合掌造り集落とは?何県にあるの?
日本で6件目となる世界遺産に登録されており、国内外から多くの観光客が訪れる合掌造りの集落は、飛越地方に位置しています。
合掌作りは岐阜県と富山県に存在している世界遺産です。
合掌造りとは?作り方は?
合掌造りというのは、日本における伝統的な住宅建築様式の1つです。
世界遺産にも登録されている合掌造りの大きな特徴が、叉首構造で茅葺で作られた屋根であることになります。
茅葺の屋根は勾配のあるのが特徴的な建築様式で、40度~60度というように傾きに差があります。
合掌造りの屋根に傾斜があるのは、集落のあるエリアが豪雪地帯であることが多く、雪下ろしの作業軽減、水はけを考慮しているのです。
合掌造りという特徴的なネーミングにも由来があります。
建物の屋根の形が空から八の字に広がる合掌のように作られおり、掌を合わせるように三角形に組まれている建築です。
この三角形に組まれている丸太組を、合掌と呼ばれることが由来とされています。
また、合掌造りの茅葺は年に1~2回補修され、30~40年に1回葺き替えられます。
合掌造り集落の場所は?
日本に現存している合掌造りの集落は、飛騨や下呂などありますが、代表的なのが白川郷と五箇山です。
白川郷と五箇山の合掌造り集落が世界遺産に登録されています。
白川郷は、岐阜県内の庄川流域エリアの総称です。
大野郡白川村、高山市荘川町、清見町が含まれており、1976年には重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
五箇山は、富山県の南西端に位置しているエリアの総称です。
南砺市の赤尾谷、上梨谷、下梨谷、小谷、利賀谷の5つの谷から五箇山という地名になったとされています。
白川郷エリアと五箇山エリアには共通点があり、共に山間の自然豊かな場所にあり、豪雪地帯であるということです。
傾斜の大きな合掌造りは、雪に強く水はけもよいため優れています。
合掌造り集落が世界遺産に選ばれた理由は?
白川郷・五箇山の合掌造り集落は、1995年12月に日本の世界遺産として6番目に登録されている場所です。
移動が不可能な不動産が該当するユネスコの世界遺産に選ばれるのには理由があります。
世界遺産に登録されるには基準が明確に設けられており、基準を満たしていることが登録の前提です。
合掌造りの集落は、日本でも珍しい特異な伝統集落で希少性の高さが理由となっています。
政府がこの2つのポイントがユネスコが設けている基準に合致すると発表したことで登録が進んだのです。
歴史上重要な時代を例証する建築様式など、文化を代表する伝統的集落に該当していることで、世界遺産に選ばれました。
合掌造り集落:白川郷
合掌造りの集落の1つに数えられ最も知名度が高いのが、岐阜県の白川郷になります。
登録対象となっているのは、3つの集落で内1つの集落が白川郷の荻町集落です。
白川郷への行き方
世界遺産に登録されている、合掌造りの集落で最も知名度の高い白川郷は、東京、名古屋、大阪、金沢など各方面からアクセス可能です。
アクセスはバス、電車、自動車など利用できますが、近くに駅がないためバスか自動車が適しています。
東京方面東京ICからは、距離約500㎞、所要時間約6時間で荘川ICから白川郷ICでアクセス可能です。
東京方面からは電車やバス共に、名古屋を経由するとアクセスしやすくなっています。
名古屋方面からは、所要時間約3時間でバスでアクセス可能です。
自動車では、距離約160㎞、所要時間約2時間30分で名古屋ICから白川郷ICでアクセスできます。
大阪方面からは、バスで名古屋駅まで約2時間30分、名古屋駅から白川郷までバスで2時間30分でアクセス可能です。
自動車では、距離約310㎞、所要時間約4時間で豊中ICから白川郷へ向かえます。
白川郷住民憲章とは
白川郷には、白川郷住民憲章という取り決めがあります。
白川郷住民憲章は、1971年に住民決議によって制定された取り決めで、世界遺産の登録に繋がった重要な憲章です。
1965年頃に集落の集団離村により、家屋が減少したことで住民の保存意識が高まり、1971年には集落の自然環境を守る会が発足しました。
このタイミングで誕生した白川郷住民憲章は、保存運動を推進するための取り決めです。
白川郷住民憲章は、合掌造りの家屋を「売らない、買わない、壊さない」という三原則になっています。
これらの原則は、歴史的な家屋を外部に渡さずに維持させていくためにあるのです。
白川郷の見どころ
世界遺産にも登録されている白川郷は魅力が多くあります。
見て楽しむことはもちろん、見るだけではもったいないほど魅力が多いのが白川郷の魅力です。
見て楽しむ白川郷は、世界的にも珍しい建築様式で貴重な建物が並ぶエリアになります。
集落は周囲が山々に囲まれ、田んぼや水路など美しい景色が楽しめます。
白川郷は四季によって異なった景色が楽しめる地域です。
春には桜など美しい花々、夏には清々しい新緑、秋には鮮やかな紅葉、冬には茅葺屋根など周辺が白銀の世界になります。
白川郷は見るだけにとどまらず、建物の内部に入って楽しむことも可能です。
国の重要文化財に登録されている、和田家ではリアルな合掌造りを間近で見学できる見所になります。
合掌造り集落:五箇山
白川郷と並んで同じ括りで世界遺産に登録されているのが、富山県にある五箇山です。
五箇山は、3つの内の相倉集落と菅沼集落の2つの集落が登録対象となっています。
五箇山:相倉集落への行き方
五箇山の2つの集落の内の1つ、相倉集落は富山県南砺市相倉にあります。
あいのくらと読み、登録されている3つの集落の中で最も北に位置しているエリアです。
相倉集落は周囲が山に囲まれているエリアにあり、近くに駅がないため自動車もしくはバスでのアクセスが適しています。
電車の場合は最寄りの駅から、JR城端線城端駅、JR高岡駅前からバスの利用が便利です。
城端駅からはバスで25分の場所にある、相倉口下車後徒歩3分の場所にあります。
高岡駅前からは世界遺産バスで1時間の場所にある、五箇山相倉口へ向かうとアクセス可能です。
自動車では、東海北陸自動車道五箇山ICからアクセスできます。
五箇山ICから国道156号線を経由して約20分で到着です。
五箇山:相倉集落の見どころ
白川郷と比べると知名度は低いですが、五箇山の相倉集落には多くの見どころがあります。
相倉集落は南北に約500m、東西に約200mの広大な広さがあり、約20棟もの家屋が残っている集落です。
世界遺産登録範囲は18haあり、現在残っている家屋は江戸時代末期から明治時代末期に残ったものになります。
美しく懐かしい原風景が残っているのが相倉集落の見どころです。
日常の喧騒から離れて、自然豊かな環境に包まれた景色は落着きが感じられます。
春には桜、夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪景色など四季折々の景色と珍しい合掌造りのコラボネーションも見どころの1つです。
日中は時間帯による変化、天候による変化など楽しめますが、夜も楽しめることで人気があります。
夜には季節によってライトアップが実施され、幻想的な風景を見られます。
五箇山:菅沼集落への行き方
五箇山の2つの集落の内の1つ、菅沼集落は富山県南砺市の旧上平村に含まれるエリアにあります。
すがぬまと読み、登録されている3つの集落の中でも比較的コンパクトな街並みです。
菅沼集落は周囲が山に囲まれているエリアにあり、近くに駅がないため自動車もしくはバスでのアクセスが適しています。
電車の場合は、JR新高岡駅または高岡駅から最寄りの城端線城端駅まで30分です。
バスの場合は、JR高岡駅前から世界遺産バスで1時間15分の場所にあります。
利便性の高い自動車では、東海北陸自動車道を五箇山ICで降りた後、車で2分でアクセス可能です。
周辺にはバス停が数か所あるため、利便性が高くおすすめです。
また、自動車も展望広場と駐車場を兼ね揃えた、菅沼展望広場駐車場があるため気軽にアクセスできます。
五箇山:菅沼集落の見どころ
3つの集落の中でも比較的コンパクトな街並みの菅沼集落にも多くの見どころがあります。
菅沼集落は南北に約230m、東西に約240mある、9棟の合掌造り家屋が残るエリアです。
世界遺産登録面積は4.4haあり、江戸時代末期の建築はわずか2棟で6棟は明治時代、残り1棟は大正時代末期に建てられたものになります。
外観が入母屋造で他とも似ていますが、他と比べて土地が狭く住居区域と農業区域が分けられているのが特徴です。
菅沼集落は美しい風景や自然に触れられるだけでなく、歴史や伝統を体験できる施設も充実しています。
歴史や伝統を体験できる五箇山民俗館、文化や暮らしを体験できる塩硝の館があり、非日常の体験が可能です。
白川郷と五箇山の合掌造り集落の違いとは?
合掌造りの集落として世界遺産に登録されている、白川郷と五箇山は一括りにされています。
同時に登録されて一括りにされている白川郷と五箇山は、似ているようで違うのです。
最も有名な白川郷もあまり知られていない五箇山の集落も、合掌造りの見た目はかなり似ており、一見違いを感じづらくくなっています。
2つの集落の大きな違いは3つのポイントです。
まず1つの世界遺産にまとめられていますが、2つのエリアは所在地が異なります。
白川郷は岐阜県なのに対して、五箇山は富山県に位置しており、所在地という点も違いの1つです。
白川郷と五箇山では、知名度にも大きな違いがあります。
白川郷は数多くのメディアにフォーカスされる、数多くの作品の舞台になるなど知名度が高く、反対に五箇山は名前もあまり知られていないことが多いなど知名度が低いです。
知名度に差があるように、規模と雰囲気も大きく異なっています。
最も知名度の高い白川郷は、比較的大規模な集落になっており、典型的な観光地と言う雰囲気が感じられる場所です。
あまり知名度が高くない五箇山は、白川郷と比較すると規模はやや小さくなっています。
落ちついた静かな雰囲気があり、コンパクトな雰囲気の集落は魅力です。
合掌造り集落はライトアップイベントも!
歴史のある希少性の高い合掌造りの集落は、昼は細かいディティールまで見ることができますが、真っ暗になる夜もおすすめです。
夜には合掌造りの集落でライトアップイベントが実施されています。
合掌造りのライトアップイベントは、実施されるタイミングなどは異なりますが、白川郷と五箇山どちらの合掌造りでも実施されており、昼間とは違った合掌造りの集落が見学可能です。
ライトアップイベントは基本的に日没頃から開始され、暗闇に照らされる合掌造り集落は存在感があります。
周囲が山に囲まれている合掌造りの集落は、暗闇に照らされると幻想的な光景です。
また、ライトアップイベントは季節によった違いもあり、雪景色など周辺の景観とのコントラストが楽しめるのも魅力です。
宿泊してゆっくり観光しよう!合掌造り集落周辺のおすすめホテル5選!
では、合掌造り集落周辺にはどのようなホテルがあるのでしょう。
合掌造り集落周辺には、以下のホテルがあります。
- 御宿 結の庄
- 城山館
- 源泉の一軒宿 ふくみつ華山温泉
- 鳥越の宿 三楽園
- ホテルルートイン高岡駅前
続いて、それぞれのホテルを詳しくみていきます。
御宿 結の庄
合掌造り集落周辺のおすすめホテルの1つが、岐阜県大野郡にある御宿結の庄です。
御宿結の庄は、白川郷、五箇山の合掌造り集落まで車で5分の場所に位置しています。
2019年3月にグランドオープンしたばかりの新しい施設で、合掌造りの歴史と趣を感じる雰囲気です。
合掌造りを模した特徴的なエントランスが出迎えるこちらは、ゆるりの湯と名付けられた天然温泉、和と洋の客室など世界遺産の趣を感じられます。
御宿 結の庄
住所:岐阜県大野郡白川村飯島908-2
電話番号:05769-6-2005
営業時間:15:00/11:00
定休日:不明
URL:御宿 結の庄
城山館
合掌造り集落周辺のおすすめホテルの1つが、岐阜県大野郡にある城山館です。
城山館は、合掌造り近くの白川郷バスターミナルからすぐの場所にあります。
こちらのホテルは合掌造りのエリアに位置しているため、気軽に合掌造りを散策可能です。
建物は国重要伝統的建造物に選定されており、歴史と趣が感じられます。
こちらは1日4組限定で四季折々の自然、美味しい食事、丁寧な接客でゆっくりとくつろげるホテルです。
城山館
住所:岐阜県大野郡白川村荻町1168-1
電話番号:05769-6-1007
営業時間:15:00/10:00
定休日:不明
URL:城山館
源泉の一軒宿 ふくみつ華山温泉
合掌造り集落周辺のおすすめホテルの1つが、源泉の一軒宿ふくみつ華山温泉です。
源泉の一軒宿ふくみつ華山温泉は、金沢駅から車で40分の場所にあります。
田舎に佇む一軒家のこちらは、全館禁煙で小学生未満受入不可という大人の空間が提供されているホテルで、合掌造り観光におすすめです。
食事処は半個室で贅沢な懐石が提供され、秋冬は活ガニ・ぶりなどの味覚も提供されます。
お風呂は源泉かけ流し露天風呂付客室が7室あり、大浴場と貸切風呂も源泉かけ流しです。
全客室にWIFIがあるなど、自然の中でも快適に過ごすことができます。
源泉の一軒宿 ふくみつ華山温泉
住所:富山県南砺市川西588
電話番号:0763-52-0500
営業時間:10:30~21:00
定休日:不明
URL:源泉の一軒宿 ふくみつ華山温泉
鳥越の宿 三楽園
合掌造り集落周辺のおすすめホテルの1つが、富山県砺波市にある鳥越の宿三楽園です。
鳥越の宿三楽園は、砺波駅から車で約15分の場所に位置しています。
自然豊かな庄川の景色が周囲に広がるこちらは、庄川温泉郷の一角にあるホテルで合掌造りへのアクセスも良好です。
大正13年に料理旅館として創業しており、全室禁煙の落着き空間が楽しめます。
食事は富山の旬の食材を使用され、温泉は美肌の湯として知られる白濁色の炭酸水素塩泉、鉄分豊富な炭酸鉄泉の2つの源泉です。
ほかにもエステや温泉療法など、癒しも充実しています。
鳥越の宿 三楽園
住所:富山県砺波市庄川町金屋839
電話番号:0120-371-260
営業時間:10:30~22:00
定休日:不明
URL:鳥越の宿 三楽園
ホテルルートイン高岡駅前
合掌造り集落周辺のおすすめホテルの1つが、ホテルルートイン高岡駅前です。
ホテルルートイン高岡駅前は、高岡駅から徒歩2分に位置しています。
こちらのホテルは駅から近く合掌造りへもアクセスしやすくおすすめです。
シンプルで清潔な室内は、ビジネス利用だけでなく観光の拠点として適しています。
施設内には人工温泉大浴場で疲れを癒し、レストランでは無料の美味しいモーニングが提供されるなどビジネスホテルながら充実のラインナップです。
チェーンのホテルのため安定したサービスが受けられ、合掌造り観光にもおすすめ。
ホテルルートイン高岡駅前
住所:富山県高岡市下関町4番63号
電話番号:050-5837-7670
営業時間:15:00 / 10:00
定休日:不明
URL:ホテルルートイン高岡駅前
世界遺産の合掌造りの集落へ行こう!
世界遺産に登録されており、国内外から多くの観光客が訪れる人気の合掌造りの集落。
合掌造りは3つの集落で構成されており、それぞれの合掌造りの集落に違いがあります。
合掌造りは春夏秋冬、四季折々の自然とのコンビネーションが楽しめる観光地です。
どこ季節でも楽しめる、世界遺産の合掌造りを満喫しましょう。