【料金の前に】パスポートの更新(切替発給)申請って?
冒頭でも述べたように、パスポートには有効期限があります。
そのため有効期限が切れた場合、パスポートの更新を申請する必要があるのです。
その他にも申請が必要なケースがありますが、初めてパスポートを作る場合は「新規発行」となるのに対し、一度パスポートを作った人が更新する形で再発行する場合は「切替発行」となります。
パスポートの有効期間は5年と10年
日本のパスポートは大きく分けると2つに分類されます。
1つは10年間使用できるもの、そしてもう1つは5年間使用できるものです。
ちなみに10年パスポートの色は赤、そして5年パスポートの色は紺です。
10年間使用できるものの方が、若干発行料が高くなります。
それでも5年パスポートを2度発行するよりも料金が安いために、10年パスポートの方がお得です。
もし一度の海外旅行のためにパスポートを取得するのであれば、料金の安い5年パスポートがおすすめです。
しかし海外旅行に頻繁に行かれる人の場合、10年パスポートがお得です。
残存有効期間とは
パスポートの残存有効期間とは、パスポートの有効期限までの日数のことを言います。
たとえば5年パスポートを作ってから4年半が経過した場合、パスポートの残存有効期間は半年となります。
海外旅行に出かける際、残存有効期間に注意深くあるべきです。
なぜなら多くの国では海外旅行者が旅行中に残存有効期間が切れてしまうことがないよう、最低でも6ヵ月の残存有効期間がなければ入国を許可してくれないからです。
つまりパスポートの有効期限ギリギリで海外旅行を行おうとするなら、入国を拒否されてしまうのです。
更新(切替発給)の対象
先にも触れたように、パスポートの有効期限が切れた場合は更新が必要となります。
また「パスポートの残存有効期間が1年未満となった人」、「パスポートの査証欄が少なくなった人」、「パスポートを損傷した人」、そして「パスポートの氏名・本籍の都道府県名が変更になった人」は更新申請を行うことができます。
パスポートの更新料金一覧
申請の種類 | 収入証紙 | 収入印紙 | 合計 |
---|---|---|---|
10年(20歳以上の人のみ取得可能) | 2,000円 | 14,000円 | 16,000円 |
5年(申請時に12歳以上) | 2,000円 | 9,000円 | 11,000円 |
5年(申請時に12歳以下) | 2,000円 | 4,000円 | 6,000円 |
パスポートの更新に必要な料金は上記の通りです。
12歳以上でしたら、10年パスポートと5年パスポートの料金の差は、5,000円になります。
そして20歳以下の人は、10年パスポートの取得はできません。
また上記の料金表が示しているように、12歳以下の子どもの場合は5年パスポートの料金が安くなります。
また新規申請と切替申請の他にも、「記載事項変更申請」、そして「増補申請」の際にも料金を支払わなければなりません。
記載事項変更申請の場合、収入証紙として2,000円、収入印紙に4,000円を支払う必要があります。
またパスポートのページが無くなってしまった場合の増補申請には収入証紙として500円、収入印紙に2,000を支払わなければなりません。
有効期限が残っているパスポートであるなら、増補申請した方がお得です。
パスポート更新書類は?書類取り寄せに料金はかかる?
ではまずパスポート更新に必要な書類について見ていくことにしましょう。
パスポート更新書類
パスポート更新に必要な書類は、以下の3つです。
- パスポート申請に必要な書類①:一般旅券発給申請書1通
- パスポート申請に必要な書類②:パスポート用の写真1枚
- パスポート申請に必要な書類③:有効なパスポート1点
「般旅券発給申請書」とは、いわゆる「パスポートの申し込み書」になります。
新規発給申請書は10年パスポート用と5年パスポート用で異なります。
10年パスポート用はA4の大きさで、申請書上縁部が朱色をしています。
そして5年パスポート用の書類はA4の大きさで、申請書上縁部が淡灰色をしています。
申請日に20歳以上の方は5年パスポート、もしくは10年パスポートのどちらかを選択できます。
しかし申請日に20歳に満たない方は、5年パスポートしか申請できません。
また申請書は機械で読み取りを行います。
そのため折り目をつけたり、汚したりしてはなりません。
また「写真」ですが、カラーでも白黒でも大丈夫です。
それでも提出の日前6か月以内に撮影されたものでなければなりません。
帽子を着用してはならず、正面を向いて撮影を行います。
また背景は単色でなければなりません。
ちなみに白髪の方はバックが濃色であるのが好ましいとされています。
写真のサイズですが、全体は縦45ミリ、横35ミリで、上から2ミリ~4ミリのところに頭が来るようにします。
頭から顎の長さは32ミリから34ミリ以内に収まるようにします。
また左右どちらかによりすぎることがないようにしなければなりません。
加えて「有効なパスポート」も持って行く必要があります。
このパスポートには無効印が押印され、新しいパスポートが渡されるときに返されます。
新たなパスポートが渡された時点で古いパスポートの残存有効期間は切り捨てになり、旅券番号も変わります。
住民票が必要な場合
住民登録してあるところが、パスポートを申請する都道府県と異なる場合、住民票を持って行く必要があります。
住民票はコピーではなく、原本でなければなりません。
また申請日より6ヵ月以内に発行されたものであるべきです。
住民票は1通300円です。
戸籍謄本・抄本が必要な場合
氏名や本籍の都道府県名に変更があった場合、またはパスポートを細かく裁断した場合やパスポートの身分事項や写真などが判別できないほどの損傷があった場合、戸籍謄本・抄本が必要となります。
住民票と同様、申請日から6ヵ月以内に発行されたものでなければなりません。
戸籍謄・抄本は1通450円です。
パスポート期限切れに注意!更新の際と料金は同じ?
当然のことですが、パスポートの有効期限が切れていると、外国に旅行することはできません。
そのため海外旅行を計画する前に、パスポートの有効期限を必ずチェックするようにします。
また先にも触れたように、残存有効期間が6ヵ月以上なければ入国できない国もありますので、この点もチェックするべきです。
パスポートの期限切れ前の方がメリットあり!
パスポートの更新申請は有効期限の1年前から行うことができます。
できることならば、更新は有効期限が切れる前に行うことをおすすめします。
なぜならこの場合、必要なものは一般旅券発給申請書、パスポート用の写真、そして有効なパスポートのみとなります。
もちろん上記で述べたように、住民登録してあるところがパスポートを申請する都道府県と異なる場合や、氏名や本籍の変更に伴い、住民票や戸籍謄本を準備しなければならないこともあります。
しかしそうでない場合、たくさんの必要書類を持参して更新に臨む必要はありません。
パスポート期限切れ後の更新申請に必要な書類
パスポートの期限切れ後に更新を申請する場合、必要なものは以下の通りです。
- 必要なもの①:一般旅券発給申請書1通(共通)
- 必要なもの②:パスポート用の写真1枚(共通)
- 必要なもの③:戸籍抄本または戸籍謄本1通(期限切れの場合必須)
- 必要なもの④:身分証明書(期限切れの場合必須)
一般旅券発給申請書と写真は、パスポートが期限切れでない場合に更新するにしても、必要なものです。
しかし期限切れでない場合のパスポートを一緒に持参すれば、「戸籍抄本または戸籍謄本1通」、そして「身分証明書」を持参する必要はありません。
これらの2点はパスポートの期限が切れた後に更新する際に必要なものです。
また身分証明書として「運転免許証」、「写真付の個人番号カード」、写真付の住基カード」、そして「失効後6か月以内のパスポート」は単体として用いることができます。
しかし「健康保険被保険者証」、「国民健康保険被保険者証」、そして「国民年金手帳」の場合は「失効したパスポート」、もしくは「写真付きの学生証や会社などの身分証明書」と一緒に提出する必要があります。
そのため有効期限が切れてしまったパスポートを更新する場合、用意できる身分証明書の種類によっては多少手間がかかります。
パスポートの更新場所は?料金は同じ?
各都道府県のパスポートセンター(旅券センター)
パスポートの更新は、全国の「パスポート更新センター」で行うことができます。
また市町村の役所の窓口で、申請のみを受け付けているところもあります。
申請窓口では、特定の市町村に住んでいる人のみを対象としているところが多いために、この点をあらかじめチェックすることをおすすめします。
ちなみに更新に必要な料金は、どこで行っても同じです。
住民登録地以外での申請は可能?
住民登録地以外での申請は可能です。
しかし必要な書類を提出する必要が生じてきます。
それらは「戸籍抄本もしくは戸籍謄本」、「居所証明書」、「身分証明書」です。
居所証明書はパスポート申請窓口で受け取ることができます。
またなぜ住民登録地以外の場所でパスポートの更新を行わなければならないかの理由によって、必要な持ち物が代わってくることがあります。
たとえば学校や単身赴任のために数年間だけ住民登録地と異なる場所で生活しているときに申請を行う場合、学生証や社員証の提出が求められることがあります。
この点も事前に確認する必要があります。
パスポート更新期間と受取【料金は収入印紙で】
パスポートの受け取りは本人のみ
パスポートの申請は代理人でも行えますが、パスポートの受け取りは本人のみとなっています。
間違って他の人の手に渡ると様々な犯罪に使用される可能性もあるために、この点は厳しい制限が課せられています。
受け取り日時や時間は決まっていますので、指定されているパスポートセンターの情報を事前にチェックしておくべきです。
また郵送は行っていません。
パスポート受け取りまでの期間
パスポートの更新の申請から受け取りまでの期間は、パスポートセンターによって異なります。
そのためこの点も指定されたパスポートセンターの情報を、ホームページなどでチェックするべきです。
しかしたいていの場合、土曜日、日曜日、祝休日及び年末年始(12月29日から1月3日まで)を除いた平日の6日から8日後となっています。
そのため申請後、8日から12日程度で受け取れると考えてよいでしょう。
パスポート受け取りに必要な書類
パスポートを受け取る際、申請の時に渡された受理票(受領証)を持って行く必要があります。
これはいわゆる引換券のようなものですので、忘れることがあってはなりません。
そしてこのとき、手数料を支払います。
更新料金は収入印紙での支払い
手数料は全て収入証紙、及び収入印紙を受領証に貼付したもので支払います。
しかし)都道府県によっては現金払いとしているところもあります。
そのためこの点も申請を予定しているパスポート申請窓口に尋ねる必要があります。
【おまけ】収入印紙とは
収入印紙とは、国庫収入となる租税や手数料などを収めた証拠として政府が発行するものです。
切手のような形をしており、裏には糊が付いています。
パスポートの更新の場合は収入印紙を購入し、必要書類にこれを貼って提出します。
パスポートの更新は手間と旅行の予定を考えて行うべき
パスポートの更新を行うにあたり、まず考慮すべきなのは5年、もしくは10年パスポートを申請するかどうかです。
一度の旅行のためであるなら5年がおすすめですが、これから海外旅行を何度も行う予定の人は、10年の方が経済的でしょう。
少し面倒に感じられる更新申請ですが、有効期限が残っているうちに行えば揃えるべきものの数も減りますので、なるべくシンプルに更新したいという人は、有効期限内での更新がおすすめです。