環七ラーメン戦争ってなに?
今や寿司に迫る勢いで世界中で大人気になっている日本の国民食ラーメン-。
近年は特に、ニューウェイヴが次々に生まれ、その時々で一大流行を巻き起こして、またすぐに次の新しい潮流が台頭する、といった栄枯盛衰の著しい業界でもあります。
そんなラーメン店が凌ぎを削る日本の中でも、東京は特に激戦地区として知られます。
最近では、新宿や高田馬場などが、新しい潮流を巻き起こすホットなエリアとなっていますが、この東京のラーメン店の競争激化の口火を切ったのが、1990年代初頭の環七エリアでした。
環状7号線沿いに続々と人気のラーメン店が誕生し、それぞれ凌ぎを削り合うという「環七ラーメン戦争」と呼ばれる一大ムーブメントが勃発したのです。
今でも渋滞が当たり前の環七ですが、この当時は、話題の人気ラーメン店群を目指した車で、大渋滞、大混乱する光景が風物詩ともなりました。
中でも、その中心的存在として当時大注目を浴びたのが、世田谷・羽根木の「なんでんかんでん」と、板橋・常盤台の「土佐っ子ラーメン」でした。
「なんでんかんでん」は、当時はまだ少なかった本場博多のとんこつスープを流行らせ、一時は年商6億円という売上を叩き出し、名物社長はテレビ番組「マネーの虎」などに出演して、一躍時代の寵児になっていたほどです。
「土佐っ子ラーメン」は当時はまだ斬新だった「こってり背脂系スープ」の元祖人気店として、遠方からも多くのファンが押し寄せ、今では人気店の常識となっている「完全入れ替え制」を最初に行ったお店としても有名です。
人気行列店も!環七のおすすめラーメン店15選!
では、環七のお店をみていきましょう。
環七のお店には、以下の15個のお店があります。
- 無鉄砲つけ麺無極
- 味噌一
- 肉玉そば「おとど」
- 中華そば「ふくもり」
- ラーメン一番
- 元祖まぐろラーメン
- 六紋亭
- 香味屋
- せたが屋
- 宝来軒
- 屋台屋
- 蘭鋳
- ラーメン二郎
- ラーメン富士丸
- 中華そば「敦」
続いて、環七のお店を、それぞれ詳しくみていきます。
1. 無鉄砲つけ麺無極
名店が綺羅星の如くひしめき合う環七のおすすめラーメン店で、まずはじめご紹介するお店が『 無鉄砲つけ麺無極』です。
西武新宿線野方駅から徒歩およそ5分ほどの環七沿いにある店舗は、カウンターで12席ほどの小さなお店です。
その名の通りつけ麺で名高い無鉄砲グループのお店であり、看板メニューの「濃厚豚骨つけ麺」は、非常に濃厚な豚骨スープの深みを味わえます。
麺も秀逸で、太いストレート麺で歯ごたえがもっちりとしていてつけダレによく絡みます。
「日替わり魚粉」があり、味のギアチェンジも可能なうえに、トッピングもメンマやチャーシューと自由にできて、更に自分好みにアレンジ可能です。
無鉄砲つけ麺無極
住所:〒165-0021 東京都中野区丸山2丁目1−1
電話番号:03-3338-9998
営業時間:11時00分~15時00分、17時00分~21時00分
定休日:月曜日
URL:無鉄砲グループ
2. 味噌一
味噌ラーメンの専門店であり、都内に数多くのチェーン店舗を持つのが、『味噌一』です。
本店は、高円寺であり、東京メトロ丸の内線の東高円寺駅から徒歩約7分ほどの環七沿いに店舗はあります。
白味噌と数種類のスパイスで作り上げた独自の味噌ダレを使用したオリジナルの味噌ラーメンは、多くのファンを持ちます。
麺は、中太のちぢれ麺でぷりぷりのコシがあります。
また、高円寺本店にしかないオプションとしては「背脂チャッチャ」が挙げられます。
これは、味噌スープに背脂をトッピングするオプションで、こってりと一層風味が増した美味しさが口の中に広がります。
早朝の5時まで営業しているので、真夜中にお腹が空いた人の胃袋を満たしてくれる有難さもあります。
味噌一 高円寺店
住所:〒166-0003 東京都杉並区高円寺南2丁目35−15
電話番号:03-5378-5020
営業時間:11時00分~5時00分
定休日:-
URL:味噌一
3. 肉玉そば「おとど」
亀有駅から歩いて約5分の環七沿いに『 肉玉そば「おとど」』はあります。
おとどは、関東に数店舗を持つチェーン展開するラーメン屋です。
「日本一ご飯が進むラーメン」というキャッチフレーズの元、独自のスタイルを展開しており、ラーメンと一緒に必ずご飯が提供されます。
しかも、このご飯はおかわり自由というサービス精神にあふれたお店です。
スープも独自性が高く「三獣スープ」と銘打たれた鶏・豚・牛から抽出した濃厚な動物系の脂の多いスープを醤油ダレで仕上げたものになります。
麺は中太のもちもち系で、濃い目のスープによく合います。
肉玉そばには、豚肉の焼肉やにんにくやねぎ、生玉子などがトッピングれているので、味の濃いスープとともに、ご飯のお供になるように考えられています。
おとど亀有店
住所:〒125-0061 東京都葛飾区亀有5丁目49−6
電話番号:03-5616-5858
営業時間:11時30分~3時00分
定休日:-
URL:おとど
4. 中華そば「ふくもり」
東急田園都市線・駒沢大学駅から徒歩約10分ほどの環七沿いに、世田谷っ子たちに愛されるラーメン屋さん『中華そば「ふくもり」』はあります。
有名な『せたが屋』グループの一翼でもあり、各グルメ雑誌などに世よく取り上げられる人気店で、遠方からもお客さんが通ってきます。
看板メニューで定番の「中華そば」は、アジ干しやイワシ干しなどの煮干しから抽出したスープをベースに豚骨スープと混ぜ合わせた濃厚なスープが特徴です。
このスープに、中太のストレート麺がよく馴染み、絶妙なハーモニーを奏でます。
チャーシューは厚めで、豚肉の旨味が十分に感じられる逸品となっています。
トッピングで、ねぎの上に散りばめてあるゆずの風味も抜群です。
中華そば「ふくもり」
住所:〒154-0003 東京都世田谷区野沢4丁目9−18
電話番号:03-3410-0081
営業時間:11時30分~15時00分、18時00分~0時00分
定休日:木曜日
URL:せたが屋
5. ラーメン一番
生き馬の目を抜くほど苛烈な競争で10年間生き抜くのは至難の業とも言われる東京のラーメン業界で、1984年の創業以来、一貫して多くのファンのハートを鷲掴みにして話さない老舗人気ラーメン店が『ラーメン一番』です。
小竹向原駅で降りて徒歩約8分の環七沿いに『ラーメン一番』の趣のある店舗はあります。
ここはかつて一世を風靡した背脂チャッチャ系発祥のお店としても名高いです。
一番人気は「味噌ラーメン」で、背脂の浮いた濃厚な味噌スープは、不思議としつこさはなく、あっさりしているのが特徴です。
深夜の3時まで営業しているので、環七を流している人や、深夜のタクシードライバーにも大人気のお店です。
ラーメン一番
住所:〒176-0004 東京都練馬区小竹町2丁目74−8
電話番号:03-3974-6065
営業時間:18時30分~3時00分
定休日:日曜日
URL:ラーメン一番
6. 元祖まぐろラーメン
まぐろのアラで出汁をとった特有のスープでセンセーションを巻き起こし、グルメ雑誌やラーメン専門誌、ネットでもあちこちで特集が組まれるほどの超人気ラーメン店が『元祖まぐろラーメン』です。
板橋本町駅で降りて、環七沿いに2分ほど歩けば小さな店舗はあります。
店内は、カウンター12席の小さなお店なので、お店の前には絶えず行列客が並んでいます。
麺はスープによく絡む中太のちぢれ麺で、スープの旨味をしっかりと運んで伝えてくれます。
まぐろのアラ出汁に背脂のスープは、濃厚でありながら見た目ほどこってりではなく、さっぱりとしています。
元祖まぐろラーメン
住所:〒173-0012 東京都板橋区大和町23−2
電話番号:03-3962-7716
営業時間:19時30分~3時00分
定休日:月曜日
URL:-
7. 六紋亭
足立区西新井の大師前駅で降りて歩いて1分の環七沿いにあるおすすめのお店が『六紋亭』です。
特につけ麺が美味しいと評判の人気店で、深夜2時までお客さんで一杯です。
看板メニューの「六紋亭つけ麺」は、魚介の出汁に醤油のつけ汁がとても美味しく、これに中太のちぢれ麺がよく絡んで、食べ始めると止まらなくなる魅力があります。
更にうれしいポイントとして、麺の横に付け合わせで肉味噌と水菜が付いている点が挙げられます。
特に肉味噌は、柚子胡椒のフレーバーが効いていて、魚介ベースのつけ汁に大きなアクセントを加えてくれます。
六紋亭
住所:〒123-0845 東京都足立区西新井本町1丁目15−9
電話番号:03-5691-6611
営業時間:11時00分~15時00分、19時00分~2時00分
定休日:木曜日
URL:-
8. 香味屋
板橋本町から、環七沿いに5分ほど歩けばおすすめのラーメン屋さん『香味屋』はあります。
このお店は、名店ひしめく環七のラーメン店でも近年めきめきと頭角をあらわしているお店で、トラックドライバーのアンケートでも必ず上位に入っています。
秋田比内地鶏を使ったどろっとしたスープが絶品で、オリジナルのタレの漬け込んだ分厚くてジューシーなチャーシューも大変高い評価を集めています。
今、最も勢いのある環七ラーメン店の1つです。
香味屋
住所:〒173-0001 東京都板橋区本町11−5 本町マンション106
電話番号:03-5248-0261
営業時間:12時00分~2時00分
定休日:月曜日
URL:ちゃあしゅう自慢 香味屋
9. せたが屋
現在のラーメンブームの火付け役的な存在で、全国的知名度も抜群に高い環七のおすすめ人気ラーメン店が『せたが屋』です。
昼間は「ひるがお」という別のお店の顔を持ち、夜になるとラーメン店『せたが屋』に変わります。
このお店のラーメンの特徴はまずそのスープにあります。
魚介出汁と動物系出汁のダブルスープが売りになっており、これが非常にコク深く病みつきになるファンが続出しています。
麺は中太のストレートタイプですが、歯ごたえがありぷりぷりです。
せたが屋本店
住所:〒154-0003 東京都世田谷区野沢2丁目1−2
電話番号:03-3418-6938
営業時間:11時00分~15時00分、18時00分~3時00分
定休日:水曜日
URL:せたが屋
10. 宝来軒
1976年から江戸川区葛西の地で営業している老舗長崎ちゃんぽん専門店が『宝来軒』です。
本場長崎佐世保市の宝来軒で修行を積んだ店主が作る美味しいちゃんぽんは定評があり、長年にわたって地元の住民たちから愛されているお店です。
長崎ちゃんぽんは野菜たっぷりであっさりしていて、100円追加すれば大盛にできます。
中太のストレートな麺とスープの相性も絶妙で、何度でも通いたくなる味です。
宝来軒
住所:〒134-0083 東京都江戸川区中葛西2丁目22−9
電話番号:03-3687-7273
営業時間:11時30分~14時30分、17時30分~19時55分
定休日:月曜日
URL:宝来軒
11. 屋台屋
駒沢大学駅から環七沿いに徒歩6分ほどで、おすすめの人気ラーメン店『屋台屋』に着きます。
地鶏を丸ごと煮込んで丁寧にとった出汁のスープは黄金色に透き通り美しいです。
醤油ラーメンとともに、塩味のとりそばが大人気で、連日多くのお客さんがこのどこか懐かしい味を目当てにやってきます。
麺は細麺でちぢれており、この形状と細さが、あっさり目のスープと絶妙にマッチしています。
ガッツリ系やこってり系よりも、繊細でまろやかな味が好みの人にはうってつけのラーメン屋さんです。
屋台屋
住所:〒154-0011 東京都世田谷区上馬4丁目11−26
電話番号:-
営業時間:11時30分~14時00分、17時00分~2時00分
定休日:火曜日
URL:-
12. 蘭鋳
丸の内線方南町駅から環七沿いに徒歩9分歩いた杉並区堀之内の地に『蘭鋳(らんちゅう)』はあります。
煮干しラーメンの草分けとしてラーメン通なら誰でも知っている名店です。
常に開店前から行列のできる人気店ですが、店内はカウンター8席しかないこじんまりとしたお店なので、場合によってはかなり待ち時間がかかることは覚悟しなくてはならないでしょう。
看板の「中華そば」は、煮干しの風味豊かで味わい深い出汁に豚ベースの清湯スープをミックスした絶品です。
更に、『蘭鋳(らんちゅう)』の特筆すべき点は、トッピングのレアチャーシューです。
チャーシューというよりも燻製のベーコンのような風味豊かで見た目も美しい逸品です。
蘭鋳
住所:〒166-0013 東京都杉並区堀ノ内2丁目13−13
電話番号:03-6319-1045
営業時間:12時00分~14時00分、18時00分~21時00分
定休日:日曜日
URL:-
13. ラーメン二郎
今や「二郎系ラーメン」などという系統用語までになってすっかり有名な『ラーメン二郎』。
ラーメン街道環七にも、ラーメン二郎の店舗はあります。
ここでおすすめするのは、都営新宿線一之江駅から環七に沿って歩いて3分ほどの場所にある『ラーメン二郎環七一之江店』です。
数多い都内のラーメン二郎の店舗の中でも、一般客も入りやすいと人気の高い店で、いつも行列ができています。
スープは二郎らしいこってり系のトンコツ醤油味で、小ラーメンも大ラーメンも、トッピングする豚の量に応じて値段は変わります。
ガッツリ食べたい人には真っ先におすすめのラーメン屋さんですね。
ラーメン二郎環七一之江店
住所:〒132-0024 東京都江戸川区一之江8丁目3−4
電話番号:-
営業時間:平日:11時00分~14時00分、17時30分~20時30分 土日:
10時00分~14時00分
定休日:水曜日
URL:-
14. ラーメン富士丸
足立区西新井の環七沿いにあるおすすめのラーメン屋さんは、「ラーメン二郎」に多大なる影響を受けた「二郎インスパイア系ラーメン」の代表格として、二郎系ラーメンマニアの間では熱烈な人気を誇る『ラーメン富士丸 西新井大師店』です。
営業は夜のみですが、連日行列は当たり前の人気店です。
特筆すべきは、やはりそのボリュームの凄さでしょう。
『ラーメン富士丸 西新井大師店』では、並であっても、一般的なラーメン店の2倍のボリュームがあります。
スープは甘みがあり、チャーシューはかなり濃いめの味付けになっていて、見た目は二郎以上のワイルドさがあります。
二郎系ラーメンに目がない人には、病みつきになるほどの魅力があるでしょう。
ラーメン富士丸 西新井大師店
住所:〒123-0841 東京都足立区西新井1丁目7−7
電話番号:03-3896-6302
営業時間:18時00分~0時30分
定休日:月曜日
URL:-
15. 中華そば「敦」
最後にご紹介する環七のおすすめ人気ラーメン店は、『中華そば「敦」』です。
亀有駅から環七沿いに4分ほど歩いた場所にあります。
『中華そば「敦」』は非常にこだわりの強いお店としても有名です。
それは、化学調味料を一切使用しない「完全無化調ラーメン」をこだわって作っている点です。
麺も無化調スープにフィットする自家製の特製麺を使用しています。
まさにオーガニックなラーメン店として、天然食材にこだわりのあるファンが遠方からも訪れる人気店であり、テレビにもよく取り上げられます。
特製チャーシューはレアの状態で、トッピングされスープの温度でちょうど良い具合に中に熱が通る仕様になっています。
中華そば「敦」
住所:〒125-0061 東京都葛飾区亀有5丁目41−4
電話番号:03-3628-6363
営業時間:11時30分~14時30分、18時00分~21時00分
定休日:水曜日
URL:中華そば敦
高崎や柏でも?伝説の環七ラーメンは他の地域でも大人気!
1990年代初頭に、「環七ラーメン戦争」が勃発して以降、長きに渡り日本のラーメンブームを牽引してきたホットスポットである環七-。
それら多くの名店を輩出した「環七ラーメン」が、他地域、とりわけ関東エリアの多くのラーメン屋さんやラーメン屋を志す人々に多大なる影響を与えて、多くのフォロワーを生み出したことは自然な現象と言えるでしょう。
東京の周辺の県でもそういった「環七インスパイア系」ともいえるラーメン屋さんは多く見られます。
代表的なラーメン屋さんとしては、群馬県高崎市の『環七ラーメン周麺』や、千葉県柏市や我孫子市の『環七ラーメンてらッちょ』
を挙げることができます。
いずれも、かつて環七ラーメンとして一世を風靡した「背脂系」であり、環七ラーメン好きにはたまらないお店になっています。
環七だけじゃない!環八もラーメンが人気!
環七の外側を通る環状道路である環状8号線、通称環八も今や、美味しいラーメンが雨後の筍状態で、どんどん生まれているラーメン店のホットスポットとなっています。
かつての環七ラーメン戦争のような過当競争ではないものの、豚骨から味噌、しょうゆに魚介、それに各種つけ麺の名店が競い合うように、各エリアでその店の味を主張し合っているラーメン街道になっています。
環八も環七同様、舌の肥えたトラックドライバーやタクシードライバーたちが美味しいお店はいち早く口コミで広めてくれるので、新進気鋭のラーメン屋さんにとってはうってつけの腕試しスポットなのです。
環七ラーメンに関するまとめ
今から30年ほど前に始まった激烈な「環七ラーメン戦争」は、ひいては日本全体に空前のラーメンブームを巻き起こし、それは未だに続いています。
背脂チャッチャに代表される環七ラーメンはすっかり一般浸透し、いまはその次世代のまたその次世代ぐらいに踏襲されています。
競争はひとまず落ち着いた環七ですが、数多くの美味しいラーメンが食べられる名店は残り、今も大人気です。
ここで取り上げた名店たちも一度は食べておきたいお店ばかりでしたね。