北海道で絶景オーロラが見れる?
実は、海外に出向かずとも「北海道」でオーロラを観測することができることをご存知でしょうか?
実際に、オーロラを見ることができる条件の中に気温は関係ないと言われています。
その為、北欧やカナダなど寒さが厳しい場所でなくとも、本来であれば温かい気候の場所でも見ることができるのです。
しかし、大気が澄んでいる北海道が日本の中では一番キレイに見ることができるスポットとして、最近では多くの人に注目されているのです。
北海道で見れる可能性がある「低緯度オーロラ」とは?
北海道で見ることのできるオーロラは低緯度オーロラと呼ばれるオーロラとなります。
オーロラは通常、より高緯度の地域で見ることができる現象ですが、太陽の影響によって緯度が低い場所でも観測することができると言われます。
北海道で観測できた「低緯度オーロラ」は、太陽の表面で起きる爆発現象(フレア)が活発になったことによって、電気粒子が地球に降り注ぎ大気中の粒子との衝撃が広がりオーロラが発生しました。
言い換えると、オーロラは太陽の電気エネルギーが活発になると起こりやすい現象というわけです。
オーロラ多発観測国であるカナダや北欧は「高緯度オーロラ」に対し、北海道は真逆の「低緯度オーロラ」と言われており、種類自体が違うものなのです。
このオーロラは、カナダや北欧とは違い赤みがかかっている特徴を持っています。
この色合いは、オーロラ上部の酸素原子が太陽光との混ざりあいで暗赤色の光を生み出すので、日本では昔から「赤気(せっき)」とも呼ばれていました。
意外にも、昔からオーロラは北欧やカナダなどの海外だけではなく日本でも観測されている現象なのです。
その為、大気中の条件が合えばわざわざ海外へ出向かずとも海外とは違った特殊で貴重なオーロラを日本で見るチャンスがあります!
北海道で観測されたオーロラ
では実際に、北海道には今までにどのくらいのオーロラが観測されているのでしょうか?
最近北海道で観測されたオーロラ
最近観測されたオーロラとしては「2004年」と「2015年」に実際に観測されたことがあります。
2004年に観測されたオーロラは、名古屋大学太陽地球環境研究所の陸別観測所にてオーロラの撮影に成功しました。
2004年11月8日(午後5時~午後20時頃)にかけて観測でき、北野地平線から20度の位置にかけて空全体が明るく映る現象が起こりました。
また、同日午後8時~午後10時には、陸別上空できたから南の方角に向かって空全体が円のように映る現象も発見されています。
色合いはうっすらとした優しいピンク色が特徴となります。
その後、11年の時を経て、もっとも最近のオーロラが2015年に発生しました。
2015年のオーロラは、北海道名寄市なよろ市立天文台で低緯度オーロラの観測に成功しました。
2015年3月18日(午前0時半~午前4時20分頃)に観測でき、特徴としては北空の雲の向こう側に赤みがかかった特徴がありました。
うっすらしたオーロラですが、深夜から明け方にかけて夜明け前の青と赤色の空が絶景に見える長時間のオーロラ観測となっています。
オーロラが発生する大きな原因と言われているのは「電気を帯びた大量の粒子が地球上に飛来したことによるもの」です。
特に2015年のオーロラは、観測される3日ほど前に「太陽フレアの爆発」があったことによる影響が高いと言われています。
過去北海道で観測されたオーロラ
では、2004年や2015年の近年だけではなく、さらにさかのぼる過去にもいくつか北海道でオーロラが観測されていたという事実が残されています。
2000年4月7日(午前3時過ぎ)に、北海道の北空に赤色のオーロラが観測される
2000年11月7日(午前0時~5時頃)
2000年11月29日(午後10時50分~0時頃)
2001年3月31日(午後7時~翌4時頃)
2001年4月29日(午前1時~3時頃)
2001年10月22日(午前3時~4時頃)
2001年11月6日(午後9時~午前1時頃)
2001年11月24日(午後9時~翌1時頃)
このように、過去には1年の内に2回~多くて4回ものオーロラを北海道で観測することができています。
その為、近年の約11年ぶりのオーロラ観測はかなり長いスパンになりますね。
北海道で絶景オーロラが見れる時期は?
カナダや北欧の高緯度オーロラと違い、北海道は低緯度オーロラというオーロラの種類が違うので、オーロラが見れる時期も変わってきます。
一般的にカナダや北欧の高緯度オーロラは「8月中旬~9月末」や「11月~3月」で時間帯は「0:00~朝方の5:00頃」の間によく見られます。
それに比べて北海道の低緯度オーロラは「9月~4月」で時間帯は「20:00~23:00」にかけて観測しやすいと言われています。
大気や太陽の影響によって、条件が合う時は「1日で2~3回」のオーロラを観測できる可能性もあるのです。
北海道で絶景オーロラが発生する条件
北海道のオーロラが見れる季節としては、空気が澄んでいる秋~冬の季節に観測できますが、他にも北海道でオーロラが観測される条件がいくつかあります。
人口の明かりが少ない場所
北方角に障害物が無いこと
空気が乾燥していてよく晴れていること
太陽活動が活発なこと
まず大切にするべき条件は「場所の要素」です。人口の明かりはせっかくのキレイなオーロラの光が見えなくなってしまいます。
北海道であっても、都市部などの人がたくさんいる夜でも明るい場所はオーロラを観測できる可能性は低くなってしまいます。
もしキレイなオーロラが見たいのであれば、都市部ではなく都市から離れた郊外へ出向くことをおすすめします。
2つ目の「北の方角に障害物が無いこと」は、オーロラは通常、北の方角から徐々に観測できることが多いので、北の方角に大きなビルなどの建物があると観測しにくくなってしまいます。
その為、オーロラが発生した時にキレイに観測できる条件として拓けた場所はもちろん、北の方角に何も障害物が無いことも同時に確認することをおすすめします。
3つ目の「空気が乾燥していてよく晴れていること」では、北海道のオーロラに関わらず、オーロラの発生条件として空気が乾燥している大気で雲のない快晴時に発生することが特徴です。
最後の4つ目の「太陽活動が活発なこと」では、オーロラの発生条件である「太陽プラズマ」が大きく関係しています。
北海道の低緯度オーロラを見ることができるポイントとしては天気や季節もありますが「太陽フレアの活動が活発なこと」も大切なこととなります。
太陽活動が活発な時はオーロラを見ることができるチャンスなので、ぜひ太陽の様子も同時にチェックしてみましょう。
まとめると、北海道でキレイな絶景オーロラが発生しやすい条件としては「太陽フレア活動が活発で空気が乾燥した晴れた冬、明かりが少なく北の方角に障害物が無いこと」が絶景の北海道オーロラを観測できる重大な条件となります。
北海道で絶景オーロラが見れる発生場所は?
ではここで、北海道で絶景オーロラをするのに絶好な場所をいくつかご紹介します。
絶景ポイントで観測したい!と思う方はぜひ参考にしてみてくださいね。
北海道でオーロラが発生する場所①陸別町
2001~2003年、北海道で実際にオーロラが観測できたのが「十勝北部の陸別町」でした。
陸別町の特徴としては「標高が高いこと」と「日本一気温差が激しいこと」の2つがあります。
中でも陸別町は周りを山に囲まれた盆地地帯になるため、冬の季節には「最低-28.7℃」の記録もあるほど気温が下がるので「日本一寒さの厳しい街」とも言われています。
また、陸別町はオーロラ発生の確率が高いことから「オーロラの街」とも言われ、天文台などオーロラ観測体験をすることができる施設もあるのです。
特に北海道の低緯度オーロラは、「気温が低い場所で空気が澄んでいることや標高が高く北の方角に何も障害となるものが無いこと」がオーロラ発生の条件でもあるので、陸別町はその北海道のオーロラ条件にピッタリな場所となるのです。
北海道でしか見ることのできない絶景のオーロラ観測を希望するのであれば、陸別町は外せない観測スポットの一つです。
北海道でオーロラが発生する場所①名寄市
北海道オーロラが発生しやすいもう一つの観測スポットが北海道北部の名寄盆地に位置する「名寄市」となります。
2015年3月18日に「赤いオーロラ」が発生した場所が名寄市になり、年間で最も冷える冬の2月にはなんと「-30℃」の最低気温を記録する場所です。
名寄市の最大の特徴は「気温差が激しいこと」です。その為、寒い日に見られる「ダイヤモンドダスト」や「サンピラー」といった氷の自然現象が有名となっているスポットでもあります。
名寄市も「極寒の気温で空気が澄んでいること」から、晴れた日には低緯度オーロラを観測できるチャンスのあるスポットとなります。
北海道で絶景オーロラが見れる確率は?
一般的にオーロラを見る確率は「11年周期」と言われています。それは、オーロラの発生要因の一番とも言われる太陽フレアの活動周期と同じ周期になります。
北海道はどうでしょうか?現在では北海道でのキレイな絶景オーロラを見ることができる確率は「10年に一度」と言われています。
また、オーロラは一度見ることができれば「年に2~3回」は見ることができるという大きな特徴を持っています。
10年に一度、太陽や気温・大気の状況など様々な条件が重なった瞬間に見ることができるので貴重な瞬間ですよね!
キレイな赤い絶景オーロラが見たい!という方は、「しっかりとした準備+運」が絶景を見るチャンスとなります。
北海道でオーロラを見るためにしたいこと
北海道で絶景オーロラを観測できるのは「何年かに一度」と言われているほどです。できるなら、生涯に何回かしか見ることができない絶景になることもあるので、準備はしっかりしておきたいですよね。
ここでは、日本国内で唯一見ることができる北海道のオーロラを観測するためにしておきたい準備を3つご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
①太陽活動の情報を見ておく
北海道でオーロラ観測をする準備として「太陽活動の様子」をチェックしておくことが大切なポイントの一つです。
例えば、日本JAXAの「宇宙科学研究所」では、太陽の動きなどの活動状況を常時観測しているニュースを見ることができます。
太陽のフレア活動やプラズマが変化した時は、オーロラ観測予報などの情報も出ている可能性があるので、同時にチェックすることをおすすめします。
また、「宇宙天気予報センター」でも太陽活動やその他天気情報を随時チェックすることができます。
②科学ニュースの情報を見ておく
また、太陽の活動だけではなく最新の「科学ニュース」をチェックしておくこともオーロラの発生を予測することに大きく役立ちます。
科学専門雑誌や記事だけではなく、通常のニュース記事のチェックも大気の状態やオーロラをキレイに観測できる必要な情報となるので、できるだけ欠かさずチェックすることをおすすめします。
③天気予報を見ておく
北海道の絶景オーロラは太陽活動の動きだけではありません。天気や気候・気温の影響も発生の大切な要因となります。
3つ目のポイントとして「天気予報を見ておくこと」が大切です。
どれだけオーロラが発生する可能性が高まった日でも、雲行きが怪しく天気が悪ければキレイなオーロラを観察することは厳しくなります。
その為、日頃から3日後~1週間先までの天気予報はよくチェックしておきましょう。
北海道で絶景オーロラ観察のための準備物
ではここで、北海道の絶景オーロラを観測するために必要な準備物をご紹介します。キレイな写真を撮影したい方も、目に焼き付けたい方も、せっかくのオーロラを万全の態勢で観測できる必需品としてぜひ参考にしてみてくださいね。
北海道でオーロラ観察のための準備物①カメラ
何年かに一度しか見ることができない貴重なオーロラの一瞬を保存する「カメラ」はぜひ「オーロラ用」の設定のものを準備しましょう!
オーロラの光の特徴として「光が弱い」・「波のような特殊な動きをすること」の2つがあります。その為、デジカメやスマホのレンズの写真では、なかなか見た通りに映らない状態になってしまうのです。
もしオーロラをキレイに撮影したいのであれば、「シャッタースピードを10~15秒程度まで落とせること」・「光を捉える能力(ISO感度)を高く調節できるカメラ」・「広角の明るいレンズを選ぶこと」の3つに対応できるカメラを選びましょう。
北海道でオーロラ観察のための準備物②防寒具
北海道のオーロラは陸別町や名寄市などの気温が低く底冷えするような場所での観測となります。その為、しっかりとした「防寒具」を準備していくことが大切です。
防寒具は、登山用のものでもかまいませんが、できれば「動きやすく防風のもの」をオーロラ鑑賞用として選びましょう。
北海道に到着しても、場所によっては標高が高く気温もかなり違ってくるので、油断大敵です。
日本で見れる!北海道で絶景オーロラを楽しむ観測まとめ
北海道で観測することができる低緯度のオーロラは、海外で見るオーロラとはまた違った絶景を観測することができます。
気温や太陽フレアの活動など様々な発生条件はありますが、情報収集としっかりとした事前準備をすれば何年かに一回は観測することができるおすすめ神秘スポットです。
北海道でオーロラを見に行けるツアーなどもあるので、ぜひ、日本で唯一見ることのできる北海道で絶景オーロラ体験を体験してみませんか?