タージマハルが建てられた歴史とは
「タージマハル」の歴史を知る上で欠かせないのが、「ムガル帝国」です。
世界史の中で度々登場する、ムガル帝国は、この「タージマハル」を理解する上でとても重要な鍵を握っています。
16世紀初頭〜18世紀後半(1526年-1858年)の間、インドの一部の地域を除きインド亜大陸を支配していたのがイスラム王朝「ムガル帝国」なのです。
ムガル帝国第5代皇帝「シャー・ジャハン(1592/1/5-1666/1/22)」がこの、美しい「タージマハル」を建設しました。
1653年に完成した「タージマハル」は、なんと建設に約22年と言う歳月をかけた歴史的大事業でした。
なぜここまでの時間をかけて建設したのでしょうか。
そこには悲しく、切ない妃への思いが込められていたのです。
17世紀初頭にムガル帝国を支配していた「シャー・ジャハン」は、ペルシャ王朝にルーツを持つ「アルジュマンド・バーヌー・ベーグム」と結婚しました。
この結婚により、アルジュマンド・バーヌー・ベーグムは「ムムターズ・マハル」という名前に変わりました。
「ムムターズ・マハル」とはペルシャ語で、「愛されし王宮の光彩」と言う意味があります。
「宮延に選ばれしもの」といったニュアンスです。
シャー・ジャハンは、ムムターズ・マハルを心から愛し、「最大限の愛を与えた」と言われています。
そんな思いを受けたムムターズ・マハルは、忠実な伴侶としてシャー・ジャハンを支え、どこに行く際も一緒に行動していました。
そして事件は起こりました。
1631年、デカン遠征の際、いつも通り一緒に行動していたムムターズ・マハルのお腹には14番目の子供を身籠もっていました。
遠征先で出産後、産褥病でムムターズ・マハルは亡くなってしまいました。
彼女の死後、皇帝シャー・ジャハンは深く傷つき、悲しみました。
息子たちの支えもあり深い悲しみから立ち直ったシャー・ジャハンは彼女の遺言を実現しようと行動に起こしました。
ムムターズ・マハルの遺言は、後世に残るお墓を望んだそうです。
そして、彼女のために、世界で誰も観たことのない、最も素晴らし墓廟を建設することを決意しました。
そして建設されたのが、今もなお美しく、イスラム文化を代表する最高建築と称されている「タージマハル」が完成しました。
幻の黒いタージ計画とは?
「タージマハル」は現在のお金で換算すると総工費20兆円と言われ、2万人の職人と、1000頭以上の象が資材運搬を行って建設されました。
総大理石の「タージマハル」は真っ白い印象ですが、実はヤムナー川を挟んだ対岸に、黒い大理石を使った「黒タージ・マハル」の建設する計画が存在しました。
白い「タージマハル」は、妃の「ムムターズ・マハル」のお墓、黒い「タージマハル」を自分のお墓とし、大理石の橋で2つを結ぶ計画でした。
しかし、「シャー・ジャハン」はこの時、インドの首都デリーにも大規模な建築事業を進めていたので、国家財政が追い詰められ破綻寸前でした。
そして、国を守るために後の王である「アウラングゼーブ」が「シャー・ジャハン」をアグラ城に幽閉し、この黒い「タージマハル」計画は幻となり消えました。
そして「シャー・ジャハン」の死後、彼は「ムムターズ・マハル」の隣に安置されました。
諸説ありますが、財政危機ではなく皇位継承による権力争いで彼は幽閉されたという説もあり、時代背景を考えるとこちらの説の方が有力ではないでしょうか。
現在は、黒い「タージマハル」の建設予定地はマターブバーグ公園になり、遠くを見渡せないほどの霧がかる日が多く、まるで幽閉され、タージマハルを眺めていた彼の心のように、かすみがかっています。
しかし、結果「シャー・ジャハン」は最愛の妻の隣に安置される事になり、時より霧が晴れる瞬間は彼が微笑み幸せに感じている証拠なのではないでしょうか。
マターブバーグ公園からタージマハルを見るには、特に夕暮れ時がおすすめで、私が訪れた時には多くの観光客が集まって夕暮れに沈むタージマハルの写真を撮っていました。
完璧な美しさを持つタージマハル
「タージマハル」は「イスラム」「オスマントルコ」「インド」「ペルシャ」の技術が集約された建築様式で「芸術家」や「職人」、「フランスの金細師」、「イタリアの宝石工」と建設に関わった多くの人により何百年もの間、タージマハルは世界で最も美しいと称されるほど、無数の人を魅了してきました。
タージマハルの美しさは左右対称から
世界一と言われる所以の1つが、緻密に計算された「左右対称」で、徹底し追求した「左右対称」があるから人々が魅了されていくのです。
4本のミナレットが左右対象に配置され、その中央に美しい曲線を持つドームが圧倒的な存在感で観光客を迎え入れています。
東西南北、4方向どの角度から見ても左右対象な「タージマハル」ですが、遠くからだけでなく、入口や正門、敷地内にある建物すべてが左右対称で、圧倒されます。
建物だけでなく、建物の前にある長さ約300mの水路も、緻密に計算され、水に映る「タージマハル」も天地対称の美しさがあります。
このように徹底的に左右対称を追求した「タージマハル」ですが、唯一左右対称でないものがあります。
それが、皮肉にも徹底的に左右対称にこだわった「シャー・ジャハン」本人なのです。
彼が安置されている横には、妻「ムムターズ・マハル」が眠っています。
その棺桶の大きさが彼女の棺桶は小さく、彼の方が大きい造りになっており、唯一左右対称ではないものとなってしまいました。
なぜこうなったのか今では誰にもわかりませんが、歴史的な背景などを考察しながら、「タージマハル」を観光するのも1つの楽しみ方です。
タージマハル内部は残念ながら撮影禁止なのですが、唯一非対称なシャー・ジャハンとムムターズ・マハルの棺桶がある空間は、非常に厳かな雰囲気で、見ごたえがありました。
タージマハルは世界中から集められた材料で作られた
「タージマハル」は世界中のあらゆる材料を集め、建設されています。
ラージャスターン地方ジャイプル産の「大理石」をはじめ、ファテープル・シークリーの石切り場から運ばれた「赤砂岩」など様々な場所から運ばれてきました。
材料 | 場所 |
---|---|
水晶・翡翠(ひすい) | 中国 |
トルコ石 | チベット |
サファイヤ | スリランカ |
カンラン石 | エジプト |
珊瑚・真珠貝 | アラビア |
ダイヤモンド | ブンデルカンド |
アメジスト・瑪瑙(めのう) | ペルシャ |
碧玉(へきぎょく) | パンジャーブ地方 |
ラピスラズリ | アフガニスタン |
カーネリアン | アラビア |
このように、様々な場所から運ばれた優れた材料を加工するために、優秀な加工技術を持っている人を世界中から集め建築しました。
28種類もの宝石がちりばめられていたりと細部までこだわり完璧を追求した「タージマハル」は、愛する妻のために、良い物や人を揃え建設したのではないでしょうか。
タージマハルの外観に使われている白大理石は、今でもまばゆい美しさを保っていました。
タージマハルの見どころ!フォトスポットはどこ?
左右対称で世界中のあらゆる材料を使って建設された、美しい「タージマハル」には見所が満載です。
おきまりのポーズやフォトジェニックなスポットで溢れています。
真正面からの逆さタージ
水路に映る「タージマハル」は美しく、まるで「タージマハル」が2つあるかのような錯覚に落ちるほどです。
ここでお勧めしたいのが、カメラを逆さにして撮影する方法です。
すると、人間が宙づりになっている不思議な写真を撮影できます。
計算され尽くした「タージマハル」だからこそ撮影できる1枚です。
摩訶不思議な写真で、思い出を残してみてください。
水路に映るタージマハルや、人々が完全に対称に映し出されているのがわかると思います。
まるでだまし絵のような記念写真を撮ることができるので、この撮り方はおすすめです。
シンメトリーの写真を撮ろう
こちらも、左右対称の美しい「タージマハル」だからこその1枚です。
建物の真ん中に自分が立てば、美しいシンメトリーが完成します。
非日常の美しさをバックに思い出の写真を撮影してください。
この時のコツは、カメラと自分を一直線常に置き、カメラの高さを自分の肩ぐらいに合わせると素敵な写真が撮れます。
美しいタージマハルの前で、「ナマステポーズ」や「ヨガポーズ」で記念写真するのもいい思い出になりますよ。
朝の時間は比較的観光客が少なく空いているようなので、混雑を避けた時間に行くと、綺麗に写真が撮れるかもしれません。
アグラ城から見るのもおすすめ
「アグラ城」は赤砂岩でできた城壁に囲まれ、ムガル帝国時代の居城として栄えた場所です。
ムガル帝国時代、赤色は帝国の力強さを表していました。
そんな赤い城から白い墓廟をみる特別な体験です。
そして何より、この「アグラ城」からみる、白い墓廟「タージマハル」は幽閉された「シャー・ジャハン」がみていた光景なのです。
彼は幽閉後、タージマハルには行けず、遠くから最愛の妻にお祈りを捧げる日々が続いたと言われています。
そんな彼の儚い気持ちが詰まった場所からぜひ、眺めてください。
タージマハルを眺めるだけでなく、アグラ城自体も見どころがたっぷり詰まった観光名所なのでぜひ行ってみてください。
アグラ城をはじめとする、他のインドの観光スポットは下の記事で詳しく紹介しています!
インド在住者がおすすめ!インドで人気の観光地&名所21選インド観光の魅力とは? インドは、日本の約9倍の国土に13億人の人口が住んでいる大きな国です...
唯一非対称の場所
「シャー・ジャハン」が眠る棺桶は、ここまで完璧だった左右対称を唯一、左右対称ではない場所としてしまいました。
建築の際に材料を世界中から集め、世界中の職人を集め「世界で誰も観たことのない、最も素晴らし墓廟」を建設したのですが、お墓自体は装飾がされていない地味でシンプルなものになっています。
これはイスラム法によると「墓に装飾を施すことは虚栄心の表れ」とされ、妻「ムムターズ・マハル」を安置したお墓のデザインは質素なまま残したそうです。
そんな輝く場所にある、シンプルな空間が唯一の非対称の空間になったのです。
タージマハル観光の注意点
荷物の持ち込み制限あり!荷物は最小限に
大理石を綺麗に保ち、美しさを守るために入り口で、持ち物検査が行われます。携帯やカメラ以外の電子機器は預けることになります。
他にも、食べ物、ペン、刃物、ライター等は全て預けることになります。
とにかく厳しい持ち物検査は大体のものがNOと言われ横の店に預けろと言われます。
なので、「タージマハル」に訪れる際には最小限の荷物で行くことをお勧めします。
荷物を預けるということは、自分の側から荷物を離すことになります。
その荷物を狙ってる人がたくさんいるので注意してください。
手元に戻ってきた荷物を確認したら中身がないなんてこともありますので、必要以上に荷物は持っていかないことを徹底してください。
タージマハルから歩いて行ける範囲の中にホテルが多いので、近くのホテルを予約すれば、ホテルに荷物を置いていっても特に問題はないでしょう。
服装の注意点 靴カバーをお忘れなく!
チケット購入時に靴カバーと500ccの水を受け取ります。
これは必ず受け取ってください。
受け取らないと中に入ることができないです。
大理石部分は土足厳禁なので受け取った靴カバーを装着して観光してください。
インドでは暑い時で50度近くまで気温が上がることがあります。
そうなったら、大理石は鉄板のように熱くなり、とても裸足で歩くなんて事できません。
使い捨ての靴下をもらえるので夏場は必ずそれを履いてください。
押し売りに注意
有名観光地だけあってかなりの観光客が訪れます。
そうなると商売が始まり、押し売りをしてくるインド人がいます。
「案内するよ」と案内料を請求してきたり、「写真を取ってあげる」と撮影料を請求してきたりと様々な手法でチップを要求してきます。
中には「荷物みててあげるから貸して」なんて言ってくる子供もいますので注意してください。
勇気を持ってNOと断りましょう。
曖昧な感じではなく、はっきりと伝えることがポイントです。
金曜日は定休日!
毎週金曜日は定休日です。
間違えないようにしてください。
定休日を知らずに「タージマハル」に向かおうとしている観光客に対して、定休日なのに連れて行き料金を請求するガイドや運転手がいます。
注意してください。
悪徳なツアー会社でも金曜日に組んできたりしますので、そう言った点も注意しておいてください。
事前に申し込む際は、しっかりと日時と曜日を確認してから予約の契約書にサインすることをお勧めします。
タージマハル入場料
2016年に値上げをし、現在入場料は1000Rs(約1700円)です。
今後まだまだ、上がる可能性がありますので確認してから訪れてください。
入場口は「南ゲート」「東ゲート」「西ゲート」の3箇所です。
「南ゲート」が正面になり、水面に映る「タージマハル」を見られる入り口になっています。
しかし「南ゲート」は、開門が朝8からで早朝は閉まっています。
またチケット売り場からゲートまでが遠いのでかなり歩きます。
「東ゲート」は団体のツアー等がよく利用するゲートです。
広い駐車場の隣がチケット売り場で便利ですが、メインの場所まで入ってから1kmほど離れているので無料のカートで移動します。
「西ゲートは周辺道路に車両が乗り入れ禁止なので、ゲートまで10分ほど歩いてからチケットを購入する形になります。
観光時間によってベストなゲートから入場してください。
ゲートが決まったら
- チケット購入
- 靴カバー受け取り
- 手荷物検査
- 入場
といったながれになります。
チケット購入は男女で列が分れているので、どちらかに並んで購入します。
チケットを購入したら忘れずにお水と靴カバーを受け取ってください。
中で水は買えないので、唯一の水分になります。
大切に飲んでください。
その後、荷物検査があり、ここで荷物持ち込めない荷物は捨てるか、預けるかになります。
数十秒でも荷物を置きに行ったら再検査になるほど厳しい体制が敷かれています。
手荷物検査が終わったら、やっと入場です。
入るまで苦労しますが、生で「タージマハル」をみたらそんな苦労は忘れてしまうでしょう。
そのくらい感動的なスポットです。
タージマハル観光のベストシーズン
「タージマハル」を楽しむなら乾季がおすすめで、晴れた日が多く過ごしやすい気温なのでベストシーズンです。
しかし年末年始にかけて霧が発生しやすいので「12月・1月」を避けた「10月・11月・2月・3月」に訪れるのが特に良いです。
まれに最低気温が、10度を下回り肌寒く感じることがあるので防寒対策も忘れずにしてください。
出発前に現地の天気は要チェックです。
タージマハル観光のベストな時間帯 色の変化も楽しめる
「タージマハル」観光においてベストな時間帯は「朝」です。
まず、観光客が少なく晴れのている時間帯だからです。
雨の中の「タージマハル」も神秘的ですが、やっぱり晴れている方がいいですよね。
そして何よりおすすめしたいのが、朝日に照らされた「タージマハル」です。
陽の当たり具合でピンク色に輝き普段とは違った色で「タージマハル」を眺められます。
夕暮れ時もおすすめですが、観光客が多いです。
夕暮れ時には運が良ければ、黄金に輝く「タージマハル」を拝めるかもしれません。
しかし、夕暮れ時の空にはタージマハルがいっそう綺麗に映え、神秘的な美しさに感動しました。
夕暮れ時には多くの人が大きなカメラでタージマハルの写真を撮っていました。
タージマハル観光をさらに楽しむポイント4選
タージ・マハルを囲む赤い建物は?
白いイメージの強いタージマハルですが、周りには赤砂岩の建造物があります。
鮮やかな赤で本廟を挟みこみ、白い墓廟を引き立てています。
この赤い建造物は「東の迎賓館」「西のモスク」の役割を果たしています。
入り口となる大楼門は頂上に11個の丸屋根を冠し、30mの高さを誇っています。
「シャー・ジャハン」が赤と白を好み、この色合いになったと言われています。
この建物の中からタージマハルの写真を撮ると、赤と白のコントラストが美しい印象的な写真になると思います。
タージ・マハル美術館も必見!
「タージマハル」を正面に見て左側に位置しているタージ・マハル美術館。
正式には「タージ・ミュージアム」といい、中にはタージマハルの建築の様子やムガル帝国の歴史が紹介されています。
ムガル帝国第5代皇帝「シャー・ジャハン」の肖像画や、彼の愛した最愛の妻「ムムターズ・マハル」の肖像画があるので、時間に余裕のある方はぜひ訪れてください。
館内は広いわけではありませんが「タージマハル」の知識を勉強できるので歴史を知って敷地内を観光するのも、おすすめです。
タージ・マハルは対岸から全貌をつかもう!
「タージマハル」を一望できるスポットがあります。
それはヤムナー川を挟んで、対岸にある「マタブー・バーグ」からです。
ここ「マタブー・バーグ」は黒いタージマハルの建設予定地だった公園です。
インド史の中でイギリスは深い関わりを持っています。
そんなイギリス式庭園が整備され、「タージマハル」に沈んでいくサンセットを眺められる人気のスポットです。
ただ、霧がかってることが多いですがそれもまた神秘的です。
マタブー・バーグは、とても自然が豊かな公園で、ヤギが公園内を歩いていたことに驚きました。
日本語ツアーもある!
デリーからバス、電車で「タージマハル」に向かう日本語ツアーがあります。
アグラ駅にも秘本後の話せる現地ガイドの方もいますので観光の案内人としてサポートしてもらうのもいいです。
料金はだいたい1000Rs前後で写真を撮ってくれたり、普通に観光してたら見逃してしまう隠れスポットも紹介してくれるので面白いです。
ただ、料金に関してのトラブルが起こりやすいので交渉は必ずしてください。
上手に活用すればとても有意義な時間を過ごせますよ。
タージマハルへの行き方
では、デリーからタージマハルへのアクセス方法をみていきましょう。
デリーには、以下のアクセスがあります。
- 列車
- ツアーバス
- タクシー
続いて、それぞれのアクセス方法について詳しくみていきます。
移動時間の目安と金額はマストでお願いいたします。
列車
世界屈指の列車大国インドでは日々多くの人が列車に乗っています。
インドの首都「デリー」から「タージマハル」がある「アグラ」までは2時間〜3時間ほどで到着します。
乗る列車にもよりますが、列車旅を楽しんでいたら2〜3時間はあっという間にすぎます。
料金はエアコン付きの車両で650Rs(約1000円)ほどです。
インドの鉄道は予約制です。
切符を買えば乗れるというわけではありませんので注意してください。
当日に予約することは可能ですが、念のため1日、2日前に予約しておくと安心です。
以下の順序で購入して行きます。
- 外国人専用窓口にて申し込み用紙をもらう
- 必要事項を記入
- 受付を済まし、番号が呼ばれるまで待機
- 予約完了
と行った流れになっています。
日本の電車と異なるため、初めは苦労しますが「デリー」〜「アグラ」は多くの観光客が乗る電車なのでなんとなく周りと同じように動けばそこまで問題なく乗車できます。
朝6:15、ニューデリー駅発の特急シャタブディー・エクスプレスがおすすめです。
8:12にはアグラ駅に到着します。
乗り方が不安な方はこちらに詳しい情報が乗っているので確認しておくと、現地で焦らずに済みますよ。
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アグラ駅からタージマハルのアクセス
アグラ駅で下車したらタージマハルまで5kmほどの道のりです。
アグラ周辺も中型観光地なので十分に観光を楽しみながら「タージマハル」を目指せますが、「タージマハル」周辺には歴史的な観光地がたくさんあります。
そちらに時間をかけた方がいいので、オートリクシャやタクシーを利用した方がいいかと思います。
ツアーバス
観光大国インドで1番といっていいほど人気な観光地「タージマハル」なので、デリーからツアーバスが出ています。
ニューデリー市内には無数の旅行代理店が存在します。
しかし、インドは詐欺の多い国でも有名です。
高額なツアーを組み請求してくるケースも存在します。
詐欺があるという認識を持ちツアーを上手に利用すれば効率良く観光できると思います。
「タージマハル」のツアーに関して、現地の旅行代理店「VELTRA」が種類も多く、日帰りか宿泊、バスか電車と選べるので自分にあったツアーを組めます。
オプショナルツアーの値段が正規の値段くらいなのでこちらも事前にチェックしてください。
タクシー
タクシーで行く方法ですが、正直あまりおすすめはしません。
なぜなら、3,500Rs(約5250円)と200km以上移動するので料金が高いです。
日本の感覚でいたら200km移動して5000円は安いと思いますが、インドではなかなかの金額です。
車移動は片道5時間ほどかかります。
道もガタガタでアトラクションに乗っている気分です。
初めはそれも楽しいのですが、少し経てば過ごしづらい空間になります。
なので電車もしくは、ツアーで参加する方が安全だと思います。
タージマハルが消える?変色しているって本当?
「インド観光・文化庁」の発表によると、2011年〜2015年(5年間)で、400〜600万人が「タージマハル」を訪れたそうです。
多くの観光客が訪れる一方で、基盤が劣化し建物には亀裂が入るなどの深刻な問題があるののも現状です。
2018年4月には暴風で門の尖塔が倒壊したという衝撃的なニュースもありました。
実は1980年代ごろから「タージマハル」を保全しようとする動きがあり、各機関が政府に対して活動していますが、政府は対応せずにいました。
そんな現状に対して、「政府が無関心を続けるなら、建物を閉鎖し形が保たれないのであれば取り壊すべきだ」という声が上がってきました。
「タージマハル」が劣化していく要因として大気汚染が問題視されています。
この地域一体は著しいレベルの粒子状物質と二酸化硫黄が検知されており、雨と混ざって酸化雨として降るので、「タージマハル」の壁が黄色く変色してしまうのです。
他にも、近くを流れるヤムナー川は世界で最も汚染された川と言われています。
デリーからアグラにかけて存在している工場は化学物質、廃棄物を直接川に流し、アグラの生活排水の90%以上は処理せずにそのまま流しています。
劣悪な環境に魚は生息できず、生態系が崩れ虫が大量に発生してしまい、そういった虫のフンや死骸が「タージマハル」を汚し変色させていくのです。
また、ヤムナー川の水量が減少し土台の地盤が弱くなりました。
もともと空気に触れていなかった部分が空気に触れることで乾燥しもろくなっていくそうです。
「タージマハル」再生プロジェクトが計画されていますが、問題点が山積みでなかなか着手できない現状があります。
世界で最も美しいとも称されている「タージマハル」が、これからもあり続けるように。
そして「ムムターズ・マハル」の遺言である「後世に残るお墓」がこれから何十年、何百年先も美しいと称され、残っていくように願うばかりですね。
是非ともタージマハルがこれ以上劣化する前に、早めに訪問することをおすすめします。
タージマハル観光の見どころは?歴史やアクセス、ツアー情報も紹介!【まとめ】
インドといったら「タージマハル」というイメージを持ってる人も多いと思います。
人気観光地「タージマハル」には悲しき歴史があり、壮大な愛の結晶なのです。
「後世に残るお墓」を20年以上の歳月をかけ完成させ、計算された美しさはシンメトリーを生み出し、ただ唯一建設した本人がそのシンメトリーを壊してしまうという皮肉がありました。
「大気汚染」「基盤劣化」と問題点があり、今後「タージマハル」がどうなっていくのかも気になる点ですが当時の彼らの思いがこらから先の後世に続いていけばと願います。
人気観光地「タージマハル」の歴史を知り観光してみるのも面白いですよ。
きっと素敵な思い出になりますよ。
都内の大学に通う女子大生。
遺跡巡りを中心とした、世界の歴史や文化を知る旅が趣味です。
春休みに2週間かけてインドを旅行したほか、夏休みには1か月以上かけて陸路でイラン、アゼルバイジャン・ジョージア・トルコを回りました。
渡航歴
イタリア/オーストラリア/カナダ/ベトナム/インド/カンボジア/イラン/アゼルバイジャン/ジョージア/トルコ