福井の名物和菓子「羽二重餅」とは?
「羽二重餅」の名前の由来と福井の歴史
羽二重餅とは現在の福井県を代表するお土産の一つです。
現在でも東洋紡など紡績産業が盛んで有名企業もありますが、古くからこの地は繊維産業が盛んでした。
江戸から明治にかけては特に絹織物の生産が県民の生活を支えていました。
ところが産業技術の発達と共に繊維産業は衰退していきました。
そんな中、その素晴らしさやなめらかさを表現した和菓子が県内の和菓子屋で作られるようになりました。
その火付け役となった発祥のお店が松岡軒です。
織物産業を営んでいたお店を二代目が引き継ぐ際に和菓子屋に転向し、その織物のようなきめ細やかな和菓子を作ったことから、「羽二重餅」と名付けました。
「羽二重餅」の作り方
羽二重餅作りはもち粉を粉状にすることから始まります。
滑らかな食感にするために丁寧に細かくつぶすのがコツです。
その粉を蒸して飴状にしたものを窯でゆっくりと熱しながら練り上げていきます。
この作業で餅の弾力やきめ細かさが決まるため、熟練の技が必要だとされています。
餅を練っている釜の中に液状にした砂糖を少しずつ入れ、味を調えていきます。
味にムラが出ないようにゆっくりと少量ずつ練りこんでいきます。
近年は機械化により機械が混ぜることで効率よくなったお店もあります。
そしてそれを一口サイズに切り、粉をまぶしくっつかないようにします。
そこからお店によって餡を包んだり、果物を包んだり、ヨモギも一緒に練ったりと形を変えていく場合もあります。
「羽二重餅」の美味しい食べ方
羽二重餅は餅なのであまり日持ちはしません。
お渡しするまでに時間がかかってしまうかもしれない人への手土産には向かないものです。
手に入ったらできるだけ早めに食べるようにしましょう。
そのまま食べても美味しいですが、お餅が固くならない程度に冷やしたりして食べるのもまた格別です。
羽二重餅と小豆を組み合わせた商品が多いことからもわかるように、羽二重餅は小豆との相性がいいので、冷たいぜんざいにうかべたり、あんこを添えて出すのもおすすめです。
あたたかいものに浮かべると溶けてしまうので、あたたかいほうがという季節の場合はあたたかいお茶と一緒に頂くと美味しいですよ。
期限内に食べられないという場合は冷蔵ではなく冷凍保存がいいです。
味を損ないにくく長期の保存が可能です。
また羽二重餅はその大きさからしてもお茶菓子として出すのに適しています。
ですから日本茶と一緒に出すか、珈琲と一緒に味わうかでも羽二重餅の味が変わってきます。
その種類も様々であるため、洋風のお茶菓子にしたい場合はチョコレートが入っているものを選ぶなど、お茶によって種類を変えてみるのも面白いかもしれません。
羽二重餅が美味しい福井の名店5選!人気の創作菓子「羽二重くるみ」が食べれるお店も!
では、福井の羽二重餅の名店をみていきましょう。
福井には、以下の羽二重餅の名店があります。
- 松岡軒
- 羽二重餅の古里
- 金花堂 はや川
- 亀屋製菓
- 村中甘泉堂
続いて、福井の羽二重餅の名店を、それぞれ詳しくみていきます。
松岡軒
120年以上続く歴史ある和菓子屋で羽二重餅発祥の店と言われています。
もともと織物屋を営んでいましたが、その商売に限りが見え、和菓子店を始めた時にその織物から発想した羽二重餅の生産を始めました。
元祖羽二重餅のブランドを汚すことのないよう、創業当時の製法と味にこだわって守り続けています。
もちもちとした食感と、ふわりと解けるような優しい口どけが人気です。
その味の決め手となるのがもち粉です。
京都産と福井産のもち粉をブレンドすることでコシや張りのある食感を生み出しています。
現在は県内の様々なお店が独自の味を追求している羽二重餅ですが、こちらのお店では変わり種はあまりありません。
これぞ羽二重餅というオーソドックスな味を体感できますよ。
松岡軒
住所:福井県福井市中央3丁目5−19
電話番号:0776-22-4400
営業時間:9時から18時
定休日:年末年始
URL:松岡軒
羽二重餅の古里
羽二重餅の生産工場の横に直売所を併設している県内の施設です。
羽二重餅の試食コーナーもあり、様々な味や種類の羽二重餅が用意されているため、初めて羽二重餅をお土産に購入しようとしている人におすすめの場所です。
看板商品は生羽二重餅。
羽二重餅を切って粉をまぶす工程がない羽二重餅はヘラで自分で切り分けて食べなければならない少し食べにくい形をしています。
しかし新鮮で柔らかいもちもちとした食感にファンが多い一品です。
また通常の羽二重餅やバナナ風味の羽二重餅の中にチョコとマシュマロが入ったお菓子色の強い商品、よもぎやあんこが入ったものなど種類が豊富です。
通販でも取り寄せることができるので是非一度試してみてください。
羽二重餅の古里
住所:福井県吉田郡永平寺町松岡吉野35−21-1
電話番号:0120-363-456
営業時間:8時から17時
URL:羽二重餅の古里
金花堂 はや川
こちらのお店の看板商品は普通の羽二重餅ではありません。
羽二重餅をシュー生地でサンドし、その中に甘く煮詰めた自家製のクルミが入っているという羽二重くるみです。
羽二重くるみは柔らかい羽二重餅の食感と、軽い塩味のきいたシュー、そして甘いクルミがアクセントになりとてもバランスのいいお菓子です。
サイズも2~3口分の大きさで価格は1つ110円ととてもリーズナブルです。
羽二重餅は和菓子なので緑茶のお茶うけにも合いますし、シューの洋風な味わいがあるので紅茶と一緒に楽しむこともできます。
まさに和洋折衷のお菓子。
個包装されていて一つ一つ個別売りをしているので、人数に合わせて量を調整できるのも嬉しいです。
羽二重餅は生ものなので日持ちはあまり長くありません。
その日中に合う人への手土産におすすめです。
金花堂 はや川
住所:福井県勝山市旭町1丁目400−2
電話番号:0779-88-4744
営業時間:9字から18時半
定休日:火曜日
URL:金花堂はや川
亀屋製菓
こちらのお店はネット通販などもしていて、多くの人が購入しやすい羽二重餅です。
その特徴は種類の多さです。
オーソドックスな白い羽二重餅から、福井産の梅を使用した梅娘、みたらし団子の様な味わいの醤油羽二重餅、黒豆、よもぎ羽二重餅などがあります。
普通の羽二重餅はもう食べたので、違うものを試してみたいという人におすすめのメーカーです。
羽二重餅に餡が包まれた羽二重織という商品も人気です。
柔らかくもちもちした食感の羽二重餅と、上品な甘みの餡の相性は抜群ですよ。
生もののため衛生面にも徹底して気を配られた工場内で製造されているため安心安全で信頼のおける商品です。
亀屋製菓
住所:福井県福井市 市東森田4丁目101
電話番号:0776-56-1200
受付時間:平日8時半から17時
定休日:土日祝日
URL:亀屋製菓
村中甘泉堂
羽二重餅の味の決め手になるのがもち粉です。
こちらのお店では米どころである福井県産のもち粉100%にこだわって作っています。
最近のヘルシーブームで砂糖を控えめにしたお菓子やお菓子の代わりに和三盆などを使用する和菓子屋も増えています。
羽二重餅もその流れはありますが、そのことで柔らかな食感とのバランスを取るのが難しくなってきています。
そのバランスの研究を惜しまず、甘さ控えめの柔らかな羽二重餅を食べられるのがこちらのお店です。
その他にも羽二重餅でイチゴを包んだもの、餡や梅をサンドしたものなど種類も豊富です。
一緒に楽しむお茶に合わせて種類を変えることができるのも、このお店の人気の理由の一つです。
お気に入りのお茶に合うお茶菓子を是非こちらで探してみてください。
村中甘泉堂
住所:井県福井市中央1丁目21−24
電話番号:0120-224-354
営業時間:9時から19時
定休日:火曜日
URL:村中甘泉堂
福井の名物和菓子「羽二重餅」は通販でも注文できる!
こちらは先ほど紹介した福井の羽二重餅の古里で購入できる羽二重餅と同じものです。
この他にも様々なお店の種類の羽二重餅がAmazonで購入できます。
オーソドックスなもの、よもぎなど味がついたもの、小豆が来るんであるもの、紅白のもの様々なので是非好きな味を探してみてください。
購入する際に気を付けてほしいことは賞味期限です。
お店から迅速に発送されますが、羽二重餅は生もののため賞味期限があまり長くはありません。
たくさん届いてしまって食べきれないということもあるので十分注意して購入しましょう。
羽二重餅は一度食べたことがあるという人にはこのような商品がおすすめです。
羽二重餅が中に入ることで定番のどら焼きも変わった食感や味わいになります。
食べて初めてお餅が入っていることが分かるので、福井のお土産としても面白い商品です。
羽二重餅以外も人気!お土産にもおすすめの福井の人気菓子10選を紹介!
では、福井のお土産におすすめの羽二重餅以外のお菓子をみていきましょう。
福井には、以下の羽二重餅以外のおすすめのお菓子があります。
- えがわの水羊かん
- 五月ヶ瀬煎餅
- 眼鏡堅麵麭
- 今庄つるし柿チョコレート
- 大福あんぱん
- 恐竜ッ子
- はっくつバウム
- けんけら
- あべ川餅
- 稲ほろり
続いて、福井の羽二重餅以外の人気のお菓子を、それぞれ詳しくみていきます。
えがわの水羊かん
水羊かんと聞くと季節はいつを想像しますか。
夏と答える人が多いでしょうが、福井県民はほとんどの人が「冬」と答えます。
それがこのえがわの水羊かんが福井県民に長く親しまれてきた証拠でもあります。
冬季限定で売られている水羊かんは、防腐剤などが一切入っていない生もののため日持ちがしません。
そのため少量から大きめのものまでいくつかのサイズに分かれて売られています。
小豆の素朴な味わいがしつこくない程度に残る上品さにファンが多い一品です。
えがわは福井市内の店舗で羽二重餅の販売も行っていて2大人気商品です。
えがわ
住所:福井県福井市照手3丁目6−14
電話番号:0120-554-952
営業時間:8時から19時
定休日:水曜日
URL:えがわの水羊かん
五月ヶ瀬煎餅
福井のお菓子として羽二重餅と並んで有名なのがこのお菓子です。
一見ピーナッツの入った煎餅のようですが、食感はクッキーのようにサクサクしています。
その理由は作り方にあります。
マーガリンや小麦粉、砂糖の入った生地にピーナッツを入れ、一枚一枚丁寧に石窯で焼くという手間をかけた工程が、サクサクの食感をうみます。
また五月ヶ瀬より軽い食感のメイシャローズというお菓子も同時に人気で、こちらとセットになっている詰め合わせがお土産では人気となっています。
御菓子処五月ヶ瀬
住所:福井県坂井市丸岡町舟寄9−1
電話番号:0776-67-5600
営業時間:10時から18時
定休日:水曜日
URL:御菓子処五月ヶ瀬
眼鏡堅麵麭
メガネフレームの生産シェア日本一を誇る福井県鯖江市にある老舗のパン屋さんが作った、メガネ型の堅パンです。
堅ぱんはもとは栄養保存食として作られたものですが、福井県では1つのおやつとして広まっています。
その中でこの眼鏡堅麵麭は本物の眼鏡と同じようなサイズ感で作られています。
ゴマが練りこまれているため、口にゴマの味が広がる素朴な味です。
しかし堅さは超一級。
煎餅のように歯で割に行くと歯の方が折れてしまうかもしれないほど。
食べるときは金づちなどである程度砕いてからほおばって柔らかくしながら食べる面白いお菓子です。
福井旅行の話のネタにぴったりです。
ヨーロッパンキムラヤ
住所:福井県鯖江市旭町2丁目3−20
電話番号:0778-51-0502
営業時間:9時半から18時
定休日:日曜日
URL:ヨーロッパンキムラヤ
今庄つるし柿チョコレート
福井県今庄の名産、つるし柿とチョコレートを合わせた珍しい形のお菓子です。
ブランデーが使用されているため、ワインなどにも合う大人の味となっています。
つるし柿は渋柿を使用していますが、干すことで糖度が高くなり甘くしっとりした味わいになります。
健康作用も高い食材でカリウム、食物繊維、ビタミンなどがたっぷり入っています。
その干し柿とチョコレートの甘みがうまく混じり合い、上品な甘さとなった新感覚のお菓子です。
おばちゃんの店という名前の通り福井の地元の人たちが手作りで一つ一つ丁寧に作られています。
ほっと今庄おばちゃんの店
住所:福井県南条郡南越前町今庄9−13
電話番号:0778-45-1144
営業時間:10時から17時
定休日:火曜日
URL:ほっと今庄おばちゃんの店
大福あんぱん
ヨーロッパンキムラヤは1927年に創業した鯖江市のパン屋の老舗です。
そのお店の看板商品の一つがこの大福あんぱんです。
ブリオッシュというヨーロッパのパンの中に、大福が丸々一つ入っているという一品。
米どころである福井県の特産物であるもち米を使用した上質な餅の中に北海道産の小豆がしっかり詰まった大福がパンの中に詰まっています。
そのままで食べても電子レンジなどで温めて食べても、食感や味わいが異なりどちらも美味しいです。
温めると餅がとろりと溶けだし、羽二重餅のような柔らかな食感になります。
福井の羽二重餅とヨーロッパのパンという組み合わせも面白いですよね。
人気商品なので売り切れる場合もありますので、早めにお店に行くようにしましょう。
ヨーロッパンキムラヤ
住所:福井県鯖江市旭町2丁目3−20
電話番号:0778-51-0502
営業時間:9時半から18時
定休日:日曜日
URL:ヨーロッパンキムラヤ
恐竜ッ子
恐竜王国の福井にちなみ、恐竜の形をしたお饅頭です。
恐竜博物館など福井県内のゆかりの地で多く販売されています。
作られているのも同じく恐竜で有名な町、福井県勝山市の和菓子屋です。
自家製の餡を使って一つ一つ手作業で仕上げられる御菓子はどことなく顔つきが違い、味わい深いです。
全国菓子博覧会金賞にも選ばれた味は上品な白餡の甘みが口いっぱいに広がる、どこか懐かしいものになっています。
つい何個も口に運んでしまうので食べ過ぎに注意しましょう。
おお菓子司大和田
住所: 福井県勝山市郡町3丁目322
電話番号:0779-87-3025
営業時間:8時から19時
定休日:不定休
はっくつバウム
福井県は恐竜の化石が多く発掘されるエリアとしても有名で、「フクイラプトル」などその名が恐竜につけられたこともあるほどです。
バウムクーヘンはその焼き方から何層もの生地が重なる様子が化石が眠る地層のように見えます。
そのことを活かし、その断面にフクイラプトルの焼き印を押すことで化石に眠る恐竜の形をイメージしたバウムクーヘンが作られました。
もともとはバウムクーヘンを作る棒が折れたことで、焼くはずだった生地を捨てるのはもったいないと四角い方に入れて焼いたことが始まりだったとか。
現在は特に子ども連れの家族への福井土産として親しまれています。
お菓子処丸岡家
住所:福井県福井市春山2丁目18−18
電話番号:0776-22-5394
営業時間:8時半から19時
定休日:火曜日
けんけら
けんけらは粉にした大豆を飴で固めた福井では有名なシンプルなお菓子です。
けんけらという名前の由来は剣で切っても切れないほどの固さ(剣切羅)という説や僧侶から取ったという説など様々ですが、その歴史は長いです。
現在は福井県内の様々なお店で売られていますが、元祖と言われるのは福井県大野市にある朝日屋です。
口に入れると大豆の味がふわっと広がり、甘すぎない味わいと、カリカリした食感が人気です。
朝日屋
住所:福井県大野市元町2−7
電話番号:0779-66-2975
営業時間:8時から19時半
定休日:無休
あべ川餅
蝋金餅(ろうきんもち)店は福井市にある足羽山の麓にあるあべ川もちの老舗です。
注文を受けてから黒蜜と黄粉を混ぜて、お餅と和えてくれるのでいつもできたての風味を感じることができます。
きなこと黒蜜は少し甘めに作られていて、7つ全てを一人で食べると少し甘すぎる気がしてきます。
お餅ということもあり日持ちもあまりよくないので周辺への手土産におすすめです。
価格も7個入りで300円と大変リーズナブルなのも嬉しいです。
羽二重餅とはまた違うお餅の魅力が詰まっています。
美味しいお米がとれる福井ならではの一品です。
蝋金餅店
住所:福井県福井市左内町9−27
電話番号:0776-35-3041
営業時間:無くなり次第終了
稲ほろり
福井の自慢のブランドであるコシヒカリのおいしさを、もっと多くの人に知ってもらいたい。
そんな思いで作られた、お米の味がするクッキーです。
袋を開けた瞬間に、釜で炊き上げた際にできるおこげの香りが漂います。
最近はおこげの味を知らない子どもたちも増えているので、この素朴な味で、もっと福井のお米の良さを知り、味わうことができるのが人気です。
福井の農家の人たちが心を込めて作ったコシヒカリが多くの人に届くようにと願いがこもったお菓子です。
その点は羽二重餅とも共通していますね。
西洋菓子倶楽部
住所:福井県福井市米松1丁目11−33
電話番号:福井県福井市米松1丁目11−33
営業時間:10時から19時
定休日:水曜日
URL:西洋菓子倶楽部
羽二重餅が美味しい福井の名店5選!老舗の名店のご当地名物を堪能のまとめ
福井県のイメージと言うとどんなものを持っていたでしょうか。
恐竜・眼鏡フレームなど全国的に認知度の高いものも意外と多くあり、最近は北陸新幹線開通もあり観光地として注目されています。
そんな福井のお土産には羽二重餅を含めたくさんの種類のお菓子があります。
それぞれが福井の魅力を詰め込んだ商品です。
今回は羽二重餅や五月ヶ瀬と言った王道のものから、新しくできた注目商品までご紹介しました。
気になるものがあればぜひ福井へ足を運んでみてください。