新潟の方言の特徴は?新潟弁以外にも種類がある?
新潟の方言(新潟弁)の特徴
いくつかある新潟弁の特徴の中でも他県の方が気付きやすいのは、アクセントが単語の一番前にくるということ。強い音が始めにやってくるので違和感をおぼえる人が多いようです。
例えば、「たまご」や「ウサギ」は「サラダ」と同じイントネーション。
「包丁」は「店長」と同じイントネーション。
「高速(道路)」は「民族」と同じイントネーション。
標準語とは少し違うアクセントがありますよね。
また、イ行の音とエ行の音が混合されているのも新潟弁のわかりやすい特徴の一つ。
例えば「色鉛筆」が「えろいんぴつ」と発音されていたり、「越後のイチゴ」が「いちごのえちご」となったりします。
新潟弁は語尾にも特徴があります。
全県的に共通の語尾には、
- ~さ(~です、~だよ、の意)/これ食べてみたんだよ。→これ食べてみたんさ。
- ~ろ(~だろう、~でしょう、の意)/これ、いいでしょ?→これ、いいろ?
- ~ねや(~だよね、の意)/今日は暑いね。→今日はあっちぇいねや。
などがあります。
長岡市を中心とした中越地方では、
- ~が(~です、~ですか?、の意)/どこにいるの?→どこいるが?
- ~て(~です、~だよ、の意)/見たんだよ。→見たんだて。
のような語尾もよく聞かれます。
新潟の方言(新潟弁)の種類
新潟県は糸魚川市や上越市のある上越地方、長岡市を中心とした中越地方、新潟市を中心とした下越地方、佐渡地方の4地域に分けられます。全県共通の言い回しや特徴もあるものの、この4地方それぞれに方言があると言われています。
新潟県民がよく使う新潟弁の定番フレーズ15選
①:だから
○○だから○○。というような接続詞としての「だから」ではなく、「だよねー。」「分かるー!」というような同意を示す場合に使われます。会話は一区切りなのでその後に特に文章は続きません。
例:「今月残業多いよねー。」「だからさー。」
→「今月残業多いよねー。」「だよねー。」
②:ばか
とても、すごく、の意味。「ばっか」や「ばーか」なると更にその意味が強調されます。
例:「こればかいいね!」→これすごくいいね!
例:「こればっかいいね!」→これすっごくいいね!
例:「こればーかいいね!」→これすごーくいいね!
ばかの発音は「石」と同じアクセントです。
とても馬鹿だね。は「ばか馬鹿だね。」になります。
③:そろっと、よろっと
そろそろ、の意味。
例:「そろっと始めよっか。」→そろそろ始めようか。
「よろっと時間だねや。」→そろそろ時間だね。
そろっと、よろっとは頻度の高い新潟弁の一つです!
④:しかも
とても、すごく、の意味。し↑か↑も↑と発音します(「ししゃも」と同じアクセント)。
前述した「ばか(とても、すごく、の意味)」と同等に使われます。
標準語のように「更に」「その上」という意味では使われません。
例:「この店しかも安いじゃん。」→この店すごく安いじゃん。
比較する対象の無いものにも使うので要注意。
⑤:ぶちゃる、びちゃる、なげる
捨てる、の意味。
例:「これゴミ箱にぶちゃっといて。」
「これなげといて。」→これ捨てておいて。
遠くに投げる・放るという意味ではないので要注意。
⑥:しょうしい
恥ずかしい、の意味。
例:「こっけん格好で見られて、しょうしかったいや。」→こんな格好で見られて恥ずかしかったわ。
⑦:なじ
どう、どの様、の意味。「なじら?」「なじらね?」とも言われます。
話の流れによってより広義に使われます。
例:「天気はなじですかね?」→天気はどうですかね?
例:(前日まで風邪で休んでいた同僚に向かって)「なじら?」→調子はどう?良くなった?
例:(飲み仲間に向かって)「今晩なじだ?」→今晩どう?飲みに行かない?
⑧:だら
それなら、そうしたら、の意味。
例:「だらしかもいいじゃん!」→それならすごくいいじゃん!
⑨:じょうや
たぶん、きっと、の意味。
例:「今晩はじょうや雪降るよ。」→今夜はきっと雪が降るよ。
関西弁の「しらんけど」と同様にも使われます。
例:「あん子が持ってるみてーよ。じょうや。」→あの子が持ってるみたいよ。たぶん(しらんけど)。
⑩:たまげる
驚く、の意味。
例:「あいつが結婚するなんて、ほんにたまげたて!」「そっけたまげんなて。」
→「あいつが結婚するなんて、本当にびっくりしたわ!」「そんな驚くなって。」
⑪:たがく
担ぐ、持ち上げる、持つ、の意味。
例:「こっけ重いがん、たがかんね。」→こんなに重いの、持ち上げられない。
例:「あんたこれ、たがいてもらえる?」→あなたこれ持ってもらえる?
⑫~んしょ、~のしょ
~の人、~の人たちの意味。
例:「東京んしょってばもう着いたが?」→東京の人たちってもう着いたの?
例:「工事のしょ、もう帰った?」→工事の人(作業員)ってもう帰った?
⑬めじょげら
可哀そう、の意味。
例:「あっけ楽しみにしてたのに、めじょげらだったね。」→あんなに楽しみにしてたのに、可哀そうだったね。
⑭なじょうも
もちろん、いくらでも、の意味。
例:「これ持ってっていい?」「なじょうも。」→「これ持っていっていい?」「もちろん、いくらでも(どうぞ)。」
どうしても、の意味になることもあります。
例:「なじょうも行くってって聞かないんさ。」→どうしても行くって言って聞かないんだよ。
⑮そんま
すぐに、今すぐ、の意味。
例:「そんま来てね!」→すぐ来てね!
新潟県民が思わず使っちゃう新潟弁の面白フレーズ6選!
①:(はら)くっちゃい
満腹、お腹いっぱい、の意味。
決して何か臭いものを指して可愛く言っているわけではありません。
「くっちゃい」だけだと、面倒くさいという時にも使われることがあります。
例:「あー腹くっちゃい!」→あーお腹いっぱい!
例:「もうその話くっちゃいわー。」→もうその話面倒くさいわー。
②:かけられる
指名される、当てられる、の意味。
例:「なんか今日すごく先生にかけられるんだけど。」→なんか今日すごく先生に当てられるんだけど。
新潟県民が指摘されがちな方言の一つ。まるで先生に水か何かかけられるかのように聞こえてしまいますよね。
先生は決して何かかけている訳ではありません。普通に授業をしているだけです。
③:(飴が)泣く
(飴が)溶けること。飴がドロドロになってしまう様子を泣くと表現するなんて、何だか情緒的な表現ですね。
例:「氷砂糖だと泣かないから運びやすいよね。」
登山中に聞くことのあるセリフ。実際氷砂糖は飴と違って「泣かない(泣きにくい)」ので、ポケットにそのまま入れて山菜取りに出かけても大丈夫!
④:おじ、おば
兄弟姉妹のうちの、次男・次女を指す言葉。
叔父や叔母とは違ったアクセントで、こちらのおじ・おばは、お↑じ↓、お↑ば↓、と発音します(影と同じアクセント)。
ちなみに長男・長女はそれぞれ、あに・あね(あねさ)と呼ばれます。
慣れないと混乱を招きそう!
例:「あんたんとこのおじ元気だかや?」→あなたの家の次男は元気?
⑤:うんな(んんな)
お前、あんた、の意味。中越地方の魚沼地域で多く使われています。
例:「うんな、帰ってきてたんだかや。」→あんた帰ってきてたの。
近しい相手に使われる表現です。
ちなみに、最近ではめったに耳にしなくなりましたが、目上の人を呼ぶ時は「うん様」に変化します。
更に、うんなの複数形(お前たち、あんたたち)は「ねら」と不規則に変化します。
⑥:ぼっこす
壊す、の意味。
例:「あんたまたこれぼっこしたが?弁償してもらうよ!」→あんたまたこれ壊したの?弁償してもらうよ!
「ぼっこす」の音感が正に壊してしまった!というニュアンスを含んでいるような気がります。
【番外編】新潟弁で言われたい!グッとくる告白フレーズ6選
元来あまり意見を主張しない傾向があるとされている新潟県の男女。
しかし普段から聞きなれた地元の言葉であれば、言いにくいこともサラッと言えてしまうかも… 。
①:うんな、ばっかめーごいね。
訳:お前、すごく可愛いね。
「うんな」はお前、の意味。男性から同級生や年下の女性に使われる機会が多い言葉で、しかも愛着のある(距離が近く親しい)相手に対して言う言葉。
「ばっか」はとっても、という意味。
「めごい」は可愛い、愛おしいという意味。
まじまじ見つめられながら言われたりしたら、堪らない一言です!
②:いっち好きらて。
訳:一番好きだよ。
「いっち」は一番、何よりも、という意味。
「~らて。」は~だよ。という意味。
~らて。という語尾も新潟弁(主に下越地方)に多い表現です。
気持ちを伝えるならシンプル・イズ・ベスト!
誰よりも好きという気持ちをダイレクトに伝える表現です。
③:じっと会えねーね。まっと会いていて。
訳:しばらく会えていないね。もっと会いたいよ。
「じっと」はずっと、しばらく、という意味。
「まっと」はもっと、という意味。
仕事や遠距離で自由に会えない時、ふとつぶやきたくなる一言です。
気になる女子にこんな風につぶやかれたらキュンときちゃいますねー!
④:他んしょなん興味ね。おめーじゃねーば駄目んがだて。
訳:他の人なんて興味ない。お前じゃなきゃ駄目なんだって。
「○○んしょ」は○○の人、という意味。
「ねーば」は~じゃないと、~でなければ、という意味。
例:「今しねーば終わらねよ!」→今しないと終わらないよ!
⑤:そろっと私んとこ来(こ)いば?
訳:そろそろ私のところに来たら?
ちょっと上から目線のグッとくるフレーズ。
素敵な年上お姉さんからこんな風に言われたら、つい寄っていっちゃいそうです。
⑥俺んがんになれや。
訳:俺のものになれよ。
何と男らしい言いっぷり!こんなセリフにぐっとくる方も多いのでは?
「○○んがん」、「○○のがん」は○○の物、という意味。所有物を表すときに使われます。
例:「それ、私んがんだよ!」→それ、わたしのだよ!
【番外編】新潟県出身の芸能人や新潟で撮影された新潟弁の映画やドラマ
新潟出身の芸能人には、渡辺謙さん、高橋克実さん、小林幸子さんなどがいます。
どの方も雪国出身のイメージがあまりないですが、新潟県の出身だったのですね!
最近では新潟がドラマ「下町ロケット」の撮影地となったことで話題になりました。
新たに農業機械製作に取り組むことになった佃製作所の面々が度々訪れていた田んぼが、新潟県の中越地域、三条市にあったそうですよ。
また「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」の冒頭文で知られる川端康成の小説「雪国」も、新潟県と群馬県の県境の町である新潟県湯沢町を舞台にしています。
新潟の方言は何種類?新潟弁の特徴は【あいさつ/定番/かわいい/告白】のまとめ
可愛い表現から男らしい表現まで、魅力的な言い回しが豊富な新潟弁。
新潟ってこんなに方言があったの!?と思った方も多かったのでは?
お気に入りのフレーズを見つけて、新潟県人の前で披露してみましょう。
きっと良い反応が返ってくるはず。
新潟県人とのコミュニケーションツールとしても使ってみてくださいね!