アメリカ文化の特徴
アメリカ社会は多人種が共存する「人種のるつぼ」と呼ばれており、アメリカの文化はさまざまな文化が混ざり合ったものだと言えます。それをまとめて「アメリカ文化」と呼ぶのですが、アメリカ文化の特徴は「自由を尊重する」ということ。
異なる人種が共存しているからこそ、お互いを尊重し、お互いの自由を認め合うことが文化として根付いています。自由を大切にするアメリカ文化ですが、自由を大切にすると同時に個人主義とも言えるでしょう。
他人は他人、自分は自分、という人と違うことが当たり前であるという雰囲気が強く、人と違うことに対しても寛容なのが特徴です。教育においても「自由」と「自律性」は大切にされています。
アメリカと日本の生活文化や習慣の違い10選
では、日本文化とアメリカの文化や習慣の違いをみていきましょう。
アメリカの文化や習慣の違いには、以下があります。
- 挨拶は握手とハグで
- 食べ物はほとんどビッグサイズ
- 小学校ではクレイジー・ヘア・デーがある
- 子どものお弁当は超シンプル
- ボランティア活動が盛ん
- 水と牛乳の単位が違う
- カップル社会
- 冷凍食品が充実している
- お客さんは神様ではない 10.12歳以下の子どもを一人にしたら犯罪
続いて、日本文化とアメリカの文化や習慣の違いを、それぞれ詳しくみていきます。
挨拶は握手とハグで
アメリカでは挨拶の時にお辞儀をするのではなく、握手をします。特にビジネスシーンでは、握手は必至となっており、自信を持って笑顔で行うと好印象です。すでに会ったことのある親しい人との挨拶では、ハグをしてもOK。
ハグの方が親しみが湧きますが、絶対にしなければいけないものではありません。握手かハグの好きな方を選びましょう。
食べ物はほとんどビッグサイズ
アメリカはとにかく食べ物がビッグサイズです。アメリカのハンバーガーは日本のハンバーガーの2個分はありますし、クリーム付きの飲み物を頼めば、飲み物だけなのにお腹いっぱい、胃がもたれるほどのレベルになります。
アメリカは世界一肥満体型の人が多い国ですが、ビッグサイズの食べ物を見ると、そんな事実にも納得できるでしょう。
小学校ではクレイジー・ヘア・デーがある
「クレイジー・ヘア・デー」とは、奇抜な髪型で学校に行く、というアメリカの行事のこと。この行事、とにかく子どもたちの髪型が奇抜です。
頭が芝生になっており虫がいっぱいいたり、髪の毛を飲み物に見立てて、頭の上に瓶が置かれていたりします。さらには先生も奇抜な髪型をすることもあるんだとか。この日は保護者も子どもも一日中お腹を抱えて笑いながら過ごします。
子どものお弁当は超シンプル
アメリカの子どものお弁当は、とてもシンプルです。例えば、スナック菓子とりんご、バナナと食パンなど。かなり頑張った!というレベルでもパンにハムとチーズを挟んでマヨネーズをかける、という感じです。
マフィンなどの焼き菓子もお弁当の定番で、時間のない日は袋に入ったスナック菓子を持ってくる子もいます。日本のキャラ弁のような文化はありません。
ボランティア活動が盛ん
アメリカではボランティア活動が非常に盛んです。学生の頃から寄付やボランティア活動に勤しむ学生も少なくなく「社会貢献」が文化に根付いていると言えるでしょう。
また、ボランティアは進学や就職の時のアピールにもなります。アメリカの文化では、人のために貢献できることが大きなポイントになるのです。
水と牛乳の単位が違う
日本では「ミリリットル」や「リットル」が使われていますが、アメリカでは「ガロン」という単位が使われています。1ガロンは3.785リットル、つまり日本の1リットルの牛乳約4本分になるのです。ハーフガロンの牛乳などもありますが、アメリカでは1ガロンの牛乳を買う人が多いです。
カップル社会
アメリカでは30代、40代で結婚していなくても「結婚しないの?」とは言われません。しかし、パートナーがいない人に対しては周囲の視線は冷たいです。
というのも、アメリカは行動の単位が「カップル」になるためです。結婚もしていない、パートナーもいない、というのは周囲の心配の対象になってしまいます。
冷凍食品が充実している
これは、あまり知られていませんが、アメリカの冷凍食品は非常に充実しています。日本では「おかず」の冷凍食品が一般的ですが、アメリカではランチセットやディナーセットなど「主食」の冷凍食品が多いです。
つまり温めるだけで1食できてしまう、というこど。アメリカでは共働きが多いので、このような時短料理が人気なのでしょう。
お客さんは神様ではない
アメリカの文化においてお客様は神様ではありません。お客さんはお金を支払う対価として商品を受け取ります。
それ以上でもそれ以下でもなく、従業員の丁寧な接客は支払う料金に含まれていません。また、丁寧さよりも効率を求める傾向にあるため、レジが混んでいれば馬鹿丁寧な接客でなくさっさとお客さんをさばいていくのがアメリカの接客の特徴です。
12歳以下の子どもを一人にしたら犯罪
アメリカでは一般的に、12歳以下の子供を家で一人で留守番をさせると法律で罰せられます。12歳以下の子どもは必ず保護者やシッターと一緒に行動させないといけないため、それができないと虐待とみなされてしまいます。
学校の送り迎えも車で送るのが当たり前。日本のように子どもだけで徒歩で学校に向かっている光景は、アメリカ人からしたら奇妙に映ります。
アメリカと日本の交通ルールの文化の違い4選
では、続いては、アメリカと日本の交通ルールの文化の違いをみていきましょう。
アメリカと日本の交通ルール文化の違いには、以下があります。
- ハンドル、ウインカー、ワイパーが逆
- スクールバスが最優先
- 駐車は前向きが基本
- 交差点では赤でも右折できる
続いて、アメリカと日本の交通ルール文化の違いを、それぞれ詳しくみていきます。
ハンドル、ウインカー、ワイパーが逆
アメリカの車は左ハンドルであることはよく知られているかもしれませんが、実はウインカーとワーパーの位置も日本の車と逆になります。つまり、左がウインカー、右がワイパーです。見た目のワイパーの向きなどは同じなのですが、動かすための操作が違うということです。逆という事実を受けて最近は、アメリカ車が日本に輸入される場合は、日本仕様のように左がワイパー、右がウインカーに作り直されている場合もあります。しかし、世界的にはアメリカ仕様の方がメジャーだと言えるでしょう。
スクールバスが最優先
アメリカでは、どんな車であってもスクールバスが優先です。スクールバスが「STOP」のサインを出して止まっている時には、スクールバスの後続車、対向車も一緒に止まらないといけません。
また、意外ですが救急車であってもスクールバスを優先させなければいないというルールがあります。アメリカでは、これを守らないと罰金約10万円。子どもを守るという意識が非常に高いです。
駐車は前向きが基本
アメリカではスーパーなどの駐車場は基本的に頭から突っ込むように前向きに止めます。これは、トランクに荷物を入れやすいようにするためと、車上荒らしに遭いにくくするためです。日本ではよく見かける車止めも、前向き駐車が基本のアメリカでは全く見かけません。前向きの駐車だと、進む方向にそのまま駐車できるので、その点では便利だと言えるでしょう。
交差点では赤でも右折できる
これはアメリカ独特の交通文化の特徴なのですが、交差点では右折する場合のみ、赤信号でも曲がることができます。しかし、地域によって、または場所によっては赤信号の場合は止まらなければいけませんので標識を確認するなどの注意が必要です。「NO TURN ON RED」と書いてある場合は交差点であっても右折してはいけません。
アメリカと日本の食文化の違い3選
では、日本とアメリカの食文化の違いをみていきましょう。
日本とアメリカの食文化の違いには、以下があります。
- アメリカの国民食はピザ
- アメリカ人はあまり料理をしない
- 朝ごはんの定番はエッグベネディクト
続いて、日本とアメリカの食文化の違いを、それぞれ詳しくみていきます。
アメリカの国民食はピザ
ピザは19世紀後半にイタリアからの移民によってアメリカにもたらされました。それからというもの、アメリカ人はピザなしでは生きられないというほどの、ピザ好きです。
コンビニのおにぎりのような感覚で気軽にピザを購入し、毎日のように食べることも珍しくありません。アメリカのピザは大きいので、食べきれない分は冷蔵庫に入れて次の食事に回します。
アメリカ人はあまり料理をしない
一般的にアメリカ人は日本人ほど料理をしません。アメリカ人にとって食事は空腹を満たすためのもの。火を使って料理をする回数は日本人に比べて圧倒的に少ないと言えるでしょう。
食事は栄養を取らなければいけない、命そのもの、という感覚の日本人と比べて、アメリカ人はそもそも食事に対する感覚が違いますので、食事は質素になり、バランスへの意識も低いです。
朝ごはんの定番はエッグベネディクト
エッグベネディクトは1960年代にニューヨークで生まれた朝ごはんの定番メニューです。エッグベネディクトとは、イングリッシュマフィンの上にハムとポーチドエッグをのせ、黄身とバターで作ったオランデーズソースで味付けをしたもののことです。
家庭ではあまり食べませんが、外で朝ごはんを食べる時には、リーズナブルで美味しいアメリカの定番メニューとなっています。
ジェスチャーにおけるアメリカと日本の文化の違い5選
では、ジェスチャーにおける日本とアメリカの文化の違いをみていきましょう。
ジェスチャーにおける日本とアメリカの文化の違いには、以下があります。
- 日本の手招きはアメリカのあっち行け
- 人差し指と中指のクロスは幸運を祈る
- 指での数の数え方が違う
- アメリカ人がよく使うクォーテーションマーク
- 呼ぶ時に肩をトントンは失礼
続いて、ジェスチャーにおける日本とアメリカの文化の違いを、それぞれ詳しくみていきます。
日本の手招きはアメリカのあっち行け
日本では「こっちにおいで」と手招きをする際に手の甲を上にして手招きをします。しかしこれは、アメリカ人からしたら「あっちに行け」と言っているように見えるのです。
日本人側に悪気が一切なくても、アメリカ人からしたら失礼な態度で、中には怒って向こうに言ってしまう場合もあります。アメリカの手招きは日本の逆で、手の甲を下にして手招きをします。これは逆に日本人からすると挑発されているような感じがしますが、手招きをするときはお互いに気をつけていきたいですね。
人差し指と中指のクロスは幸運を祈る
英語には”I’ll keep my fingers crossed”という表現があります。これは「幸運を祈りますよ。頑張ってくださいね」という意味です。
このジェスチャーが、人差し指と中指を両手でクロスさせる「幸運を祈る」ということを伝えるジェスチャーです。ジェスチャーのポイントは、人差し指と中指を重ねたときは、十字架を作っているようにも見えます。
指での数の数え方が違う
日本では指で数を数えるときに人差し指から順に数えていきます。アメリカでも同じように人差し指から数える人もいますが、親指→人差し指→中指、と数える数え方も同じくらい一般的です。
ちなみに日本の数えかたは、イギリスや北米と同じ。アメリカの数え方は「3」までドイツやフランスと同じです。
アメリカ人がよく使うクォーテーションマーク
「クオテーションマーク」という言葉は「”」のマークのこと。指で空中に描くので「エアクオート」と呼ばれています。
ピースサインをクイっと折り曲げるこのジェスチャーは、言葉を強調したい時や、嫌味を言いたい時などに使われるジェスチャーで、アメリカ人がよく使うジェスチャーの一つです。日本でいう「」の役割なので、同じようなシチュエーションで使うことができます。
呼ぶ時に肩をトントンは失礼
日本では人を呼ぶときに肩をトントンと叩きますが、アメリカではこの仕草は非常に失礼になります。これは肩に触れることが失礼なのではなく、アメリカでは他人の身体に直接触れることが失礼だとされるからです。アメリカで触れて良いのは、家族や友人などの親しい間柄だけなのです。
アメリカの文化を正しく理解しよう
アメリカは多民族が共存する多民族国家です。日本のように一つの民族が集まっている国ではありません。そのため、アメリカと日本の文化は大きく違います。
どちらが正しく、どちらが間違っているということではありませんが、正しく理解してお互いに気をつけていくことが大切なのではないでしょうか。ぜひアメリカの文化の特徴や習慣を正しく理解して、今後に生かしてみてください。