オーストリア言語、公用語は何??
オーストリア人の約9割がドイツ語を公用語として使用しています。
しかし、日常の口語で使われているのは標準ドイツ語ではなく、ドイツ南部等と同じ上部ドイツ語系(アレマン語、バイエルン語)の方言(オーストリアドイツ語)です。
ただし、オーストリアでもテレビやラジオの放送では特有の言い回しや訛りがありますが、標準ドイツ語が使われています。
新聞や教科書で使用されているのも標準ドイツ語です。
オーストリアはヨーロッパのほぼ中央に位置しドイツの南方にあります。
8つの国々と国境を接し、9つの州で構成されており、オーストリア国内でも地方により様々な方言があります。
オーストリア共和国の首都ウィーンの言葉は「ヴィーナリッシュ」と称される方言です。
かつてのオーストリア=ハンガリー帝国の領土だったハンガリー・チェコ・イタリアなどの言語の影響を受けていると言われています。
南部にはスロベニア人も居住しており、ドイツ語とスロベニア語の混成語である「ウィンディッシュ(Windisch)」という方言も話されています。
1918年、第一次世界大戦の敗戦と革命によりオーストリア=ハンガリー帝国が解体して「ドイツ・オーストリア共和国」となりました。
現在ではオーストリアとドイツ2つの国家ですが、元々は1つのゲルマン民族の国だったのです。
ドイツで話されているドイツ語とオーストリアのドイツ語は違う?
口語においては、同じドイツ語でもドイツ人が話すドイツ語とオーストリア人が話すドイツ語は基本的に違っています。
イントネーションとか単語や文法までも違うこともあります。
挨拶の言葉でも、日本のドイツ語講座で習うフレーズとは全く違うことがあります。
元々ドイツ語というのは地方差が大きい言語で、ドイツの中においても標準ドイツ語が日常的に話されているのはドイツのハノーファーの周辺のみです。
でも、標準ドイツ語をしっかり学んだ人は、どちらの国でも全く支障なく使うことができ、もちろん理解もしてくれるので心配いりません。
現地の人は発音を聞いただけで、その人がオーストリア人かスイス人(スイスも約70%がドイツ語を話す国)かドイツ人かはすぐに分かります。
ドイツ人の話すドイツ語はかなりハッキリとした発音ですが、イントネーションはこもったように口先で話すように聞こえます。
一方、オーストリア人のドイツ語は流れるような丸みのあるような発音です。
オーストリアでは英語は通じるの?
オーストリアでは、日本以外の外国からも旅行者が多く訪れるウィーンやザルツブルクは、概ね英語が通じると言えます。
海外旅行するときに気になるのが言葉で、特に英語圏以外の国々へ旅行するときは、不安になってしまいます。
観光地や大きな駅、空港以外は街中での英語の標識は少ないと言えます。
ただ、ドイツ語は英語と同じアルファベットで英語と共通する単語もあるので、比較的標識はわかりやすいですよ。
細い小道でもわかりやすく道の名前が記されているので、東京都内よりもむしろわかりやすい表示になっています。
ウィーンの中心部などの有名なレストランやカフェではメニュー表記は、英語だけではなく、日本語のメニューもあり助かります。
しかし、そのようなお店はあまり多くないので、立ち寄ったカフェやレストランでメニューが分かりづらい場合は、英語のメニューを用意してあるか確認してみましょう。
オーストリアの言語教育事情
オーストリアは、1774年に全国民を対象とする無料の公共教育制度を導入し、その結果、読み書きできる成人の割合(識字率)は、99%に達しています。
小学校の基礎教育に入る前に、幼稚園での教育が最低限の言語能力(ドイツ語)を身につける準備期間になっています。
幼稚園が義務教育の一環に組み込まれているので、6歳時点で入学して、1年以上の通園が小学校入学資格として法律で決められています。
オーストリアの一般的な教育システムは4-4-4制で、オーストリアの義務教育は幼稚園を含めて小学校から中学校までの9年間です。
日本の小学校にあたる基礎学校はフォルクスシューレ(Volksschule)と呼ばれ、国語としてドイツ語を学んでいます。
終了すると、中学校では4年制のハウプトシューレに進学し、義務教育を終えて、一般教育中高等学校で更に4年間の教育となります。
年齢が18歳位になると、入学試験を受けて大学に入ることもできます。
日常会話で使えるオーストリア語の数字の数え方
数字 | ドイツ語 | 読み方 |
---|---|---|
1 | elf | エルフ |
2 | zwölf | ツヴェルフ |
3 | dreizehn | ドライツェーン |
4 | vierzehn | フィーアツェーン |
5 | fünfzehn | フュンフツェーン |
6 | sechzehn | ゼヒツェーン |
7 | siebzehn | ジープツェーン |
8 | achtzehn | アハツェーン |
9 | neunzehn | ノインツェーン |
10 | zehn | ツェーン |
100 | einhundert | アインフンダート |
1.000 | eintausend | アインタウゼント |
10.000 | zehntausend | ツェーンタウゼント |
ドイツ語でも英語と同じように3桁ごとに新しい数字の単位となります。
ただし、英語と異なるのは、英語は3桁ごとに「、」を打ちますが、ドイツ語では「.」(ピリオド)を打つか、あるいは数字と数字の間にスペースを入れる場合もあります。
オーストリアの日常会話で使う便利な挨拶10選!
オーストリアを訪問した時の挨拶に役立つ言葉を紹介しています。
コミュニケーションのスタートである挨拶で覚えておきたいフレーズには、以下のものがあります。
- おはよう
- こんにちは
- こんばんは
- さようなら
- はい
- いいえ
- どうもありがとう
- ごめんなさい
- はじめまして
- 英語は話せますか?
例えば「こんにちは」に関しては、海外旅行であっても頻繁に使う言葉で、英語の「Hallo(ハロー)」でも十分通用します。
むしろ「Hallo」と挨拶することの方が多いかもしれません。
Gruess Gott(グリュースゴット)は「こんにちは」以外にも、「おはよう」や「こんばんは」にも使えるので汎用性が高い言葉です。
続いて、オーストリアの挨拶で覚えておきたいフレーズを、それぞれ詳しくみていきます。
おはよう
Guten Morgen
読み方:グーテン・モアゲン
これは、オーストラリアでは、あまり使わないのですが、次に示す「こんにちわ」を使った方がいいかもしれません。
こんにちは
Gruess Gott
読み方:グリュースゴット
昼間の時間帯に使える挨拶です。
こんばんは
Guten Abend
読み方:グーテン・アーベント
夕方からのレストランなどで使いましょう。
さようなら
Auf Wiedersehen
読み方:アウフ・ヴィーダーゼーン
英語を使うよりこちらを使った方が印象がいいですよ。
はい
Ja
読み方:ヤー
この言葉は基本中の基本です。
いいえ
Nein
読み方:ナイン
この言葉も基本中の基本です。
どうもありがとう
Danke schon
読み方:ダンケ・シェーン
必須の言葉ですね。
ごめんなさい
Entschuldigen Sie
読み方:エルトシュルディゲン・ズィー
状況を見ながら使いましょう。
はじめまして
Freut mich
読み方:フロイト・ミヒ
これも挨拶の定番です。
英語は話せますか?
Sprechen Sie Englisch?
読み方:シュプレッヒェン-ジー・エングリッシュ?
相手によって使う言葉ですね。
オーストリア語の日常会話でよく使う便利な言葉10選
では、オーストリアの日常会話で覚えておきたいフレーズをみていきましょう。
オーストリアの日常会話で覚えておきたいフレーズには、以下のものがあります。
- ◯◯をください。
- これはいくらですか?
- お会計をしてください。
- クレジットカードは使えますか?
- 写真を撮ってもいいですか?
- ◯◯に行きたいです。
- 旅行の目的を尋ねられて/観光です。
- 滞在日数を尋ねられて/◯日です。
- おすすめの料理はなんですか?
- おいしいです!
続いて、オーストリアの日常会話で覚えておきたいフレーズを、それぞれ詳しくみていきます。
◯◯をください。
ich brauche ein ◯◯.
読み方:イッヒ ネーメ ◯◯
買物の時に必要な言葉ですね。
これはいくらですか?
Was kostet das?
読み方:ヴァス コステット ダス?
お土産を購入する時に使用できますね。
お会計をしてください。
Zahlen, bitte.
読み方:ツァーレン ビット
レストランで食事を楽しんだ後、この言葉を使いましょう。
schoen(シェーン)を付けてると丁寧になるので、ビッテ・シェーンでも構いません。
クレジットカードは使えますか?
Kann ich mit Kreditkarte bezahlen?
読み方:カン イッヒ ミット クレディート・カルテ ベツァーレン?
写真を撮ってもいいですか?
Sie können ein Foto machen?
読み方:ズィー コネン アイン フォト マチェン?
絶景の観光スポットでは、この言葉を使ってインスタ映えする写真を撮りましょう。
◯◯に行きたいです。
Ich möchte◯◯ gehen.
読み方:イッヒ メヒテ ◯◯ ゲーエン
道に迷ったり、知らない場所に来てしまったときに、使えるフレーズです。
旅行の目的を尋ねられて/◯◯です。
Was ist der Zweck Ihrer Reise?/Eine ◯◯.
読み方:ヴァス イスト デア ツヴェック イーラーライゼ?/アイネ ◯◯.
入国審査の際に備えて、準備しておきましょう。
滞在日数を尋ねられて/◯日です。
Wie lange bleiben Sie?/◯ Tage.
読み方:ヴィー ランゲ ブライベン ジー?/〇 ターゲ
入国の時に聞かれたら、事前に返事を準備しておくと安心です。
おすすめの料理はなんですか?
Was empfehlen Sie?
読み方:ヴァス エンプフェーレン ズィー?
レストランで試してみましょう!
おいしいです!
Lecker!
読み方:レッカー!
つくった人に喜びが伝わる言葉ですね。
オーストリアで話されている言語、ドイツ語を覚えて楽しい旅行にしよう!
オーストリアにおいての言語事情や教育の外国語学習事情を見てきましたが、最低限のコミュニケーションには、ドイツ語を覚えて訪問することが楽しい旅に繋がります。
なにか困ったときや、「もう少し詳しく知りたい」と思ったら、やはりドイツ語の基本フレーズはかなり便利です。
日本と同じように方言はオーストリアにもありますが、基本のドイツ語を覚えていれば通じる世界です。
大都市や観光地では、英語を話す人、レストランでの英語メニューもあり、安心して、美しい国オーストリアを満喫することができますよ!