機内持ち込み禁止の荷物は意外にも多い
機内への持ち込みが禁止されている荷物は年々増えています。
以前は持ち込みができたのに現在は持ち込めなくなっているものも。
間違えて機内持ち込み荷物にすると、手荷物検査で没収されてしまう可能性もあるので注意が必要です。
これは飛行機の航行の安全や秩序を守ることを目的とした航空法によって定められています。
航空法は国際会議で採択された「シカゴ条約」に基づいて作られており世界基準。
そのため日本国内だけではなく海外旅行に行く際にも適用されるのです。
特に国際線はテロ防止のため国内線より基準が厳しくなっています。
国内線では大丈夫でも国際線では持ち込み不可ということも。
空港で慌てないためにも事前にしっかりと調べて荷造りをしましょう。
以下で持ち込み禁止の荷物をご紹介しますので参考にしてくださいね。
絶対ダメ!機内に持ち込み禁止の荷物一覧
では、機内に持ち込みが禁止されている荷物には、どのようなものがあるのでしょう。
- スプレー類
- 火薬類
- 刃物や先端が尖っているもの
- スポーツ用品、運動器具、介護用具等
- 棒状のもの
- 腐食性物質
続いて、それぞれの荷物を詳しくみていきます。
機内に持ち込み禁止の荷物:スプレー類
スプレーは種類によって持ち込みができるものとできないものがあります。
持ち込みができないものは、主に日用品スプレーやスポーツ用スプレー。
日用品スプレーとは塗料スプレーやカーペットクリーナーなど日常生活で使う機会のあるものです。
スポーツ用スプレーは防水スプレー、スキーやスノーボード用WAXなどメンテナンスの用途で使われるもの。
これらの製品は爆発の恐れがあるため、機内持ち込みだけではなく預けることも禁止されています。
ただ全てのスプレーが禁止というわけではありません。
ヘアスプレーや制汗スプレーなどの化粧品類、虫よけスプレーなど医薬品類は容量を超えなければ持ち込みが可能です。
容量は1容器あたり0.5L/0.5kg、1人あたり合計2L/2kgまで。
この容量を超えると機内持ち込みができなくなってしまいます。
必ず容器のサイズを確認するようにしましょう。
機内に持ち込み禁止の荷物:火薬類
スプレーと同様、爆発の恐れがあったり燃えやすいものに該当する火薬類は持ち込むことができません。
弾薬を持ち込む人はあまりいないと思いますが花火やクラッカー、発煙筒なども含まれます。
旅行先で花火をして友達と盛り上がりたいという人もいるのではないでしょうか。
しかしこれらの物品は空港で没収されてしまうので注意が必要です。
花火やクラッカーなど火薬が含まれているものは、持ち込みだけでなく預け荷物としても禁止されています。
またアクセサリーとして加工されている薬莢キーホルダーやネックレスなどは機内持ち込みが可能です。
ただ国によっては本物かと疑われてしまって検査に余計な時間がかかることがあります。
旅行の行程に支障が出てしまう可能性があるので持っていかない方が安心でしょう。
機内に持ち込み禁止の荷物:刃物や先端が尖っているもの
人に危害を加える可能性があるものとして先が尖っているものは機内持ち込みが禁止されています。
ナイフやカッターの他、はさみやカミソリも対象となります。
医療用の刃物や牡蠣剥き用ナイフなども見た目が他の人に脅威を感じさせるという理由で禁止です。
逆にプラスチック製の刀など明らかにおもちゃと分かるものは大丈夫。
また刃物であっても全てが禁止されているわけではありません。
用途によっては持ち込みができるものも。
例えばはさみであれば先端が尖っていないもので刃体6cm以下であれば持込可能です。
小さな眉毛きりはさみや鼻毛きりはさみ等の化粧用はさみ、携帯裁縫セットのはさみなどが該当します。
カミソリも同様に、T字型剃刀や化粧用の小さな剃刀や電動剃刀は持込をすることができます。
身だしなみで必要なものは大丈夫なので嬉しいですね。
機内に持ち込み禁止の荷物:スポーツ用品、運動器具、介護用具等
旅先でスポーツをすることを楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。
しかし意外と多くのスポーツ用品が機内持ち込みを禁止されています。
ゴルフクラブやバット、ブーメランやストック類などは武器にもなってしまうため持ち込むことができません。
またインドアスポーツでもアイススケート靴やビリヤードのキューなどは対象となります。
ステッキや義手義足などの介護用具については長さが60cmを超えるものは持ち込みができません。
ただし自身で使うものであれば60cmを超えても持ち込みは可能です。
機内に持ち込み禁止の荷物:棒状のもの
棒状のものも凶器になる可能性があるため制限対象となります。
海がきれいな場所ではビーチパラソルや釣り竿なども使いたいですよね。
ただこちらも手荷物だと没収対象となるので気を付けましょう。
木刀や竹刀はサイズに関わらず機内持ち込みは禁止。
三脚や昆虫採集用のアミ、マッサージ棒などは60cmを超えなければ持ち込み可能です。
また最近は旅行に自撮り棒を持っていきたい人も多いのではないでしょうか。
自撮り棒は折りたたんで60cm未満になれば機内持ち込みもできます。
折りたたんだ状態であれば機内で友達と写真を撮ったりすることも可能です。
ただし他の人への迷惑になるので伸ばした状態で使うことはやめましょう。
また海外の航空会社によってはサイズ規定が違うこともありますので注意してください。
機内に持ち込み禁止の荷物:腐食性物質
腐食性物質には水銀や液体バッテリーなどが含まれます。
あまり危険そうには見えないですが、何がいけないのでしょうか?
実はこれらの物質は金属に触れると金属を腐食させてしまう性質を持ちます。
様々な金属から作られている飛行機にとってこれらの物質は天敵。
液体なのでどんどん移動していってしまい、一度流れてしまうと探すことが難しいのです。
飛行機の安全を守るために持ち込みが禁止されているんですね。
でも一般の旅行者がこういった腐食性物質を持ち込む可能性はあるのでしょうか。
代表的なものは水銀体温計です。
最近は電子式体温計を使う人が増えていますが、現在も利用している人は気を付けましょう。
要注意!場合によっては機内に持ち込み禁止の荷物
では、場合によっては機内に持ち込みが禁止されている荷物には、どのようなものがあるのでしょう。
- リチウム電池・リチウムイオン電池
- ライター・マッチ
- ベビーカー
- 救急セット
- 爪切り
- ヘアアイロン
続いて、それぞれの荷物を詳しくみていきます。
場合によっては機内に持ち込み禁止:リチウム電池・リチウムイオン電池
デジカメや電子ゲームなどの一般電子機器にもよく内蔵されていて日常生活でとても身近な電池です。
また旅行に欠かすことのできないモバイルバッテリーにも使われています。
スマホやタブレットをお持ちの方は、これがないと困ってしまうという人も多いのではないでしょうか。
しかしこのリチウム電池、近年は機内での発火例が相次いだため預け入れができません。
必ず手荷物として機内に持ち込まなければいけないのです。
ただし持ち込みにも制限があり、超えてしまうと没収となってしまうので気を付けましょう。
一般的に国内線ではリチウム電池はリチウム含有量が2グラム以下。
リチウムイオン電池はワット時定格量100Wh以下のものであれば問題はありません。
基本的には上記の制限をオーバーしてしまうことは少ないと思います。
ただ趣味などで多めに予備バッテリーを持っていきたい人は事前に個数など確認するようにしてくださいね。
また海外の航空会社ではより厳しい基準を設けている会社もあります。
心配な方は各航空会社に問い合わせてみてくださいね。
バッテリーは機内持ち込みできる?持ち込みできる容量やルールは?バッテリーを機内持ち込みするのに注意が必要なのはなぜ? モバイルバッテリーにはリチウムイオン...
場合によっては機内に持ち込み禁止:ライター・マッチ
喫煙者の方にとっては必需品のライター。
忙しい旅行中はいつ買えるか分からないので日本から持っていきたいですよね。
ライターもしくはマッチに関しては1人1つまで持ち込みが可能です。
ただし種類によっては持ち込めないものもあるので要注意。
ライターであればガス式ライター、電子式ライターは問題ありません。
オイル式ライターについては吸引材(綿)がないものは不可となります。
マッチは「安全マッチ」のみ持ち込み可能です。
「安全マッチ」とは摩擦面でこすらないと火がつかないもの。
壁や床などでも簡単に火がついてしまう「万能マッチ」は持ち込むことができません。
また量が多い「徳用マッチ」も禁止です。
個人が喫煙で使う範囲の量に抑えましょう。
マッチについては海外の航空会社では一切禁止となっている場合もありますので気を付けてくださいね。
場合によっては機内に持ち込み禁止:ベビーカー
小さなお子さん連れの家族旅行では使い慣れたベビーカーを持っていきたいもの。
赤ちゃんも普段使っているベビーカーが一番居心地がいいですよね。
ただ機内に持ち込む場合にはサイズに条件がありますので気を付けましょう。
ベビーカーは折りたたんだサイズが機内持ち込み手荷物の規定サイズを下回る場合のみ持ち込めます。
海外製のベビーカーなどサイズが大きいものは折りたたんでも持ち込めない場合が。
事前にサイズを測っておくことをおすすめします。
また機内持ち込み手荷物は1人1つまで。
ベビーカーもその個数に含まれますので、身の回り品以外の手荷物は持ち込めなくなるので要注意です。
場合によっては機内に持ち込み禁止:救急セット
普段の環境と違う旅先では体調を崩しやすくなってしまいます。
現地の水が合わなくてお腹を壊してしまったり。
アクティビティでケガをしてしまうこともあるかもしれません。
わざわざ病院に行くほどの症状でなければ、いつも使っている薬があればとても便利ですよね。
特に海外の薬は日本人に合うかどうかもちょっと心配。
旅行にはぜひ使い慣れたものを持っていきましょう。
ただ全てをスーツケースに入れてしまうと紛失の可能性や急に使いたい時に困ってしまうことも。
ある程度は手荷物にも入れておくと安心ですね。
ただ救急セットの中にも、機内への持ち込みが規制されてしまう可能性のあるものが。
場合によっては没収対象となってしまうのがピンセット。
ピンセットも形状が色々とあり、先端が尖ったものは危険物となってしまいます。
先端が丸みをおびていて強度がないものについては問題ありません。
自分が持っているピンセットの形状を事前に確認するようにしましょう。
場合によっては機内に持ち込み禁止:爪切り
爪は数日で伸びてしまうので、日数の長い旅行では持参したいものの1つ。
爪切りはコンパクトで持ち運びやすいので普段から持ち歩いている方もいるのではないでしょうか。
しかしこの爪切りも種類によっては機内への持ち込みができないので注意が必要です。
年々進化を遂げている爪切りは、一番メジャーなグリップ型以外にもはさみ型やニッパー型など色々とあります。
通常のグリップ型やはさみ型であれば基本は機内持ち込みは問題ありません。
しかし甘皮切りの小型ナイフが装着されているものは危険物となりますので没収対象。
ニッパー型の爪切りも危険物に該当してしまいます。
爪切りも細かい規定が設定されているんですね。
最近はストラップサイズのコンパクトなものも販売されています。
旅行好きな方は1つ持っておいてもいいかもしれませんね。
場合によっては機内に持ち込み禁止:ヘアアイロン
毎日、髪の毛のセットをしている人はぜひ持っていきたいのがヘアアイロン。
ホテル付属のドライヤーだけではクセ毛を直せない!という人も多いのはないでしょうか。
ヘアアイロンの中でもコンセント式のものは全て問題ありません。
ガス式のヘアアイロンの場合、炭化水素ガスが充填されたものでアイロン部分にきちんとカバーがされているものは大丈夫です。
そして充電式のヘアアイロンについては、本体から電池を取り外すことができれば持ち込み可能です。
取り外した電池も1人1つまでなら手荷物にすることもできます。
ガス補充用のガスカートリッジや、電池を本体から取り外せないものは持ち込み禁止。
ヘアアイロンも種類によって制限がかかりますので、あらかじめ確認しておきましょう。
国際線は液体の機内持ち込み禁止ルールが厳しい
国際線はハイジャック防止など航空保安対策のために液体物の持ち込みがとても厳しく定められています。
荷物が没収されてしまわないためにも、ルールを確認しておきましょう。
まず国際線では100mlを超える容器に入った液体の持ち込みが禁止されています。
また100ml以下であっても容量1L以下のジッパー付きの透明な袋に入れなくてはいけません。
袋に入れてないと容器が小さくても没収対象となりますので気を付けてくださいね。
そして国内線では液体物にならない物品でも、国際線では液体物の対象となって没収されてしまうことも。
例えば歯磨き粉などのペースト状のものやハンドクリーム、ヘアワックスなどの柔らかいものも液体物になります。
またバターやチョコレートなど熱を加えると溶けてしまうものも対象です。
定番のお土産品も対象になっていたりするので、荷物が増えている帰りの荷造りは特に注意しましょう。
機内持ち込み禁止の荷物を持っているときの対処法
では、機内持ち込み禁止の荷物を持っているときの対処法をみていきましょう。
- スーツケースの中に入れて預ける
- サイズを変えてみる
- 事前に郵送する
- 現地で調達
続いて、機内持ち込み禁止の荷物を持っているときの対処法を、それぞれ詳しくみていきます。
スーツケースの中に入れて預ける
スーツケースに入れて飛行機に預けてしまうのが一番簡単な対処法です。
機内にいる間は手元にないですが、自分と同じ飛行機で現地に到着してくれます。
旅行中は手荷物に移し替えて、飛行機に乗る時だけスーツケースに入れましょう。
ただし品物によっては預け入れができないものもあります。
アルコール飲料などはアルコール度数が70%を超えていると可燃物とみなされ預けられません。
またリチウム電池なども預け荷物にはできないので注意が必要です。
そしてスーツケースに入れる場合に気を付けなければならないことがもう1つ。
それは重量制限です。
各航空会社によって預けられる荷物の重さは決まっています。
色々と欲張ってスーツケースに入れてしまうと、超過料金がかかってしまうこともあるので気を付けてくださいね。
サイズを変えてみる
機内持ち込みが禁止されるものの中には「大きすぎるから」という理由もあります。
機内のスペースは限られているので、機内に持ち込める荷物にはサイズ制限があるのです。
折りたたんで小さくなるのであれば持ち込み可能というものも。
どうしても機内に持ち込みたい場合は事前に小さいものを入手するという方法もありますよ。
ただ空港に来てから新しく用意するのは大変。
よく飛行機を利用するという人は、飛行機用に1つ持っておくと便利ですね。
またサイズに関しては国内線と国際線でルールが違っているので注意が必要です。
事前に郵送する
スーツケースの重量制限を超えてしまうといった場合やサイズを変えることができない場合は事前に郵送する方法もあります。
重量制限の超過料金は高めに設定されているので、事前に郵送した方が安くすむ場合も。
日本国内であれば日付指定もできるので、自分の到着に合わせて郵送することができます。
しかし海外輸送の場合は日付指定ができず、届くまでの日数もはっきりとは分かりません。
また滞在ホテルなどにに荷物の受け取りをしてもらわなければなりません。
事前にホテルに連絡をするなど、少し面倒くさい手続きが多くなってしまいます。
短期の旅行ではなく、長期滞在をする人におすすめです。
現地で調達
上記の方法が難しい場合は、現地で調達をするという対処方法もあります。
普段使い慣れたものが一番いいですが、余計なお金や手間はかけたくないという人もいるのではないでしょうか。
そういった人は機内持ち込みは潔く諦めて、現地で同じようなものが入手できないか調べてみましょう。
先進国であれば日本と似た品質のものが買えることもあります。
使い勝手が違ったり日本よりも値段が高かったりすることもありますが、それも旅の思い出の1つ。
日本の便利さを実感したり、新しい発見があったりするでしょう。
現地調達で文化の違いを感じながらポジティブに旅を楽しんじゃいましょう。
機内に持ち込み禁止の荷物は意外に多い!旅行開始は荷物の準備から
準備した荷物が没収されたりすると、せっかくの旅行気分が台無し。
旅行を思いっきり楽しむためにも荷物の準備は万全にしましょう。
機内持ち込み荷物など航空輸送のルールは国際情勢によって内容がよく変わります。
同じ品物でも国によって扱いが違うこともあるので、しっかり事前確認をして楽しい旅行にしてくださいね。