栃木県・佐野の名物「いもフライ」ってどんな食べ物?
「いもフライ」と聞いてフライドポテトを想像する人は多いかと思います。
けれどもいもフライはフライドポテトとは全く違う食べ物です。
いもフライは
蒸したじゃがいもを一口大に切り、串刺しにし、衣をつけて油で揚げ、特製ソースをかけた料理です。
いもフライの魅力として以下の6つが挙げられます。
- じゃがいもを潰していないのでいも本来の甘さが楽しめる。
- 一度蒸しているため、ホクホクした食感が楽しめる。
- 衣がもちもちしていて食べ応えがある。
- 甘すぎずフルーティーなソースがいもの甘さとマッチしている。
- 注文後すぐに出てくる。
- 串刺しにされているので食べやすい。
いもフライは栃木県南部(佐野市・足利市)、群馬県(桐生市・太田市・館林市)の両毛地区と呼ばれる地域でよく食べられています。
その中でも栃木県佐野市はいもフライ発祥の地とされ、常食として食べられているのが特徴です。
佐野名物「いもフライ」の歴史について
戦後の食糧難と言われた時代、じゃがいもは腹持ちがよく、お米より手に入りやすいことから日本中でよく食されていました。
当時佐野地域でも、町中のさまざまな場所にじゃがいも畑がありました。
また同じ頃、佐野市のある両毛地域では絹織物産業が盛んで工場には多くの女工が働いていました。
そんな時代背景の中、リヤカーでじゃがいもをフライにして移動販売を始めた行商の方がいたのです。
じゃがいもを食べやすいように串刺しのフライにして販売を始めたところ、それが女工の間でヒットしました。
リヤカーにつんで近隣の地区にまで売り歩いたことから、両毛地区全体にいもフライが浸透したと言われています。
佐野名物「いもフライ」は価格がリーズナブル!
B級グルメのよさといえばその価格。
一般的にB級グルメはリーズナブルで飛びつきやすいですよね。
いもフライの値段はなんとほとんどが1本100円以下!
40円から80円程度の価格帯がメインです。
ワンコイン以下で食べられる手軽さも人気のひとつだといえます。
小腹が減った時やおやつにちょうどいいですね。
また1本から購入可能なので食べ歩きをして味比べをするのも楽しいでしょう。
ちなみに佐野市ではお気に入りのお店で一度にいもフライを数十本購入していくご家庭もあるようです。
佐野では「いもフライマップ」がもらえる!
佐野には「いもフライマップ」があります。
この「いもフライマップ」はいもフライの会事務局が作成したもので、20店舗のいもフライの専門店情報が載っています。
佐野市観光協会などが協賛しており、佐野市観光協会のWebからもダウンロードすることが可能です。
紙媒体のいもフライマップは佐野市観光協会や各専門店にて無料配布しています。
佐野名物「いもフライ」の各種ソースについて
いもフライでは主に佐野市地元産の2つのソースが使われています。
マドロスソースとミツハソースです。
この2つのソースをそれぞれの専門店が独自のブレンドをして特製ソースを作っています。
マドロスソース
マドロスソースの中でもいもフライでは中濃を使用しています。
甘みのあるソースは、たっぷりのりんごとタマネギ、そして日本の名水100選の1つである美味しい水を使って作られています。
製造元は半久食品工業有限会社。
購入希望の場合は直接お店から取り寄せるか、取り扱い店舗を訪れるしかないようです。
佐野市を訪れた際、下記のお店に行ってみてください。
[マドロスソースをお買い求め先]
・佐野サービスエリア上下
・佐野物産会館
・道の駅「どまんなかたぬま」
・道の駅「みかも」
ミツハソース
いもフライではミツハフルーツソースを使用しています。
ミツハフルーツソースはその名の通りフルーティーで甘みのあるのが特徴です。
こちらも日本の名水100選の1つである水を使用し、伝統の方法で佐野の地元の材料を使って作られています。
製造元の早川食品株式会社には、いもフライの会事務局があります。

月星ソース
月星ソースの製造元である月星食品は佐野市ではなく、お隣の足利市にあります。
100年以上続いている伝統あるソース製造会社です。
佐野市のいもフライ専門店の中には月星ソースを使用しているお店もあります。

佐野名物「いもフライ」の美味しい食べ方について
いもフライの美味しい食べ方は2つに分かれます。
それはサクサク感を味わうか、しっとり感を味わうかです。
言うまでもなく、サクサク感を味わうならば揚げたてが一番です。
揚げたての衣のサクサク感とじゃがいものホクホク感をお楽しみください。
一方、少し時間が経ってからのしっとりしたいもフライもまた別の味わいがあります。
ソースが衣に染み込み、よりソースの甘みを感じやすいのはこちらです。
佐野に遊びに行った際は、ぜひいもフライの食べ歩きをしてサクサク感を楽しんでみてください。
そして気に入ったお店のものがあれば、お土産に持って帰ってしっとり感も味わってみてください。
そうする事でいもフライを2度美味しく食べられて、お気に入りの食べ方を見つけられるはずです。
佐野名物「いもフライ」が美味しいおすすめ店10選!
佐野名物「いもフライ」のおすすめのお店をご紹介します。
- 飯島商店
- いでい焼そば店
- いもフライ 大しま
- いもフライの店 江原商店
- いもフライ 岡本
- おやつの店 ぴのや
- ちゃこや
- 農家直営ぽっぽや
- たまごや食堂やませ
- 佐野やつや
- 和洋食レストラン はなみずき
続いて佐野名物「いもフライ」のおすすめのお店10選を、それぞれ詳しくみていきます。
飯島商店
JR両毛線・東武佐野線佐野駅から徒歩5分の所にある飯島商店。
こちらのいもフライは小ぶりな一口サイズで食べやすく、ソースは月星ソースを使用していて酸味が効いているのが特徴です。
注文を受けてから店内にいる年配の女性が目の前で揚げてくれます。
テイクアウトだけでなく、イートインもできるのでサクサク感が楽しめます。
本数 | 値段 |
---|---|
1本 | 70円 |
飯島商店
住所:栃木県佐野市伊賀町705
電話番号:0283-22-4851
営業時間:10:30~18:00
定休日:月曜日・木曜日
駐車場:なし
URL:https://www.tochinavi.net/spot/home/?id=10525
いでい焼そば店
1976年もんじゃ・かき氷屋として創業、1991年からはフライ屋に業態変更し、現在メニューはいもフライといも入り焼そばのみ。
テイクアウトが中心です。
いでい焼そば店は30年間地元の人に愛されている、いもフライの老舗の名店です。
こちらのいもフライは、いもが大きくジャンボいもフライと地元の人から呼ばれています。衣がしっかりしているのが特徴です。
いもとソースの素材にこだわっていて、ソースは特注のマドロスソースを使用しています。
本数 | 値段 |
---|---|
1本 | 90円 |
いでい焼そば店
住所:栃木県佐野市上台町2096
電話番号:0283-23-1545
営業時間:9:30~18:50
定休日:月曜日
駐車場:3台あり
URL:http://www.idei-yakisoba.jp
いもフライ大しま
住宅街の中にあるいもフライ大しま。
車がないと少し行きにくい場所ではありますが、地元の方々から愛されているお店のひとつです。
こちらのいもフライは小ぶりだけど、5個刺さっているのが特徴。
店内にはテーブルが1台、店外にベンチが1台置いてあり、購入後すぐに食べることもできます。
お店のうたい文句は<今日食べても明日食べてもおいしい、冷めてもおいしい>なので、お土産にも向いています。
本数 | 値段 |
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1本 | 70円 |
いもフライ大しま
住所:栃木県佐野市関川町822-1
電話番号:0283-24-2043
営業時間:10:30~19:00
定休日:月曜日(祝日の場合、翌日)・第4日曜日
駐車場:あり(7台)
URL:https://www.tochinavi.net/spot/home/?id=5881
いもフライの店 江原商店
TVや新聞、雑誌などでもおなじみの江原商店は、いもフライ店の老舗のひとつです。
テイクアウト中心ですが、店先にはベンチがありそこで食べることもできます。
こちらのいもフライは大きめのいもが3個1串になっていて、衣は細かいパン粉を使用しているのが特徴です。
店員さんがいもフライにソースをつけるかどうか確認してくれるのですが、ぜひつけてみてください。
江原商店はミツハソース使用しているので、フルーティーで甘みのあるソースを楽しめます。
本数 | 値段 |
---|---|
1本 | 80円 |
いもフライの店 江原商店
住所:栃木県佐野市高荻町561-10
電話番号:0283-23-7007
営業時間:10:00~18:00
定休日:日曜日・水曜日
駐車場:あり(5台)
URL:https://www.tochinavi.net/spot/home/?id=6531
いもフライ岡本
いもフライ岡本では氷温熟成のじゃがいもを使用していて、いもの旨味・甘みが活かされています。
ソースはマドロスソースを中心とした自慢のオリジナルブレンドソースを使用。
店内にはカウンター席とテーブル席があり合わせて11席、店外には6席あるので、揚げたてをすぐに食べられます。
もちろんテイクアウトも可能です。
本数 | 値段 |
---|---|
1本 | 70円 |
いもフライ 岡本
住所:栃木県佐野市大橋町1136-7
電話番号:0283-21-0320
営業時間:11:00~18:00
定休日:水曜日
駐車場:あり(6台)
URL:https://www.tochinavi.net/spot/home/?id=6807
おやつの店 ぴのや
ぴのやはJR両毛線・東武佐野線佐野駅南口のすぐ前にあるお店。
車を使わずに訪れた人にとってのアクセスの良さは抜群です。
ぴのやのいもフライは北海道産男爵と、ミツハフルーツソースを使用しています。
カウンター席が8席あり、いもフライの他にも黒唐揚げ、焼そば、いか焼きなどのメニューがあります。
本数 | 値段 |
---|---|
1本 | 80円 |
(テイクアウトは3本から)
おやつの店 ぴのや
住所:栃木県佐野市若松町56
電話番号:0283-23-0009
営業時間:11:30~終了次第
定休日:水曜日
駐車場:なし
URL:https://www.tochinavi.net/spot/home/?id=15722
ちゃこや
JR両毛線・東武佐野線佐野駅南口から徒歩4分。
今までご紹介したいもフライ専門店とは違い、こちらは居酒屋さんです。
いもフライをつまみにお酒も楽しむことができます。
本数 | 値段 |
---|---|
1本 | 110円(税別) |
ちゃこや
住所:栃木県佐野市伊賀町706
電話番号:0283-24-1986
営業時間:11:30~14:00, 17:30~22:30
定休日:日曜日
駐車場:あり
URL:http://www.chakoya.com
農家直営ぽっぽや
自家農園で収穫したじゃがいもで作るいもフライ。
小ぶりなサイズ感と、ソースが普通と辛めの2種類から選べることが特徴です。
また事前に電話注文することで待たずに買えるサービスもあります。
本数 | 値段 |
---|---|
1本 | 80円 |
農家直営ぽっぽや
住所:栃木県佐野市富岡町1305
電話番号:0283-21-3677
営業時間:11:00~18:30(平日休憩あり)
定休日:火曜日
駐車場:あり
URL:http://www.chakoya.comhttps://www.tochinavi.net/spot/home/?id=10430
たまごや食堂 やませ
たまごかけごはんのお店、やませです。
こちらのいもフライは衣にたまごをたっぷり使っているのが特徴です。
店内はカウンター5席テーブル10席あり、食事のメニューも豊富なので座ってゆっくり食事をすることができます。
本数 | 値段 |
---|---|
1本 | 80円 |
たまごや食堂 やませ
住所:栃木県佐野市吉水町211-1
電話番号:0283-62-0800
営業時間:9:00~14:00, 16:00~19:00
定休日:木曜日
駐車場:あり
URL:http://www.mirun.sctv.jp/~yamase/
佐野やつや
佐野名物の佐野ラーメンのお店、佐野やつや。
こちらではラーメンと一緒にいもフライを楽しむことができます。
やつやのいもフライはメニューに「ジャンボいもフライ」と書いてあるほど大ぶりです。
佐野ラーメン・ジャンボ餃子・いもフライを合わせた佐野名物セット(950円)もあります。
本数 | 値段 |
---|---|
1本 | 100円 |
佐野やつや
住所:栃木県佐野市掘米町465-1
電話番号:0283-24-2755
営業時間:11:30~20:00
定休日:月曜日
駐車場:30台、バス4台あり
URL:http://www.s-yatsuya.com/index.html
和洋食レストラン はなみずき
はなみずきは、道の駅どまんなかたぬま内にあるレストランです。
いもフライだけではなく、佐野ラーメンも楽しめます。
店内には100席あるため、座ってゆっくり食事がしたい人におすすめです。
また道の駅どまんなかたぬまでは、いもフライで使用されているマドロスソースも購入できます。
本数 | 値段 |
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2本 | 200円 |
和洋食レストラン はなみずき
住所:栃木県佐野市吉水町366-2
電話番号:0283-61-0077
営業時間:9:30~19:00(18:30オーダーストップ)
定休日:水曜日・年始(元旦・2日)
駐車場:あり
URL:https://domannaka.co.jp/gourmet/hanamizuki
佐野には「いもフライ」を模したご当地キャラクターも!
佐野市のご当地キャラクター、さのまるをご存知でしょうか。
さのまるは ゆるキャラグランプリ2013ではグランプリに輝いたこともあるキャラクター!
さのまるは犬の男の子で、佐野市の名物を身につけた侍です。
頭には佐野ラーメンの椀を笠代わりに被っていて、前髪はラーメンの麺。
そして腰つけている剣はいもフライです。
いもフライマップにはさのまるが描かれていたり、ミツハソースではさのまるとコラボした商品もあったりします。
佐野名物「いもフライ」を自分で作ってみよう!
いもフライのレシピは至る所で公開されています。
いもフライの作り方は下記の通りです。
- じゃがいも(男爵、きたあかりなど固めの品種)をしっかり洗う。
- じゃがいもを固めに蒸して、温かいうちに皮をむく。
- 2が冷めたら6〜8分の1の大きさにカットする。
- いもが割れないように注意しながら3〜4個串に刺す。
- 小麦粉に水を加えてねばりのある固さに調整する。 (お好みで牛乳や卵を加えてもよい。)
- 4で作ったじゃがいもを5の小麦粉液につけ、その上からパン粉をつける。
- 170〜180度のサラダ油で小麦色になるまで揚げる。
- 温かいうちにソースをつけて出来上がり。
最初にじゃがいもを蒸して火を通しているので揚げ時間は短くても大丈夫です。
ぜひご自宅で手作りいもフライにトライしてみてください。
佐野市のご当地B級グルメ、いもフライ
佐野市で長年愛されてきたご当地グルメ、いもフライをご紹介しました。
ワンコインで気軽に食べられて、一本あたりの量も多くないので小腹が空いた時にはちょうどいい、そんないもフライ。
佐野プレミアムアウトレットやあしかがフラワーパークなどの観光に行った帰り、少し足を伸ばして試してみてください。