【おすすめの前に】本物のオリーブオイルとは?偽物ってあるの?
お店に陳列されているオリーブオイルの商品を見てみると「ピュアオリーブオイル」と「エクストラヴァージンオリーブオイル」という表示の違いがあることはご存知でしょうか。
日本ではJAS(日本農林規格)によりオリーブオイルはこの2種類となっているのですが、実はオリーブオイルの本家である欧州を含めた国際基準では、9種類もの分類がなされ品質基準を細かく設定しているのです。
中でもエクストラヴァージンオリーブオイルに対するJAS規格の緩さは決定的と言えるでしょう。
国際オリーブ協会の定めるエクストラヴァージンオリーブオイルは、酸度0.1〜0.8%以下の、オリーブの実だけを原料とした高品質なオイル、とされています。
ですが日本のJAS規格のエクストラヴァージンオリーブオイルの基準は酸度2%以下。
国際基準ではエクストラヴァージンオリーブオイルの下の区分であるピュアオリーブオイルの酸度基準1.5%すらクリアできていない商品もエクストラヴァージンオリーブオイルに区分されてしまうのです。
これが品質の悪いオリーブオイル商品の出回る要因ともいえます。
偽物というより日本の品質基準が低いために起こっている現象です。
このような日本国内のオリーブオイル事情を憂慮し、日本でも国際基準に照らし合わせた品質を求める声も上がっていることから2010年に一般社団法人日本オリーブ協会を発足しました。
また国連の下部組織でもある国際オリーブ協会(IOC)に同年、日本で唯一加盟した団体として、国際基準を満たした商品に「JOA認定マーク」を付与しています。
今後、日本国内でも国際基準をクリアした確かなオリーブオイル商品が手に入りやすくなるようになってほしいものですね。
では店頭で簡単に国際基準をクリアした確かなオリーブオイル商品かどうか確認できるポイントをお教えしましょう。
①遮光性の高い容器に入っているか
→エクストラヴァージンオリーブオイルは光により劣化が進むため品質保持のために黒っぽいボトルなどに入っています。
②コールドプレス製法と表記がある
→エクストラヴァージンオリーブオイルはオリーブジュース、と言われる位なのは加熱抽出などせずに絞られているため栄養素もそのまま含まれています。
③品評会受賞表記がある
→国際オリーブオイルソムリエ協会が実施している品評会受賞歴があれば品質は確実です。
④安すぎない商品
→国際基準によるエクストラヴァージンオリーブオイル商品は数が限られているため、比較的価格が高い傾向にありますから安すぎる商品は購入しないほうが無難です。
オリーブオイルは効能抜群!美容や健康対策にもおすすめ!
品質が確かなオリーブオイルは体にもいいことばかり。
特に女性には美容にいい成分が多く含まれているのでオススメです。
オリーブオイルに含まれている主な成分はオレイン酸です。
オレイン酸は酸化しにくく体に悪影響のある過酸化脂肪酸に変化しにくいのが特徴。
このため、炒め物などでもオリーブオイルを使うと良い、と言われています。
オレイン酸は生活習慣病にも効く成分としても注目を集めています。
悪玉コレステロール値の低下の促進や動脈硬化などの心疾患の予防などにも効果があるとされており、アメリカの食品医薬品局 (FDA)では1日スプーン2杯の摂取を推奨しているほど。
またオレイン酸と並び、抗酸化作用や抗炎症作用もあるポリフェノールも豊富に含まれていることからガン予防も期待できる、と言われています。
オレイン酸のほか、スクワランやビタミンAによるお肌の高い保湿力の保持や、ポリフェノールによるシミ、ソバカスの予防など、女性には嬉しい効能ばかり。
世界中で作られているオリーブオイル!おすすめはどこの産地?
日本では小豆島など極限られた場所でしか生産されていません。
というのも、オリーブは地中海原産であることが挙げられるでしょう。
地中海沿岸地域では昔からオリーブオイルは重宝されていました。
では現在の主なオリーブ産地とその特徴を見ていきましょう。
イタリア産オリーブオイル
イタリア料理はパスタに代表されるようにオリーブオイルをふんだんに使った料理が数多くあります。
イタリアは南北に細長い地形のため、北部、中部、南部で生産されるオリーブの特徴が異なります。
特にオリーブの特徴が地域により異なるようになったのには、イタリア特有の地域に根差した食文化の影響だともいえます。
その土地により肉をよく食べる地域、魚介類をよく食べる地域、とその土地で食べられている食事に合うオリーブオイルが淘汰された結果なのでしょう。
スペイン産オリーブオイル
スペインはイタリアとは対照的に効率重視大量生産を目指してきた経緯があります。
スペインでの主な生産地はアンダルシア地方が中心。
高い生産性と安定した品質を保つために品種も限定されました。
そのため地域による特徴の違いは見られません。
ですが高い生産性をめざした甲斐もあり、現在では世界生産1位を独走しています。
ポルトガル産オリーブオイル
日本に初めてオリーブオイルを持ち込んだのはポルトガル人神父だった、と言われています。
日本にもゆかりの深いポルトガルも地中海性気候なのでオリーブの生産は盛ん。
オリーブ生産は世界のトップ10に入る生産地です。
ポルトガル産のオリーブオイルは、より抗酸化物質を持つ成分バランスが良いことでも知られています。
トルコ産オリーブオイル
もともとイタリアやギリシャに近いことから昔からオリーブオイルを使ったトルコ料理が数多くあります。
トルコも地中海に面しており、地中海性気候を生かして近年オリーブの生産量が上昇してきている国のひとつ。
生産地であるアイワルク地方は「トルコのトスカーナ」と呼ばれる程の名産地となっています。
生産量だけでなくオリーブオイルの品質も良く、比較的手に入りやすいお手頃な価格のものが生産されています。
プロ仕様!市販もされてるおすすめのオリーブオイル5選!
おすすめのオリーブオイル①:ローズメイエクストラヴァージンオリーブオイルアルティジャーノ(イタリア)
「アルティジャーノ」とはイタリア語で「職人」のこと。
ローズメイエクストラヴァージンオリーブオイルアルティジャーノは、プーリア州コラートという町で、オリーブ職人のジュゼッペ・コンソーレさんが丹精込めて作った一品。
代々続いてきた伝統を守りながら最高峰のオリーブオイルを探求しています。
こちらの製法はオリーブのコラティーナ種のみを使用、完熟させてから収穫してすぐにオリーブの実から搾った文字通り一番搾りのオイル。
オリーブの風味を生かすために敢えて最終濾過はせずにボトリング。
フルーティーな風味と苦味の絶妙なバランスを楽しめます。
おすすめのオリーブオイル②:アルドイノ エクストラヴァージンオリーブオイル フルクトゥス (イタリア)
後味がフルーティであることが特徴のアルドイノ社のエクストラヴァージンオリブオイル。
その後味の特徴からフルクトゥスと名付けられました。
このオリーブオイルを生産しているのは、リグーリア州インペリアにあるアルドイノ社。
アルドイノ社は1870年創立という老舗メーカー。
インペリアの人々には長年高品質なオリーブオイルやオリーブ製品を手がけるメーカーとして親しまれてきました。
アルドイノ社のオリーブオイルの製法は一風変わっています。
金属の電極を利用しオイル部分だけを抽出するパーコレーション法を採用しています。
この製法は他の方法に比べて極端に抽出量が少ないためアドルノ社の他数社しか採用していません。
ですが、この製法ならオリーブオイルのえぐみが出ることなく品質の高いオリーブオイルを抽出するのことが可能なのです。
おすすめのオリーブオイル③:エグレヒオ オレオエステパ 有機エクストラヴァージンオリーブオイル (スペイン)
オレオエステパ社は5500名以上の農家が集まり、1986年に設立され現在も運営する協同組合グループです。
スペインではオリーブの品種を限定し効率的に生産することで世界1位の生産量を誇っています。
そんな中でもこのオリーブオイルは国際コンペで金賞を受賞したこともある、エクストラヴァージンオリーブオイルの中でも最高峰の一品。
有機栽培にこだわり、早摘みされた青い実の持つ鮮度の高さと熟した実やハーブを思わせる香りがします。
オリーブオイルを口に入れるとトロピカルフルーツの風味がする中に微かに感じる苦味と辛味が特徴。
おすすめのオリーブオイル④:ピクーダ エクストラバージン オリーブオイル (スペイン)
ピクーダ社を創設したマテオ・ミュエル・ベラスコ氏はスペインがオリーブオイルの大量生産へと舵をきる中にあって「オリーブオイルの未来像は伝統の忍耐力と職人のやり方にこそある」と決心したのは70年以上も前のこと。
先見の明のあった創設者のおかげで現在では何度も国際コンペなどで受賞歴を重ねています。
品質の高いピクード種を贅沢に100%使うことで他のオリーブオイルとは一味も二味も違う逸品に仕上がりました。
このオリーブオイルの香りの特徴は青々したオリーブの葉やリンゴやバナナといった果実の香りも感じられます。
味は熟したオリーブのフルーティーさに軽い辛味を持ち合わせたフレッシュな味わいです。
おすすめのオリーブオイル⑤:イモーリエクストラヴァージンオリーブオイル ラウデミオ (イタリア)
ラウデミオという名称は中世イタリアで領主への貢ぎ物として厳選されたもっとも良い品を納めていたことに由来しています。
その名を冠するこのオリーブオイルを生産するイモーリはイタリア中部のトスカーナ地方フィレンツェ郊外にオリーブ畑を持っており、古くから良質のオリーブが取れることでも有名。
収穫期は11月初旬〜12月初旬に行われ、フラントイオ種65%、レッチーノ種20%、モライオロ種15%の配合で作られています。
若葉の香りを感じさせる風味と中部地方独特の辛味が特徴です。
普段使いに!カルディやスーパーで買えるおすすめオリーブオイル5選!
スーパーやカルディ でも購入することができる、確かな品質のエキストラヴァージンオリーブオイルをご紹介します。
おすすめのオリーブオイル①:ウニオリバ エキストラ ヴァージン オリーブオイル DO モントロ-アダムス (スペイン)
スペインアンダルシア地方のハエン県ウベタ市では初めての農業組合であるSCA Union de Ubada社は、エキストラヴァージンオリーブオイルの製造販売の向上を目指して1931年に創業。
現在は2000名余りの組合員で構成されている農業組合です。
オリーブ農家が寄り集まって運営されているため、オリーブ畑から製造、販売に到るまで一括管理ができることが確かな品質のオリーブオイルを製造、販売していく上での利点に繋がっています。
100%スペイン産のピクアル種オリーブを使用し最高品質のエキストラヴァージンオリーブオイル生産をモットーとしています。
おすすめのオリーブオイル②:フルタ デ ラ ヴィーダ有機エクストラヴァージンオリーブオイル (スペイン)
アンダルシア地方グラナダ州にあるAceitesEchina社が製造した地元産オリーブ100%のエクストラヴァージンオリーブオイルを使用した、イデアインターナショナルのオリジナルブランド。
スペインの代表的なオリーブの品種であるオヒブランカ種とピクアル種を理想的なブレンドで甘みと辛味、苦味が程よく感じられる一品です。
フルーティーでさっぱりとした風味が特徴的な有機エキストラヴァージンオリーブオイル。
もちろんエキストラヴァージンオリーブオイルは冷却抽出製法しているので、オリーブ本来の特徴も保持されています。
おすすめのオリーブオイル③:アルチェネロ 有機エクストラヴァージンオリーブオイル ドルチェ (イタリア)
アルチェネロは1978年に発足した農業協同組合。
イタリア各地に点在する農家や農業協同組合と連携して素材を生かした商品作りをしています。
商品は多岐にわたりオリーブオイルのほか、パスタやトマトソース、ビネガーなどを手がけています。
商品作りのモットーは化学薬品に頼らない自然の恵みと人の力で作物を育てる有機農法を実践すること。
今ではヨーロッパ屈指のオーガニックブランドへと成長を遂げました。
アルチェネロのエキストラヴァージンオリーブオイルは南イタリア産の有機オリーブを使用。
手摘みで丁寧に収穫し24時間以内に低温圧搾法でオイルを抽出する徹底ぶり。
こちらの商品「ドルチェ」は日本人でも親しみやすいマイルドで優しい香りなので、さまざまな料理に合う一品です。
おすすめのオリーブオイル④:ラニエリ エクストラヴァージン オリーブオイル (イタリア)
現在ではラニエリ兄弟が営むMiraSud社はラニエリブランドのオリーブオイルの製造会社。
歴史は古く、1884年から続くラニエリ家が代々受け継いだ伝統的な製法を100年以上も守り続けています。
2000年には品質管理のため国際標準化機構が定めた国際基準をクリアしISO9001を取得。
ソレント半島にある工場ではイタリアでも数人しかいない「オリーブオイルの巨匠」という称号を持つオリーブオイル調合師が、ソレント産とプーリア産のオリーブをブレンドして最高品質のオリーブオイルを作り出しています。
風味はオリーブらしさを残しながらもクセのない味わいなので、どんな料理にもあうオリーブオイルに仕上がっています。
おすすめのオリーブオイル⑤:ロマニコオーガニックエクストラヴァージンオリーブオイル (スペイン)
ロマニコはカタルーニャ地方に広がるオリーブ畑でアルペギーナ種のみを長年育ててきました。
徹底した有機農法を取り入れており、過去3年以上化学肥料の使われていない土地で栽培された有機オリーブを100%使用しています。
オリーブオイルはもちろん収穫して24時間以内に加工をする、という鮮度にこだわった製品作りをモットーとしています。
その品質の高さはスペイン、バルセロナにある高級百貨店からもお墨付きをもらっているほど。
確かな品質は数字にも表れています。
通常エキストラヴァージンオリーブオイルは酸度0.8%以下であればエキストラヴァージンオリーブオイル、と名乗ってもいいことになっています。
ところがロマニコのエキストラヴァージンオリーブオイルはなんと酸度0.5%以下という高い品質を誇っています。
冬は寒く、夏は干ばつになるほどの激しい気候に耐えてできたオリーブには、ナッツの香りと青々しいハーブの香りの後にレモンの香りまでする、複雑な風味を楽しむことができます。
調理法いろいろ!オリーブオイルを使ったおすすめ簡単レシピ3選!
エキストラヴァージンオリーブオイルは加熱に向かない、と言われることもありますが、品質が確かなものであれば、加熱されても人体に悪影響を及ぼす過酸化脂肪酸に変化しにくいオイルでもあるので、色々な料理に使えます。
ではエキストラヴァージンオリーブオイルを使ったレシピをいくつか紹介しましょう。
おすすめのオリーブオイルを使ったレシピ①:レンチンで
温野菜を作る時に茹でると栄養素が茹で汁に出てしまうことから、レンジ加熱する方が野菜の栄養を余すことなく取れます。
加熱する前に温野菜にする材料に大さじ2杯くらいのエキストラヴァージンオリーブオイルをかけてから加熱すると野菜の風味とオリーブオイルの香りがマッチして美味しく仕上がります。
お好みで塩コショウや醤油をかけても美味しいですよ。
向いている野菜は人参、じゃがいも、ズッキーニ、長ネギ、ナス、キャベツなど。
うまく組み合わせてラタトゥイユ風に調理してみても美味しいです。
おすすめのオリーブオイルを使ったレシピ②:フードプロセッサーで
フードプロセッサーを持っている人にはジェノベーゼソースがおすすめ。
できたら家庭菜園で栽培したフレッシュなバジルを使うとさらに風味がアップします。
主な材料はバジルに、エキストラヴァージンオリーブオイル、松の実、にんにく。
このほか塩コショウの分量はあなたのお好みで。
バジルの代わりに夏には大葉を使ってもさっぱりとした大葉ソースが作れます。
パスタと和えても、パンに塗っても美味しい一品。
おすすめのオリーブオイルを使ったレシピ③:かけて混ぜるだけ
超簡単なレシピとも言えないかもしれませんが、実はこれが一番エキストラヴァージンオリーブオイルの良さが際立ついただき方。
グリーンサラダにかけるもよし、トマトとモッツァレラチーズにかけてもよし。
意外におすすめなのは豆腐とトマトのサラダ。
もめん豆腐とトマトは適当な大きさに切り、エキストラヴァージンオリーブオイルと塩こしょう、お好みでレモン汁を振りかけます。
ここにミックスビーンズを入れても美味しいですよ。
塩の代わりに醤油を入れれば和風、粉チーズを振りかけても旨し。
またバルサミコ酢をかけると、あら不思議、豆腐がチーズのように感じてしまうんです。
ぜひお試しあれ。
オリーブオイルのおすすめの保存方法は?
ここまでご紹介したオリーブオイルは輸入品のエキストラヴァージンオリーブオイルが中心でした。
というのも先に述べたように日本国内の基準では品質保証ができないものがかなり「エキストラヴァージン」として流通してしまっているためです。
ここではエキストラヴァージンオリーブオイルの保存方法をご紹介します。
注意することは、温度と日光などの光。
温度は高すぎても低すぎてもオリーブオイルには向きません。
低すぎる場所、例えば冷蔵庫などに保存することはオリーブオイルは結晶化してしまうのでやめてください。
何度も結晶化を繰り返すとせっかくのオリーブオイルの香りが飛んでしまいます。
また30度以上の場所に長く置いておくとオイルが劣化してします。
輸入品のエキストラヴァージンオリーブオイルなどは遮光性の高い黒っぽいボトルに入っています。
これは紫外線を嫌うオリーブオイルの劣化防止のために色付きのボトルに入っていますから直射日光は避けましょう。
本物のオリーブオイルおすすめ10選!カルディなど市販商品を紹介!のまとめ
本物のエキストラヴァージンオリーブオイルを取り入れてみると、いつもの食事も一味違ってきます。
オリーブオイルは取りすぎを気をつけさえすれば、体にいいことばかり。
日本国内に出回っている粗悪品を見分ける力を身につけて、あなたも本物のオリーブオイルを毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。