日本三大夜景とは?いつ決まったの?
日本三大夜景とは北海道函館市の函館山、兵庫県神戸市の摩耶山、長崎県長崎市稲佐山から臨む夜景のことです。
夜景スポットに詳しくない人たちでも、この日本三大夜景に選ばれた3都市の夜景が美しいことは知っている人が多いほど、夜景が美しい都市としての知名度が高いです。
しかし日本三大夜景と言っても、正式にどの団体がいつ頃決めたものかというのは記録に残っていません。
一説によると高度成長期に観光業が盛んになった際に、この3カ所にロープウェイなどが整備され行きやすくなった所を旅行会社が目を付け、触れ込みや広告の見出しのために作られたと言われています。
実際日本三大夜景と言われるようになってから、この3都市は夜景が眺められるスポットへの観光客の招致と宣伝、またスポットの整備に尽力するようになり、観光業の収入が上がりました。
日本三大夜景の共通点は?
日本三大夜景である3カ所の共通点は大きく分けて3つあります。
まず1つ目は山の上から見下ろす景色であり、海や港が近くにある景色と言うことです。
山からの景色は半永久的に同じスポットから眺めることができ、広い視野で町全体を眺めることができます。
一度見た人がまたその景色と思い出を懐かしむことができる、変わらないスポットというところが魅力の一つです。
日本三大夜景の共通点2つ目は地上からのアクセスが簡単であることです。
この日本三大夜景の3カ所にはいずれもモノレールやロープウェイなどが整備されています。
車の人が利用できる駐車場もあり、様々な観光客のニーズにこたえられる設備が揃っています。
そして日本三大夜景共通点の3つ目は山頂にレストランなどの観光施設があるという点です。
夜景を見るだけでなく、施設そのものやそこで過ごす時間を充実させることができます。
日本三大夜景①:函館山
函館山はどんなところ?
日本三大夜景の一つ、函館山は標高334mの山です。
函館山からは函館湾と津軽海峡に挟まれた函館の市街地の夜景を見ることができます。
2つの湾に挟まれた全国的にも珍しい地形で、港のコンビナートの明かりや函館の街並みの明かりが幻想的に暗い海によく映えます。
秋は空気が澄んでいて遠くが見渡せ、6月から12月は漁船が海を明るく照らし、冬には雪がちらつく。
四季折々で見える景色が変わっていくのが日本三大夜景に選ばれた魅力の一つです。
一年中多くの観光客が訪れ、にぎわっている日本随一の夜景スポットです。
日本三大夜景の函館山ですが、中でも一番景色が美しいとされているのは日没後30分。
昼間の光が沈んでいき、だんだんと夜の光が輝いていく幻想的な景色を楽しめます。
この時間のロープウェイは混雑するので少し前に登頂しておくといいでしょう。
函館山への行き方
函館山までは函館空港から車で30分、函館駅からは車で7分の道のりです。
駅からはバスや市電、ロープウェイのシャトルバスも利用することができます。
ふもとから山頂まではロープウェイか自家用車で行くことができますが、自家用車で行く場合は時間帯の規制があるので必ず余裕を持っていくようにしましょう。
また4月中旬から11月初旬までは函館駅から函館山山頂までの登山バスも運行されています。
冬場に行く場合は道路状況もよくないことが考えられるので、ロープウェイを利用するのをおすすめします。
3分で山頂まで辿り着くことができ、通年運航しているので大変便利です。
函館山
住所:北海道函館市函館山
電話番号:0138-23-3105(山麓駅)
営業時間:4月25日~10月15日 10:00時から22時/10月16日~4月24日 10時から21時
入場料や利用料:ロープウェイ往復中学生以上1280円/小人640円
URL:函館山ロープウェイ
日本三大夜景②:神戸・摩耶山
摩耶山はどんなところ?
日本三大夜景の2つ目は神戸市街地にある標高702mの山、摩耶山です。
手で星が掬えるぐらい高い場所という意味の「掬星台(きくせいだい)」からは六甲山周りのポートアイランドや神戸市街地、遠くには大阪市街地や関西空港まで、関西の主要な大都市を一望できます。
日本三大夜景の中でもアクセスのいい立地であることから、近年は日本人観光客だけでなく、外国人観光客からも絶大な人気を集めている場所です。
また山頂の掬星台には摩耶★きらきら小径という40mの遊歩道が整備されていて、美しい蓄光石が昼間の光を利用して青白く光り輝きます。
その道は幻想的でロマンティックだとカップルに人気をあつめていますが、始まりは阪神淡路大震災で遠のいた客足を戻すために作られたといわれています。
摩耶山への行き方
日本三大夜景の中でも最も都心にある摩耶山はアクセスも便利です。
摩耶山の電車の最寄り駅は三宮駅です。
そこからは一時間に1~2本運行しているバスに乗り、摩耶ケーブル下駅で下車します。
そこから20分ごとに出ているケーブルカーに乗り、山頂へ行くことができます。
また、車でも直接展望台へのアクセスが可能です。
六甲山ドライブウェイを山頂方面に向かい、六甲山牧場方面へと車を進めます。
その後六甲山牧場の間の道をとオテル・ド・摩耶(国民宿舎ロッジ)方面に進んでいくと、展望台につきます。
駐車場代は500円かかりますが、ケーブルカーよりは安い料金で、時間に制限もないので時間に急かされることもないのが便利です。
摩耶山(まやビューライン)
住所:兵庫県神戸市灘区原田
電話番号:078-861-2998
営業時間:10時から17時40分
定休日:火曜日
入場料や利用料:ケーブルカー860円
URL:六甲・まやビューライン
日本三大夜景③:長崎・稲佐山
稲佐山はどんなところ?
日本三大夜景の3つ目は長崎県長崎市の西側にある標高333mの稲佐山からの夜景です。
長崎市内が一望でき、女神大橋のライトアップや港のコンビナートなどの明かりが海の水面にも反射し、幻想的な景色を見ることができます。
稲佐山には展望塔ビュータワーがあり、日本三大夜景ということもあり土日祝日連休などは多くの人でにぎわいます。
2階には夜景を見ながら食事ができるレストランやがあり、屋上にはLEDでによるライトアップがされています。
また屋上展望所他様々なところにハートのモニュメントが隠れています。
それを見つけることで恋愛運の運気が上がるともいわれていて、カップルの聖地とも言われています。
稲佐山への行き方
日本三大夜景の稲佐山の展望スポットには車やバスで向かうことができます。
バスを使う場合は長崎駅、グラバー園、平和公園付近など主要な観光地からバスが出ています。
そこから長崎ロープウェイ駅下車で、ロープウェイに乗り換えます。
ロープウェイは9時から22時の間運航していますが、人出が多い時間や土日祝日は大変込み合い、駅の中に行列ができます。
日本三大夜景ということで、日没以降の時間になると混雑しロープウェイに乗るために時間がかかってしまいます。
ロープウェイを利用する場合は、日没前の夕方の時間から登頂することをおすすめします。
車で行く場合は山頂に駐車場がありますが、そちらも混みあい止められない場合もあります。
時間をずらして行動するといいです。
混雑を避ける方法としては2つ。
タクシーを利用するか、各ホテルからでる夜景観光バスツアーを利用することです。
どちらもロープウェイと駐車場という混みあうスポットを避けることができるので、スムーズに日本三大夜景を楽しむことができます。
稲佐山
住所: 長崎県長崎市稲佐町364
電話番号:095-861-7742
営業時間:9時から22時
入場料や利用料:ロープウェイ往復一般1230円/中・高生920円/小学生610円
URL:稲佐山山頂展望台
新日本三大夜景2018が決定!誰が決めたの?基準は?
2018年の夜景サミット2018in札幌にて新日本三大夜景が制定されました。
これは一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローが主催するサミットで3年に1度、美しい夜景を持つ都市を新日本三大夜景として選出しています。
夜景観光の活性化を目的にしていて、実際過去に選ばれた神戸市・函館市などはそれぞれ夜景を目的に観光客が集まるようになり、観光業が活性化したという例もあります。
選考方法は、4500人の夜景鑑賞士の有資格者がそれぞれ自分が思う新日本三大夜景のスポットを1位から3位までアンケートに記入。
そのアンケートをポイント制で集計し、上位3位までの都市が新日本三大夜景都市として選ばれます。
2018年、新日本三大夜景として選ばれた1位の都市は長崎市でした。
そして2位に札幌市、3位に北九州市が選ばれています。
4位以下には函館市や神戸市といった夜景で有名な町の他に、大阪市、横浜市、京都、東京都と大都市が競い合う結果となりました。
新日本三大夜景①:長崎市
新日本三大夜景に1位で選ばれたのが長崎市です。
日本三大夜景に選ばれて以降も、稲佐山を中心として鍋冠山・風頭公園など多方向から夜景を楽しむことができるスポットが充実していることが選出の理由の一つでした。
また大浦天主堂、出島、女神大橋、眼鏡橋など歴史的な建造物のライトアップもされていて、現代の新しいものとの融合も長崎の歴史を感じることができると人気です。
長崎市も観光資源として夜景を積極的に売り出しており、施設やライトアップ場所の整備やパンフレットなどの広告など、夜景のパワーアップに取り組んでいます。
2012年には世界三大夜景にも選ばれた長崎市。
行くたびにパワーアップする長崎の夜景の魅力に引き付けられること間違いなしです。
新日本三大夜景②:札幌市
新日本三大夜景として2番目に選ばれたのが札幌市です。
日本三大夜景に選ばれていた函館市や、近年夜景観光に力を入れている室蘭市など、様々なスポットが北海道にある中で今回札幌が選ばれたのは、最近夜景スポットである藻岩山のロープウェイがリニューアルされ、使いやすく観光客も増えたことが要因の一つです。
またさっぽろ雪まつりや、さっぽろホワイトイルミネーションなど、夜景やイルミネーションを見どころの一つに掲げたイベントが多く、札幌は夜景が美しい町と日本中に知れ渡る機会が多かったのも理由の一つでしょう。
さえぎるものが少ない北海道の広い広い大地に美しく輝くイルミネーションは遠くまで見渡すことができ、大迫力のパノラマを体感できます。
新日本三大夜景③:北九州市
北九州市は福岡県の中でも工業地帯で、様々な工場のコンビナートなどが並びます。
近年この工場夜景の美しさが注目を浴びていることで今回、新日本三大夜景にランクインしました。
また都市部らしく、小倉イルミネーション、若戸大橋ライトアップなど光の演出が見られるスポットが数多くあることも魅力の一つです。
その観光資源を活かそうと、倉山、高塔山、足立公園、門司港レトロ展望室など様々なビュースポットを整備・案内することで、北九州は夜景が美しいというイメージの定着を図ってきた北九州市の努力が新日本三大夜景という形になったとされています。
【番外編】世界三大夜景はどこ?
世界三大夜景とは高度成長期頃に旅行先を紹介するキャッチコピーとして日本で決められたもので、世界基準のものではありません。
しかし日本三大夜景と同じように、旅行者にとっては観光先を選ぶ一つの指針であることに変わりはありません。
60年代ごろに制定された世界三大夜景は函館・香港・ナポリです。
しかし誰が決めたかもわからないということで2012年に長崎で行われた夜景サミットにて新世界三大夜景を制定しようという動きが高まり、その際に新しい世界三大夜景が制定されました。
それが長崎・香港・モナコです。
これはサミットを主催する一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローの会員「夜景観賞士」からのアンケートを基に選ばれました。
世界三大夜景と言っても日本独自で決めたもので、世界的には香港で一部報道になったぐらいで世界的な基準ではありません。
新日本三大夜景にも選ばれている長崎はすり鉢状の地形に山々や島が点在する長崎港の風景、モナコはリゾート地として豪華客船やカジノなどの光が織りなす風景。
そして2回にわたって選ばれた香港は国際的にも有名なビクトリアピークと対岸のカオルーンピークの2つの視点からの風景がそれぞれ印象的だというのが選出の理由です。
日本三大夜景とは?新しく選出された都市も紹介【函館/神戸/長崎】のまとめ
日本三大夜景・そして新日本三大夜景のスポットについてよく知っていただけたでしょうか。
それぞれに魅力があり、見えるものも、いちばん美しく見える時間帯も違います。
しっかりその場所のことを調べたうえで、ロマンティックな夜景を見に大切な人と出かけてみてください。
きっと日本三大夜景・新日本三大夜景の魅力に惹き込まれるはずですよ。