そもそも千葉県とはどういう県?
千葉県はご存知の通り関東に属していて、一般的には南関東1都3県の括りに入ります。
落花生は有名な特産品で、「味噌ピーナッツ」は学校給食に出て来る定番品です。
また、北以外の3方が海に囲まれている為、海産物がとても豊富で、特に伊勢海老は全国1位の漁獲量なる年もあるくらいです。
地理としては標高500m以上の山が無く、一番高い山で南房総市にある愛宕山(あたごやま)で408mです。
しかし、県中央以南に「房総丘陵」と呼ばれる地帯があり、低いながらも複雑で険しい稜線を描いているので、行ってみると結構山深い印象を受けたりもします。
千葉の方言の特徴は?千葉弁以外にも種類がある?
千葉県の概要をざっくりご説明したところで、まずは千葉弁の特徴と種類についてお話しましょう。
「千葉」と一口に言っても、思った以上に土地が広いので、方言にはいくつかの種類があります。
千葉の方言(千葉弁)の種類
千葉弁は文字通り、千葉県で話されることがある方言です。
千葉弁には3種類あって東京都、埼玉県寄りの千葉県北西部「野田弁」、千葉県南西端付近の「房州弁」、千葉県北東端付近の「東総弁」に方言は振り分けられます。
野田弁の特徴
「野田弁」は千葉県にある野田市周辺で話される方言で、埼玉弁や茨城弁に近いものになります。
特徴としては、他の地域の方言のように、言葉自体が全く違うというより、訛りの強さに重点を置いたものと言えます。
房州弁の特徴
「房州弁」は房総半島の南部、安房(あわ)地域で使われていて、数ある千葉弁の中でも一番強い訛りが現れている方言だと言われています。
東北地方の方言(青森など)の訛りに比べるとそれほど強くは無いです。
ですが、激しい抑揚に加えて言葉が少々乱暴に聞こえます。
なので千葉県外で使ってしまうと、「もしかして喧嘩売られてる?」と勘違いされてしまうこともあります。
語尾に「~ぺ」や「せえ」という、いかにも方言らしい方言と言えますね。
ただ、世代がかなり上の方が使われている言葉であり、若い世代の方があまり住まわれなくなった今、残念ながら廃れてしまった言葉も多くあります。
東総弁の特徴
「東総弁」は千葉県北東部で使われている方言です。位置的には銚子市など、かなり東端に近い部分になります。
上に挙げた房州弁や茨城弁の中間みたいな方言で「したっけ」を始めとした言葉が使われます。
茨城の訛りと千葉の訛りが入り混じった独特のキツイ方言と言われています。
方向を指す言葉の「~に」と言うとき、「~さ」が使われます。
標準語だと「デパートに行く」というのを方言だと「デパートさ行く」になるということですね。
近畿地方との関連性!千葉弁の意外な裏話とは?
余談ですが、房州弁や東総弁と言った方言には近畿地方(和歌山など)と共通している部分があります。
一説にはその昔、近畿地方の漁師達が船を出して漁を行った際、遭難して漂着したのが房総半島だったという話があります。
そして房総半島の景色を見て「故郷に似ている」と思い、勝浦、白浜、布良(めら)と言った地名が付けられたようです。
しかも、その方言にも近畿地方とはいくつか関係があるとしか思えない言葉があるくらいです。
一見千葉弁とは無関係に思えますが、近畿地方と地名や方言が似ていたり、同じな理由はこういった背景があったのかもしれませんね。
千葉県民が使う響きのかわいい千葉弁のフレーズ12選
「かわいい方言」として巷で噂になっている千葉弁。
その中でも、特に響きがかわいい千葉弁を12フレーズピックアップしました。
日常的なシーンでも比較的使うことが多い方言ばかりなので、「へぇー!」となること間違いありません。
①もちゃぽい
「もちゃぽい」の意味
まず最初にご紹介するかわいい方言は「もちゃぽい」です。
これは別に食べ物を口に入れて噛んだときに、柔らかく感じて「もちゃ」っとしている、の意味ではありません。
千葉弁の「もちゃぽい」という意味は、「飽きっぽい」を指しています。
「もちゃ」というのが千葉の方言では「飽き」ということになるんですね。
「もちゃぽい」の使い方
じきうっちゃらがして、もちゃぽいねー
(意味:すぐ放ったらかして、あっきぽいねぇ)
②~によん
「~によん」の意味
2つ目の千葉弁でかわいい方言は「~によん」です。
まるで良くアニメのキャラクターが使う語尾みたいでとってもかわいいですが、立派な千葉県の方言なんです。
意味としては「~だろう」や「~じゃないか」のことを言います。
「~によん」の使い方
きんのはさみかったによん?
(意味:昨日は寒かっただろう?)
③ねねこ
「ねねこ」の意味
「ねねこ?猫のことかな?」と、初めて聞いた方は思うはずです。
ですが全然違うんです。
千葉弁で「ねねこ」は「赤ん坊」、つまりは「赤ちゃん」のことを言った方言なんです。
赤ちゃんがいる親戚のお家などに行かれることがある方は、かなり使えるフレーズかもしれませんね。
「ねねこ」の使い方
いしんちのねねこ、ちゃっけくてかわいいね
(意味:君の家の赤ちゃん、小さくてかわいいね)
④ちゃける
「ちゃける」の意味
何だか聞いたことありそうで無さそうな、フレーズですね。
「ちゃける」は千葉の方言で「壊れる」という意味です。
実際にあまり起きて欲しくはありませんが、身の回りの物って結構壊れるので、使うタイミングはそれなりにある方言だと思います。
「ちゃける」の使い方
おらいの電話ちゃけて、きーちゃったよ
(意味:俺の家の電話壊れて、困ったよ)
⑤びんちょ
「びんちょ」の意味
聞いた感じ、炭である「備長炭」の書き間違いか省略語かなと思ってしまうのでは無いでしょうか?
「びんちょ」の意味は「対となる物が揃っていないこと」です。
履物などが左右揃っていない人はそんなに多くありませんが、もし見掛けたら使ってみて下さい。
「びんちょ」の使い方
にしの靴びんちょに履いとるぞ
(意味:お前の靴左右揃わないの履いてるぞ)
⑥あじょ
「あじょ」の意味
聞いただけでは全く何のことだか分かりませんね。
「あじょ」とは千葉弁だと「どう」という意味を含んでいます。
日常的には「どうするの?」というような「どう」の意味で使われます。
「あじょ」の使い方
今日、あじょすんの?
(意味:今日、どうするの?)
⑦おちゃくりん
「おちゃくりん」の意味
「おちゃくりん?そんな言葉使うことあるの?」と思った方、実はこれ、標準語では割りと普通な単語に置き換えられます。
それは「正座」です。
千葉弁では「正座」のことを「おちゃくりん」と言うんです。とってもかわいらしい響きですね。
「おちゃくりん」の使い方
おちゃくりんして、あじょした?
(意味:正座して、どうしたの?)
⑧ちょこす
「ちょこす」の意味
「え?チョコ?」と思った方、残念ながら違います。
千葉弁で「ちょこす」とは「だます」という意味になるんです。
「だまされたー!」と言いたいときに使ってみてはいかがでしょうか?
「ちょこす」の使い方
うちのことちょこしたな?
(意味:私のことだましたね?)
⑨あちこい
「あちこい」の意味
別に「あっちに来い」とちょっと変な日本語を言っている訳ではありません。
「羨ましい」というのを千葉の方言で「あちこい」と言うんです。
友達と話しているときに「あちこいなぁ」なんて言ったら面白いかもしれませんね。
「あちこい」の使い方
どさ行くにもリムジンで行ってあちこいなぁ
(意味:どこへ行くにもリムジンで行くなんて羨ましいなぁ)
⑩のっこのっこ
「のっこのっこ」の意味
某ゲームの亀を思い浮かべたのでしたら、誠に申し上げにくいですがハズレです。
「のっこのっこ」は千葉弁で「暖かい」ということを示した方言になります。
春先の外や暖房をつけた家の中なんかで使いたくなる方言ですね。
「のっこのっこ」の使い方
のっこのっこだかんよぉ、やんでくべや
(意味:暖かいから、歩いて行こうよ)
⑪ちょこしんぽ
「ちょこしんぽ」の意味
またまた「ちょこ」とつく方言が出てきました。
勿論これもお菓子の「ちょこ」ではありません。
意味は「嘘つき」です。
ちょっと後ろめたい方言な気もしますが、冗談めいて使いたいときに、「ちょこしんぽ」と言うとかわいさを含んでいて、面白いかもしれませんね。
「ちょこしんぽ」の使い方
にしゃーちょこしんぽだかんなぁ
(意味:君は嘘つきだからなぁ)
⑫ぶふ
「ぶふ」の意味
耳馴染みが全く無いとは思いますが、日本人なら誰もが知っている、「あるもの」を指した方言です。
なんとこれ、千葉弁で「お茶」のことなんです。
一度も飲んだことが無い、という人はほぼ間違い無くいないはずのお茶。
それが千葉の方言だなんて思いもしませんよね。
「ぶふ」の使い方
こんぶふ、しゃっけえなあ
(意味:このお茶、冷たいなあ)
千葉県民が思わず使っちゃう千葉弁の面白いフレーズ5選!
お次にご紹介するのは、千葉弁の中でも言葉の響きや内容が面白い方言フレーズ5選です。
方言とはいえ、とても千葉県で話される言葉とはどれも思えないような、ユニーク過ぎるものばかり集めました。
①おいなおいなおいな
「おいなおいなおいな」の意味
これは何のことを指した方言かというと、割と誰しも言ってしまうあのフレーズの千葉弁バージョンです。
それは「どっこいしょ」です。
「どっこいしょ」と言ってしまうと、如何にもな感じがして周りから引かれてしまいますが、「おいなおいなおいな」と言うと面白いと思います。
「おいなおいなおいな」の使い方
(座るときに)おいなおいなおいなおいなおいな・・・
(意味:どっこいしょ・・・)
②としょ
「としょ」の意味
「図書?本のことかな」と思われてしまいそうですが、「ひいおじいさん、ひいおばあさん」のことを意味する方言です。
田舎に帰った際にひいおじいさんやひいおばあさんのことを言うときに使うと面白いですね。
「としょ」の使い方
さーしぶりに、としょんちやべさ
(意味:久しぶりにひいおじいちゃん(ひいおばあちゃん)の家行こうか)
③あじょんもかじょんも
「あじょんもかじょんも」の意味
何となーく、意味が分かりそうな方言ですね。
千葉弁でどうにもこうにも」という意味があります。
何気無く会話の中で「あじょんもかじょんも~」という方言を使ってみると会話が弾むかもしれません。
「あじょんもかじょんも」の使い方
あじょんもかじょんも、じゃぶくってしゃっこい
(意味:どうにもこうにも、靴に水が入って冷たい)
④かんくるりんと
「かんくるりんと」の意味
いきなりこの言葉を聞いてもさっぱり何のことを指しているのか意味不明でしょう。
これは「すっかり」という意味で使われる千葉弁です。
「すっかり~になってしまった」というような感じで普段使うことは多いですし、「すっかり」を「かんくるりんと」に置き換えると面白さが増しますね。
「かんくるりんと」の使い方
じょんごろも、かんくるりんとほきって、げえろになったんよ
(意味:オタマジャクシも、すっかり育って、カエルになったよ)
⑤じいじい
「じいじい」の意味
聞いた人の大部分が最初に思い浮かべるのが「お爺さんの呼び方」でしょう。
しかし、違うんですよ。
千葉弁では食べ物などが「脂っこい」というときに使います。
人と一緒に食事をしていて、急に「じいじい」と言われたらびっくりするかもしれませんが、ユニークでとっても面白い方言だと思います。
「じいじい」の使い方
こん肉、ほんこんじいじいな
(意味:この肉、本当に脂っこいな)
【番外編】千葉弁で言ってみたい!キュンとくる告白フレーズ5選
「もし響きがかわいい千葉弁で告白フレーズを言うなら・・・?」
興味ありませんか?
「標準語で告白するのも良いけど、なんだか面白味が無い」「相手の女の子が方言好きだから、千葉弁で告白してアピールしたい」
そう思っているならぜひ目を通してみて下さい。きっと言われた相手もグッと来ること確実ですよ。
①にすのことまるっぽ好きって言ってるんだへ
まず千葉弁の告白フレーズその1は、「にすのことまるっぽ好きって言ってるんだへ」です。
意味は「あなたのことまるごと好きだって言ってるんですよ」となります。
「まるごと」とそのまま言うと何だか固い感じがします。
ですが「まるっぽ」という表現を使うことで可愛さが生まれて柔らかくなりますね。
②だがん、わんらがほねっき好きなんだっぺ
千葉弁告白フレーズその2は「だがん、わんらがほねっき好きなんだっぺ」。
「だから、あなたが本気で好きなんです」というのが意味です。
「ほねっき」というのが「本気で」に当たります。
どストレートな「本気で」というワードでも「ほねっき」ならマイルドな言い方になりますよ。
③あてと付き合ってくろ
千葉弁の告白フレーズその3は「あてと付き合ってくろ」です。
何となく意味は分かるかもしれませんが「私と付き合って下さい」です。
「付き合って」という部分は標準語のまま変えずに、頭と最後だけを変えた言い方です。
たったこれだけでも、方言らしさが入った可愛げのある告白フレーズになるのが方言の素晴らしいところです。
④おめぇのことふに好きっぺ
千葉弁告白フレーズその4は「おめぇのことふに好きっぺ」です。
「あなたのことが本当に好きです」が意味となります。
その3と違い、文章のほぼ1単語だけが千葉弁になっています。
しかし、この「ふに」というのが「本当に」という意味になるのですが、言葉の中身は直球ながらも、言い回しがとってもキュートです。
言われた方は思わずキュンと来てしまうこと間違い無しです。
⑤おめーさとっぺどなく好き言ってっぺー
最後の千葉弁告白フレーズ、その5は「おめーさとっぺどなく好き言ってっぺー」です。
「あなたが途方も無く好きです」という意味になります。
この「途方も無く」が「とっぺどなく」になり、「途方も無く」と言うと重たく感じてしまうのに、「とっぺどなく」という方言がどことなく垢抜けた雰囲気になり、可愛げが出ますね。
まとめ
関東圏に住んでいると、どうしても標準語メインとなってしまい、方言を使う機会は少なくなりがちです。
ビジネスでも会話では基本的に標準語が用いられるので、地方の実家に帰ることが無い方などは、全く方言を使わなくなることもあるはずです。
確かに標準語は発音もシンプルで分かりやすいですが、方言が廃れていってしまうというのは、何だか悲しいものがありますね。
ですが最近は方言ブームで徐々に若者の間でも方言が流行りつつあると言われています。
その地域、その地域で異なる意味や話し方を持つ方言。
方言を覚えるということは土地を知り、土地に慣れ親しむには最も近道な方法です。
まずは親しみやすい千葉弁の世界に足を踏み入れ、方言を好きになってみませんか?