フィリピンの通貨はフィリピン・ペソ(PHP)
フィリピンの通貨単位は、フィリピン・ペソ(PHP)です。
一般的に、数字の前にPHPまたは、₱を入れ表記するのが通例です。
ペソという通貨単位は、スペインが世界中の植民地の通貨として作った時代のもので、他にも、メキシコやアルゼンチンやチリなど、もともとスペインの植民地だった国は通貨単位がペソのケースが多いです。
対日本円とのレートは常に変動しますが、2018年12月現在のレートは、1フィリピン・ペソ=2.16円となっています。
フィリピン・ペソ紙幣の種類は、20ペソ、50ペソ、100ペソ、200ペソ、500ペソ、1000ペソ紙幣の6種類があります。
フィリピン・ペソ紙幣で特徴的なのは、日本の円紙幣と違い全て同じサイズだという点です。
コインは、10ペソ、5ペソ、1ペソの3種のペソ硬貨があり、これより細かいお金は、「センタボ」という補助通貨の硬貨になります。
センタボ硬貨には、25センタボ、10センタボ、5センタボのコインがあります。
フィリピンの物価は日本に比べて高い?安い?
フィリピンの物価は日本と比べて高いか?安いか?と問われれば、答は「安い」になります。
全体的にフィリピンの物価は、日本の1/3というのはよく言われることです。
総じて言われることは、特に節約しなくても、現地の人のレベルで生活するなら、フィリピンでは1か月3~4万円もあれば十分何不自由なく生活できるということです。
とはいえ、フィリピンという国は、日本よりも地域格差の大きな国です。
ですから、同じフィリピン国内でも、地域によって大きく物価が違うことはよくあることです。
特に、マニアのような大都市部や日本人にも人気の有名観光地では、その他の地方と比べると物価は全般的に高い傾向にあります。
そうはいってもあくまでもフィリピン国内で比較した場合の物価の格差であり、フィリピン国内では一番物価が高いとされている首都マニラでも、日本と比べれば十分「物価は安い」ということは確かです。
これは日本人にも人気のボラカイ島などの有名リゾート地にも言えることです。
逆に言えば、マニラやセブ島から離れたあまり知られていない「穴場のリゾート地」はフィリピンにはたくさん存在し、そういった場所では、物価も地方へ行けば行くほど物価も安くなります。
フィリピンの物価が安い理由
フィリピンの物価が安い理由①:平均所得が安い
フィリピンの物価が日本よりも安い理由としてまず挙げられる要因としては、「賃金が安い」というものがあります。
フィリピンのいっぱんの労働者の平均的な月給はおよそ15000PHP(約32400円)であり、かなり安いです。
フィリピンの大卒の初任給が平均10000PHP(約21600円)であり、日本の新卒の1/10程度の月給しかないわけです。
所得が平均的にこれほど低いということは、比例して国民が消費活動のできる物価も全般的に安くなるのは摂理です。
人件費が安い=物やサービスの上代に乗っかるコストがそれだけ安いということでもあり、そういった理由からもフィリピンの物価は安くなるメカニズムというわけです。
現地の日本企業で働いている日本人は、一般的に日本円で15万円以上の月給は得ており、物価の安いフィリピンで暮らしていくには何不自由のない生活を送ることは可能です。
平均的な所得が、日本の1/10程度なので、それに合わせて生活全般にかかるコストも安くなっていくので、おのずと物価は安いのです。
フィリピンの物価が安い理由②:衣食住のコスト自体が安い
フィリピンの物価が安い理由は前述の通りに国民の平均的な所得が安いために、それに準じて物品やサービスの価格も安くなるという循環が主因と述べました。
もう少し具体的に述べれば、衣食住にかかるコストが総じて安いというわけです。
その基盤で核となる住、すなわち家や土地がまずフィリピンにおいては日本よりも遥かに安いというファクターが大きく物価にも関係しています。
具体例を挙げれば、フィリピンにおいては賃貸のマンション(コンドミニアム)であれば、人気のセブ島であっても、月家賃12000PHP(約25920円)も払えば、広さが40~50㎡のラグジュアリーな物件に住むことができます。
当然それよりも安い物件もたくさんあるので、フィリピンで暮らすにには、日本で暮らすのとは比較にならないランニングコストの安さというベースがあるのです。
食料品や嗜好品などの物価は、当然このベースに合っていないとアンバランスですから、準拠して安くなっていると言えます。
フィリピンの物価が安い理由③:円高ペソ安が続いている
フィリピンが日本よりも物価が安い近年の大きな理由として、「円高フィリピンペソ安」が挙げられます。
特に2018年には、ペソの価値が円に対して10%も安くなりました。
これは逆に言えば、円の価値がフィリピンでは10%も上がったことを意味します。
ですから、元から総じて日本よりも物価の安かったフィリピンの物価が、日本人観光客にとっては更に安くなったと言えるでしょう。
このことは、日本人が今フィリピンに旅行に行けば、かつて行った時よりも、さらに現地の物価が10%も安くなっている感覚を味わうということを意味します。
ペソ安は、フィリピンの経済成長の促進剤にもなっているので、日本人にとってもフィリピン人にとっても悪いことではないのです。
フィリピンの物価を日本の物価と比較
フィリピンの物価を日本の物価と比較:交通
電車
フィリピン人にとって欠かすことのできない交通手段の一つである鉄道は、国鉄をはじめ、大都市である首都マニラを走る通勤列車メトロコミューター(コメックス)など様々な種類のものがあります。
地方の路線によって路線図の無い路線も多く存在するので、観光客にとってはわかりにくく、その分、十分な下調べをしていく必要があります。
運賃はどの路線のどの列車でも非常に安く、だいたい15〜30PHP(約33円~66円)で収まります。
バス
フィリピンにおいては、バスも市民の足として近距離バスも長距離バスもたくさん走っています。
ただし、日本のバスのようにダイヤに正確な運航はしておらず、お客さんがいっぱい乗り込むまで出発予定時刻を過ぎてもずっと停車していたりするなんてことはザラなので、その点は覚悟は必要です。
運賃は非常に安く、エアコンの無いバスなら10PHP(約22円)~乗れますし、エアコンの効いた「エアコンバス」であっても12PHP(約26円)~という安い運賃で利用できます。
タクシー
フィリピンのタクシー事情として、セブ島では、色によって2種類のタクシーに区分されています。
白と黄色です。
セブ島では、タクシーの初乗り料金は40PHP(約87円)と明確に決められています。
白のタクシーに乗れば、初乗り40PHPなのですが、空港と提携している黄色のタクシーに乗ってしまうと初乗り料金は2倍の80PHP(約173円)支払わなくてはなりません。
更に、これら白と黄色の正式なタクシーより安価なタクシーとして、フィリピンにはジプニーと呼ばれる乗合タクシーのようなものがあります。
こちらは、1区間20円以下と、非常に安価な料金設定です。
フィリピンの物価を日本の物価と比較:通信費
フィリピンの通信費は日本と比較するとかなり安いです。
フィリピンでネットに接続したい人は、まず、SIMカードを購入しましょう。
フィリピン国内のキャリアは、SMARTとGLOBEの2社です。
旅程や滞在日数に応じてこれらのキャリアごとに販売している定額通信プランを契約しましょう。
価格は、定額契約7日間プランで、100PHP(約216円)~ととてもリーズナブルな価格設定となっています。
滞在日数の長い人の場合には、SIMカード(40PHP~)を購入して、プリペイドカード1G(30PHP〜)ごとにチャージしていく、ロードと呼ばれる方式を採った方がお得でしょう。
いずれにしても、日本に比べるとフィリピンでの通信費はかなりお安くなっています。
フィリピンの物価を日本の物価と比較:コンビニ
お水
フィリピンは暑い国であり、飲料水は常時欠かせませんが、水道水は飲むには安全とは言えないので飲まない方が良いです。
そこで飲用としては常にミネラルウォーターを購入する必要があります。
フィリピンのミネラルウォーターの価格は非常に安く、スーパーなどで販売されている1.5Lのペットボトルであれば、20PHP(約43円)程度で買えますし、それよりももっと安いのはガロン買いです。
比較的長期に滞在する人はウォーターサーバー用のガロン入りのミネラルウォーターを買うことをオススメします。
値段はなんと、1ガロン=50PHP(約108円)という安さです。
お酒
フィリピンはお酒の物価も大変安いです。
フィリピンで代表的なビールは、「サンミゲル」ですが、この缶ビールが、330ml入りで30PHP(約65円)、900ml入りで90PHP(約195円)となっています。
ウイスキーも安く、1瓶75PHP(約152円)~で販売されています。
タバコ
フィリピンはタバコの価格も、日本と比べるとかなり安いです。
標準的な紙巻タバコであれば、20本入り1箱で50PHP(約108円)~となっています。
日本では、最低1箱400円以上が普通ですから、かなり安いですよね。
フィリピンの物価を日本の物価と比較:レストラン
フィリピンには首都マニラをはじめ、実に多くの種類のレストランや食堂があります。
その価格設定は総じて日本よりもかなり安いです。
一般的な大衆レストランであるカンティーンと呼ばれる食堂であれば、好きなおかずにご飯、スープのセットで100PHP(約216円)でお腹いっぱい食事ができます。
インテリジェントビルやデパートなどの上層階にあるレストランなどはマニラでは高級レストランであり、日本食のチェーンやラーメン店なども数多く入っています。
価格は、ラーメンレストランが、1杯450PHP(約980円)程度、日本でもおなじみのとんかつ屋のマイセンは、とんかつ定食が400PHP(約870円)となっており、日本食チャーンはフィリピンにおいてはかなりお高い高級レストランと位置づけられています。
フィリピンの物価を日本の物価と比較:ローカルフード
フィリピンには日本ではあまり知られていませんが、安くて美味しいエスニック料理やローカルフーズがたくさん存在します。
オススメなのが、フィリピンのローカルスイーツの定番とも呼ばれている「レチェ・フラン」です。
特徴的な形の激甘のカスタードプリンです。
こちらは、フィリピン国内であれば、カレンデリア(食堂)やスーパーのフードコートなどで販売されていて、手軽に食することができます。
価格も手ごろで、1個30PHP(約65円)とおやつタイムにもぴったりのローカルフードです。
フィリピンの物価を日本の物価と比較:ショッピング
フィリピンで様々なものをショッピングする際、物価は日本と比べてどうなのでしょうか?
まず日用品ですが、日本のドラッグストアで購入するものと比較すると同じくらいかやや高いものもあります。
その代表格は、石鹸やシャンプーなどです。
石鹸はフィリピンでは、70PHP(約152円)~、シャンプーは150PHP(約325円)~ぐらいが物価の相場であり、全般的に日本より物価のだいぶ安いフィリピンの中では例外的に日本よりも割高な商品です。
洋服類も現地で作られている地場ブランドのものは全般的には安く、日本円で1枚100円ぐらいからありますが、日本のブランドのものをフィリピンで買うと日本よりも割高です。
UNIQLOもフィリピンにもありますが、その価格は日本の1.5倍程度で割高になっています。
フィリピンの物価を日本の物価と比較:観光・アクティビティ・テーマパーク
フィリピンには観光客向けに数多くのアクティビティがあり、その多くがマリンスポーツ関連のものです。
ここでは、その中から観光客に大人気でコスパも抜群のアクティビティである「ロボック川クルーズ」(Loboc River Cruise)を紹介しておきます。
ロボック川クルーズとは、ボホール島にあるロボック川をクルージングして楽しむ遊覧ツアーのことです。
入場料450PHP(約980円)で、食事も付いて、優雅な遊覧ツアーを楽しめるのでオススメです。
フィリピンの物価を日本の物価と比較:ホテル
フィリピンには様々なグレードのホテルがありますが、そのどれも日本と比較するとかなり宿泊費は安いです。
ホテルのグレードをざっくりゲストハウス、中級ホテルクラス、高級ハイクラスホテルの3つにわけると、ゲストハウスは1泊250PHP(約540円)~という非常に安い宿泊費から利用できます。
中級ホテルで1泊650PHP(約1400円)、高級ハイクラスホテルでも1泊4300PHP(約9300円)と、日本と比べるとかなりお安い相場になっています。
フィリピンの物価を日本の物価と比較:スターバックス
世界展開のコーヒーショップチェーンであるスターバックスはフィリピンにもあります。
一般的にフィリピンのスタバでは、ショートサイズは無く、全ドリンクがトールサイズからのメニューとなります。
値段の方は、トールラテが130PHP(約280円)というように、日本と比べると安いです。
あと、フィリピンのスタバでは、Wifiが無料ではなく有料の店舗も多いので注意が必要です。
フィリピンの物価を日本の物価と比較:お土産
フィリピンのお土産はいろいろありますが、ばらまき用に適した安価なお土産が多いのが特徴です。
その代表的なものとして、「ドライフルーツ」が挙げられるでしょう。
まず、フィリピンのお土産として有名なものが「ドライマンゴー」と「バナナチップス」です。
どちらもフィリピン特産のフルーツの加工品です。
価格は、ドライマンゴーは日本で買うと500円前後しますが、フィリピンでは、60PHP(約130円)程度で販売されています。
バナナを薄く切って揚げたバナナチップスも定番のフィリピン土産ですが、こちらは50PHP(約108円)~ととてもリーズナブルな価格で売られています。
フィリピンで特に物価が高いものと安いものは?
フィリピンで特に物価が高いもの:「日本製の食品や調味料」
フィリピンは相対的にほとんどのものが日本よりも物価が安いのですが、例外的に日本より物価が高いものもあります。
その代表的なものが、「日本製の食品および調味料」です。
食品は主に、日本のメーカーのレトルト食品やインスタントラーメンなど、調味料はフィリピンで販売されている日本メーカーの味噌や醤油などです。
ほとんどのものが、日本での販売価格の2倍~3倍がフィリピンでの相場となっています。
フィリピンで特に物価が安いもの:「美容室や床屋など」
円高フィリピンペソ安の影響もあり、フィリピンではほとんどの物の物価は日本よりもかなり安いです。
そんな安い中でも、とりわけ安いものが「サービス料金」です。
これは、フィリピンの平均賃金(人件費)が日本の1/10程度が標準という事実がベースにあります。
特に安いのが、Barber(床屋)、Hairsalon(美容室)、マッサージなどです。
日本と同じく男性は床屋で、女性は美容室で髪をカットしますが、料金は床屋のヘアカットで、40~50PHP(約87円~108円)、ヘアカットだけでなくネイルやマッサージなども込みのサービス料金に含まれているちょっと高級な美容室でも、ヘアカット料金は、50~70PHP(約108円~152円)という驚くべき安さです。
物価の安いフィリピンまでの渡航費用は?
フィリピンのマニラへは、日本の各主要都市から直行便が発着しています。
フィリピンへの直行便に関しては、総じて羽田や成田よりも西日本の国際空港からマニラへの直行便(往復共に)の方がかなり安くなるという毛校があります。
マニラへの主要都市からの往復運賃(※あくまでも参考運賃です)
空港名 | 航空運賃 |
---|---|
羽田 | 126960円 |
成田 | 115900円 |
関西 | 59830円 |
名古屋 | 63360円 |
福岡 | 57760円 |
物価の安いフィリピンを旅行する予算の目安は?
フィリピンを旅行する際の予算はどの程度あれば必要十分でしょうか?
航空運賃とホテルの宿泊費を別にすれば、フィリピンでは食事代を含め日本円で1日2000円もあれば十分不自由のない観光旅行はできます。
1週間の旅程であれば、15000~20000円のおこずかいに、お土産代20000~30000円程度、それにホテルの宿泊費+往復の航空運賃の合計額がフィリピン旅行の予算としては妥当でしょう。
フィリピンでは、1泊2000~3000円で普通の中級レベルのホテルには宿泊できますので、1週間の旅程なら、20000円も見ておけば十分でしょう。
航空運賃は、奥空会社によってピンからキリまであり、またシーズンによっても大きく変わります。
オフシーズンで安い航空会社であれば、往復5万円程度の航空運賃はザラにあります。
フィリピンの物価に関するまとめ
フィリピンは隣国台湾の南に位置し、日本の近所と言えば近所と言える国です。
日本にもたくさんのフィリピン人は出稼ぎに来ていたりして身近な国ですが、文化圏とししては、旧スペインやアメリカの植民地や統治領だったこともあり、日本とはかなり異なったカトリックの国です。
ここでは、そんなフィリピンの物価全般を掘り下げて考察してきました。
全般的にフィリピンは日本よりも物価がかなり安いので、それほどお金を使わなくても十分有意義な旅を送ることが可能な国だということがわかりましたね。