【治安の前に】パキスタンってどんな国?
パキスタンは観光地も多く、親日家もたくさんいる国です。
正式名をパキスタン・イスラム共和国といい、名前の通りイスラム教の国です。
パキスタンはアジアの南端にあり、首都は山側にあるイスラマバードで、パキスタン最大の都市は、南端のアラビア海に面したカラチになります。
国土の中心をヒマラヤ山系からアラビア海まで流れるのがインダス川で、国民の75%が流域に住んでいます。
パキスタンの観光地は、歴史的にも有名なインダス文明の遺跡のあるモヘンジョダロやハラッパー、ラポールの城塞などユネスコの世界遺産に登録されている場所がたくさんあります。
ガンダーラ地方は、仏教美術の起源と言われるガンダーラ美術を見ることができ、パキスタンの観光は遺跡だけではなく、雄大な山々の景色も素晴らしく美しい眺めです。
しかし2018年のテロ以降パキスタンは、テロが多発している地域や立ち入りを禁止されている地域もあるほど、治安の悪い地域があります。
危険な地域と危険ではない地域があり、特にアフガニスタンとの国境近くはとても危険な地域となり、外務省の海外安全ホームページでも国境近くは赤くなっていて危険度が高くなっています。
インド側は、比較的に旅行で訪れることのできる観光名所が多く、数多くの歴史建造物があり、多くの観光客が訪れています。
またラホールにあるラホール・ミュージアムは、パキスタンの古代の歴史を見ることができる迫力ある人気の博物館です。
仏教に興味のある方にとっては、とても魅力のある国です。
パキスタンの治安を知る前に務省が発表する危険レベルをおさらい
- レベル1:十分注意してください。
- レベル2:不要不急の渡航は止めてください。
- レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
- レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)
ではそれぞれ項目を見ていきましょう。
レベル1/黄色:十分注意してください。
全体的に治安は安定しているが、金目のものを狙ったスリや恐喝、強盗などの犯罪が多く発生していたり、デモに渡航者が巻き込まれ、拘束される可能性がある場合や日本との間で国交が締結されて、在外公館の扶助が難しい場合など、渡航や滞在するのに特別な注意が必要な時に発せられる注意喚起です。
レベル2/山吹色:不要不急の渡航は止めてください。
社会情勢や治安が悪いので、渡航する場合は十分ま安全借置をし、重要ではなく急ぐ必要がない場合は渡航を控える場合に発する注意喚起です。
レベル3/オレンジ色:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
政情や治安が不安定で、テロリストなどの武装勢力に外国人が狙われたり、クーデターや内戦に市民以外が巻き込まれるなど、渡航者の命の危険が及ぶ可能性が高い場合に、渡航を促して現地滞在の邦人は、退避や準備を促す時に発せられる注意勧告です。
駐留している駐在人やその家族は、周辺国へ退避させるか一時帰国させることが多いです。
レベル4/赤色:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)
その国の政府機能が欠損していて、治安機能がしておらず、武装勢力に外国人が狙われたり、内乱や武力衝突、内乱、戦争に巻き込まれるなど邦人に命の危機が及ぶ可能性がある場合に、現地に滞在している邦人は安全な地域に避難するか日本に帰国することを勧告する場合に発せられる勧告です。
海外に渡航する際は、渡航先の国の最新の海外安全情報を参照することをお勧めします。
パキスタンの治安状況は?
パキスタンの首都イスラマバードの治安や周辺の情勢を紹介します。
首都イスラマバードの治安状況は?
パキスタンの首都イスラマバードは、きちんと整った街並みで知られています。
イスラマバードでは、テロがあったりして治安が安定していないと思われがちですが、実際の首都のイスラマバードは、マス目状に路地が統一され、街路樹が植えられていて世界で一番美しい都市と言われています。
空港も近くにあるので、とても便利が良いです。
イスラマバードの地域は、親日家が多く、日本人は尊敬され歓迎されています。
イスラマバードの街中には外資系のホテルなどが建ち並ひ、街並みも綺麗に整備され、益々これからの発展に期待が持てます。
パキスタンの乗り物で有名なのがリキシャと呼ばれる三輪バイクですが、首都イスラマバードでは2003年から乗り入れが禁止になっています。
他に乗合馬車も乗合バイクも禁止になっています。
現在のイスラマバードの治安危険レベルは、レベル2で「不要不急の渡航は止めてください」となっています。
イスラマバードはパキスタンの中でも治安が良いほうですが、人通りの少ない道は避けるか十分注意します。
2009年のテロ発生ピーク時より現在は9割減少しています。
イスラマバード周辺では、レベル3の場所もあるのでパキスタン滞在中は行動には十分に注意が必要です。
インド国境付近
インドのアムリトサルからパキスタンはラホールに入国できます。
アムリトサルのアタリーの国境とパキスタンのワガ国境では、軍事パレードが行われています。
インドの国境付近は比較的危険レベルは低いのですが、インドとパキスタンの間で過去数十年の中で、一番の深刻な軍事衝突が起きたことは日本でもニュースで流れていました。
国境を挟んだ銃撃戦、テロの容疑者一掃作戦でインドとパキスタンの治安要員が数名犠牲になっています。現在の治安情勢ですが、レベル2となっています。
パキスタンでこれまで日本人がテロの被害に遭ったことはないということですが、外国人など多くの人がテロの犠牲になっています。
不要不急の渡航は止めるように注意喚起がされています。
アフガニスタン国境周辺
アフガニスタンの国境付近の治安は、特に観光のために訪れて良い場所ではなく、パキスタン全体が警戒を必要とする以上の危険度が増しています。
アフガニスタンでは、反政府武装勢力などが治安部隊や政府関係者、外国人などを標的にしたテロや誘拐などの犯罪が多発しています。
パキスタンでのテロが多いのが、アフガニスタンの国境地帯になります。
軍や警察が標的となってテロにあっており、外務省の海外安全ホームページの色分けでは、常に赤く表示されている程危険度が最高レベル4で立ち入ることを禁止しています。
治安部隊が取り締まりをしているので、平穏な場所に見えても、いつ情勢が変わることも考えられます。
パキスタンを訪れたとしても、この付近には絶対に近寄ってはいけない場所となります。
日頃から高い危機意識を持つこと、常に新しい情報を知って行動することが重要です。
治安の悪いパキスタンでも気をつけるべき犯罪5選
- 誘拐
- 強盗
- スリ
- 警官を装った窃盗
- 性犯罪
どのような犯罪なのか見ていきましょう。
気をつけるべき犯罪①誘拐
パキスタンのカイバル・パクトゥンクワ州とバロチスタン州の各地では、外国人を狙った誘拐事件が起きています。
誘拐事件は外国人を問わず、パキスタン人も事件に遭っています。
犯行の目的もカラチでは、ギャングなどが身代金が目的に犯罪を行っているとみています。
カイバル・パクトゥンクワ州やバロチスタン州ではこのような犯罪が増え、仲間の保釈と交換をする手段として行っていると考えられています。
パキスタンの富裕層や外国人、邦人も被害に遭う可能性が高いので、行動には十分注意し、最新の安全情報を確認するようにしましょう。
日頃から危機管理意識も高く持つとともに、情勢・状況に応じて安全対策を心がけるようにします。
気をつけるべき犯罪②:強盗
各都市で、銃を使った強盗が起きています。
アラビア海に面した都市カラチでは、治安の関係者を標的にした事件が多発しており、ギャングによる抗争が非常に多く発生しています。
カラチ市内で、オートバイに乗った情報機関の職務質問を偽装する男の誘導によって車を停車した際、車両検査を装って車に乗り込んできた男に銃を突き付けられ、運転を強要され事件が発生しています。
途中、治安部隊が所持品検査をしているチェックポイントに差し掛かったため、被害者は車から降りて逃げることができました。
被害者に怪我はなかったのですが、状況次第で強盗・誘拐事件に発展する可能があります。
また銀行で現金を下ろした人を尾行して、自宅に入ったところを襲うという犯罪も発生しています。
気をつけるべき犯罪③:スリ
乗り合いタクシーやバスの車内など人が集まる場所で、スリなどの窃盗の犯罪が起きています。
イスラマバードのマーケット内で、偽警官が白昼堂々と職務質問を装って、ヨーロッパの外交官が身分証明を提示した際に、財布を持ち逃げされる事件が発生しています。
ホテルやバザールなどの周辺で、注意が特に犯罪が多く確認されているので注意が必要です。
パキスタンのマーケットで、スリやぼったくりに遭う可能性が高いので、持ち物に注意します。
気をつけるべき犯罪④:警官を装った窃盗
治安の悪い地域の警官は信用できない事件も発生しています。
偽装警官は、夜だけでなく、昼も活動しており、実際に存在していない情報機関所属を名乗る男から所持品検査と言われ、検査後銃で脅され現金を奪われるという犯罪も発生しています。
最近では都市部でも偽警官の犯罪が発生しているので、似たような犯罪に巻き込まれないためにも、狙われる可能性があることを認識して行動するように心掛けます。
気をつけるべき犯罪⑤:性犯罪
パキスタンでは夜間を中心に、性犯罪の増えています。強制わいせつや強姦などが多く発生し、特にひとり歩きしている女性が狙われています。
一人だけや女性だけの行動は、バスやタクシーでの利用も避けるようにし、夜間の外出は避けるようにします。どうしても出かけないと行けない場合は、男性と一緒に行動するように心掛けます。
治安の悪い地域でも注意するポイント10選
- 宗教関連施設には近づかない
- 政府機関・報道機関など攻撃の標的となりやすい場所には近づかない
- 夜間や早朝の外出はできるだけ避けるようにする
- 有名なホテルや欧米関係の施設への立ち入りは短時間で済ませる
- 車の乗降時は周囲の状況に注意する
- 必要以上のクレジットカードや現金を持ち歩かない
- 相手の誘導にのらない
- 露出の少ない服装を心掛ける
- 偽装警官に気を付ける
- 女性の一人歩きはしない
注意するポイントを見ていきましょう。
注意するポイント①:宗教関連施設には近づかない
宗教関連施設や集会などが行われている場所や地域には、テロの標的となりやすいと考えらています。
宗教行事が行われていたり、現地の人が集まったりする場所には、近づかないようにと注意喚起がされています。
テロリストに狙われる可能性が高い場所には、観光であっても行かないようにしましょう。
注意するポイント②:政府機関、報道機関など攻撃の標的となりやすい場所には近づかない
治安機関を狙ったテロが多発しているので、公共機関など非常に危険な場所となります。特に外国人を狙った犯罪には報道機関が標的になる可能性が非常に高いです。
用事がない限りあまり政府機関には近づかないのが良いとされていますが、どうしても用事がある場合は、滞在時間を短くするようにします。
テロリストに狙われやすい地域などありますが、人が集まるという理由だけでテロリストに狙われてしまう場所があります。
テロが起こりやすいとされている場所はどこなのか確認しておきます。
注意するポイント③:夜間や早朝の外出はできるだけ避けるようにする
パキスタンにある日本大使館では、人通りが少ない夜間や早朝などの外出は避けるようにすると注意を呼び掛けています。
注意するポイント④:有名なホテルや欧米関連施設への立ち入りは短時間で済ませる
欧米関連施設やファースト・フード店やレストラン、マーケットに行く際は、なるべく短い時間で用事を済ませるようにします。
長くその場に滞在しているだけで、危険に遭う可能性も高くなります。
特に欧米関係の施設はテロリストに狙われやすいので、注意が必要です。
注意するポイント⑤:車の乗降時は周囲の状況に注意する
警備員がいる駐車場を利用するようにし、車の乗り降りは周囲に注意をするようにします。
車に乗る時は、必ずドアロックをし、窓の開閉はしないようにします。
パキスタンではレンタカーを使う時は、運転手付きを使うのが一般的です。
警備員をつけていない自動車が狙われることが多く、銃を持った警備員を雇う人もいます。
注意するポイント⑥:必要以上のクレジットカードや現金を持ち歩かない
旅行中に犯罪に巻き込まれる要因として考えられるのが、現地の人よりショッピングをするのでたくさんの現金を持っているからです。
犯罪者も現金を持っていない現地人よりかは、現金を持ち歩く観光客を狙います。
必要以上の現金やカード類は持っていることが、見られたり知られてしまえば、それだけ犯罪に遭うリスクが高くなります。
必要以上の高額な現金は持ち歩かないようにします。
盗難や強盗に遭った並んで、抵抗せずに現金は渡しましょう。
注意するポイント⑦:相手の誘導にのらない
パキスタン人は親日家が多いので、親しみを持って近寄ってくれますが、残念なことに治安が良いわけではないので、信用せずに注意する必要があります。
親切な振りをして近づいてくる可能性もあるので、注意することを心掛けます。
注意するポイント⑧:露出の少ない服装を心がける
イスラム社会の女性は肌の露出を避けます。
治安の良い悪いに関係なく露出の少ない服装をし、安全に心掛けるようにします。
夏でも女性は長袖を着て肌の露出を避けます。
ウエストやお尻など、体のラインが出る服装などなせず、くるぶしまで隠れるフレアースカートが理想的です。
注意するポイント⑨:偽装警官に気を付ける
パキスタンの首都イスラマバードでも、警官に偽装した強盗が発生しています。
パキスタンの治安の悪い地域では、偽装警官の事件が増えています。
偽装警官のスリ事件が流行し、警官の服装をしているので、夜に限らず昼でも出没し、違法薬物捜査捜だと言って声をかけてくる手口です。
財布も出してと言われるのですが、さりげなく現金を盗む被害が出ています。
警察の身分証明書を提示されても、むやみに信用しないようにします。
注意するポイント⑩:女性の一人歩きはしない
パキスタンの治安は地域によって違いがありますが、一般的に女性は一人では出掛けることがないのですが、なるべく一人での行動は避けた方が良いでしょう。
女性の一人歩きを避けるだけではなく、タクシーやバスなどに乗るときにも注意が必要です。
昼間でも安心とは言えないので、夜だとより一層危険度が増します。
パキスタンの治安の悪い地域では、乗り物にも一人では乗らないようにしましょう。
治安の悪いアフガニスタン国境付近、戦争の危険性はある?
毎日新聞の調べによると、アフガニスタンとパキスタンの国境では2016年頃から衝突が繰り返し行われ、関係が悪化していると報じています。
タリバーンがラマダンの期間中に攻撃を呼びかけ、アフガニスタン国内の各地で反政府武装勢力がテロを実行したり、中でも選挙関連施設が狙われやすくなっています。
不安定な治安情勢ですが、一見平穏そうな場所でもすぐに情勢は変わっていきます。
国軍や米軍が掃討作戦や空爆も行われているので、巻き込まれる可能性が高いです。
レストランや市場などが標的となることで、一般市民や外国人など多く犠牲になっています。
ここでは天然ガスの利権を巡って、ロシア、イギリス、アメリカなどが直接的、間接的に繰り返し衝突を勃発させており、宗教上の理由も絡んでより複雑な情勢になっているのが原因です。
国同士の不安定な状況などが、治安の悪化を招いています。
治安の悪いカラチ、テロの危険性はある?
カラチはパキスタンでも最大の都市で、世界中から注目を集めている金融と商業の街、有名な観光地もたくさんあります。
昼間は人々の普段の生活ぶりを見ることができますが、夜になると治安が悪くなることでも知られています。
世界でも有数の大都市のカラチは、世界でもっとも危険な都市ランキングで、10位にランキングされています。
カラチの危険を表すレベルは2で、もっとも危険な都市にランキングされていますが、危険度はは最高ではありません。
近年カラチでは、イスラム過激派のテロや外国人の誘拐などの犯罪が多発し、ギャングによる抗争などが発生していましたが、今では9割減っているといわれています。
ギャングの街とも言えるカラチですが、外国人を狙ったテロも起きているので、観光には行かない方がいい街です。
有名な観光地が近くにあるので、どうしても訪れたいと思っている人は、ニュースで報道されていない事件もあるので、カラチに行くときは、より一層の注意が必要になります。
急激に治安状況に変化があるので、まだまだ治安が良いとはいえない状況です。
パキスタンの治安はいい?悪い?観光時に注意するべき犯罪や安全点を紹介のまとめ
パキスタンは世界遺産に6つ登録され、とても美しい建築物があります。
インダス文明に興味のある方には、一度は訪れてみたい観光地になります。
近年テロが多発していたので、とても危険な国として有名になってしまいました。
今でもアフガニスタンの国境近くでは、危険度レベルは最高の赤がついており、国境近くは入ることができません。
インド側の国境近くは、まだ観光で訪れる邦人もいます。
この地域もテロが起こる可能性があると指摘されてはいますが、どこでいつ何が起こるかわからないのが、パキスタンです。
2014年頃に比べると、テロリストによる犯罪も年々少なくなりましたが、パキスタン全域は、治安の悪さはレベル2で、不要不急の渡航は止めてくださいとなっています。
どうしてもパキスタンを訪れたいのであれば、テロや犯罪に巻き込まれないように、十分安全に気をつけて行かれることをおすすめします。
パキスタンでは立ち入り禁止区域があるので、そういった場所には十分気を付けて渡航してくださいね。