岩手の方言の特徴は?岩手弁以外にも種類がある?
岩手の方言(岩手弁)の特徴
岩手県の方言というと、いわゆるズーズー弁といわれる東北地方によく見られる独特な訛りがあります。
例えば十(じゅう)という発音をずうと聞こえてしまうところから、ズーズー弁といわれるようになったという一説もあります。
寒くて口を開けて喋らないという習性から、岩手県民はフランス語を習えばうまく喋れる説も、いまだ根強いです。
岩手の方言(岩手弁)の種類
岩手の方言は今回は大きく分けて3つに分布して説明します。
- 県北
- 県南
- 沿岸
1: 岩手の方言(岩手弁)の種類:盛岡(南部藩)
県庁所在地のある盛岡市及び盛岡付近。岩手県の中央部。
いまや若者のほとんどは標準語を話すが、お年寄りはまだ、盛岡弁を話す方も多い。
昔の南部藩のエリア。
2: 岩手の方言(岩手弁)の種類:県南(伊達藩)
岩手県の南側。宮城県に近い地域。
昔の伊達藩のエリア。南部藩と違う藩なので風習も多少違いがある。多少宮城県の訛りも入る。
3: 岩手の方言(岩手弁)の種類:沿岸
岩手県の東側中央部。太平洋に面した地域。
同じ県内でも中央の山を越えて沿岸側に入ると、海で生活している人が多いせいか、言葉が少し荒々しくなる。
岩手県民がよく使う岩手弁の定番フレーズ13選
- だがらさ
- うんだべ〜
- 書かさんない
- なげる
- おあげんせ&あがらっせ
- がんばっぺし
- めんこい
- まんずほに
- おでんせ
- かっちゃぐ
- まかす
- ゆるぐねぇ
- えんずい(いんずい)
- あべ or あばい
岩手弁の定番フレーズ①:だがらさ
これは、接続詞の[だから]ではなく、同意するときによく使います。
例
Aさん:あそこの弁当屋のご飯の量、最近減ったよね?
Bさん:だがらさ!(そうだよね!)
Aさん:冬に外さ出る気しないだよね。
Bさん:だがらさ!(そうだよね!)
東北地方と北海道の南部あたりまではこの使い方をしていると言われます。
だがらさの後には何も続かないので、他の地方の方からはだから何?とよくいわれてしまう方言です。
岩手弁の定番フレーズ②:うんだべ
だべすかとうんだべはそうだよとか、そうに決まってるじゃんという意味の使いかたです。
例
Aさん:課長のどこの息子が東大さ受がったぁふぅだが。まだ自慢話聞がなばなんねぇべが?
(課長のところの息子が東大に受かったらしい。また自慢話を聞かなきゃならなんだろうか?)
Bさん:うんだべ〜。(そうに決まってんじゃん。)
うんの部分を一緒に発音するように言うと、よりネイティブっぽさが出ます。
岩手弁の定番フレーズ③:書かさらない
意味は書けないの意味です。
状況的にペンのインク切れなどの不具合が生じて、紙に書く事が出来ないと推測出来ます。
他にも、エレベーターのボタンが押ささらないなどは、故障などでボタンが反応しない状況で使います。
あと笑わさるは、ウケる、笑えるなど、自発的に思わず笑ってしまう状況で使えます。
例
Aさん:こちらのペンでお書きください。
Bさん:....(インク出ない) このペン書かさらないです。(このペン書けないです。)
岩手弁の定番フレーズ④:なげる
こちらは物を捨てるという意味です。
ゴミを投げてきてと言われても、その人に向かって投げつけないように気をつけましょう。
岩手弁の定番フレーズ⑤:おあげんせ&あがらっせ
これらの意味は召し上がれの意味です。[あがらっせ]は県南の方で使われる岩手弁のようです。
例
これおはぎ作ったがら、良かったらおあげんせ(あがらっせ)。
(これおはぎ作ったんだけど、良かったら召し上がって。)
岩手弁の定番フレーズ⑥:がんばっぺし
がんばっぺしは頑張ろうの意味です。
東日本大地震の復興の際に、がんばっぺしとかがんばっぺとかよくポスターなど、スローガンに使われていたので、知ってる人は多いかもしれませんね。
例
Aさん:明日からテストだぁ〜
Bさん:一緒にがんばっぺし!!
岩手弁の定番フレーズ⑦:めんこい
岩手めんこいテレビの名前でもおなじみのめんこいはかわいいの意味です。
かわいい子供はめんこいわらすと言います。
番外編で、お気に入りの子の事をめんこという地方もあります。
例
これはオラのめんこだがら、みんないじめんなよぉ!
(この子は私のお気に入りなんだから、みんないじめないでね。)
岩手弁の定番フレーズ⑧:ほにほに
ほにほには本当にの意味ですが、会話の相槌や、話をまとめるときに用いられる事が多いです。
例
Aさん:ほにほに今日は良い天気だがね〜。(本当に今日は良い天気だね)
Bさん:ほにほにす〜。(本当だね〜)
岩手弁の定番フレーズ⑨:おでんせ
おでんせはようこその意味です。
岩手に来るとこの岩手弁を使った場所やイベントがよくあります。
岩手弁の定番フレーズ⑩:かっちゃぐ
かっちゃぐは爪などでひっかくの意味です。
[猫にひっかかれた]は[猫さかっちゃがれだ]になります。
岩手弁の定番フレーズ⑪:まかす
これは液体をこぼすという意味です。
例
味噌汁まかしてしまった〜(味噌汁をこぼしてしまった)
この岩手弁を標準語だと知らずに都会で使ってしまい、恥をかく岩手県民も数知れず。
岩手弁の定番フレーズ⑫:ゆるぐねぇ
ゆるぐねぇはゆるくない、つまりつらい、しんどいという意味になります。
例
正月は親戚やら家族やらが家さ集まって、ゆるぐねぇ〜。
(正月は親戚やら家族が家に集まってきて、しんどい。疲れる。)
岩手弁の定番フレーズ⑬:えんずい(いんずい)
えんずい(いんずい)は、例えば衣服などの長袖のインナーが袖の中で上に上がりっぱなしだったときなど、気持ちが悪いときに、[えんずいorいんずい]と言います。
標準語でいえばしっくりこないなのですが、ネイティブから言わせると[えんずいorいんずい]はその言葉でしか言い表せない表現だと言われます。
例
朝から奥歯に物が挟まってで、すげーえんずい。
(朝から奥歯に物が挟まってで、すごい気持ちが悪い。)
靴の中さ、石が入ってで、すげーいんずい。
(靴の中に、石が入ってて、すごい気持ち悪い。)
岩手弁の定番フレーズ⑭:あべorあばい
これらの意味は行こうの意味です。
土地によって言い方が変わります。
例
Aさん:何の服着ればいいが、わがんない〜。(どんな服を着たらいいかわかんない〜)
Bさん:おめぇまだ準備してねぇのが!? 早ぐあべ!(おまえまだ準備してないのか!? 早く行くぞ!)
岩手県民が思わず使っちゃう岩手弁の面白フレーズ6選!
- ほにほに、おもさっげがねぇ。
- オラーはぁーほーでがねぇ!
- やったごど、しょすー。
- おばんでがんす。
- 水さうるがす。
- ぺんこけで。
岩手弁の面白フレーズ①:ほにほに、おもさっげがねぇ。
この意味は本当に、申し訳がない。です。
三陸地方で、よく年配の方が、物をもらったりしたときによく話しているフレーズです。
例
Aさん:これ旅行さ行っだ時のお土産、少しだげどもらってけでぇ。(これ旅行に行った時のお土産なんだけど、少しだげどもらってちょうだい。)
Bさん:いや〜。ほにほに、おもさっげがねぇ。(あら〜。本当申し訳ないね〜。)
岩手弁の面白フレーズ②:オラーはぁー、ほーでがねぇ!
オラーはぁー、ほーでがねぇの意味は私は覚えていないになります。
オラは私。はぁーはただの掛け声。ほーでがねぇは覚えていない。
例
Aさん:今日の新聞どこさ、やったの?(今日の新聞どこに、置いたの?)
Bさん:オラーはぁー、ほーでがねぇ!(私はどこに置いたか覚えてない。)
岩手弁の面白フレーズ③:やったごど、しょすー
これは、いやだ!はずかしい!の意味です。
例
Aさん:おめ、服の裏表まぢがえで着てっぞ!(おまえ、服が裏表間違えて着てるぞ!)
Bさん:やったごど、しょすー!(いやだ!はずかしい!)
岩手弁の面白フレーズ④:おばんでがんす。
おばんでがんすの意味はこんばんはです。
岩手ローカルの夕方の報道番組のタイトルにもおばんですいわてと、この方言が使われているので、県民全体の認知度も高い岩手方言です。
おばんでがんすやおばんでごぜんす、おばんですなど地域によってバリエーションが違ってきます。
岩手弁の面白フレーズ⑤:水さ、うるがす。
これは、水の中に浸しておいて、物を柔らかくするという意味です。
使い終わった食器の頑固な汚れや、お米に水を吸わせたい時に使う方言です。
例
Aさん:食べ終わった食器、台所に持ってけばいい?
Bさん:うん。水さ、うるがしといで。(うん。水を張った桶に入れといて。)
岩手弁の面白フレーズ⑥:ぺんこけで。
ぺんこは少し。けではちょうだいの意味です。
例
Aさん:今日のお弁当美味しくできた〜。
Bさん:じゃ、オラさ、ぺんこけで。
Aさん:(しぶしぶ)じゃあ、けでやる。。(じゃあ、あげる。。)
Bさん:ほんとに、ぺんこしかけんねぇんだ〜。(本当に少ししかくれないんだ〜。)
【番外編】岩手弁で言われたい!グッとくる告白フレーズ5選
- おら、おめの事がすぎだっけ。
- おらんどごさ、嫁さこぉ!
- おらど、つぎあってけろ。
- おらのごど、彼女さしてけねぇ?
- 前がら、めんけぇど思ってだったぁ。
- 来週の休みに、ドライブさあべ!
- オラの手っこ、ぬっきぃべぇ?
告白岩手弁フレーズ①:おら、おめの事がすぎだっけ。
[方言の意味]→[おれ(私)、あなたのことが好きだ。]
オラは男でも女でも使います。
おめはおまえの意味です。
好きだっけのっけの部分は疑問形ではなく、英語で習った過去完了形の意味になります。
おれ、おまえのこと好きだっけ?という意味ではないので、もし岩手県民に告白されたら誤解しないようにしてください。
告白岩手弁フレーズ②:おらんどごさ、嫁さこぉ!
[方言の意味]→[おれ(私)の所に、嫁に来い。]
こぉは来いの意味。
非常にストレートで男らしいフレーズです。
オラオラ系男子が好きな女性なら、即OKでしょう。
告白岩手弁フレーズ③:おらど、つぎあってけろ。
[方言の意味]→[おれ(私)と、つきあってください。]
男女どちらでも言えるフレーズです。
もし女性でこのフレーズを可愛く言えたら、方言に弱い男性はデレデレしてしまうはず。
告白岩手弁フレーズ④:おらのごど、彼女さしてけねぇ?
[おらのごど、彼女さしてけねぇ?]→[私のこと、彼女にしてくれない?]
これは女性からの告白のフレーズ。
ストレートですが、頬を赤らめて言えたら可愛いと思われるに違いありません。
告白岩手弁フレーズ⑤:前がら、めんこいど思ってだったぁ。
[方言の意味]→[前から、可愛いと思ってたんだ]
めんこいは前述したとおり、かわいいの意味です。
女の子や子供、動物、物など、けっこうなんでも使えます。
これは男性が女性を褒める時のフレーズです。
告白前の軽いジャブ的な要素で取り入れたら成功する確率がUPするかもしれません。
告白岩手弁フレーズ⑥:来週の休みに、ドライブさあべ!
[方言の意味]→[来週の休みに、ドライブに行こう。]
これも前述のあべを使ったデートに誘う際のフレーズです。
デートが順調に行けば、[オラの家さあべ(おれの家に行こう]に進化します。
告白岩手弁フレーズ⑦:オラの手っこ、ぬっきぃべぇ?
[方言の意味]→[私の手、あったかいでしょ?]
手っこは手の意味で、岩手県民は名刺の後に〜こを付けたがります。わんこそばのわんこもお椀の後にこを付けたバージョンです。
ぬっきぃはぬくい、あたたかいの意味です。
積極系女子が真冬の手が寒くてかじかんでる際に、手を握ってこのフレーズを言ってくれたら、一気に発熱する岩手方言でしょう。
【番外編】岩手県出身の芸能人や岩手で撮影された岩手弁の映画やドラマ
岩手で撮影されたドラマで一番メジャーなものは2013年NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」ではないでしょうか。
舞台は岩手の三陸で、東京で生まれ育った16歳の天野アキが、母親の故郷で生活して人との温かい触れ合いをコメディタッチで物語にしたものです。
中でも劇中で使われる「じぇじぇじぇ」という言葉は流行語大賞にも選ばれるくらい全国に浸透した岩手弁です。
「じぇじぇじぇ」は三陸地方のほんの一部で使われる岩手弁で、驚いた時に使われます。地域によってはざざざやじゃじゃじゃなどのバリエーションもあります。
岩手の方言(岩手弁)に触れてみよう!
岩手県の普段使いの方言たちは、文字にしてみると濁点ばっかりで読みづらいですね。
でもその土地の郷土感が出ていて、やはり岩手弁は温かみを感じます。
岩手も広いので、ご紹介した方言が岩手県内全ての人に通じるわけではないのでご了承ください。
いまや、交通がますます便利になり、いろいろな地方にすぐに行けるようになった影響で、その土地の言語も、だんだんと標準語化してきますが、方言は大事にしていきたいですね。
もし岩手に遊びに来ることがあれば、県民同士の話に聞き耳をたててみてはいかかでしょう。
きっと面白くてかわいい岩手弁が聞けるはずです。