン⑥:お食事処 みすゞ
焼きそば風のローメンが定食として副菜、お味噌汁とご飯と共に提供されています。
もちろん単品でも満足感を得られるほどの量があります。
豚肉のローメンなのでマトンの臭みが苦手という人でも抵抗感なく食べられます。
太麺で食べ応えがあり、ソースとお酢をベースに味付けがされていて甘辛いたれとお酢の酸味がよくマッチしていておいしくいただけますよ。
ローメンの他にも伊那の名物であるそばやソースかつ丼など郷土料理がたくさん食べられるので、旅行の際にはおすすめしたいお店です。
お食事処 みすゞ
住所:長野県伊那市高遠町西高遠1701
電話番号:0265-94-2311
営業時間:10時半から14時/ 16時半から20時
定休日:不定休
URL:お食事処 みすゞ
ローメンのレストラン⑦:天壇
スタンダードなローメンとは別に、珍しい海鮮ローメンを食べられるお店です。
スープ風のローメンの麺にエビやイカ、キャベツがのっています。
もちろんマトンも入っています。
薬味は唐辛子、おろしにんにく、ウスターソース、お酢、ごま油などをお好みで選ぶことができます。
先に紹介した萬里で修業をしていた方のお店なので、味も美味しいと評判ですよ。
天壇
住所: 長野県伊那市山寺 伊那山寺天竜町1920
電話番号:0265-74-9380
営業時間:18時から1時
定休日:日曜日
ローメンのレストラン⑧:菊香堂
東京でローメンを食べられるお店の一件目は足立区にあります。
伊那出身の店主が作るローメンはとりガラベースのスープを使った焼きそば風のローメンです。
焼きそばよりももちもちとした麺の食感が美味しく、満腹感を得られます。
量もたっぷりで、ローメン一皿でお腹がいっぱいになり、リーズナブルでもあります。
もちろんテーブルにはきちんとお酢や七味などの調味料が置いてあり、本場の雰囲気そのままで味わうことができますよ。
店主の温かい人柄も魅力の、アットホームなお店です。
菊香堂
住所:東京都足立区江北2丁目41−8
電話番号:03-3856-8900
営業時間:11時から22時
定休日:月曜日
ローメンのレストラン⑨:大衆酒場・春日
同じく東京でローメンが食べられるお店2軒目は阿佐ヶ谷にあります。
長野県出身の御夫婦が切り盛りしているお店で、材料が大ぶりの食べごたえのあるローメンが楽しめます。
焼きそば風のローメンにラー油とお酢を好みでかけて食べるので、辛さと酸味が食欲をそそります。
長野県の郷土料理である馬刺しやソースかつ丼なども食べることができるので、まるで長野に旅行に行った気分になりますよ。
御夫婦がフレンドリーであたたかいお店です。
大衆酒場・春日
住所:東京都杉並区阿佐谷南2丁目21−9
電話番号:03-3316-1316
営業時間:17時から24時
定休日:日曜日
ローメンのレストラン⑩:麺飯菜館じょうじょう
埼玉県東大宮にある中華料理のお店でローメンが食べられます。
ラムと豚肉の二種類のローメンがあり、スープ風が提供されています。
ソース、ごま油、唐辛子などの薬味もきちんと用意されていて、好みに合わせて使うことができるので、本場と同じ、自分で味を完成させて食べる体験ができます。
他の中華料理も本格的で美味しいと評判でメニューも充実している、地元の人がよく立ち寄る中華屋です。
麺飯菜館じょうじょう
住所:埼玉県さいたま市見沼区東大宮5丁目30−2
電話番号:048-689-2233
営業時間:11時から14時半/ 17時から0時
定休日:なし
URL:麺飯菜館 じょうじょう
伊那ローメンのお土産はある?通販でも買えるの?
伊那ローメンを試してみたいけれど、長野まで行くのは少し遠い。
そんな方におすすめなのが、通販です。
スープタイプは先ほど紹介した発祥の店、「萬里」から蒸し麺と肉入りスープがセットになったお土産が販売されています。
キャベツを用意するだけで簡単にお店の味を楽しむことができます。
またソースで味付けされた焼きそば風のローメンなど数種類のお土産があります。
そのなかでもキャベツをカップに入れてレンジをするだけでローメンを楽しめるというカップラーメンのような手軽さのものもあり、一人で楽しむのにもちょうどいいとお土産として人気です。
楽天やAmazonでも購入できますが、伊那の観光協会公式ホームページで商品をチェックすると、間違いなく本場のものを買うことができますよ。
伊那市観光協会公式ホームページはこちらです。
伊那市観光協会ホームページ
ローメンは自分でも作れる?レシピをご紹介!
二種類あるローメンですが、今回は手軽に作れる焼きそば風のローメンを家で作ってみる方法を紹介します。
材料(一人前)
- 焼きそばめん1袋
- 羊肉(なければ豚肉)50g
- キャベツ大きい葉1.2枚
スープ
- とりがらスープの素小さじ1/2
- 醤油大さじ2
- 砂糖大さじ1/2
- みりん大さじ1/2
- にんにくすりおろし1/4片
- 焼きそば粉末ソース一袋
- お湯250cc
作り方
- スープの材料のお湯以外を混ぜ合わせておく
- 好きな大きさに切ったお肉とキャベツを塩コショウで炒める
- 麺をほぐしながら入れ、炒める
- 1にお湯を混ぜ、完全に溶かしきるまで混ぜる
- スープをフライパンに入れ、強火で煮詰める
- 煮立ったら火を止めて完成
食べる前に好みでお酢や唐辛子、ウスターソースなどで味を調えると、より好みの味付けになります。
またトッピングの具も好みによって海鮮やもやしを加えてみたりして自分だけのローメンの味を追求してみてください。
ローメンは太麺であることが多く、蒸した後のもっちりとした食感が特徴です。
焼きそばの麺を選ぶときはそのような麺を選ぶと、より本場のローメンに近づけることができますよ。
長野・伊那名物ローメンが食べられるお店10選のまとめ
伊那市の町おこしの一環として注目されているローメン。
羊肉や蒸した麺などから香る独特の香りが、他では味わえない魅力となっています。
長野県に立ち寄る際は、王道のソースかつ丼やそばなどと共に是非伊那市に立ち寄ってローメンを試してみてください。
親しみやすいお店ばかりなので、地元の人たちとの関わりも持てて、新たな長野県の魅力を発見すること間違いなしです。