日本三大がっかり名所とは?誰が決めたの?
日本三大がっかり名所とは、各地を代表する観光の名所として広く紹介されながらも、実際に訪れてみるとイメージしていたものとのギャップにがっかりしてしまう人が多い場所として有名になってしまった観光地の中で、特に名前があがる事が多い以下の3ヶ所のことです。
- 札幌・時計台
- 高知・はりまや橋
- 長崎・オランダ坂
残念な称号をもらってしまった観光地はどのような場所なのでしょうか。
がっかりと言われる理由とともに、それぞれの場所に詳しくせまります。
日本三大がっかり名所①:札幌・時計台
まず最初にご紹介する札幌の時計台は、日本のがっかり名所として最も名前をあげられてしまう名所です。
実際に多くの皆さんが耳にした事があるのではないでしょうか。
札幌の時計台はどんなところ?
現在の札幌の時計台は、北海道の開拓の基盤として創立された札幌農学校の中央講堂として明治11年に建てられたものが最初で、正式名称は旧札幌農学校演武場と言います。
札幌農学校の創立者は「Boys be ambitious」(少年よ大志を抱け)の言葉で有名なあのクラーク博士です。
創立当初は時計がなかった演武場ですが、開拓の一環として時計を設置して札幌の標準時刻を決める事の大切さが説かれた事により、3年後の明治14年、農学校の天文台での天体観測によって調整された時計が演武場に設置され、世界標準の正しい時刻を澄んだ鐘の音とともに札幌の街に知らせるようになりました。
農学校の移転に伴って札幌区に譲渡された演武場は、明治39年に100mほど曳家され、現在の時計台の場所へ落ちつきます。
この頃から演武場は「時計台」と呼ばれるようになり、間もなく150年になる長い時間を札幌の街とともに歩んできた時計台は、街のシンボルとして市民に大切にされてきました。
1961年に札幌市の有形文化財第1号に指定された後、現在まで、国の重要有形文化財、環境庁の日本の音風景百選、日本機械学会の機械遺産に続けて指定、認定されています。
なぜ日本三大がっかりに選ばれたの?
時計台ががっかりと言われてしまう理由には、北海道の観光地に対するイメージが大きく関わっています。
北海道といえば、青空の下に広がるのどかな牧場や途切れることなくどこまでも続く大地といった風景をイメージする人が多いのではないでしょうか。
旅行雑誌やパンフレットでも時計台は北海道の美しい景色と合わせて紹介されることが多いために、自然とそうしたイメージを持って「北海道の有名な観光地」である時計台を目指してしまうのは仕方ないのかもしれません。
いざ実際に訪れてみると、札幌市の中心部の大通りにほど近い場所で、ホテルや市役所のビルに埋もれるように建っている時計台の景観のギャップに、ついがっかりと思ってしまう人が多いようです。
しかし、すでにご紹介したように、時計台はその周りの景観にがっかりして終わってしまうのはもったいない名所です。
明治大正期に数多く日本に設置された機械式の塔時計の中で、現役で稼働するものは3機のみですが、その中でも国内最古の塔時計がこちらの札幌時計台のもの。
現在まで140年以上、繊細な点検と手入れによって札幌に時を知らせ続けてきました。
時計台内部には同じ機構の「兄弟時計」が展示されていて、鐘を鳴らす仕組みや時計台の構造を実際に見る事ができます。
また、農学校の活動や学生の様子を伝えるたくさんの写真や模型の展示、学位授与式などの農学校における大切な式典が行われていた講堂など、北海道の歴史を知る興味深い資料もたくさんあります。
北海道の明治洋風木造建築の代表、そして北海道の開拓史において重要な遺構の一つである札幌の時計台は、その景観だけではなく是非さまざまな角度から楽しんでみて欲しい名所です。
札幌の時計台への行き方
札幌時計台は札幌市の中心部であるJR札幌駅からアクセスしやすくなっています。
鉄道の最寄り駅は市営地下鉄大通駅ですが、札幌駅からバスや徒歩でのアクセスも可能です。
・市営地下鉄さっぽろ駅から、南北線または東豊線で2分、大通駅下車。
・札幌駅から徒歩で時計台を目指す場合は、札幌駅前通地下歩行空間「チ・カ・ホ」の利用がおすすめです。
チカホは2011年に開通した地下通路で、地下鉄さっぽろ駅と大通駅間の約520mを徒歩約10分で移動できます。
広く明るい通路内は空間の名にふさわしく、休憩できる椅子や机、フリーWi-Fiのサービスや道内の観光PRスポットや特産品の販売、アートの展示なども行われています。
時計台へは9番出口が最寄りとなります。
JR札幌駅からチカホを通って時計台までは、トータルで20分ほどを目安にしてください。
日本三大がっかり名所②:高知・はりまや橋
東の時計台、西のはりまや橋と言うかのように、時計台とともに日本のがっかり名所の二大代表になってしまっている高知のはりまや橋。
高知市内の中心部にある橋ですが、どのような場所なのでしょうか。
高知のはりまや橋はどんなところ?
高知市はりまや町にあるはりまや橋は、江戸時代に掘を挟んで商売を行っていた豪商、播磨屋と櫃屋の行き来を便利にするために掘に架けられた私設の橋、播磨屋橋が由来とされています。
播磨屋橋が架けられていたとされる堀川は高知市の街路整備政策によって1960年代に埋め立てられ、現在のはりまや橋は高知市内の中心部を走る国道32号線、通称はりまや通りの一部として、多くの人通りがある場所になっています。
とさでん交通の路面電車やバス、自家用車などが行き交う交通の要所にある現在のはりまや橋は、1998年にリニューアルされた石造りの橋です。
このすぐ横にはりまや橋公園が整備されており、復元された江戸時代当時の姿である朱色の欄干の播磨屋橋もこちらで見る事ができます。
こちらの復元された橋を「がっかり観光地はりまや橋」として認識している人も多いのではないでしょうか。
なぜ日本三大がっかりに選ばれたの?
はりまや橋ががっかりされてしまうのには、現在の橋が川に架けられたものではなく交通量の多い道路の一部になってしまっていること、想像していたような朱色の欄干の太鼓橋ではなかったことなどが大きな理由のようです。
また、公園の方の復元されたはりまや橋を見て、思った以上に小さいとがっかりしてしまう事も。
はりまや橋が名所として広まるきっかけとなった、1959年の葉山ペギーさんの大ヒットソング《南国土佐を後にして》とその映画化によって印象付けられた朱色の欄干の美しい橋というイメージは、いまだに受け継がれているのかもしれません。
しかしながら、はりまや橋公園にはそんな橋を巡る歴史を伝えてくれる工夫が施されていますので注目してみてください。
《南国土佐を後にして》の歌碑の前では、朝の8時から夜の8時まで1時間おきにペギーさんの歌声が流れており、1998年以前に実際に利用されていた朱色が美しい旧はりまや橋欄干も、公園の地下に展示されています。
はりまや橋を訪れる際には、江戸時代から現在までの時の流れを感じながら橋を渡ってみると見方が変わってくるかもしれません。
高知のはりまや橋への行き方
JR高知駅から近い街の中心部にあるため、「とさでん」の愛称で知られる路面電車やバスの利用ができます。
ここではJR高知駅からのアクセスをご紹介します。
・とさでん高知駅前駅から、桟橋線で5分、はりまや橋駅下車。
・高知駅南口から、国道32号線はりまや通りをまっすぐ南下、徒歩10分。
日本三大がっかり名所③:長崎・オランダ坂
日本三大がっかり名所の3ヶ所目には諸説あるようですが、ここでは長崎のオランダ坂をご紹介します。
長崎のオランダ坂はどんなところ?
オランダ坂は、長崎県長崎市の東山手にある旧外国人居留地一帯の坂道の事で、その呼び名は異国情緒のある洋館が立ち並ぶ高台の街の歴史に関係しています。
1858年以降、長崎は欧米諸国との自由な貿易の玄関口として外交のためのさまざまな開発が行われ、東山手地区も外国人居留地として多くの欧米人を受け入れました。
長崎は、鎖国時代にも唯一オランダと交易をして密接な関係を築いてきた歴史をもちます。
土地にとって馴染み深いオランダ人にちなんで、この時代の長崎の人々も滞在していた欧米人の事を「オランダさん」と呼んで親しんでいた事から、このあたりの「オランダさんが通る坂」はいつしか「オランダ坂」と呼ばれるようになりました。
オランダ坂の趣のある石畳や石垣は、東山手の重要伝統的建造物群保存地区を構成する一部に指定されています。
なぜ日本三大がっかりに選ばれたの?
「オランダ坂」は東山手地区の坂を指す総称のようなもののため、オランダ坂という名前のついた一本の坂がなくはっきりしない、という点ががっかり名所の候補にあげられてしまう一つ目の理由のようです。
現在、公式にオランダ坂とされている坂はこのエリアに3ヶ所あります。
坂が思った以上に短く見どころに欠けるという感想もがっかり名所に選ばれしまう一因のようですが、オランダ坂は長崎東山手の居留地という土地の、異国情緒あふれる景観の一部です。
坂だけを目的に訪れるのではなく、是非、東山手洋風住宅群や旧長崎英国領事館、東山手十二番館などの美しい重要伝統的建造物が立ち並ぶ高台の街全体を楽しんでみてください。
そうすれば「日本の道100選」にも選出されている風情のある石畳の坂道を通る事がもっと楽しくなりそうですね。
また、オランダ坂のある東山手エリアの周辺には、長崎新地中華街や鎖国時代の貿易の中心地であった出島、世界遺産に指定されたグラバー邸や大浦天主堂などの名所もたくさんあり、長崎電気軌道の1日乗車券を使えばお得に観光を楽しむ事ができます。
オランダ坂だけを観に行こうとはせず、周辺の観光と合わせて計画を練るのがおすすめです。
長崎のオランダ坂への行き方
オランダ坂の最寄りは路面電車長崎電気軌道のメディカルセンター駅ですが、同じく長崎電気軌道の出島駅、大浦海岸通り駅、大浦天主堂駅、石橋駅なども徒歩圏内にあるため、付近を観光して周っている場合には観光するルートによって一番便利な駅を選ぶ事ができます。
長崎電気軌道はJR長崎駅のすぐ前から乗車できますので大変便利です。
日本三大がっかりは候補がいっぱい?他にはどんな観光地が?
三大がっかり名所の候補として名前があげられてしまう観光地は、他にも全国にちらほらと点在します。
ここでは北から順に5ヶ所ご紹介しますが、がっかり観光地の称号は本当なのでしょうか。
はたして本当にがっかりなのかどうか、是非最後まで目を通してみてくださいね。
日本三大がっかり候補地①:小樽・小樽運河
北海道の開拓が進んだ大正時代、小樽港での荷揚げを補助するために大正12年に完成された小樽運河は、開拓の玄関口として北海道の発展に大きく貢献しました。
戦後、港の埠頭が整備されたことによって本来の役目を終えた後、散策路や街道が整備されて観光地としての現在の姿に生まれ変わりました。
運河が想像していたよりも短かった、古い倉庫が並んでいるだけだったなどの感想によってがっかり観光地に名前があがってしまう小樽運河ですが、少しだけ時間をさいて散策すれば、大正時代の小樽の姿を今に伝える重厚感のある街並みを満喫できます。
運河沿いで営業している地ビールレストランや北海道のソウルフードが多数味わえる食堂、カフェなどは、当時使われていた石造りの倉庫をそのまま使用しているので、運河の街の趣を味わうのにぴったりです。
歴史ある運河の街並みにマッチしたレトロなデザインの小船で小樽港と小樽運河を巡る40分の旅、小樽運河クルーズも観光の目玉の一つ。
クルーズには昼間のデイクルーズと日没後のナイトクルーズがあり、それぞれにガラッと異なる街の雰囲気を楽しめるのも魅力です。
小樽運河は日本で唯一沖合を埋め立てる方法で造られているために、直線ではなく緩やかに湾曲した河岸が特徴で、カーブした河岸に沿って建てられた63本のガス灯に火が灯る日没後にはノスタルジックで美しい景観が広がります。
ロマンチックな雰囲気を楽しみたい方は是非日没後の小樽運河を訪れてみてください。
日本三大がっかり候補地②:東京・日本橋
徳川家康によって架けられた日本橋は、その当時から交通や商業の発展の中心地としてにぎわってきました。
江戸時代には東海道の起点に設定され、現在は国道1号線のスタート地点となっている日本橋は「日本のはじまり」とも称され、江戸東京観光の一大スポットになっています。
現在の石造りの二重アーチ橋は明治44年に架け直されたもので、現役の国道道路橋としては初めて国の重要文化財にも指定されました。
現在は橋のすぐ上を覆うように首都高速道路が二本走っているため、閉塞感があり、激しい交通量を思わせる騒音の中にある橋になってしまっていて景観が悪くなっていることが、がっかり名所に名をあげられてしまう理由です。
しかし、和洋折衷様式のデザインが細部まで美しい燈柱や、映画のロケ地として使われたことでも有名になった重厚感のある翼のある麒麟の像、東京市の紋章を手に持つ獅子像など、日本橋は日本の美が凝縮された装飾がとても魅力的な橋です。
また、橋のたもとに掲げられた江戸幕府最後の将軍徳川慶喜の直筆による「日本橋」の銘板も見どころの一つになっています。
これは徳川家のお膝元として栄えた日本橋に江戸時代の面影を残そうと、橋竣工当時の東京市長が日本最後の将軍に直々に依頼したもの。
橋周辺の景観は決して良いとは言えないかもしれませんが、江戸東京の起源を語るような日本橋は一見の価値があります。
日本三大がっかり候補地③:京都・京都タワー
JR京都駅前に立京都タワーもがっかりスポットとしてあげられてしまうことが多い場所です。
京都の入り口にあってこの地を訪れるとまず最初に目にするのが京都タワーですが、その外観が日本を代表する古都京都のイメージに合わないと言われてしまう事が多いために「京都の三大がっかり観光地」の一つと言われてしまう事もあるほど。
海のない京都を明るく照らす灯台をイメージしてデザインされたという白いタワーですが、千年以上の歴史をもつ寺社仏閣や雅な街並みに代表される京都のイメージとは異なる近代的な外観にがっかりの理由があるようです。
歴史的景観を守るために建造物の高さに規制がある京都市内において一番の高さを誇る131mのタワーという点も、違和感をもってしまう一因かもしれません。
そんながっかり評価の多い京都タワーですが、その展望室からは世界遺産の街を一望できます。
清水寺や三十三間堂、東寺や知恩院など、その日訪れた場所やこれから訪れる予定の場所を上空から眺めてみるのもまた一興です。
さらに京都タワービル内に2017年にオープンした新しい商業施設「KYOTO TOWER SANDO」には、厳選された京都のお土産が揃うマーケットや、京都ならではの伝統工芸や食をつくる体験ができる工房などが入っていますので、旅の最後に立ち寄る場所としてもおすすめです。
日本三大がっかり候補地④:鳥取・鳥取砂丘
鳥取を代表する名所で、国の天然記念物にも指定されている日本で最も大きい砂丘鳥取砂丘も、不思議とがっかり観光地に選ばれてしまうことがあります。
鳥取砂丘最大の丘の頂上から見えるのは、どこまでも一面に広がる空と日本海。
晴れた日にはコバルトブルーに透き通る日本海は、日没の時間もまた絶景です。
無料で24時間いつでも訪れることができる鳥取砂丘では、夜に満天の星空を楽しむこともできます。
南北に2.4km、東西に16kmあり、高低差は最大地点で40mある砂丘は、季節や時間帯によって全く違った表情をもち、砂や気候が作り出すその時だけしか見る事のできない景観は圧巻です。
そんな鳥取砂丘ががっかりスポットと言われてしまうのには、訪れた日の天候や時間帯の影響であまり良い景色が見られなかった、さえぎるものが何も無い自然のままの砂丘の環境で暑さや寒さにやられてしまった、思った以上に砂丘が広くて歩きにくかったために満喫できなかった、など、ネガティブな感想が影響してしまっているよう。
鳥取砂丘は気軽に訪れることができる場所ですが、やはり相手は大自然です。
まずは、帽子や傘やサングラス、水分補給ができるもの、防寒グッズなど、天候に合わせた対策をしっかりしてから訪れるようにしましょう。
そして季節や天候、時間によっても景観や環境が変化するという事を頭に置いて、訪れる日を決めるといいのではないでしょうか。
しっかり準備をして体にも心にも余裕をもってお出かけするのが、鳥取砂丘を楽しむコツです。
砂丘の周辺施設にはコインロッカーや足洗い場が完備され、無料のスリッパや砂丘用車椅子の貸し出しなど、砂丘歩きをサポートしてくれるサービスがそろっていますので、こちらも是非活用してみてください。
鳥取砂丘の砂はきめ細かく柔らかいので、歩きにくい靴や汚したくない靴を履いている場合には、思い切って裸足になるのもいい
でしょう。
歩いて砂丘の頂上を目指すのは不安という人には砂丘全体と日本海を一望できる鳥取砂丘リフトの利用がおすすめです。
また、サンドボードやファットバイク、パラグライダー、ヨガなどの砂上アクティビティも充実しています。
鳥取砂丘は、さまざまな楽しみ方をしながら自然が作り出した不思議な空間を体験できる貴重な場所ですので、是非足を運んでみてください。
日本三大がっかり候補地⑤:沖縄・守礼門
沖縄県那覇市にある首里城は、1429年から1879年まで南西諸島に存在した琉球王国の中心地として栄えた歴史をもち、城の跡地を含む関連遺産群は、王国の歴史や治世、文化を語り継ぐ重要な史跡として2000年に日本で11番目の世界遺産に登録されました。
守礼門はその首里城の正門に当るもので、城壁と同じ鮮やかな朱色が印象的な均整のとれたエレガントな姿は、二千円札の柄としても良く知られているのではないでしょうか。
15世紀から16世紀にかけて建造された城郭一帯は、第二次世界大戦末期の沖縄戦によって全て焼失しましたが、1992年に沖縄返還20周年を記念して、国営公園として完全に復元され、今に至ります。
終戦後、守礼門は1958年に復元されましたが、首里城本殿や周辺の復元は、財政的な問題や焼失する前の城の図面が見つからず正確な復元が難航したことなどが重なり、1989年まで着手されませんでした。
広大な城の跡地に守礼門だけがぽつんと立っている状態が長く続いた首里城一帯の光景にがっかりする観光客が続出し、正門だけの寂しい城の跡地として有名になってしまった守礼門は、日本三大がっかり名所の候補という不名誉な知名度もつけられてしまいました。
しかし、城郭全体が完全に復元されて国営公園として整備された現在は、琉球王国の雄姿を現在に伝える貴重な名所として、沖縄のシンボルとなっています。
沖縄を訪れる際には、安心して首里城公園に出かけてみてくださいね。
【番外編】世界三大がっかり名所とは?
その地を代表する有名な観光スポットだけど、行ってみたらなんだかがっかりかも?という場所は世界にも存在します。
こちらも諸説あるようですが、多くの意見は以下の3ヶ所で一致するようです。
それぞれのがっかりしてしまうポイントはどこなのでしょうか。
世界三大がっかり①:デンマーク・コペンハーゲンの人魚姫
人魚姫の像は、童話『人魚姫』の作者アンデルセンと深く関わりのある街、コペンハーゲンを代表する名所です。
中世の建造物が現在もそのまま残されているコペンハーゲンは歴史ある美しい町並みが見どころで、北欧のパリとも称されます。
そんな中世北欧の雰囲気あふれる景観の中でアンデルセンの世界観を代表する人魚姫ですから、美しい水辺にいることを想像してしまうのですが、実際には対岸に工場が立ち並ぶ工業地帯の海辺にポツンと存在しています。
像の正面から写真を撮ろうとすると背景に工場の煙突やクレーンが写り込んでしまうことや、像が思った以上に小さいことなどががっかりと言われてしまう一番の理由のようです。
名所の名前やその土地から想像されるイメージとのギャップに拍子抜けしてしまうという点では、札幌の時計台と同じような境遇と言えます。
世界三大がっかり②:ベルギー・ブリュッセルの小便小僧
日本でもいろいろな場所に設置されている小便小僧ですが、そのオリジナルがここブリュッセルの小便小僧です。
かつてブリュッセルが敵軍に包囲された時、大砲の導火線に小便をかけて攻撃を阻止し、街を救った少年がいたという伝説を元につくられたとされており、その少年の名にちなんでジュリアンと名付けられています。
小便小僧の像はさまざまな場所で目にすることができてしまうために、本家も特に変わりばえがしないがっかり観光地と言われてしまうのかもしれませんが、ブリュッセルのジュリアンには、世界中から素敵な衣装が贈られるという特別な慣習があるんです。
国の記念日や特別な機会には、いろいろな衣装に身を包んだ変幻自在なジュリアンの姿を見ることができます。
さらにブリュッセル市立博物館には、世界中から贈られた900枚以上の衣装が展示されています。
現存する最も古い衣装は1747年にルイ15世が贈ったもので、日本から贈られた消防士のコスチュームなども見ることができますので、こちらも一緒に見学してみるとより楽しめるでしょう。
世界三大がっかり③:シンガポール・シンンガポールのマーライオン
誰もが知っているシンガポールの代名詞マーライオンががっかりスポットにあげられてしまう背景には、その建設当時の場所が深く関わっています。
マーライオンは、1972年、現在のマーライオン公園から少し離れた場所にシンガポールのランドマークとして設置されました。
当時は海に突き出すように造られたコンクリートの岬の先端に海側を向いて立てられていたため、近くではマーライオンの背中しか見られなかったこと、当初から水を吐き出すように設計されていたものの、設備の故障により水が出なくなってしまっていたこと、マーライオンの設置後すぐに近くに大きな橋が架けられたことにより景観が悪くなってしまったこと、などがマーライオンががっかりと呼ばれるようになってしまった理由です。
現在のマーライオンは景観の良い場所に移された後のもので、勢い良く水を吐き出す姿をすぐ近くで眺めることができるようになっています。
夜にはライトアップもされ、背景の金融街の夜景とともにフォトジェニックな写真をねらえる人気の観光スポットとして人気ですので、現在はがっかりから抜け出した名所と言えるでしょう。
沖縄の守礼門と同じように、シンガポールを訪れた際は安心して立ち寄ってみてくださいね。
“日本三大がっかり名所って?がっかりの理由やおすすめの楽しみ方も!”まとめ
たくさんのがっかり観光地の候補をご紹介してきましたが、がっかり観光地として有名になってしまう場所は本当に見どころのない場所とは限らない、という事がわかっていただけたのではないでしょうか。
是非、噂や人の意見に流されずに、気になった場所には出かけて自分の目と感覚で名所を楽しんでみてください。
実際にどう感じるかは人それぞれです。
その場所の歴史や背景を知れば見方が変わる場所や、実際に訪れてみたら思いのほか素敵な場所だったと思える場所もあるかもしれませんし、あえて「がっかり」な場所を巡るというコアな楽しみ方もあります。
この記事でご紹介した「噂のがっかり観光地」の情報が、皆さんの旅の参考になれば幸いです。