【観光に行く前に】ブータンってどんな国?
ブータンはどんな国?
ブータンは、正式にはブータン王国です。面積が38,400㎢で、人口が80万人程度の小さな国家です。
2005年に立憲君主制に移行しました。20世紀後半までは世界の文明から離れ、外国人の入国を大幅に制限(鎖国)していました。
そのため、外国人に観光地として開放されてからは、残された「秘境」として、現在観光先として人気が高まっており、大手旅行会社のJTBもブータンツアーを出しています。宗教は主にチベット仏教を信仰しています。
ブータンはどこにある?
ブータン地図を見ると国境を接しているのは、北と東側に中国のチベット地域が、南と西側にはインドのアッサムやシッキム地域に囲まれています。
ブータンの西側にはネパールがあり、ヒマラヤの高い山々が見られます。ブータン東側は中国とインドの領土紛争地域のアルナーチャル・プラデーシュ州があります。
この地域は現在インドが実効支配しておりますが、日本からの観光ツアーがあるほど安定しているので、ブータン観光にはなんの影響もありません。
ブータンは山岳地帯になっている内陸の国なので、海はありません。
ブータンの気候
ブータンの気候は日本のように四季があります。ブータン観光シーズンは特に決まっておらず、どの時期でも観光ができます。
春は、ブータンのお祭りがあるなど、非常に過ごしやすく、シャクナゲなどの花を見ることができます。
夏は雨季の季節ですが、スコールのような大雨はあまり降りません。南部の国境地帯は気温が高くなりますが、西部や中部は高原地帯なので、あまり暑くなりません。
秋は黄金に染まる田んぼが広がり、各家庭の屋根には干された唐辛子の赤が鮮やかです。秋は欧米人を中心に、観光客が最も多く訪れる季節でもあり、ブータンの観光地が混雑します。
冬は意外に、ブータンの雪は少なめです。この季節は空が澄むので、背後にそびえるヒマラヤの山々が良く見渡せ、ブータン観光の穴場といえるでしょう。
ブータンの治安
ブータンを観光するときに、最も気になるのが治安でしょう。結論からいえば、ブータンの治安は安定しています。
ブータンは敬虔な仏教徒の国なので、観光客に対して窃盗や料金の詐欺のようは行為はありません。女性の観光客が多いのもブータンの特徴です。
ブータン観光で注意するのは、人よりも野良犬です。温厚ですし、むやみに近づいて触ったりしなければ安全ですが、万一噛まれると、狂犬病に感染する可能性が高いので、注意しましょう。
【観光に行く前に】ブータンへの行き方
ブータンへの行き方ですが、日本からの直行便はありません。経由便を利用します。
ブータンの空路の入口は西部の町パロになります。パロまではブータンのドゥルックエアーが、インドの各都市やタイのバンコクとの間で就航しています。
ブータン政府観光局では、日本からブータン観光に行く場合、タイのバンコク経由が便利として紹介しています。深夜に日本を経つ便で、早朝にバンコク到着後に乗り換えます。
翌朝には、ヒマラヤの4000m級の山々に囲まれた、標高2000mの高原都市ブータンのパロに到着するでしょう。
ちなみに、パロから首都ティンプーまでの所要時間は、車で1時間です。
ブータン観光の特徴と仕組み
ブータン観光で注意したいところがあります。外国人に開放されてまだ日が浅いために、ブータンは他の国とは違う、独自の観光の仕組み・ルールがあります。
ブータン観光の特徴として次の3つがあります。
ブータン観光の特徴①公共料金制度
ブータン観光で旅行する際には「公共料金」が必要です。これは1日あたりブータンに滞在するときに必要な費用で、入国時期(春と秋は割高)と人数によって違います。
子供連れの場合、4歳までの子供にはかかりません。学生も有効な学生証があれば、割引になります。
この公共料金には、ブータンの観光税の他、宿泊費や食事代、ガイドや国内移動費用が含まれています。ホテルのアップグレードやツアーに含まれない外食、お土産以外では、費用が掛かりません。
ブータン観光の特徴②ガイド・ドライバーの義務づけ
ブータン観光では、ガイドと車のドライバーをつけることが義務付けられています。ガイド代とドライバー代は、上記の「公共料金」に入っていますので、特に気にする必要はありません。
自由に観光ができないというデメリットはありますが、ガイドがブータンのことを全部教えてくれます。
見知らぬ国に現地の人がついてきてくれれば、文化や風習の違いなどで、禁止事項などを間違ってしまう心配も無いので、ガイドやドライバーがいれば安心してブータン観光ができるでしょう。
ブータン観光の特徴③ビザが必要
ブータンにはインドなどの一部の国を除いてビザが必要です。日本には2018年12月現在ブータン大使館はありません。ビザを申請するときには旅行会社を通じて取得するのが一般的です。
旅行会社との話し合いで、所定の旅行代金を払い、指定された申請用紙に必要事項を記入します。残りの手続きを旅行会社が行ってくれるので、間違うこともなく安心でしょう。
ブータン観光のビザ取得には、パスポートの有効期限が6か月以上(ブータン出国時)必要です。ブータン政府観光局では、ブータンの現地の旅行会社に申し込むことをおすすめしています。
現地の旅行会社の場合、ブータンの最新情報が入手でき、細かい旅行のアレンジが可能です。
ブータン観光にかかる費用
ブータン観光の費用で必要なのは、ブータンまでの往復の航空券代とブータンのビザ、ブータン国内の公共料金です。ブータンの公共料金は、夏・冬の季節の方が割安になります。
人数が多い場合も割引になります。ブータンの航空会社の航空料金は安くすることはできませんが、経由地のバンコクまでの航空券代にLCCなどを利用するなどすれば費用が安くなるでしょう。
その際に注意したいのは、フライトの時間です。特にLCC利用の場合、バンコクの到着する空港や乗り継ぎ時間を考慮しないと、最悪乗り遅れたりします。
バンコクから先は、旅行会社に一任できるので、バンコクまでのフライトスケジュールはしっかりと調査しましょう。
ブータンのおすすめ観光スポット10選!
- タシチョ・ゾン (Tashichho Dzong)
- ナショナル・メモリアル・チョルテン(National Memorial Chorten)
- チャンガンカ・ラカン(changanka lacan)
- タクツァン僧院(Taktsang Monastery)
- プナカ・ゾン (Punakha Dzong)
- ガサ温泉(Gasa)
- リンプン・ゾン(Rinpung Dzong)
- ドチュラ峠(Dochula Pass)
- ターキン放牧場(Budorcas taxicolor Pasture)
- ブータン国立博物館(Bhutan National Museum)
では、ブータンのおすすめ観光スポットをみていきましょう。
ブータンのおすすめ観光スポットには、以下があります。
ブータンのおすすめ観光スポット①【タシチョ・ゾン】
タシチョ・ゾン (Tashichho Dzong)は、ブータン観光でも最も重要な場所です。首都ティンプーにある、政治と宗教の中心です。
ティンプーの中心から少し北側にあり、国王の執務室があります。周囲に王宮や国会議事堂などの重要施設が集中しています。
この建物は、1950年代にブータン第3代国王ジグミ-ドルジ-ワンチュクの命により建造されました。建物の特徴としては釘を一本も使用しておりません。
木組のみで建てられており、ブータンの伝統的な建築様式も見どころです。またブータンの宗教における総本山の役目も果たしています。
国王の執務時間が終わった夕方から内部見学が可能です。「タンチョ」とは祝福を受けた砦、「ゾン」は、城壁や街の意味です。
タシチョ・ゾン (Tashichho Dzong)
住所:Chhagchhen Lam, Thimphu,Bhutan
電話番号:不明
営業時間:9:00-16:00,17:30-18:00
定休日:なし
URL:不明
ブータンのおすすめ観光スポット②【ナショナル・メモリアル・チョルテン】
ナショナル・メモリアル・チョルテン(National Memorial Chorten)は、第3代国王ジグミ-ドルジ-ウォンチュクの死後の1974年に作られた記念塔です。国王が生前に建立を計画しました。
ティンプーの街のシンボルとして、観光に外せないところです。市民が朝の通学や通勤の前に、そして、帰る前にもお参りします。
敷地内にはチベット仏教のマニ車がおいてあります。マニ車を回しながら「オム・マニ・ペメ・フム」というマントラ(真言)を唱えます。
仏塔は3階建てで、通常は内部に入れませんが、内部には非常に美しい仏画や仏像が収蔵されています。仏塔の中心には、ヤブ・ユム(歓喜仏)の立体曼荼羅(マンダラ)が収められています。
ナショナル・メモリアル・チョルテン(National Memorial Chorten)
住所: Chhoten Lam, Thimphu,Bhutan
電話番号:不明
営業時間:不明
定休日:不明
URL:不明
ブータンのおすすめ観光スポット③【チャンガンカ・ラカン】
チャンガンカ・ラカン(changanka lacan)は、ティンプーの西側にある丘陵地帯に鎮座している寺院です。15世紀の創建と大変歴史ある寺院です。
大きな十一面観音像を本尊としています。子供の成長にご利益があるとされているので、子連れのファミリーが多く参拝に来ます。
また本尊の隣にはティンプーの守護神「ドムツァップ」も祀られており、こちらもブータンの人々の厚い信仰を集めております。小高い丘の上に寺院があるため、寺の前庭が展望台のようになっています。
ここから見るティンプーの町並みも、絶景で大変すばらしいです。寺院内部の撮影は禁止されておりますので、観光の際には注意しましょう。
チャンガンカ・ラカン(changanka lacan)
住所:Changangkha Lhakhang Footpath, Thimphu, Bhutan
電話番号:不明
営業時間:不明
定休日:不明
URL:不明
ブータンのおすすめ観光スポット④【タクツァン僧院】
タクツァン僧院(Taktsang Monastery)は、パロの北にある、ブータンの観光スポットです。1692年にグルリンポチェ(グル-パドマサンバヴァ)により、洞窟の近くに建てられました。
標高が3120mの切り立った岩の上にあり、ブータンの観光ガイドなどでよく登場する寺院です。建立前には、ブッダの生まれ変わりといわれ、ブータンに仏教を伝え、虎に乗って現れたという伝説を持つグルリンポチェが、この地を3か月間瞑想をしたと伝えられます。
パロでは最も信仰を集めています。標高が非常に高い場所にあるので、観光の際には高山病に注意しましょう。
タクツァン僧院(Taktsang Monastery)
住所:Taktsang trail BT, Taktsang trail, Bhutan
電話番号:+975 2 323 251
営業時間:不明
定休日:不明
URL:http://www.parotaktsang.org/
ブータンのおすすめ観光スポット⑤【プナカ・ゾン】
プナカ・ゾン (Punakha Dzong)は、ブータン西部のプナカにある観光スポットで城壁です。モ・チュとポ・チュの合流する中州に建てられています。
1637年にブータン建国の父「ガワン-ナムゲル」の手により建立されました。1955年にティンプーに遷都されるまでは、ブータンの首都として300年間機能しました。
国内では2番目に古く、大きいこの建物は、川の中州にあるため、頻繁に洪水などの災害に合い、そのたびに修築されています。現在でも現役の寺院と政庁の役目を果たしています。
またティンプーの高僧が冬の間滞在する事でも有名です。この城壁の内部にあるマチェラカンという寺院内で、ガワン-ナムゲルが眠っています。
プナカ・ゾン (Punakha Dzong)
住所:Punakha 13001, Bhutan
電話番号: +975 17 66 99 80
営業時間:不明
定休日:不明
URL:http://www.punakha.gov.bt/
ブータンのおすすめ観光スポット⑥【ガサ温泉】
ガサ(Gasa)温泉は、秘境と呼ばれるブータンの中でも、最近まで自動車道がなかった最も秘境といえる「ガサ」にある観光スポットです。標高が2200mの場所にあり、21世紀まで車のない地域でした。
かつてはトレッキングで7・8時間の行程を歩く必要がありましたが、最近自動車道が完成し、車で行くことができるようになりました。冬はブータン中から湯治に訪れるほど有名な温泉地で、谷になっている川沿いに温泉がわき出ています。
ここでは人以外にも動物専用の温泉があり、馬やラバが気持ちよさそうに入浴しています。また温泉のある谷の上には、チベットからの攻撃に備えるために1649年に作られたガサ・ゾンがあります。
ガサ(Gasa)温泉
住所:不明
電話番号:不明
営業時間:不明
定休日:不明
URL:不明
ブータンのおすすめ観光スポット⑦【リンプン・ゾン】
リンプン・ゾン(Rinpung Dzong)は、パロ・ゾンとも呼ばれ、ブータン観光の玄関口「パロ」にある城壁です。「宝石の山の城」を意味する名前で、1646年に、元々あった砦をより強固なものにし、以降チベットからの攻撃を守る砦でもありました。
1907年に火災で焼失したため、現在の建物はその後に再建されたものです。現在でも政庁としての役割と、宗教施設の役割を担っています。
内部見学も可能で、中庭を囲うようにブータン様式の美しい建築物を見ることができます。中には輪廻転生を意味した絵画などが見られます。
城壁の敷地内にある「デヤンカ市場」では、毎年春に「パロ・ヅェチュ祭」というブータン最大のお祭りが行われます。ここは映画「リトルブッダ」のロケ地でもありました。
リンプン・ゾン(Rinpung Dzong)
住所:Paro, Bhutan
電話番号:不明
営業時間:不明
定休日:不明
URL:http://www.paro.gov.bt/
ブータンのおすすめ観光スポット⑧【ドチュラ峠】
ドチュラ峠(Dochula Pass)は、ティンプーの東にある峠で、ブータンの観光スポットです。標高は3150mの高さにあり、晴れた日には峠から見える雲の上の絶景が大変素晴らしい場所です。
北には標高7570mのブータン最高峰「ガンガル・ピンスム」や標高6800mの「マサ・ガン」といったヒマラヤの山々を望むことができます。峠にはカフェやホテルがあるので、休憩することもできます。
峠の周囲には2004年に建立された仏塔(チョルテン)があり、2003年のインドとの国境紛争に関連して、先代国王の第一王妃により建てられました。またブータンの勝利を意味する「ドゥク・ワンゲル・ラカン」が、2008年に建てられました。
2011年からは冬のフェスティバルも行われるなど、ブータンの新しい観光地として注目を集めています。
ドチュラ峠(Dochula Pass)
住所:Trashigang-Semtokha Highway, Dochula,Bhutan
電話番号:不明
営業時間:不明
定休日:不明URL:https://www.windhorsetours.com/hotels/hotel_detail.php?hotelid=754
ブータンのおすすめ観光スポット⑨【ターキン放牧場】
ターキン放牧場(Budorcas taxicolor Pasture)は、ブータンにいる珍獣「ターキン」がいる牧場です。このターキンは、ブータンで15・6世紀の人物で「聖なる狂人」との異名を持つ、ドゥクパ・クンレーが作ったという伝説があります。
伝説では山羊の頭と牛の骨を引っ付けて誕生したとされます。ターキンは非常におとなしい動物で、高山の森林に生息しております。
ブータン以外にもチベットや四川省、ミャンマー北部やインドの北東部に生息しています。食用にされた時期もあるため数が減少し、絶滅の危機に瀕しています。
この放牧場では、貴重なターキンの生きた姿を観光名スポットとして見ることができます。
ターキン放牧場(Budorcas taxicolor Pasture)
住所:Motithang, Thimphu, Bhutan
電話番号:不明
営業時間:9:00-16:00
定休日:不明
URL:不明
ブータンのおすすめ観光スポット⑩【ブータン国立博物館】
ブータン国立博物館(Bhutan National Museum)は、パロにある国立の博物館です。17世紀に建てられた望楼(タ・ゾン)を転用して作られました。
2011年の地震で、建物の一部が崩壊しましたが、修復されました。円形の建物の中の入口は4階部分で、各フロアごとにテーマが異なります。
ブータンに関する様々な展示物がおかれており、考古学的な物や立体曼荼羅、国王が幽閉されたという地下牢もあります。ブータン観光の際には、最初に見ておきたいスポットです。
ブータン国立博物館(Bhutan National Museum)
住所:Paro, Bhutan
電話番号:+975 8 271 511
営業時間:9:00-16:00
定休日:不明
URL:http://www.nationalmuseum.gov.bt/
ブータンのおすすめ観光プラン3選!
ここで、ブータン観光のおすすめプランを紹介していきます。
ブータンのおすすめ観光プラン①【西ブータンハイライト6・7日間】
最初は西ブータンのハイライトを回るツアーです。飛行機でパロに到着後、パロを観光します。
その後首都ティンプーにむかい、ティンプーの市内観光と宿泊します。ティンプーからは古都プナカやドチュラ峠を回って、パロに戻ります。
最後はタクツァン僧院を見学しておわるプランです。ブータンの主要の見どころを6日にかけて回るので、初めてのブータン旅行におすすめです。
ブータンのホテルは、パロが中心です。
ブータンのおすすめ観光プラン②【ハイキングと民家に泊まる9日間】
2番目は、ブータンの大自然を体験できるハイキングツアーです。これはブータンのホテルに加えて民家にも泊まるので、よりブータンの雰囲気を体験できます。
パロの観光の後にドチュラ峠に向い、そこからハイキング、ウォンディボタンで宿泊後、プナカへ向かいます。ここでもハイキングを楽しめます。
ティンプーに入って観光の後は、パロに戻っての民家で宿泊できます。タクツァン僧院などを最後に回ります。
ブータンのおすすめ観光プラン③【西部~東部完全横断15日間】
3番目は、半月かけてブータンを東から西まですべて回ってしまおうという、豪華プランです。このプランは飛行機でブータンに入るのではなく、インドから陸路でブータンに入ります。
ブンツォリンハからパロ、ティンプー、ウォンディボタン、ブムタン谷、モンガル、タシ・ヤンツェ、タシガン、サムドゥップ・ジョンガルと、西から東に横断して、再び陸路でインドに入ります。
ブータンリピータ向けで思いっきりブータンを知りたい人には、ぜひ体験してほしいプランです。
大自然の秘境「ブータン」で生涯の思い出を
秘境・ブータンはビザが必要なだけでなく、ガイドをつけることが義務で、公共料金を支払う必要があります。これは東南アジアやインドを旅するバックパッカーにとっては、やや敷居が高い印象があります。
しかし、ガイドによる丁寧な説明や、公共料金さえ支払えば、ほとんどお金を使う事もなくのんびり観光できるのがブータンです。
それ以上にヒマラヤなどの大自然を背後に見える高原の町の観光旅行は、体験すれば生涯忘れることはないでしょう。ブータン観光ブログなどを参考に、素敵なブータンの旅をお楽しみください。