郷土料理百選に選ばれてるほうとうとは?
山梨県の郷土料理である「ほうとう」は、農山漁村郷土料理百選に選ばれています。
農林水産省が開催する郷土料理をテーマにしたイベントで、国民に広く支持されている郷土料理やご当地グルメを選定したものです。
全国にも知られる山梨の郷土料理のほうとうとは、小麦粉を練った生地で幅広く平たい太麺を、味噌仕立ての汁で野菜やお肉などと煮込む料理です。
レストランで出てくるほうとうは、麺が幅広いものばかりでなく、うどんのような形状の場合もあります。
味噌が一般的ですが、醤油を使う家庭もあります。
野菜の具材は、カボチャや葱、里芋や白菜など具だくさんで作られます。
ほうとうの麺は、生麺を使うととろみがつくので、冷めにくい特徴があります。
ほうとうとはいつ生まれたの?歴史は?
ほうとうが生まれた理由は、山梨の気候や風土によってできたものです。
山地が多く急斜面が多いことで水田が難しく、標高が高い為に稲作が育ちにくいということからお米の代わりに麦を使った食べ物を食べるようになったと言われています。
そのような理由を背景に、山梨ではお米は大変貴重な食べ物となり、うどんも特別な日に食べるものであったと言われています。
ほうとうがなぜ、山梨の一般家庭で食べられるようになったかというと、野菜がたくさんで小麦粉が少量で済むため、日常食として食べられるようになったのです。
ほうとうの歴史については、様々な諸説があります。
奈良時代や平安時代の頃に、今の中国大陸から流れてきたという説や、武田信玄が甲州に出入りをしていた高僧や遣唐使などから伝承されたという説などがあります。
山梨県内でも様々な呼称があるほうとう!名前の由来とは?
ほうとうの名前の由来とは、どんなことから名付けられたものなのでしょうか。
ほうとうの歴史の諸説は、様々な説があるため、ほうとうの由来についても同じく色々とあります。
ほうとうが中国から伝わったという説では、中国で考案された名前の「はく飩(はくたく)」がなまって、ほうとうと言われるようになったと言われています。
そして、別の説では武田信玄が自らの刀で麺を切ったことから、宝刀(ほうとう)となったという説もあります。
語源とされている、はく飩ははくたくからはうたう、そしてほうとうとなったという説と、饂飩(うんどん)から、はうどん、ほうとうとなったという説、そして、麺ほうからほうたう、ほうとうとなった説があります。
現時点でも、ほうとうの名前の由来は明らかではないと言われており、様々な諸説によってほうとうの歴史が記されています。
全国各地のほうとうと山梨のほうとうの違いとは?
山梨の郷土料理であるほうとうとは、小麦粉を練って平たくした太麺を使う料理です。
手作りの麺を使う場合は、このような形に練って作ることが多いですが、現在では市販のほうとうの麺が販売されており、必ずしも太麺とは限らないとされています。
山梨県内でも小麦粉を使わず、別の穀物ですいとんのような状態で食べる場合もあります。
ほうとうは、甲州味噌とカボチャなどの野菜が使われ、ほうとうには必ずカボチャが入っているイメージがあります。
しかし、全国のほうとうは必ずしも味噌を使うばかりではなく、醤油を使ったり地元や季節の野菜を使うこともあります。
ほうとうの作り方には決まりはないので、好きな野菜やお肉を使って煮込みます。
全国の外食産業で出されるほうとうは、お肉や野菜以外に海鮮を入れるところもあります。
ベースは、山梨のほうとうであっても現在はアレンジされたほうとうが、全国で食べられるようになっています。
きしめんやうどんと同じ食べ物?ほうとうとの違いとは?
ほうとうと似た食べ物に、うどんやきしめんがあります。
うどんやきしめんと、ほうとうとの違いはどんな点にあるのでしょうか。
まず、きしめんのご当地は愛知県名古屋市であり、ほうとうと似た要素としては平たい太麺であることがあります。
きしめんとほうとうの違いは、麺の製造過程にあります。
きしめんは、小麦粉と水そして塩を加えてこねるので、うどんと同じ材料を使っています。
ほうとうは、製造過程で塩を加えないので、ここがきしめんやうどんとの違いとなります。
そして、きしめんはJASによって販売される乾麺は、幅4.5㎜厚さ2㎜未満と定められています。
ほうとうは、きしめんよりも薄く幅が広いのが多いですが、特に規定はありません。
きしめんとほうとうの違いには、出汁や調味料に大きな違いがあります。
きしめんは、ムロアジという魚の節を使いたまり醤油を使った汁で食べます。
うどんに比べて太めのきしめんは、混ざりにくいため濃い味の醤油が合うということから、濃い醤油が使われます。
ほうとうに関しては、煮干し出汁を使い味噌で煮込み、麺から出るとろみを合わせて食べるのが基本です。
似ているようで、きしめんやうどんと違うほうとうは、一番の大きな違いは麺の製造過程であり、うどんやきしめんにはないとろみが出るところだと言えます。
夏のほうとう料理!おざらの食べ方とは?
山梨の郷土料理のほうとうを、冷たくした食べ物のことを「おざら」と言います。
おざらは、ほうとうを冷たくした食べ物なので、冷やしほうとうやざるほうとうとも言われています。
一部では、必ずしもほうとうではなく、うどんや冷や麦も含めた総称とも言われています。
おざらは、ほうとうの麺を冷たい水でしめたものを温かいつけ汁で食べるものです。
簡単に言うと、ラーメンのつけ麺に似たスタイルの麺料理です。
温かいほうとうは、味噌で煮込まれる事が多いですが、おざらは醤油のケースが多いです。
ほうとうに比べると、全国的には知られていないのがおざらで、山梨県外ではあまり見かけることがない郷土料理です。
基本的には暑い季節に食べるものとなるので、お店によっては夏季限定で扱うお店があります。
ほうとうの材料とは?簡単レシピを紹介!
ほうとうを自宅で楽しむ為の簡単レシピを紹介します。
今回の分量は、3人分です。
用意するものは、ほうとうの生麺360g、豚肉250g、かぼちゃ1/6個、人参1/2本、キャベツ200g、マイタケ1パック、だし汁2リットル、醤油大さじ2.5です。
まず、野菜や肉をお好みのサイズにカットします。
鍋にだし汁を入れて、野菜を煮込みます。
鍋が沸騰してきたら、豚肉を加えて野菜が煮えるまで煮込みます。
野菜が柔らかくなったら、ほうとうを加えてほぐしながら煮ます。
だいたい5~6分ほどが目安です。
最後に醤油を足して味を整えて、1~2分ほど煮込みます。
具材は、お好みで白菜や葱などを加えても良いです。
人気店もいっぱい!山梨のおいしいほうとうが食べれるお店5選!
山梨には、ほうとうを扱うお店がたくさんあります。
本場山梨で食べたいほうとうが美味しいお店をご紹介します。
では、山梨のほうとうのお店をみていきましょう。
山梨のほうとうのお店には、以下のお店があります。
- ほうとう不動 東恋路店
- 小作 甲府駅前店
- 皆吉
- ちよだ
- 大豊
続いて、山梨のほうとうのお店を、それぞれ詳しくみていきます。
ほうとう不動 東恋路店
山梨のおいしいほうとうが食べれるお店1つめは「ほうとう不動 東恋路店」です。
ほうとう不動は河口湖に4店舗のお店を持つほうとう専門店で、東恋路店はその1つです。
東恋路店の特徴は、真っ白な外観の建物です。
富士山をバックに、富士山にかかる雲をモチーフに作られた斬新な建築が有名です。
店内は、洞窟のようになっていて広々としているので、団体でも入ることができます。
ほうとう不動のメニューは、6種類のみで名物の不動ほうとう・馬刺し・稲荷ずし・もつ煮・漬物盛り合わせ・ご飯となっています。
不動ほうとうは、こだわりの自家製麺を使い、コシのあるしっかりとした麺が特徴です。
味噌仕立ての汁に、カボチャや山菜などの富士山麓の味覚をたっぷりと使ったほうとうです。
不動秘伝の薬味があるので、辛味を足したい場合は使ってみると更に味わい深くなります。
ほうとう不動 東恋路店
住所:山梨県南都留郡富士河口湖町東恋路2458
電話番号:0555-72-8511
営業時間:11:00~20:00
定休日:無休
URL:ほうとう不動
小作 甲府駅前店
山梨のおいしいほうとうが食べれるお店2つめは「小作 甲府駅前店」です。
山梨県と長野県に10店舗を構えるお店で、老舗のほうとうの名店です。
ほうとうメニューの種類が豊富で、変わり種のほうとうが多いことでも知られています。
猪肉や熊肉を使ったほうとうや、冬季限定の牡蠣ほうとうなどがあります。
種類は色々ありますが、ベーシックに一番人気となっているのはかぼちゃほうとうです。
甘みのあるかぼちゃが入ったほうとうは、甲州ほうとうの基本の味です。
そして夏場は、おざらの取り扱いもあります。
冷やしほうとうや、天ぷらおざらがあり、山梨以外では食べるチャンスがあまりないメニューを試すことができます。
小作は、ほうとう以外のメニューもたくさんあるので、甲州名物の馬刺しやヤマメなどの単品ものも試してみるとよいでしょう。
小作 甲府駅前店
住所:山梨県甲府市丸の内1-7-2
電話番号:055-233-8500
営業時間:11:00~21:30
定休日:無休
URL:小作
皆吉
山梨のおいしいほうとうが食べれるお店3つめは「皆吉 」です。
皆吉 は、山梨県甲州市の勝沼にある立派なけやき作りの民家スタイルのお店です。
築130年にもなるけやき作りの民家は、落ち着いた和の雰囲気があり、ゆっくりと寛ぐことができます。
自家製の味噌や出汁を使って作る汁は、添加物が一切入っていないこだわりの味となっています。
週末ともなれば、多くの人が行列をなしていることもある人気店なので、開店前から並ぶ覚悟が必要です。
そして、多くの人を魅了する味は、もちもちとした食感がたまらない麺と、味わい深いカボチャが絶品です。
味噌仕立ての汁は、何とも言えない深みとコクを感じます。
そして、冷やしほうとうのおざらも人気が高く、醤油仕立ての汁は出汁の香りや味がしっかりと出ています。
ワインの産地である勝沼なので、ワイングラスと一緒にほうとうを楽しむのもおすすめです。
皆吉
住所:山梨県甲州市勝沼町等々力1372
電話番号:0553-44-0004
営業時間:11:00~18:00
定休日:水曜日、第三火曜日
URL:皆吉
ちよだ
山梨のおいしいほうとうが食べれるお店4つめは「ちよだ」です。
ちよだは、おざら発祥のお店として知られる人気店です。
冷やしほうとうであるおざらを、山梨で初めて販売したお店で、アツアツの濃厚な醤油仕立てのつけ汁が特徴となっています。
つけ汁には、挽肉・ニンジン・えのき・たけのこ・長ネギ・シイタケ・油揚げが入っていて、シンプルで具だくさんとなっています。
濃厚な醤油ですが、味全体としては優しい味わいなので、お酒の後のシメにもおすすめです。
ちよだには、温かいほうとうもありますが、多くの人はこのおざらを目当てにやってきます。
今では、他店にも広まったおざらですが、元々は田舎の家庭料理としてあったものでした。
そのおざらをメニューに取り入れたちよだは、夏季になるとほうとうの売り上げがおちてしまう現象を挽回することができたそうです。
ちよだに来たら、一度はおざら発祥の味を試してみるのがおすすめです。
ちよだ
住所:山梨県甲府市丸の内2-4-8
電話番号:055-222-5613
営業時間:11:30~13:30 17:30~22:00(土日は18:00~22:00)
定休日:月曜日
大豊
山梨のおいしいほうとうが食べれるお店5つめは「大豊」です。
富士五湖のひとつである山中湖にあるお店で、地元の食材を中心に使う創作和食のお店です。
ほうとうメニューの中に、お店の名物である塩ほうとうがあります。
塩ほうとうとは、鯛で出汁を取った塩味のあっさりとした汁が特徴で、手羽焼きを添えています。
オリジナルメニューの塩ほうとうは、味噌仕立てに比べてあっさりした上品さがあります。
淡麗スープは、柚子胡椒を途中で加えて味の変化を楽しんでもよいでしょう。
塩ほうとう以外にも、味噌仕立てのほうとうも扱っているので、お好みで選ぶことができます。
その他にも、定食や単品メニューも扱っているので、合わせて楽しむのもおすすめです。
山中湖への観光の際は、オリジナリティーに溢れるほうとうメニューをぜひ楽しんでみて下さい。
大豊
住所:山梨県南都留郡山中湖村山中865-919
電話番号:0555-62-4650
営業時間:11:30~14:00(土日は15:00まで) 17:30~21:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
URL:大豊
山梨の郷土料理ほうとうを食べてみよう
山梨県の郷土料理である、ほうとうはシンプルで栄養価の高い人気の料理です。
自宅でも作ることができるので、自分オリジナルなレシピを編み出してみるのも良いでしょう。
そして、山梨への観光予定があるのであれば、ぜひとも絶品と言われる人気店に立ち寄ってみて下さい。
山梨自慢のソウルフードに驚くことでしょう。