クロアチアの通貨はクロアチア・クーナ(Kn)
クロアチアは2013年7月にEUに加盟していますが、ユーロへの通貨統合は行われていません。
クロアチアの現在の通貨は「クロアチア・クーナ/Criatia Kuna」です。「Kn」と表記されます。補助通貨は「リーパ/Lipa」で、1クーナ=100リーパです。
2018年12月6日現在のレートは1クーナ=17.3円です。
クロアチアの紙幣は8種類。5クーナ、10クーナ、20クーナ、50クーナ、100クーナ、200クーナ、500クーナ、1,000クーナがあります。ただし5クーナ紙幣はあまり流通していません。
硬貨の硬貨は10種類。1リーパ、2リーパ、5リーパ、10リーパ、20リーパ、50リーパ、1クーナ、2クーナ、5クーナ、25クーナがあります。このうち25クーナ、1リーパ、2リーパ硬貨はあまり流通していません。
ユーロが使えるところもある
観光地やお土産屋さん、一部のレストランなどではユーロが使えるところもあります。それ以外のお店では基本的にクーナでの支払いになります。
クレジットカード
クロアチアはクレジットカードが普及しているため、多くのお店でクレジットカードを利用できます。ただし、青空市場やカフェ、アパートメントホテルなどでは現金しか利用できないところもあります。クレジットカードをメインで利用する場合でも、最低限の現金は準備しておきましょう。
チップ
クロアチアでは、一部チップが必要な場合があります。チップが必要なサービスと相場は下記のとおりです。
対象 | チップが必要な一般的なケース | 相場 |
---|---|---|
レストラン | サービス料が含まれていない場合 | 飲食代の10~15%程度 |
タクシー | 短距離を利用する場合 | おつりの小銭を渡す |
ホテル | ポーター、ルームサービス、ベットメイキング、コンシェルジュなど | それぞれ10~20クーナ程度(約173~346円) |
クロアチアの物価は日本に比べて高い?安い?
東欧は他のヨーロッパ諸国と比較して物価が安いことで知られていますが、クロアチアは他の東欧諸国(ボスニア・ヘルツェゴビナやモンテネグロなど)と比べると物価は高めです。外食や宿泊費など旅行客が支払うような費用は、西欧や日本とほぼ同じくらいの物価と考えてよいでしょう。
クロアチアの税金
その国の物価に大きく影響を与えるものに、税金があります。
クロアチアはEU加盟国であるため、EU圏内で物を買ったりサービスを利用したりした場合は、付加価値税(VAT)という税金が課せられます。
クロアチアの標準税率は25%で、パン・牛乳などの食料品や書籍などは5%、ホテルやレストランは13%の軽減税率が適用されています。
海外観光客の場合、「Tax Free」と表記のあるお店で1レシート740クーナ(約12,802円)以上の買い物をした場合、所定の手続きを行うことで還付が受けられます。ただし還付を受けることができる商品は、未開封のものに限られるので注意しましょう。
また2020年には、付加価値税の標準税率の引き下げが予定されています。
クロアチアは南部ほど物価が高い
クロアチアの物価は南部に行くほど高くなります。特にアドリア海に面したリゾート地「ドブロブニク」は、クロアチアの中でも特に物価の高い都市です。
例えば、ドブロブニクの博物館の入館料は100クーナ(1,730円)と圧倒的な高さです。ホテル代や外食代も高いため、ドブロブニクへ観光に行く場合は日本以上の出費を覚悟しておきましょう。
クロアチアの物価を日本の物価と比較【交通費|食費】
旅行に欠かせない主な出費は食費・宿泊費・交通費などです。それぞれ日本の物価と比較する形で見ていきましょう。
クロアチアの物価を日本の物価と比較:交通費
電車
クロアチアの電車は市内移動に利用されるトラム(路面電車)です。トラムは首都ザグレブにおいて現地の人の主な交通手段です。
トラムのチケットは市バスのチケットと共通です。移動区間に応じて料金が設定されている日本と異なり、クロアチアのトラムは同一路線以外であれば90分間乗り降り自由です。チケットの料金は以下のとおりです。
種類 | 料金 |
---|---|
キオスクや切符売り場での購入 | 8クーナ (約138円) |
バス車内でのチケットを購入 | 10クーナ(約173円) |
1日乗り放題券 | 25クーナ (約433円) |
1日に何回もトラムやバスを利用する場合は、日本の電車賃よりもお得です。バス車内チケットを購入する際はおつりが出ないので、ぴったりの金額を用意しておきましょう。
一方、人気観光地であるドゥブロヴニクにはトラムや電車が走っていません。市内の主な移動手段はバスかタクシーになります。
タクシー
クロアチアのタクシー料金は日本と比べると安めです。旅行者がタクシーを利用する多くのケースは、空港からホテルへの移動でしょう。
クロアチアの各空港から市内への料金の相場は下記のとおりです。
移動区間 | 料金 |
---|---|
ザグレブ空港ー市内 | 片道250~300クーナ(約4,325~5,190円) |
市内ーザグレブ空港 | 片道150~200クーナ(約2,595~3,460円) |
スプリット空港ー市内 | 片道約300クーナ(約5,190円) |
ドブロブニク空港ー市内 | 片道250~300クーナ(約4,325~5,190円) |
市内行きとザグレブ空港行きで料金に差があるのは、市内とザグレブ空港でタクシーの営業区域が異なるためです。
また、ドブロブニクでの市内移動でタクシーを利用する場合もあります。ドブロブニクには「スルジ山」という絶景スポットがあり、ケーブルカーの他にタクシーを利用するという手段もあります。
ケーブルカーの運休期間や、ケーブルカーでは通り過ぎてしまう絶景スポットに立ち寄りたい場合は、タクシーの利用をおすすめします。
ケーブルカー乗り場付近やピレ門前からスルジ山頂までのタクシー運賃の相場は、片道150クーナ程度(約2,595円)です。スルジ山頂上ではタクシーをつかまえることができません。帰りもタクシーで戻りたい場合は、ドライバーと交渉して乗ってきたタクシーで帰れるようにしましょう。
バス
クロアチア国内の長距離移動の主な交通手段はバスです。ザグレブ、プリトヴィッツェ、スプリット、ドブロブニクという主要4都市を結ぶルートが人気です。
主要な移動区間と所要時間・料金の相場は下記のとおりです。日本の高速バスとほぼ同程度の価格帯と考えてよいでしょう。
移動区間 | 所要時間 | 料金 |
---|---|---|
ザグレブ~プリトヴィッツェ | 約2時間~2時間30分 | 約100クーナ(約1,730円) |
ザグレブ~スプリット | 約5時間~6時間 | 約160~200クーナ(約2,768~3,460円) |
ザグレブ~ドブロブニク | 約10時間~12時間 | 約200~250クーナ(約3,460~4,325円) |
プリトヴィッツェ~スプリット | 約5時間~6時間 | 約135~170クーナ(約2,336~2,941円) |
スプリット~ドブロブニク | 約4時間~5時間 | 約130~160クーナ(約2,249~2,768円) |
クロアチアの物価を日本の物価と比較:通信費
クロアチアはFree WiFiが普及しており、空港や、カフェやホテルなど街中の多くの場所で利用可能です。ただし毎回パスワードを入力する必要があるため、面倒に感じることも。
その場合は現地で購入できるプリペイドSIMがおすすめです。1週間のデータ通信無制限で80クーナ(約1,384円)と、日本で海外用のWiFiルーターをレンタルするより安く済みます。
SIMカードはキオスク、スーパーマーケット、郵便局、ガソリンスタンドなどで購入できます。
クロアチアの物価を日本の物価と比較:コンビニ
コンビニ大国の日本と異なり、クロアチアにはコンビニがありません。食料品や日用品はスーパーや青空市場を利用しましょう。
お水
ミネラルウォーター(500ml)1本あたりの相場は約5クロアチア・クーナ (約87円)です。日本より少し安いといったところでしょうか。
クロアチアの水道水は安心して飲めるという情報もあります。しかしヨーロッパの水道水は硬水なので、軟水を飲みなれている日本人には飲みにくかったり、胃腸の弱い人はお腹を壊したりする場合もあります。
安全に水を飲むためにはミネラルウォーターを購入しましょう。
お酒
クロアチアではカフェとバーの機能を兼ね備えたタイプのカフェが一般的です。カフェでビールを飲む場合、1杯16~18クーナ(約277円~311円)とお得な価格になっています。
ただしドブロヴニクは非常に物価が高く、上記の倍以上かかる場合もあります。
タバコ
クロアチアは比較的喫煙率の高い国です。クロアチアのタバコは1箱20~26クーナ程度(約346円~450円)と、日本と同じくらいの価格です。
クロアチアでは法律によって、公共の場や、ホテル・カフェ・レストランでの喫煙が禁止されています。テラス席での喫煙は可能なので、カフェやレストランで喫煙したい場合はテラス席のあるお店に入りましょう。
クロアチアの物価を日本の物価と比較:レストラン
外食が中心となる旅行者にとって、レストランの価格は気になるポイントでしょう。クロアチアのレストランは、西ヨーロッパ諸国や日本と同じくらいの価格帯です。
例えば、一般的なレストランでメイン料理1品とアルコールドリンク1杯を注文した場合の相場は、70~150クーナ程度(約1,211~2,595円)です。
クロアチアの物価を日本の物価と比較:ローカルフード
クロアチアはアドリア海に面しているため、シーフードが有名です。代表的なものは「スカンピ」と呼ばれる手長エビで、リゾットやグリルに使われます。またタコのサラダも有名です。
スカンピのリゾットやタコのサラダで60クーナ程度(約1,038円)です。
クロアチア)の物価を日本の物価と比較:ショッピング
クロアチアのショッピングは青空市場がおすすめです。ザグレブ・ドブロブニク・スプリットなど主要都市の青空市場には、地元の人から観光客まで多くの人が集まります。
食料品やお土産など、町のお店より安く購入することができます。例えば、クロアチアでよく見かけるドライイチジクが1キロ40クーナ(約692円)と日本の約3分の1の価格で売られています。
クロアチアの物価を日本の物価と比較:観光・アクティビティ
クロアチアの人気観光地として有名なのが、世界遺産登録されている「プリトヴィッツェ湖群国立公園」です。日本から予約できるオプショナルツアーでは、ザグレブ発の日帰りツアーで195~230ユーロ(約24,960~29,440円)です。人気の観光スポットで移動にも時間がかかるため、価格は高めです。
またクロアチアでは美しい「青の洞窟」があります。スプリット発の日帰りツアーでは125ユーロ程度(約16,000円)で神秘を体験できます。
クロアチアの物価を日本の物価と比較:ホテル
クロアチアのホテルの価格はシーズンによって異なります。ハイシーズン(6~9月)のホテル価格の相場は以下のとおりです。ツアーパッケージで宿泊するホテルは、3つ星ホテルであることが一般的です。
ランク | 宿泊費 |
---|---|
5つ星ホテル | 約300~500ユーロ(約38,400~64,000円) |
4つ星ホテル | 約200~400ユーロ(約25,600~51,200円) |
3つ星ホテル | 約85~175ユーロ(約10,880~22,400円) |
2つ星ホテル | 約45~60ユーロ(約5,760~7,680円) |
アパートメントホテルやホステルなどでは、60ユーロ以下で格安に宿泊できます。複数人で共同利用するタイプのホステルでは、貴重品の管理に十分気を付けましょう。
クロアチアの物価を日本の物価と比較:スターバックス
旅行先の国のスターバックスに訪れることを楽しみにしている観光客の方も多いでしょう。しかし、残念ながらクロアチアには現在スターバックスの店舗はありません。
クロアチアの物価を日本の物価と比較:お土産
現地のお土産を買うことは、海外旅行の楽しみの一つです。クロアチアの定番お土産に、ダルマチア地方やイストラ地方原産のラベンダーグッズがあります。ポプリやエッセンシャルオイル、ラベンダーティーなど女性に人気のグッズが多く売られています。
ラベンダーグッズは町のお土産屋さんにも売られていますが、青空市場では格安に購入できます。ポプリだと一つ10クーナ(約173円)程度から購入できるので、ばらまき土産にはピッタリです。
ラベンダーの他にも、レースやいちじく製品、ネクタイなど多くの名産品があります。
クロアチアので特に物価が高いものと安いものは?
クロアチアので特に物価が高いもの
特定の商品やサービスで目立って物価が高いものは見当たりませんが、人気リゾート地「ドブロブニク」の物価はクロアチアの中でも非常に高いです。外食代やホテル代などは日本以上の出費を覚悟しておく必要があります。
どうしても出費を抑えたい場合は、スーパーを利用して食費を安く済ませるという方法もあります。またお土産も高いので、ドブロブニク以外でも買えるものはザグレブなど他の都市で買うようにしましょう。
クロアチアので特に物価が安いもの
クロアチアで物価が安いものは食料品です。特に名産品のプロシュート(生ハム)やチーズなどの乳製品はスーパーなどで日本よりも安く手に入るので、お土産にもおすすめです。
また、ピザもかなり安く食べることができます。Mサイズで20~30クーナ(約346~519円)と、日本の3分の1以下の価格です。
物価の安いクロアチアまでの渡航費用は?
日本からクロアチアまでの直行便はないため、ヨーロッパの他の国や中東を経由する必要があります。渡航費用は航空会社によって異なりますが、エコノミークラス往復で平均10~15万円程度です。シーズンによっては10万円以下で格安に購入できる場合もあります。
物価の安いクロアチアを旅行する予算の目安は?
クロアチア旅行の予算は、航空券やホテルのランク、日数によって異なります。例えば6泊8日で、エコノミークラスかつ3つ星ホテルに宿泊する一般的なプラン場合、予算は25~30万円程度を目安としておきましょう。
地域によって物価の異なるクロアチア
物価が安いと思われがちな東欧の国クロアチア。ドブロブニクなどの南部の地域では日本以上に物価が高いことをご理解いただけたと思います。
クロアチアには多少物価が高くても体験しておくべき観光スポットがたくさんあります。節約するところとお金をかけて楽しむところのメリハリをつけて、有意義な時間を過ごしましょう。