日本酒文化が根付く高知!種類や選ぶ基準は?
国税庁が発表した、平成29年度の都道府県別・品目別の酒類消費数量によると、1人あたりの消費量は東京に次いで高知が2位となっています。
高知県民はお酒に強くお酒が好きだと分かりますね。
そんな高知には、おいしいお酒、日本酒が多くあります。
日本酒にもいろいろ種類がありますが、その種類や基準を見ていきましょう。
日本酒の種類
日本酒は、大きく純米酒、本醸造酒の2種類に分けられます。
純米酒は、米と米こうじのみで出来たもの、本醸造酒はその2つに加え醸造アルコールを加えたものです。
純米酒は、さらに「純米大吟醸酒、純米吟醸酒、特別純米酒、純米酒」の4種類、に、本醸造酒は「大吟醸酒、吟醸酒、特別本醸造酒、本醸造酒」の4種類、合計8種類に分けられます。
この分け方は、精米歩合(せいまいぶあい)で決まります。
精米歩合とは、玄米から表層部分を削った米の割合です。
精米歩合60%なら40%を削って捨て、残り60%を使っているということになります。
磨けばいる磨くほど雑味がなくなるとされ、精米歩合が低いほどすっきりしていて、精米歩合が高ければ濃厚な味になります。
日本酒を選ぶ基準
日本酒を選ぶ基準は、先ほどの「精米歩合」に加え、甘口・辛口で選ぶと良いでしょう。
甘口か辛口かは、ラベルに「日本酒度」といった表記があります。
日本酒度はプラスかマイナスかと数字の組み合わせで書かれており、プラスだと辛口、マイナスだと甘口になります。
すっきりか濃厚か、甘口か辛口かは個人の好みの問題ですが、まったく日本酒を飲んだことない人に勧めるのであれば、「甘口と辛口の間の中口、純米大吟醸、純米吟醸酒(精米歩合60~50%以下)」が飲みやすいです。
是非、いろいろ飲んで自分好みの味を見つけてください。
甘口?辛口?高知の日本酒の特徴は?
高知の日本酒は、すっきりとした辛口が多いです。
温暖地における醸造酒の開発が早くから研究され、醸造時の温度管理に気を遣っている蔵元が多いです。
高知は、巨大な山が集まっており、そこから流れている仁淀川、四万十川、吉野川などの伏流水を利用し、日本酒が造られています。
軟水が多いため、硬水と違い低温でじっくりと日本酒の発酵をすすめることができ、なめらかで薫り高い吟醸酒を造り出すことができるのです。
地元産の酒米を使用することにこだわっているところが多く、他県では通常兵庫県産山田錦が使われる大吟醸についても、地元で栽培した山田錦を使用する場合が多くみられます。
地域の蔵元が地元農家と契約していたり、特別栽培を行ったりなど酒米に対して真摯に向き合っているからこそ、おいしい日本酒が生まれます。
亀泉や南!高知でおすすめの日本酒15選!
それでは、高知のおすすめの日本酒を見ていきましょう。
どれもおいしく、いろいろな料理に合うので飲んでみたくなりますよ。
おすすめの日本酒①:土佐鶴 純米大吟醸
高知の日本酒と聞けば「土佐鶴」を思い出す方もいるのではないでしょうか。
高知を代表する名酒の1つで、全国新酒鑑評会で全国最多の45回金賞を受賞しています。
平成30年度の全国新酒鑑評会でも、土佐鶴が金賞を受賞しました。
さっぱりとした味に合うので、湯豆腐や天ぷら、だし巻き卵といった料理と一緒に食べるとより美味しく楽しめます。
土佐鶴の名前は「見渡せば松のうれごと棲む鶴は千代のどちとぞおもふべらなし」という歌の吉兆鶴からきています。
江戸時代から続く酒蔵で、時代を超えて人の心を打ち続けているお酒です。
際立つ吟醸の香りにしっかりしたコクを感じられる一品となっています。
おすすめの日本酒②:美丈夫 特別純米
ふっくらとした米のうまみを持ちながらも、キレの良さを持つ辛口のお酒です。
美丈夫の仕込み水は、高知県の国内屈指の超軟水である奈半利川の伏流水を使用しています。
日本酒の原材料は約7割が水であり、仕込み水がとても重要です。
超軟水のため、引き締まった強い麹を使用しています。
そのため、温暖な気候にもかかわらず酵母はゆっくりと発酵を続け、香りとうま味がお酒の中に溶け込み上品で香りに膨らみのある味に仕上がりました。
超軟水と強い麹を使用することで、美丈夫の清らかな個性をつくりあげています。
フルーティな食中酒という新しい味を実現し、果実の香りと柔らかな甘味がバランスよく入ってきます。
ほとんど吟醸酒のようなお酒で、香りと甘味を楽しむように冷酒がおすすめです。
和食はもちろん、その酸味からビネガーやオリーブオイルを使用している洋食にも合います。
おすすめの日本酒③:豊能梅 純米吟醸
高木酒造が造っている「豊能梅(とよのうめ)」。
まろやかな口当たりの後に、辛口が味わえる吟醸酒です。
酸味と苦みから構成される後味は上手なバランスで、高知流の淡麗辛口といえます。
すっきりとした軽い飲み口からぐいぐいと飲んでしまいますが、後味で来る酸味と苦みからまた更に飲んでしまうという、少し危険なお酒。
食卓を豊かにするという食中酒という観点から、華やかすぎないフルーティな香りとくどくない米のうまみを表現することで、料理と相性の良い、飽きることのないお酒です。
事前予約必須ですが、蔵見学も行えるので、ぜひ見てみてください。
15分程度でみて回ることができ、試飲、販売などの案内をしてくれます。
おすすめの日本酒④:南 純米大吟醸 五百万石
酒蔵のすぐそばを清流安田川が流れており、酒造りにかかせない良質な水を得る「南酒造場」が造る「南」。
人気の南のなかでも、特ににんきなのがこちらの「南 純米大吟醸 五百万石」です。
こちらの南は、年間生産石数が約300石と少量生産のお酒です。
1石は1升瓶で100本なので、300石は1升瓶で3万本の出荷となっており、幻のお酒ともいわれます。
味は、すっきりとした華やかな口当たりのお酒で、シャープな辛さの中に、十分なうま味を感じることができます。
淡白な料理とよく合い、小松菜と油揚げの土佐和えやかつおのたたきなどと一緒に食べるとより美味しく味わうことができます。
おすすめの日本酒⑤:安芸虎山田錦 80%精米純米酒
フランスKura Master 純米部門プラチナ賞を受賞したお酒です。
Kura Masterとは、フランスで開催される日本酒のコンクールで、フランスの歴史的文化である食べ物と飲み物の組み合わせ(マリアージュ)を、日本酒という観点からみて評価しています。
爽やかでボディー感のあるしっかりした味わいとキレの良さが特徴で、濃い味の料理とも相性が良く、マリアージュを楽しめるでしょう。
麹造りを工夫し、温度管理を徹底することにより、あまり磨いていない米にありがちな糠臭さや雑味を消し、濃い味わいを残しながら爽やかな香味を残しています。
冷酒も、熱燗にしてもおいしくいただけるお酒で、熱燗にするとより香りが引き立ちます。
おすすめの日本酒⑥:酔鯨 純米大吟醸 兵庫山田錦50%
東京でも、居酒屋やスーパーに置いてあることが増え、知っている人も多いのではないでしょうか。
酔鯨は、「純米大吟醸をより身近に」をコンセプトにしたコストパフォーマンスに優れた辛口純米大吟醸酒です。
もともと、同じ兵庫山田錦を40%まで精米した同じ純米大吟醸酒がありました。
こちらの精米歩合が50%の酔鯨は、精米度を緩やかにしたために、40%のものより、手の出しやすい値段になりました。
しかし、中身は40%に勝るとも劣らないものです。
雑味の少ない綺麗な味わい、口に含むと広がる上品な旨味、軽やかな吟醸香、それに続くキレの良い辛口が味わえます。
すっきりした飲み口と後味は癖になります。
普段の食卓用としても楽しめる一品です。
おすすめの日本酒⑦:土佐しらぎく 純米吟醸
「フレッシュ&ジューシー」をコンセプトに「心地よい飲みやすさ」を追求する、千頭酒造場が造る「土佐しらぎく」。
ブランド名は、初代千頭菊太郎の「菊」にちなみ、「白菊」と名付けられました。
時代とともにブランドも進化し、現在の「土佐しらぎく」となっています。
スッキリながらも昔の辛口酒といわれる土佐酒とは異なる、透明感のある上品な香り、繊細でまるみのある味わいです。
日本酒好きの方はもちろんですが、普段日本酒を飲まない方も日本酒の魅力に気づくようなお酒になっています。
飲んでいて疲れない、食卓に常に置いても違和感のない日本酒です。
おすすめの日本酒⑧:久礼 純米吟醸
西岡酒造が作っている「久礼(くれ)」。
高知県産酒造好適米吟の夢と四万十川源流名水で仕込んた純米吟醸酒です。
西岡酒造は、江戸時代中期の天明元年(1871年)に創業された230余年の歴史を持つ蔵元です。
昔ながらのこだわりの酒造りによる、フルーティな香りとコクのある味わいに、顔をほころばせることでしょう。
魚料理でも、特に煮つけや照り焼きに合う味です。
熱燗にすると、お米の甘さが顔を出し、冷酒とはまた違った味わいになります。
西岡酒造では、不定休で午前9時から午後16時まで酒蔵ギャラリーとして高知県内最古の酒蔵や四万十銘木工芸作品展など展示しているので、もし高知に行く機会があれば足をのばしてみてください。
おすすめの日本酒⑨:船中八策
江戸時代末期に、坂本龍馬が明治新政府の在り方について、船中で考えた策に由来する「船中八策(せんちゅうはっさく)」。
日本酒度は+8度の土佐酒らしい超辛口です。
辛いだけのお酒ではなく、淡麗な中に潜むうま味と辛口のキレの良さを出すべく、発酵温度や経過、保管温度や火入れのタイミングを毎年研究し微調整し少しずつブラッシュアップし続けています。
その努力により、超辛口ながらも、甘口酒ファンにも辛口なのにおいしいと人気です。
平成27年秋の日経新聞「お燗酒コンテスト」で、熱燗向きとされるタイプの銘酒のなかで第2位に輝き、冷やしても常温でも、熱燗でも美味しいことが証明されました。
和食、特に新鮮魚介と良く合い、おいしさを引き立てます。
おすすめの日本酒⑩:亀泉 特別純米
甘味、酸味、苦味、うまみのバランスを研究し、いくらでも飲める味です。
仕込み水は、蔵内の水場に江戸時代から涸れることなく湧き出ています。
江戸時代の参勤交代の頃から、どんな干ばつがあっても涸れることのない「万年の泉」と呼ばれる街道一おいしい水が湧き出る泉があり、その自ら造られたお酒なので、「亀泉」と名付けられました。
その湧き水は、清流仁淀川水系の軟水で、ほのかな甘みがあり、優しいのど越しと味わいが特徴です。
冷やして、揚げ物にあわせるとスッキリと飲めることができます。
おすすめの日本酒⑪:文佳人
「文佳人」は、土佐藩執政の野中兼山の娘であり、「お婉さん」と呼ばれた女性の献身的な生涯を称え、「文の佳人」、手紙、文、学問に秀で、教養にあふれた美人であると記念しました。
数を増やすより、しっかりしたお酒を造ることに重きを置き、少量の仕込み、無濾過、火入れ後マイナス5度貯蔵というこだわりを持っています。
辛口ながらも、うま味を含んだ味となっていて、赤身の魚によく合います。
食事の邪魔をしない、優しい味わいのお酒です。
おすすめの日本酒⑫:秀麗司牡丹
しっかりとした香りを持った吟醸香と、奥行のある深い味わいが特徴の純米吟醸原酒です。
原酒とは、発酵させ絞ったお酒に、水を加えず出荷したもののことを言います。
通常、日本酒では水を加えて度数を調整する「加水」という作業がありますが、それをしないのが原酒です。
加水した日本酒よりアルコール度数が高く、濃厚な味わいが特徴です。
アルコール度が高い分、どっしりとした存在感のあるタイプとなっており、お酒が好きな方に最適です。
おすすめの日本酒⑬:慎太郎
美丈夫を造った濱川商店と同じ蔵元です。
「慎太郎」の由来は、坂本龍馬と並ぶ土佐の偉人、近江屋で竜馬とともに暗殺された陸援隊長だった中岡慎太郎からきています。
中岡慎太郎は若いころ、蔵がある田野町の田野会館に通ったことからお酒のラベルに起用されました。
さっぱりした飲み口で、中盤から辛みが出てきますが、そのキレの良さで綺麗な余韻を楽しめます。
淡白な料理にも、味が濃い肉料理にも合う万能の食中酒です。
冷から熱燗まで幅広く楽しむことができます。
おすすめの日本酒⑭:瀧嵐 吟醸生酒
フルーツのような華やかな香りのする、クセがなくすっきりとした辛口の中に甘み、うま味が入ったお酒です。
瀧嵐を造っている高知酒造は、設立してすぐ酒蔵周辺の水質悪化という問題に2度も悩まされていましたが、3度目にして理想的な水質を持つ仁淀川に出会い、現在にいたります。
仁淀川は、平成24年国土交通省調べにて、最も水質が良好な河川として日本一に輝きました。
与謝野晶子や石川啄木らと時代を共にした歌人、吉井勇が愛していたお酒としても知られています。
吉井勇実は「瀧嵐 このうま酒を酌む時の 恋にかも似る 酔心かな」という歌を残しています。
いかに瀧嵐を愛していたかが分かりますね。
恋にも似たような気持のよい酔い心地を味わえます。
おすすめの日本酒⑮:無手無冠(むてむか)
最後は、株式会社無手無冠より、「無手無冠生原酒」です。
聞いたことがない人も多いと思いますが、「ダバダ火振り」を造っている会社と聞けば、分かる方もいるのではないでしょうか。
焼酎だけでなく、日本酒も造っており、日本酒の原料である米にはこだわりを持っています。
地元農家と契約栽培し、栗焼酎の残り肥料を使った有機肥料と紙マルチによる農薬を使わない米作りを行い、おいしくて安心なお酒を造っています。
本物のお米だけが持つ純粋なうま味を引き出し、素朴で安心、安全な味わいです。
丁寧に手造りした純米生原酒となっています。
おいしい土佐料理と一緒に!高知で日本酒が飲めるおすすめの居酒屋5選!
では、高知で美味しい日本酒が飲めるお店をみていきましょう。
美味しい日本酒のお店には、以下のお店があります。
- 味劇場 ちか
- 葉牡丹
- たたき亭
- 居酒屋大吉
- すごろく
続いて、美味しい日本酒のお店を、それぞれ詳しくみていきます。
味劇場 ちか
土佐くろしお鉄道中村駅徒歩20分にある、「味劇場ちか」。
客との対話を重視した劇場型の店内が広がり、
地酒は、「久礼」や「船中八策」、「酔鯨」などいろいろなものが用意されています。
こちらのおすすめは、カツオのたたき。
切り身1つが分厚く、塩だれに橘が効いていてとてもおいしい、地元でしか味わえない新鮮な味です。
他にも、「四万十あおさのりの天ぷら」など、地元料理が楽しめます。
味劇場 ちか
住所:高知県四万十市中村新町1-39-2
電話番号:0800-34-5041
営業時間:17:00~22:30
定休日:月曜日
URL:http://www.ajigekijochika.com/
葉牡丹
土佐で開店から半世紀が過ぎた葉牡丹。
誰でも気軽に立ち寄れる、安くて美味しい高知の老舗居酒屋です。
「司牡丹」や「土佐鶴」などの日本酒が味わえるのはもちろん、「ウツボタタキ」や「ちゃんばら貝」、「どろめ」など高知の珍味も味わえるのが嬉しいです。
はりまや橋や高知城など高知の名所からも近いので、観光の後に寄れます。
目の前でよさこい踊りもやるので、ぜひその時期に行きたいですね。
葉牡丹
住所:高知県高知市堺町2-21
電話番号:088-872-1330
営業時間:11:00~23:00 ランチ 11:00~14:00
定休日:なし
URL:http://habotan.jp/
たたき亭
この道50年の店主が、天然の魚料理を独自の技術で「ここでしか味わえない一品」です。
そのこだわりは、カツオ料理だけでも8種類、うつぼ料理が6種類…と同じ魚介でも多くの種類があることからうかがえます。
カツオの塩たたきが有名なお店で、出来立てのあたたかい塩たたきを食べることができます。
日本酒は、「瀧嵐」や「美丈夫」「仁淀川」などが楽しめます。
たたき亭
住所:高知県高知市はりまや町3-1-12 ロックビル1F
電話番号:088-824-0018
営業時間:火〜土 17:00〜23:00
日 11:00〜14:00・17:00〜21:30(日曜のみランチ営業)
定休日:月曜
URL:http://tatakiya.jp/
居酒屋大吉
JR土讃線高知駅より徒歩約10分にある「居酒屋大吉」。
こちらでは、自家菜園の山の幸、高知の川の幸を使った郷土料理と地酒を楽しむことができます。
「大吉ヒットメニュー」として、鰹の心臓である「かつおちちこ」やマグロの尾びれの「イヌゴロシ」、そして人気ナンバーワンの「手作りイカ団子」など他店では味わえないメニューがあるのもうれしいです。
日本酒は、「生酒瀧嵐」、「純米吟醸四万十川」などが置いてあります。
人気店のため急に入れないこともあり、予約していったほうが良いでしょう。
居酒屋大吉
住所:高知県高知市帯屋町1-15-13
電話番号:050-5890-6898
営業時間:17:00~23:30
定休日:日曜・祝日
URL:なし
すごろく
地元でとれた新鮮な魚を中心に、刺身、お寿司、手作りの居酒屋の品が楽しめます。
こちらの「海鮮サラダ」は、7種類もの回線が入っていて、ハーフサイズでもボリュームがすごいです。
ボリュームだけでなく、味も鮨処ならではの新鮮で美味しい味わいです。
大将のおまかせコースもあるので、コースで頼むのも良いですね。
おすすめは、ぬっくい玉子のお寿司。
ふんわりした甘めの味付けでご飯をくるんだ玉子の上に、カニ、明太、うなぎ、ミックスの選べる具材があります。
どこか懐かしい味がして、お酒の締めにも最適です。
すごろく
住所:高知県高知市はりまや町2-4-11
電話番号:088-884-4569
営業時間:17:30~23:00
定休日:木曜
URL:なし
献盃や土佐はし拳!高知ならではの酒文化とは?
高知県民は、冠婚葬祭や節句など、なにかと宴会をすることが好きです。
親族や友人、近所からお客さんを招いて宴会を行うのでいつからか宴会のことをおきゃくというようになりました。
そんな「おきゃく」では、献盃(けんぱい)、はし拳(はしけん)、菊の花といった酒の席を楽しくさせてくれる酒文化があります。
献盃は、目上の方に敬意を表す挨拶で、宴が盛り上がり始めたら、目下の人は自分の杯とお猪口を持って目上の方の席に移動し、自分の杯にお酒を注ぎ飲み干した後に目上の方へ自分の杯を献上しお酒を注ぎます。
普段は話す機会のない人とも話すきっかけを作れる文化です。
はし拳は、2人で対戦するゲームで、袖もとに隠して差し出されたお互いの箸の合計数を当てるというもので、そのゲームに負けた方はお酒を飲む決まりとなっています。
菊の花とは、たくさんの杯を裏返しにして、その内の1つに菊の花を隠しておき、順番に杯を返していき、菊の花が入っていれば当たりというゲームです。
当たった人は、それまでに空いた杯にお酒が注がれ、そのすべての杯を飲み干さなければいけない決まりです。
「おきゃく」は色々な人が集まって酒を酌み交わす交流の場です。
「献杯」でもてなし、「はし拳」で遊ぶうちに、見知らぬ人とも自然に打ち解けあえる、高知の魅力的な文化となっています。
高知では日本酒のイベントも!
おいしい日本酒が多くある高知では、日本酒のイベントもさかんに行われています。
「土佐新酒の会」では、毎年恒例で4月の第3金曜日に土佐酒のお披露目イベントとして高知県内全蔵18蔵の新酒が楽しめるイベントを行っています。
各蔵が新酒や秘蔵のお酒を約100種類、250升持ち寄り、また地域の美味しい料理をふるまわれる場所があるので、参加者は地酒と料理に舌鼓を打ちます。
また、2019年5月26日には四国の酒と食のスペクタクルとして、「酒蔵ワンダーランド」を開催します。
開催場所は大阪ですが、四国のお酒が一堂に会する酒祭りはなかなかないので、ぜひ参加したいイベントです。
参加蔵は58蔵で、日本酒の素晴らしさと食を味わえます。
高知のおすすめ日本酒15選!選び方は?土佐の酒文化やイベントも紹介まとめ
高知のお酒は辛口が多いですが、辛口が苦手な方も飲めるお酒が多くあります。
また、お酒と合う地元の料理や、よりお酒の席を楽しめる「おきゃく」文化があるので盛り上がりながら飲むことができます。
高知のお酒と料理を食べながら、高知式に飲むのも良いですよ。