インドの通貨はルピー
インドでは、ルピーと呼ばれる通貨が使われています。
1ルピーで、およそ1.5〜1.6円の価値です。
また、インドにはルピーの補助単位として、パイサと呼ばれるものも存在し、「1ルピー=100パイサ」となっています。
主に使われる紙幣は
- 2000ルピー
- 500ルピー
- 100ルピー
- 50ルピー
- 20ルピー
- 10ルピー
- 5ルピー
の7種類。
そして、硬貨は
- 5ルピー
- 2ルピー
- 1ルピー
- 50パイサ
- 25パイサ
- 20パイサ
- 10パイサ
- 5パイサ
が使用されています。
ルピー紙幣の特徴としては、全種類に「インド独立の父」と呼ばれるガンジーの肖像画がプリントされていることです。
全7種類に一人の人物が登場しているところに、インドにおけるガンジーの偉大さが伺えますね。
IT国家として知られるインドは、キャッシュレス社会を目指し、電子マネーの利用者も急増しています。
インドの物価は日本に比べて高い?安い?
インドの物価は、日本と比べて極めて安いです。
そもそも、インドの物価は世界的に見ても格安であることで知られています。
インドで、現地人と同じような生活をする場合には、日本で暮らすよりも1/3〜1/4程度の出費となることは間違いありません。
インド人の大卒の初任給平均が4万円ほどであることからも、日本とは金銭的な基準が大きく異なっていることがわかります。
一方で、清潔な環境で暮らしている我々日本人からすれば、衛生面の価値観が全く違うインドの食料や滞在場所には、拒否感を覚えることがあるかもしれません。
インドの水道水を飲んで体調を崩した、というのはよく聞く話です。
現地人が食しているものは驚くほど安価になりますが、それらを全て美味しく楽しめるかというのは、別の話になってきます。
驚異の安価には、値段相応の「質」が伴っていることも把握しておかなければなりません。
現地での文化にうまく順応することができれば、出費の少ない気楽なインド生活を送ることができるはずです。
インドの物価が安い理由
インドの物価がなぜこれだけ安いのか、その理由を挙げていきます。
考えられる理由は、主に以下の3つです。
- 衛生基準の高くない食事を提供しているため
- 安全面の保証が低い宿を提供しているため
- 貧富の差が大きいため
では、これらを順に確認していきます。
インドの物価が安い理由①:衛生基準の高くない食事を提供しているため
いきなりネガティブな理由ですが、これはインド旅行に行く前にしっかりと心得ておきたいポイントです。
屋台やローカルフード店へと行けば、1食を100円もかからずに済ませることが可能ですが、提供される食事が値段相応の質になるということは忘れずに。
日本での、綺麗な食器に配膳された料理だけしか経験してこなかった旅行者にとっては、拒否感のある食事に直面することもあるでしょう。
店の立地自体も、清潔とは言えない場所にあることが多いので、客のある程度のサバイバルレベルは試されることとなります。
日本と同程度の価格帯のお店に行けば、衛生面の管理もしっかりしているので、ご安心を。
インドの物価が安い理由②:安全面の保証が低い宿を提供しているため
1泊300円で泊まれる宿が数多く存在することから、インドはバックパッカーにとって人気の国となっています。
ここでも注意しておくべきなのは、宿でのサービスの質も、料金相応のものであるという点です。
インドでは、宿での窃盗被害も多く、個人での貴重品の管理が必須になります。
特に料金の安いドミトリー形態の宿泊所では、ロッカー等の設備が充実していない場合も多いです。
確実に安全な宿に泊まりたければ、宿泊料金を上げてでも、質の高い場所を選ぶようにしましょう。
インドの物価が安い理由③:貧富の差が大きいため
これは間接的な理由ですが、インド国内での貧富の差が大きいことも物価が安くなっている要因の一つです。
インドにも、質の高いサービスを提供している場所は当然存在します。
一方で、主に経済的に豊かでない人が利用する場所も多く存在することから、平均的に見て、インドの物価は安くなっているのです。
旅行者としては、ローカルな店を体験しつつも、贅沢な暮らしを味わうことができるので、融通の利きやすい旅になるとも言えますね。
日本では、都会から少し歩いただけで廃墟エリアに到達するような経験はできないので、貧富の差が大きい国に行くことは貴重な経験です。
インドの物価を日本の物価と比較
ここで、インドの物価と日本の物価を比べていきます。
いくつかの項目を比較することで、インドの物価が日本よりもどれだけ安いのか確認していきましょう。
インドの物価を日本の物価と比較:交通
まずは、各交通期間の比較です。
電車、タクシー、バスの物価をインドと日本でそれぞれ比較していきます。
電車
インドの電車は、初乗りで10円程度の料金となります。
比べるまでもなく、日本の電車とは運賃の差が明らかですね。
電車内はそれほど整備されていないものが多く、日本と比べると乗り心地は劣ります。
それでも、10円で電車に乗る体験は中々できるものではないので、ぜひインド滞在中に一度は利用してみてください。
タクシー
インドは、「世界一タクシーが安い国」として有名です。
インドでタクシーに乗ると、初乗りの料金は60円程度。
日本でもこの料金でタクシーに乗ることができたら、どれだけいいでしょうかね。
インドタクシーは安さの一方で、ぼったくりなどの安全面で不安視されることもあります。
インド人はかなり強気な交渉を仕掛けてくることでも有名なので、料金交渉でタジタジになってしまうことがあるかもしれません。
しかし、確実にタクシー被害を避ける方法もあるので、ご安心を。
ズバリ、配車アプリを使えば、インドでのタクシー利用も安全です。
Uber等の、スマホで乗り場・目的地・カードでの支払いを済ませることができる配車アプリを使えば、インドでも快適にタクシーを利用することができます。
バス
インドでは、バスの料金も格安です。
最低で、初乗り料金が約8円という驚くべき値段。
日本人の金銭感覚からすれば誤差の範囲とは言え、一般的に電車やタクシーよりもバスの乗車料金が安くなっています。
インド旅行の際は、足代わりにバスを頻繁に利用してみるのも手です。
インドの物価を日本の物価と比較:通信費
インドと日本では、通信費でも大きな差がでてきます。
首都であるデリー空港では、データ通信が3GB可能なSIMカードを、約1500円で購入可能です。
一方の日本の羽田空港では、3GBのデータ容量には安くとも4000円が必要になります。
相場として、通信費の差は倍以上です。
この違いは大きいですね。
インドの物価を日本の物価と比較:コンビニ
いろいろな国で、日本のセブンイレブンやファミリーマート等のコンビニを目にしますが、インドではこれらが出店されていません。
インドでは、コンビニ自体がそれほど発展していないのです。
しかし最近になって、ようやくインドでもコンビニの店舗数が拡大してきました。
日本のセブンイレブンを参考にして出店されたというTwenty Four Seven Convenience Storeなどがあり、インドでもコンビニが身近な存在になってきています。
ちなみにこの"Twenty Four Seven"は、そのまま「7日間24時間営業」を表しており、これまで深夜営業の店が珍しかったインドでは、貴重な存在です。
では、インドのコンビニでの各商品の値段を見ていきましょう。
お水
インドのコンビニでは、ペットボトルの水を約30円で購入できます。
日本のコンビニの1/3〜1/4程度の値段で買えることになりますね。
前述した通り、インドでは水の管理が不衛生であり、水道水を飲むことは危険とされています。
必ず、コンビニなどで売っている水を飲むようにしてください。
お酒
インドでは宗教上の理由で、飲酒があまり良きとされていません。
これもあり、インドでは一部の高級店舗でしか酒類が取り扱いされていない現状。
インドでお酒を買いたい時には、コンビニではなく酒屋へ行くのが良いです。
インドでも、酒屋では豊富な種類が販売されています。
タバコ
タバコの値段は、インドの方が日本よりも若干安くなっています。
コンビニで販売されていることが多い「Marlboro」の値段を比べると、インドでは20本で約400円、日本では470円です。
インドの物価を日本の物価と比較:レストラン
インドの屋台やローカルフード店では、1食100円以下の出費で済むことをすでに述べましたが、ここでは、現地人としてはある程度敷居の高いレストランでの料金をご紹介。
インド料理といえば、やはりカレーが主流となり、現地レストランでは本場のカレーを300〜400円程で楽しむことができます。
400円を払えば、店によっては日本でもカレーを注文することができますが、本場のカレーはやはり作り込み具合が別格です。
インドで食べるカレーは、値段以上の満足度があるはず。
インドの物価を日本の物価と比較:ローカルフード
インドのローカルフードの安さは、世界的に見てもトップクラスです。
ナンカレー約40円、チキンカレー約90円、チャーハン約50円など、日本では実現し得ない料金でローカルフードを楽しむことができます。
出費を抑えたい方は、ローカルフード中心の食生活を送っていれば、インド旅行の大きなメリットを授かることとなるでしょう。
インドの物価を日本の物価と比較:ショッピング
物価格安のインドでは、食料品の他にも、雑貨などのお土産として購入できるものの値段もリーズナブルです。
大規模なショッピングモールも存在し、インドでは比較的財布に優しいショッピングを楽しめます。
インドの物価を日本の物価と比較:アクティビティ
インドに来たらぜひ体験しておきたいアクティビティが、ガンジス川でのラフティングです。
インドを象徴するスポットの一つであるガンジス川の上で、激しめに揺れるボートへの搭乗をしてみてはいかがでしょうか。
こちらのラフティングは、一人約600円で体験することができます。
日本では、ラフティングには安くとも5000円がかかるので、インドでの価格がいかに格安であるかがわかりますね。
インドの物価を日本の物価と比較:ホテル
特に寝床へのこだわりがない旅行者は、インドでは500円も払えば、満足できるドミトリーに泊まることができます。
「観光メインで宿の費用は抑えたいけど、個室である程度の質は確保しておきたい」という方でも、2000〜3000円でシングルルームやツインルームへの宿泊が可能です。
相場としては、ホテルの料金も日本の1/3程度と考えて良いでしょう。
インドの物価を日本の物価と比較:スターバックス
物価の安いインドでも、スターバックスの高級感は健在です。
料金比較として、インドではカフェラテのトールサイズは約330円、日本ではこれが370円となっています。
スターバックスでは、インドの方が若干安い程度で、それほどの価格差がないですね。
インドの物価を日本の物価と比較:お土産
インドで代表的なお土産として、オールド・モンクというラム酒があります。
インドは、ラム酒の原産国として知られていますね。
日本でも購入可能なラム酒の値段は、本場インドではおよそ1/10となります。
その他、根本的な物価が安いインドでは、多くのお土産が日本の相場より安い価格で購入可能です。
インドで特に物価が高いものと安いものは?
インドの物価が日本よりもはるかに安いことがおわかりいただけたところで、インドで特に物価が安いものと高いものを挙げていきます。
インドで特に物価が高いもの
あらゆるものの物価が安く提供されるインドの中で、唯一と言っていいほどのストレスとなり得る出費が、観光地への入場料です。
正確には「外国人の」入場料が割高に設定されており、例えば観光地として有名なタージ・マハルは、インド人が150円ほどで入場できるのに対し、外国人は約1700円が要求されます。
観光当日の食費の安さを、この入場料の高さで帳尻を合わせてくるかのような、かなりの高額ですね。
その他の観光地でも、外国人入場料が徴収される場合が多いので、観光メインの旅行となる場合には、想定以上の出費をすることになるかもしれません。
インドで特に物価が安いもの
食事全般が安いことはすでにお伝えしていますが、特に本場カレーを1食100円以下で楽しむことができるのは、とても嬉しいポイントです。
ナン+ご飯+カレーのセットにしても2ケタ円で買えてしまうので、やはり格安。
インド滞在中は、現地人と同じくカレーずくめの日々を送ってみてはいかがでしょうか。
物価の安いインドまでの渡航費用は?
日本からインドへは、デリーとムンバイ行きの直行便が用意されています。
成田空港からデリーへは、日本航空(JAL)・全日空(ANA)・エアインディアが直行便を運行中。
インドへの直行便は、成田空港からのみ就航しています。
これらの直行便に限れば、往復の航空券代は80,000円程度で予約可能です。
渡航時間は8~9時間ほど。
格安航空会社(LCC)で乗り継ぎ便を利用すれば、より安い費用で渡航することもできます。
物価の安いインドを旅行する予算の目安は?
インド旅行に行く際の、予算の目安を考えてみます。
今回は、2人で2泊3日の旅行に行ったことを想定し、一人あたりの予算を算出しました。
支出項目 | 価格 |
---|---|
往復航空券代 | 80,000円 |
ツインルーム宿泊費(2泊3日分) | 3,000円 |
食費 | 3,000円 |
交通費 | 500円 |
観光・アクティビティ | 5,000円 |
お土産代 | 3,000円 |
通信費 | 1,500円 |
合計 | 96,000円 |
利用する航空会社やホテルにもよりますが、2泊3日のインド旅行へ行く場合には、10万円程度の予算を組んでおけば十分だと思われます。
インドの物価はかなり安い!現地で体感してみよう!
インドの物価は、世界トップレベルの安さです。
インドと日本の物価には、比べるまでもない大きな差があります。
特に食費が格安となるインドでは、旅行気分で大量の皿を平らげたとしても、普段の日本での出費以下となることも。
インドの驚くべき物価の安さを、ぜひ現地で体感してみてください!