オーストラリアのチップ習慣
オーストラリアではチップを払う習慣はありません。
チップを払う習慣がある代表的な国としては、アメリカやカナダ、ヨーロッパ圏の一部の国などがあります。これらの国では習慣というよりは、ある意味義務に近い感じがあります。
特にレストランでは、気分の悪い接客を受けた時などを除いてほとんどの人が払っています。
チップを払う主な場所としては、レストラン、カフェ、ホテル、タクシーなど直接お客さんと接するサービス業が中心です。
というのも、例えばカナダではレストランで働くスタッフはチップがもらえるのを前提に、他の職種より最低時給を低く設定されています。
このため、チップも彼らの給料の一部というように考えられています。
この習慣と比較して、オーストラリアではどの職種も最低時給は統一されています。レストランやホテルなどではサービス代も日本と同じように、料金の一部として入っています。
このことからオーストラリアでのチップ習慣は、義務や必ずしも払わなければいけないものではありません。
良いサービスを受けたときに払う「お礼の気持ち」として考えられてます。
オーストラリアのレストランでのチップ
上記の解説からも分かるように、オーストラリア国内においてどのレストランや接客を伴うカフェでも、基本的にはチップを払う習慣はありません。
しかし、オーストラリア国内のほとんどのレストランやカフェにはレジのところに小さい箱が置かれています。
その箱の中には、小さい小銭や小さい金額のお札が入っています。
箱の外には「Tip」「Tip Box」「Thank you」などと書かれている場合もあります。
日本では一部のカフェなどを除いて、まずレジにチップ箱を置いているところはありません。
そのためはじめてこの箱を見ると、「チップを払わないといけないのかな?」「払わないと何か言われるのかな?」と思う人も多くいます。
仮に払わなくても、嫌な顔をされたり、不審に思われることはありません。
この箱は、あくまで良いサービスを受けたときに払うチップです。
もしくは現金で会計をし、小さい小銭がお釣として返ってきて、かつ良いサービスを受けたときに、小銭をチップとして、その箱に入れて帰る人もいます。
カジュアルなレストランはもちろん、カフェやファーストフードなど、全ての飲食店でチップを払う必要は基本的にはありません。
ただ例外もあります。
一流の高級レストランや、各テーブルに1人ずつスタッフが付くレストランなどではチップを払う人が多いのが現状です。
これらのレストランの場合、チップ箱はレジ付近に置いている場所はあまり見かけません。
会計時にお客さん自身が、チップの金額を上乗せして支払う場合が多いです。
この場合は、海外からの観光客や地元の人でも富裕層が多いです。
オーストラリアのホテルでのチップ
オーストラリアのホテルでもホテルの規模に関わらず、チップを払う習慣はありません。
基本的にはホテルの宿泊料金の中に、サービス料金が入っているからです。
ただ、
重い荷物を運んでもらった、
車を駐車場へ止めてもらった、
非常に良いサービスを受けた、
これらの場合は感謝の気持ちとしてチップを払う人が多いです。
これも主に、海外からの外国人観光客がチップを払う対象です。
額としては、小銭程度の小さい額から、とてもよいサービスを受けた場合は、チェックアウト時にホテルの料金に上乗せして払う人も多いです。
また、オーストラリアのホテルでは、部屋まで荷物を運んでくれる習慣はほとんどありません。
一部の高級ホテルなどを除き、チェックインした後は、鍵だけ渡され、自分自身で荷物を持って行くのが習慣です。
オーストラリアのタクシーでのチップ
オーストラリアのタクシーでは、チップを払っている人はほとんどいません。
仮に払うとすれば、
重たい荷物の出し入れをしてくれた、
はじめてのオーストラリア旅行で、タクシードライバーから観光地の場所などを教えてもらい、非常に良いサービスを受けた。
など、タクシーでも良いサービスを受けたときに「ありがとうの気持ちとしてチップを払う」これが習慣です。
この場合のチップは小銭程度の小さい額です。逆にお札で払うとタクシーのドライバーが驚いてしまうほどです。
オーストラリアでのチップの渡し方
では、最後に各場面でのチップの払い方と、平均的なチップの金額を紹介します。
基本的には、アメリカやカナダなどのチップ文化がある国と同じような払い方です。
現金でチップを払う
レストランなどの飲食店で現金でチップを払うときは、会計の後に払うことが多いです。
チップ箱があれば、そこに入れます。
笑顔で、「Thank you」などと言いながら、小銭を入れると店員さんもありがとうという風に笑顔で返してくれます。
「I don't need a change」お釣はいらないよ、とっておいてという人もいます。
また、帰る時にチップをテーブルへ置いて帰る人もいます。
チップの金額は様々ですが、10ドル以下が多く小銭でのチップが多いのも特徴です。
特に、旅行者には小銭は両替できないため、良いサービスを受けたときに、チップとして小銭を使うのもひとつの方法です。
クレジットカードでチップを払う
クレジットカードで会計をするときに、チップを一緒に払う人もいます。
会計時に、●●ドルです。と言われたときに、
チップ分を10ドル上乗せしてね。「plus $10 for tip」または「add $20」などとお客さん自身でチップの金額を指定します。
また、飲食代が48ドルだとしたら、2ドル加えて50ドルぴったり「I will pay $50 by credit card」で払う人もいます。
そうすると、店員さんが合計金額にチップ代を加えた金額をマシーンに入力し、後はお客さん自身が暗証番号を入力するだけです。
オーストラリアでは現金よりもカード社会のため、海外からの旅行者も含めて地元の人もこの支払い方が主流です。
直接店員さんにチップを渡す
これは特に良いサービスを受けた店員さんへ感謝の気持ちとして、直接チップを払いたいときに使います。
レストランでとても丁寧なサービスを受けたときに直接渡している人が多いです。
これも、会計時にあなたのサービスはとても良かった
「Thank you for your service」などと感謝の気持ちを伝えて、現金で渡す人が多いです。額は様々ですが、5ドルくらい〜とあまり大きい金額ではありません。
これはカジュアルなレストランやカフェではなく、中流以上のレストランで多く見られる光景です。
タクシードライバ―
タクシーで良いサービスを受けた場合は、荷物を降ろしてもらった後や、タクシーの料金を払った後に、改めてチップ代を払います。
このチップ料金は、現金で払う人が多く、小さい小銭が多いのが特徴です。
ありがとうなどと伝えながら、払うとフレンドリーなオーストラリア人も笑顔で返してくれます。
ホテル
ホテルでは荷物を運んでもらった時などに、直接支払うことが多いです。
荷物を運んでもらった後に、感謝の気持ちを伝えてから小さい小銭をチップとして渡す人も多いです。
また、連泊で部屋のベッドメイキングをしてもらうときに、あらかじめチップとして小さい小銭を部屋に置いている人もいます。
オーストラリアでのチップの不安を解消して楽しい旅に!
日本ではチップを払う習慣がないため、特に初めての海外旅行では払うタイミングやその時の英語が分からず、慌ててしまう人が多いのが特徴です。
しかし、少しでもチップのことについて知っておくと不安感なく、この場では払う、ここでは払わないというように自分自身で決めることができます。
不安を解消し、オーストラリアの文化や大自然を満喫してください。