インド言語、公用語は何??
インドの公用語は「ヒンディー語」と多くの人が考えています。
しかしインドには、主にヒンディー語など国によって指定されている22の指定言語(公用語)と田舎などで使われている2,000以上の方言があります。
インドの面積は日本の約8.7倍です。世界でもカナダやアメリカなどに次いで7番目に広い国です。
そこに約13億人以上の人々が暮らしています。人口も中国に次いで世界で2番目に人口が多い国です。
ヒンディー語は、首都デリーなどのインド北部で主に使用されている言語です。
各州によって言語が大きく異なります。
例えば、日本では「東京」と「大阪」また「北海道」と「沖縄」では方言があるものの、標準語である日本語は国内どこへ行っても通じます。
私たち、日本人にとってこれが常識ですが、インドではこの常識が大きく異なります。
同じインド国内でも北と南では言語が異なり、旅行で訪れた際などには、同じインド人同士でも言語が異なるため、「言葉が通じない」ということがよくあります。
そのため、「英語」が補助的な公用語として使用されています。
また、ヒンディー語などの文字は、日本人には馴染みがなく、記号のように見えるのも特徴です。
Top10 | 国によって指定されている言語 | 主に使われている地域 |
---|---|---|
❶ | アッサム語 | アッサム州 |
❷ | ベンガル語 | 西ベンガル州、トリプラ州 |
❸ | グジャラート語 | ダードラーとグジャラート州など |
❹ | ヒンディー語 | 主に首都デリーなどのインド北部 |
❺ | カンナダ語 | カルナータカ州 |
❻ | カシミール語 | ジャンムー・カシミール州西部 |
❼ | マラヤーラム語 | ゴア州 |
❽ | マラーティー語 | インドビハール州 |
❾ | オリヤー語 | 東インドオリッサ州 |
❿ | パンジャーブ語 | パンジャーブ州、デリー首都圏 |
インドの言語教育は?
「多言語かつ多民族国家」のインドでは、多くの学校教育やビジネスの場で、共通言語として「インド英語」が使用されています。
特に裕福な家庭が通う、私立の学校やデリーなどの都市部では幼稚園または小学校から、ヒンディー語を除いた全ての授業で英語が使用されているケースが多いです。
この理由から大人になる頃にはインド英語とヒンディー語も含めた2〜3言語以上話せる、特に若い世代のインド人が多くいます。
インド国内でのの識字率は、年々増しており、現在約約74%です。
さらに、インド国内のほとんどの大学では「英語」で全ての授業が行われています。先生同士はもちろん、生徒同士も当たり前のように英語でコミュニケーションを取っています。
【インドの言語事情】インド国内で英語は通じるの?
特に、インド国内で外国人が多く集まる観光地や主要国際空港、デリーなどの首都圏では、インド英語なまりはあるものの、多くの場所で「英語」が通じます。
国際空港や大きなスーパーマーケットなどでは英語での表記も多く見受けられます。
インドで「英語」が多く使われている理由としてかつて
「イギリスの植民地」だったことがひとつの大きな要因となっています。
イギリスは1,600年に東インド会社を設立しました。
それ以降、インド国内全体で植民地化を進めました。また1877年には当時のイギリス女王がインド皇帝を兼ねる「英国領インド帝国」が出来上がりました。
第2次世界大戦後、インドはイギリスから独立しました。
しかし植民地時代の名残から英語が補助的な公用語として、今も多くの国内で使用されています。
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴14選
「インド英語」にはどのような特徴があるでしょうか。
インド英語はヒングリッシュ英語とも呼ばれます。
このためインド英語は、世界中で多く使われている「アメリカ英語」や「イギリス英語」とは異なります。
あまり聞きなれない発音のため、インド英語は慣れるまでは分かりにくいことが多いです。
インド英語には、主に以下のような特徴があります。
- オリジナルの英単語を使う
- アメリカ英語などの通常の英語とはスペールが異なるものがある
- アメリカ英語とはかなり異なる数字の単位を使う
- 「アール」を「ル」と発音する
- 「Th」を「タ行」または「ダ行」で発音する
- 「w」や「f」などを濁音で発音する
- 英語の単語ををそのままつづり通りに発音する
- インド英語は発音に流暢があまりない
- ネイティブではない英語教育が多い
- 発音にはあまりこだわらないインド人
- 文章のつなぎに「And」などの表現をよく使う
- メールなど最後の文章に「DearやLove」を使う人が多い
- 実はビジネスの場面でも多く用いられているインド英語
- インド人はインド英語、また英語を話せることに自信を持っている
続いてそれぞれのインド英語の特徴を詳しく見ていきます。
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴①: オリジナルの英単語を使う
インド英語ではアメリカ英語とは異なるオリジナルの単語が多く使われています。
その代表的な単語が以下の通りです。
英語: Question 質問
↓
インド英語: Doubt ダウト
英語: Green pepper ピーマン
↓
インド英語: Parcel
英語: Restaurant or Cafe
↓
インド英語:Hotel
特に、レストランやカフェのことをホテルと呼ばれるのはとてもめずらしく、インド人以外の人が聞くと聞き間違えたのかなと思うことも多々あります。
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴②: アメリカ英語など通常の英語のとはスペールが異なる
例:
英語: The
インド英語:Da
英語: Shop
インド英語: Shoppe
英語: What
インド英語: Wot
などが代表です。
インド人同士では、メールの文章にもよくこの単語が使われています。
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴③: アメリカ英語とはかなり異なる数字の単位を使う
インドでは一部の英語の数え方に独特の単位を使います。
Lakh(ラク)が10万円を意味します。
Crore(クロー)が1,000万円を意味します。
これは、公用語でもあるヒンディー語がそのまま英語として使われている代表的な例です。
例:
●10万円
英語: 100 Thousand
インド英語: 1 Lakh
●100万円
英語: 1 Million
インド英語: 10 Lakhs
●1,000万円
英語: 10 Million
インド英語: 1 Crore
●1億円
英語: 100 Million
インド英語: 10 Crores
●10億円
英語: 1 Billion
インド英語: 1 Arawb
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴④: インド英語では「アール」を「ル」と発音する
インド英語では、通常単語の中で発音しない「アール」を「ル」と発音するのが特徴です。
聞きなれない、発音のため、違う単語と勘違いすることが多いです。
英語: Park パーク(公園)
インド英語: Park パルク
英語: Water ウォーター(水)
インド英語: Water ウォータル
英語: Paper ペーパー(紙)
インド英語: Paper ペーパル
などが代表的です。
特に日本人にとってWater(水)の発音は聞きずらいです。
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴⑤: 「Th」を「タ行」または「ダ行」で発音する
インド英語では、「Th」を「タ行」または「ダ行」で発音します。
英語: Thank you センキュー(ありがとう)
インド英語: Thank you タンキュー
英語: That あの、その
インド英語: That ダット
英語: Think 考える、思う
インド英語: Think ティンク
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴⑥:「w」や「f」などを濁音で発音する
インド英語では、「w」や「f」などを濁音で発音してしまうため、なまりがあるような聞き取りづらさがあります。
英語: Foot フット(足)
インド英語: Foot ブット
英語: Wet ウェット(濡れた)
インド英語: Wet ヴェット
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴⑦: 英語の単語をそのままをつづり通りに発音する
英単語をそのままつづり通りに発音するのは、インド人の特徴ともいわれています。
英語: Air エア(空気)
インド英語: Air エァル
英語: Wednesday ウェンズデー(水曜日)
インド英語: Wednesday ウェドネスデイ
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴⑧: インド英語は発音に流暢があまりない
インド英語はアメリカ英語と異なり、上記のような独特な表現や使い方があることから、あまりスムーズではなくつまったような英語に聞こえることが多いです。
長い文章をくぎりなしに最初から最後まで、一気に早口で読んでしまう人が多いのもインド人の特徴です。
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴⑨: ネイティブではない英語教育
多くのインドの英語教育では、ネイティブではないインド人教師が英語を多く教えています。
そのため、発音やインド独自の単語がインド英語として学ばれています。
近年、私立などの小学校では、ネイティブスピーカーや海外で英語を勉強していたインド人教師が英語を教える例も増えています。
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴⑩: 発音にはあまりこだわらない
インド人は、英語の発音にはあまりこだわりません。
特に日本人は英語の発音にこだわるあまり、委縮してしまう場面が多く見受けられます。
しかし、インド人は多少の言い間違えや文法は間違っても気にせず、臆することなく英語を話します。
また普段から公用語が多数あるため、インド人同士でも英語を話すことが多く、英語でのコミュニケーションにも慣れています。
特にビジネスの場面では、英語でのコミュニケーション力を発揮します。
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴⑪: 文章のつなぎに「And」などの表現を使う
多くのインド人の会話の特徴として、ひとつの会話や文章のなかでAndを何回も使い、聞き取りづらいことがよくあります。
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴⑫: メールなどの最後の文章に「DearやLove」を使う人が多い
インド人とメールやテキストのやり取りをしていると、友人同士でも最後にDear(親愛なる人)やLove(愛)を使う人が非常に多いです。
日本人ならあまり、家族を愛しているなど、表立っていう人が少ないですが、インド人は家族や友人の繋がりが強く、その影響から恋人や家族以外の人にも、DearやLoveという言葉をよく使います。
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴⑬: ビジネスの場面でも多く用いられているインド英語
インド人は数字やITに強いことから、ビジネスの場でもインド英語がよく用いられています。
特にIT企業で活躍しているインド人が多く、世界を舞台に働くインド人が年々増えています。
インド英語 (ヒングリッシュ英語) の特徴⑭: インド人は、インド英語、英語を話せることに自信を持っている
特に、中流階級以上や富裕層のインド家庭では早くから英語教育が行われています。
ネイティブ英語に近い流暢に英語を話すインド人も年々増えています。
これらの理由や、陽気で明るいインド人は自信をもって教育やビジネスの場面で英語を話しています。
多言語国家インドの言語問題
インドでは、多民族、多言語国家から日本では考えられないような言語に関する問題が多数あります。
- 少数言語が消えつつある
- 田舎や農村では貧困家庭が多く識字率が極端に低い
- 貧富の差が激しく、英語やヒンディー語などの公用語が話せないインド人は差別の対象になりやすい
- 都市部では、「英語」が話せないと就職が見つからないことが多々ある
特に首都圏の富裕層は英語を早くから学び、20代前半には海外へ留学、就職する若者が年々増えています。
それとは反対に、農村部では少数言語しか話せず、英語もヒンディー語も話せない人が多くいます。
そのため言語や資金問題から高校や大学に進学したくても進学できない若者が増えており、大きな社会的問題になっています。
日常会話で使えるインドの主要言語、ヒンディー語の数字の数え方
旅行やビジネスの面で役立つヒンディー語での数字の読み方を紹介します。
数字 | 英語 | ヒンディー語 |
---|---|---|
1 | one | एक エーク |
2 | Two | दो ドー |
3 | Three | तीन ティーン |
4 | Four | चार チャール |
5 | Five | पाँच パーンチ |
6 | Six | छः/छह チェ |
7 | Seven | सात サート |
8 | Eight | आठ アート |
9 | Nine | नौ ノー |
10 | Ten | दस ダス |
100 | One hundred | सौ ソー |
1,000 | Thousand | हज़ार ハザール |
10,000 | Ten thousand | दस हज़ार ダス ハザール |
インドの主要言語、ヒンディー語の日常会話で使う便利な挨拶10選!
では、ヒンディー語での挨拶で覚えておきたいフレーズをみていきましょう。
ヒンディー語での挨拶で覚えておきたいフレーズには、以下のものがあります。
- おはよう
- こんにちは
- ありがとう
- バイバイ さようなら
- OK
- 私は◯◯です。
- 私の名前は◯◯です。
- あなたの名前は何ですか?
- すいません
- ごめんなさい
続いて、ヒンディー語での挨拶で覚えておきたいフレーズを、それぞれ詳しくみていきます。
おはよう
英語: Good Morning
ヒンディー語: सुप्रभात スプルバート
こんにちは
英語: Hello
ヒンディー語: नमस्ते ナマステ
ありがとう
英語: Thank you
ヒンディー語: Thank you タンキュー
※Thank you はインド国内でも日常的に使われており、発音に少し違いはありますが英語でも通じます。
さようなら
英語: See you
ヒンディー語: फिल मिलेंगे フィル・ミレンゲー
※See youもありがとうと同じく英語で通じます。
OK!
英語: Okay/OK
ヒンディー語: ठीक है ティケ
私は◯◯です。
例 私は日本人です。
英語: I am Japanese.
ヒンディー語: मैं ___ हूं / マェン ___ フーン / 私は___です
マェン=私は、フーン=です。マェン・ジャパニ・フーン
私の名前は◯◯です。
英語: My name is 〇〇
ヒンディー語: मेरा नाम ___ है / メーラー ナーム ___ ハェ
メーラー=私の、ナーム=名前、ハェ=です。
あなたの名前は何ですか?
英語: What is your name?
ヒンディー語: आपका नाम क्या ? アプカ ナーム キャ へ?
アプカ=あなたの、ナーム=名前、キャ・へ=何ですか?
すいません
英語: Excuse me
ヒンディー語: ज़रा सुनिए ザラスニエー
ごめんなさい
英語: I am sorry
ヒンディー語: माफ कीजिए マーフ・キージエ
インドの主要言語、ヒンディー語の日常会話でよく使う便利な言葉10選
では、ヒンディー語の日常会話で覚えておきたいフレーズをみていきましょう。
ヒンディー語の日常会話で覚えておきたいフレーズには、以下のものがあります。
- ◯◯をください。
- これはいくらですか?
- お会計をしてください。
- クレジットカードは使えますか?
- 写真を撮ってもいいですか?
- ◯◯に行きたいです。
- 旅行の目的を尋ねられて/観光です。
- 滞在日数を尋ねられて/◯日です。
- おすすめの料理はなんですか?
- おいしいです!
続いて、ヒンディー語での日常会話で覚えておきたいフレーズを、それぞれ詳しくみていきます。
◯◯をください。
英語: Can I get 〇〇 ?
ヒンディー語: ○○दीजिए ディージエー
これはいくらですか?
英語: How much is this?
ヒンディー語: यह कितने का है イェー キトネー カー ハェー?
お会計をしてください。
英語: Bill/Check please.
ヒンディー語: Bill Laiye. ビル ライエ
クレジットカードは使えますか?
英語: Can I use Credit Card?
ヒンディー語: Kya Mein Credit Card Se Adaegi Kar Sakta (Sakti) Hu’n? / キャ メ クレジット カード セ アダエギ カル サクタ(サクティ)フン?
◯◯に行きたいです。
英語: I want to go to 〇〇
ヒンディー語: मैं अस्पताल जाना चाहता हूं メイン 〇〇 ジャマ ジャタフーン
旅行の目的を尋ねられて/◯◯です。
英語: For 〇〇
ヒンディー語:मैं रहा हूँ メイン 〇〇 ラハフーン
インドは英語を駆使して世界で活躍できる人材
インドでは、上記で上げたように、特に田舎や農村を中心に言語に関する問題点が多あくり、国を挙げて解決を急いでいます。
しかし、現代においてインドは特にアジアの中でも英語を話せる人が多い、数字に強い人が多い、などの理由から、ビジネスの面においてインド人の存在は必要不可欠です。
特にインド国内や海外で英語で高いレベルの教育を受けた若者を中心に今後も更なる活躍が予定されています。
また近年、旅行やビジネスでも多くの人がインドを訪れることが多くなり、更なるインド国内による英語教育の増加が予想されています。