宮城県の潟沼ってどんなところ?読み方は?
潟沼は、宮城県大崎市にある湖の名前です。
少々読むのに戸惑ってしまう地名ですが、「かたぬま」と読みます。
鳴子温泉から山を一つ越えた2㎞ほど先のところ、周囲は山に囲まれた静かな場所にあります。
水深は深いところでも約20m、外周はぐるっと回ると約1.3㎞の湖です。
青空の出ている時にこの潟沼を訪れると、その水の青さにハッとさせられます。
湖面は、まるで絵具を溶かし込んだような鮮やかなブルーに見えるんです。
天候や季節によっては、濃い青や淡いグリーンに見えることもある、不思議な湖として知られています。
近年はSNSなどでも見かけるようになりました。
この潟沼、不思議なのは美しい見た目だけではありません。
水質を調べると、湖水は普通の淡水のように中性を示すのではなく、なんと“強酸性”を示します!
じつは、潟沼は鳴子火山が1200年前に爆発した際にできた「カルデラ湖」なんです。
湖底から今も吹き出ている硫黄を含んだガスの影響で、水質が酸性になり、水の色が変化しやすいのだといいます。
強い酸性の湖には、ほんの数種類の生物しか住めず、魚は一匹もいません。
神秘的な雰囲気を醸し出す潟沼は、鳴子を訪れるなら1度は寄っておきたい観光スポットなんです。
潟沼への行き方は?
潟沼へは車でのアクセスがおすすめです。
東京からだと車で5~6時間、仙台からであれば1時間半ほどで到着します。
東北自動車道を古川ICでおり、国道47号線を鳴子温泉方面に進みましょう。
潟沼には駐車場が十分にありますので、安心してドライブを楽しむことができます。
電車で訪れるのであれば、JR鳴子温泉駅が最寄駅です。
駅からは車で10分ほどですので、タクシーを利用するとよいでしょう。
潟沼だけでなく、周辺の観光地や鳴子温泉にもいく予定があるならば、駅から運行されている相乗りタクシーやタクシーバスもおすすめです。
主要観光地を抑えている便利な交通手段ですが、運行期間や運行日が決まっているので、こちらのサイトで情報を確認してから計画を立ててくださいね。
潟沼はいつがベストシーズン?
潟沼は季節や天候によってその表情がころころと変わります。
行くたびに、それまで見たことのないような姿を見せてくれるため、いろいろな季節・時間帯に訪れる楽しみがあるんです。
後述するように、潟沼は冬のあいだ閉鎖されるため、訪れることができるのは基本的に初夏から晩秋の時期になります。
いつごろ行くのがベストシーズンでしょうか?
おすすめなのは秋の潟沼。
赤や黄色に彩られた山々がくっきりと湖面に移る様子は、絵画の中にいるような気にもさせてくれます。
すっきりとした秋晴れの日、コーヒー片手に湖の周りを散歩するゆったりとした時間は、忙しい毎日で味わうことのできない、最高のひとときです。
天気の良い方が湖の色もきれいに見えますので、天気予報をしっかりチェックして向かいましょう。
水上のレジャーを楽しみたい人には、夏もよい季節です。
ただし、虫には要注意。
基本的に生き物が住むことができない潟沼の水ですが、例外的に生息しているのが“ユスリカ”です。
水温の温かい時期には水中にいた幼虫が成長し、大量のユスリカが湖面を飛び回ることがあります。
“ユスリカ”は人を刺しませんが、虫が苦手な人は水温が低い時期に訪れるのをおすすめします。
潟沼の楽しみ方は?
ボートに乗ろう!
せっかく潟沼を訪れたのなら湖を眺めるだけではなく、さまざまな遊び方で自然を楽しみましょう!
潟沼の湖畔にある潟沼レストハウスでは、貸しボートを扱っています。
晴れた日に湖の真ん中へボートをこぎ出せば、まるで映画やお話の中にいるような不思議な感覚を味わうことができます。
エメラルドグリーンの湖にぷかぷかと浮かぶボート…とっても幻想的ですよね。
“強酸性”で有名な潟沼の湖水ですが、傷などのない手であれば触っても問題はありません。
水に触れると、少しピリピリとした感じがします。
「水をなめてみたら酸っぱかった!」という人もいますが、口に入れるのはあまりおすすめしません。
人気のSUP(サップ)に挑戦!
近年になって、潟沼では新しいアクティビティが楽しめるようになり、人気を集めています。
なんと、話題のウォーターアクティビティ、SUP(サップ)が楽しめちゃうんです!
SUP(サップ)とはStand Up Paddleboard(スタンドアップ・パドルボード)の略。
名前のしめす通り、ボードに立った状態のままパドル(櫂)で水をかき、水上を移動するアクティビティです。
ボードはサーフボードに似たものですが、初めはその上に立つだけでドキドキします。
慣れてくると安定して姿勢を保つことができるようになり、パドルで進みたい方向へ自由にボードを操ることができるようになるんです。
まるで湖の上を滑っているかのような気持ちになるSUPは、1度試してみれば病みつきになります!
美しい潟沼でSUPができるなんて、見逃せませんよね。
潟沼でのSUPはこちらのページで予約や問い合わせをすることができます。
遊歩道を散策!
水の上はちょっと苦手…という方は、潟沼の遊歩道を散策して楽しみましょう。
湖の周りにはぐるりと遊歩道が整備されており、自由に歩いて楽しむことができます。
1周するにはゆっくり歩いても20~30分ほど。
のんびりとお散歩しながら、大自然と潟沼の景観を満喫すれば、すがすがしい気分になること請け合いです。
紅葉の季節には赤や黄色に染まった美しい木々を見ることができます。
コーヒーや軽食を持参して、ピクニック気分で散策するのも楽しいでしょう。
ただし、潟沼は噴出する硫化水素ガスのため、いわゆる“温泉街のにおい”のするところがあります。
風向などによってはかなり強いにおいを感じるところもありますので、苦手な方は気を付けてくださいね。
潟沼のレストハウスでのんびり休憩!
ボートやSUPで遊び疲れたら、潟沼の湖畔にある潟沼レストハウスで休憩しましょう。
こちらは昔ながらの食堂のような雰囲気のお店で、食事を楽しむことができます。
メニューは豊富で、ラーメンやうどんに始まり、アイスクリームやコーヒーなどの喫茶メニューもそろっています。
どれも良心的な価格ですので、安心して訪れてみてください。
潟沼レストハウスのコーヒーは、なんと温泉水を使用したコーヒーとのこと!
健康に良い効果があるそうで、こちらのお店のちょっとした名物になっています。
店内からの眺めはとてもよく、目の前に青々とした潟沼が広がります。
すばらしい景色の中で食べる美味しいご飯をお楽しみください。
潟沼レストハウス
住所:宮城県大崎市鳴子温泉湯本69
電話番号:0229-82-2746
営業時間:9:00〜17:00
定休日:冬季休業
潟沼までの道は通行止めになることも!時期はいつ頃?
東北の厳しい冬、たくさんの雪は潟沼にも訪れます。
冬になると潟沼まで続く道路や、上記の潟沼レストハウスも閉鎖・休業となるため、注意が必要です。
例年であれば、11月の終わりからが閉鎖期間。
5月頃になると閉鎖が解除され、夏場に向かって観光シーズンが始まります。
なお、ウェブ上で潟沼の情報を探すと、「冬に歩いて潟沼まで上っていった」というような方もいらっしゃいます。
鳴子温泉駅から30分ほど歩けば、確かに冬でも潟沼まで進めるようです。
しかしながら、冬の潟沼までの道は積雪がそれなりにあり、クマなどの野生動物が頻出する山の中でもあります。
安全面を考えれば、5月から11月の開放期間中に訪れた方が良いでしょう。
潟沼でキャンプはできる?
美しい湖畔で、大自然に囲まれてキャンプがしたい!という方もいらっしゃるかと思いますが、潟沼でキャンプはできるのでしょうか?
2019年2月現在、「潟沼でキャンプが可能か否か」に関する情報は、鳴子温泉の観光協会ウェブサイトなどでも発表されていません。
キャンプを検討している方は、一度観光協会に問い合わせをしてみましょう。
季節や硫化水素ガスの状況によっては、潟沼周辺はキャンプに向かない可能性があるからです。
潟沼から車で20分ほどのところにあるオニコウベスキー場には、吹上高原キャンプ場という立派なキャンプサイトがあります。
芝生の上に車が乗りあげられる利便性の良いキャンプ場ですので、こちらを利用するのもおすすめですよ。
潟沼周辺のおすすめ観光スポット5選!
では、潟沼周辺の観光地をみていきましょう。
潟沼周辺には、以下の観光地があります。
- 鳴子温泉
- 鬼首かんけつ泉
- 日本こけし館
- 鳴子峡
- 鳴子ダムと荒雄湖畔公園
続いて、潟沼周辺の観光地を、それぞれ詳しくみていきます。
潟沼周辺の観光地①:鳴子温泉郷
潟沼まで来たならば、鳴子温泉郷によらない手はありません!
鳴子温泉郷は、“鳴子温泉”や“川渡温泉”など5つの温泉地からなる日本有数の温泉スポットです。
多様な泉質や、湧き出るお湯の豊富さなど、鳴子温泉郷は東北でトップレベルの湯治場として名を知られています。
温泉街には、地元の人が普段から使用している共同浴場や、日帰り入浴ができる旅館などが勢ぞろい!
温泉好きなら何日でもいられそうな、至高の湯治場となっています。
鳴子の温泉地をめぐる湯めぐり手形を使うと、お得にたくさんのお風呂を楽しむことができますよ。
鳴子温泉郷
住所:宮城県大崎市鳴子温泉
電話番号:店舗による
営業時間:店舗による
定休日:店舗による
入場料:店舗による
URL:鳴子温泉郷観光協会
潟沼周辺の観光地②:鬼首かんけつ泉
鬼首(おにこうべ)かんけつ泉は、鳴子温泉郷の1つである“鬼首温泉”にあります。
数十分ごとに水の吹き上がる光景は圧巻!
こちらには15mほどの高さまで吹き上がる間欠泉と、2mほどの高さまで吹き上がる間欠泉の2つがあり、それぞれ「弁天」「雲竜」という名前がついています。
園内には売店があり、温泉卵づくりができますよ。
また、足湯が楽しめる場所もありますので、タオルを持参していったほうがいいかもしれません。
鬼首かんけつ泉
住所:宮城県大崎市鳴子温泉鬼首字吹上12
電話番号:0229-86-2233
営業時間:4月下旬〜11月9:00〜16:30、3月下旬〜4月下旬10:00〜15:00
定休日:水曜日(GW、夏休み、紅葉期間を除く)、12月1日〜3月下旬は冬期休園
入場料:大人400円 小中学生200円 未就学児 無料
URL:鬼首かんけつ泉
潟沼周辺の観光地③:日本こけし館
潟沼のある鳴子は、日本でも特に歴史の長いこけしの産地です。
日本こけし館では、各地のこけしを集めた展示や、職人さんのこけし制作の実演を見ることができます。
なんとこちらでは、こけしの絵付け体験も可能!
自分で顔をかいた世界に一つだけのこけしは、最高のお土産になること間違いなしです。
つくったこけしはその日のうちに持ち帰れます。
もちろん、職人さんがつくったこけしを購入することもできますよ。
日本こけし館
住所:宮城県大崎市鳴子温泉字尿前74-2
電話番号:0229-83-3600
営業時間:8:30〜17:00、12月中のみ9:00〜16:00
定休日:1月1日~3月31日が休館期間。開館期間中は無休
入場料:大人320円、高校生160円、中学生110円、小学生80円
URL:日本こけし館
潟沼周辺の観光地④:鳴子峡
潟沼を紅葉シーズンに訪れるのであれば、ぜひ鳴子峡にも足を延ばしてください!
宮城の名勝にも指定されている、美しい峡谷です。
深さがなんと100mにもなる深い谷はうっそうとした木々に覆われています。
大自然の美しさを全身で体感できる観光スポットです。
鳴子峡レストハウスを起点とした遊歩道が整備されているので、時間に余裕をもって訪れ、ゆったりとあたりを散策してみましょう。
鳴子峡
住所:宮城県大崎市鳴子温泉星沼13-5(鳴子峡レストハウス)
電話番号:0229-87-2050(鳴子峡レストハウス)
営業時間:なし
定休日:冬期間閉鎖
入場料:なし。ただし、紅葉シーズンは駐車場有料。
URL:宮城県大崎市公式ウェブサイト(鳴子峡のページ)
潟沼周辺の観光地⑤:鳴子ダムと荒雄湖畔公園
潟沼とはまた一味違った水辺の観光スポット、鳴子ダムもおすすめです。
鳴子ダムは昭和32年に建設が完了した巨大なアーチ状をしており、国内にあるダムで初めて「日本人だけで作った」ダムとして有名です。
ダム建設に伴ってできた人口の池である荒雄湖の湖畔が公園になっており、キャンプや水遊びのできるスポットになっています。
アウトドア関連のイベントが行われていることもあり、元気なお子さん連れの家族に大人気です。
鳴子ダムと荒雄湖畔公園
住所:宮城県大崎市鳴子温泉字岩渕2-8(鳴子ダム管理所)
電話番号:0229-82-2341
営業時間:なし
定休日:なし
入場料:なし
URL:国土交通省東北地方整備局 鳴子ダム管理所
大自然と触れ合える潟沼へ行こう!
これまであまり有名な観光地ではなかった潟沼ですが、ブルーが美しい湖の写真がSNSなどで広まりつつあり、最近は注目度がどんどんあがっています。
周囲には鳴子温泉を始めとする名所がいくつもあるため、ゆっくり時間をとって観光したいエリアです。
ぜひ、カメラやスマホを片手に潟沼を訪れてみてくださいね!