キプロスってどんなところ?観光前に基本情報を知っておこう
日本ではあまり耳にすることがない観光地「キプロス」。
キプロスとは、地中海に浮かぶキプロス島や、島内にあるキプロス共和国のことで、美しいビーチと世界遺産、そして豊かな自然が人気のリゾート地です。
世界では人気の観光地のひとつですが、どんな場所かご存知ない方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はキプロスの魅力をたっぷりご紹介します。
まずは、キプロスの場所や行き方、歴史について詳しく見ていきましょう。
キプロスの地理
キプロス共和国のあるキプロス島は、トルコの南、東地中海にぽっかりと浮かんでいます。
トルコとエジプトのちょうど中間にあり、ヨーロッパからも近く、中東からも行きやすい場所として、世界各国から観光客が訪れる場所です。
島はだいたい四国の半分ほどで、地中海の島の中では3番目の大きさ。
地中海性気候で、夏はカラッと暑く、冬は涼しく、一年を通して明るく過ごしやすい島です。
キプロスは南北で国の自治が分かれており、キプロス共和国が治める南キプロスと、トルコにのみ独立国と認められている北キプロスに分断されています。
キプロス共和国の首都はニコシア。
島には山脈が多く、最も高い山は南キプロスにあるオリンポス山となっています。
キプロスの歴史
キプロスの歴史は非常に古く、紀元前3,000年以上前から続くとされています。
周りを国に囲まれたキプロスは、長い歴史の中で他国の支配下に置かれ、さまざまな文化を取り入れてきました。
そのため、古代の重要な遺跡やギリシャ神話ゆかりの地なども残っており、小さな島の中に3つの世界遺産を持つ貴重な地としても有名です。
過去には、古代ローマ帝国やギリシャ、オスマントルコなどの大国の支配下にあったキプロス。
ヨーロッパ、中東、トルコの中間地点にある重要な貿易港として栄えてきました。
1878年からはイギリスの支配下に置かれていましたが、1960年、ようやく独立しキプロス共和国が誕生します。
しかし、数年のうちにトルコ軍がキプロス北部を制圧されたことから、南北に分断されてしまいました。
現在でも、南キプロスと北キプロスの間には、グリーンラインと呼ばれる境界線があり、国連軍が常に監視している状態なのです。
キプロスへの行き方
日本からキプロスまでの距離は、なんと約9,000km!
直行便がないため、飛行機を乗り継いでキプロスまで行きます。
キプロスの空港は南に2つ、北に1つの計3つあります。
その中で最も利用しやすいのは、南キプロスにあるラルナカ空港です。
ラルナカ空港行きの便は、乗継が1回で済むものが多く、成田空港からの便も多数。
移動時間を短く、価格も安く抑えられますよ!
空港からキプロス市内までの交通の便もよく、首都ニコシアまでのバスも出ています。
空港内は広くてキレイで、免税店などのお土産屋さんもありますよ。
キプロスまで観光に行くには、飛行機の乗継が必須です。
乗継をする都市は、航空会社によって変わります。
航空会社 | 乗継をする空港 | 空港のある都市 |
---|---|---|
アエロフロートロシア航空 | シェレメーチエヴァ空港 | モスクワ |
S7航空 | ドモジェドヴォ空港 | モスクワ |
LOTポーランド航空 | フレデリックショパン空港 | ワルシャワ |
エミレーツ航空 | ドバイ空港 | ドバイ |
カタール航空 | ドーハ空港 | ドーハ |
便数が多いのは、モスクワ経由のアエロフロートロシア航空とS7航空の2つですが、空港の評判があまり良くないため、理由がない限りは選ばない方が良いでしょう。
おすすめの乗換地は、ドーハ空港とドバイ空港です。
カタールにあるドーハ空港は、乗継空港として利用されることが多く、乗継客にとって便利な空港のひとつです。
空港内はとても広く、静かに休める場所も多いのもおすすめできるポイントのひとつ。
無料のインターネットスペースや、足を伸ばして座れる休憩スペース、レストラン、入国審査なしで泊まれるホテルまであります。
日本からは入国ビザなしでカタールに入国できるので、乗継に時間のかかる場合は、カタール市内の観光も簡単にできます。
空港内で働く人々も陽気で、基本的に皆さん笑顔です。
目が合うと手を振ってくれることもありますよ!
もうひとつのおすすめは、世界最大規模の国際空港でもあるドバイ空港。
世界各国から乗り継ぎの観光客があつまるドバイには、便利な施設がたくさんあります。
空港は近代的で、他とはスケールが違います。
広いラウンジはもちろん、世界各国の料理が楽しめるレストランや免税店、キッズルーム、ホテル。
そしてなんと無料のシャワールームまで!
キプロスに到着するまで1日以上かかる場合が多いため、途中でシャワーを浴びられるのは嬉しいですよね。
キプロスの観光ツアーにも様々な種類があるので、悩んでいる場合は航空会社や乗継の空港で選んでみてはいかがでしょうか。
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分断されているキプロス。治安や物価はどうなの?
キプロスの南北間では、いまだに紛争が続いています。
そのため、観光するとなると治安が気になるところですよね。
キプロスの治安は、実は比較的良いと言われています。
世界各国から観光客も多いので、気を付けていれば十分問題ありません。
特に南キプロスはEU加盟国でもあるため、ヨーロッパのような雰囲気が漂っています。
紛争しているとは思えないほど穏やかに過ごすことができますよ。
ただし、観光客を狙ったスリや置き引きなどはあるので、注意が必要。
パスポートやお財布など、大切な貴重品は外から見えないようにし、肌身離さず持っておきましょう。
特に、北キプロスではパスポートの再発行が不可なので、より注意が必要です。
また、お店やタクシーなどでは、ぼったくりの値段を取られることもあるので、事前に値段を確認するなどしておくことをおすすめします。
物価はヨーロッパなどと比べると安い上に、EU加盟国のためユーロが使えます。
リゾート地のホテルやレストランは日本と同じくらいか少し高いですが、クレジットカードを利用できるお店も多いです。
レストランで食事をする場合は、ワインなどの飲み物代も含めて1食15~20ユーロ(2~3,000円)程度。
水やパンなど簡単な食べ物を買うのであれば、1ユーロ(120~130円)で購入することができます。
北キプロスでもユーロが使える場所が多いですが、基本の通貨はトルコリラです。
1ユーロ=6トルコリラ程度(2018年12月時点)だと覚えておくと、支払いの時にスムーズに使えますよ。
南キプロスと北キプロスは自由に移動できるの?観光する時の注意点。
キプロスはグリーンラインによって南北に分かれているものの、南キプロスと北キプロスの間を自由に行き来することができます。
南北を移動するためには、クロスポイントと呼ばれる検問所を通る必要があります。
検問所は、南キプロスの首都ニコシアの旧市街地にあり、そこでパスポートをチェックしてもらうことで、境界線を越えることが可能です。
紛争地域ということですが、検問所は全く重々しい雰囲気はなく、観光客や地元の人たちも自由に行き来していますよ。
ただし、パスポートの紛失にはご注意を!!
北キプロスではパスポートの再発行ができません。
パスポートを狙ったスリや置き引きもあるため、カバンに入れておくのではなく、身に着けて歩くようにしてください。
きれいなビーチや世界遺産も!キプロスの人気観光地13選!
それでは、さっそくキプロスの人気の観光地をご紹介します。
キプロスには、美しい砂浜のあるビーチや、世界遺産など、様々な観光地があります。
- ペトラ・トゥ・ロミウ(ギリシアの岩)
- パフォス城
- パフォス考古学公園
- 王族の墓
- トロードスの壁画と聖堂郡
- キッコー修道院
- ヒロキティア遺跡
- レフカラ村
- アヤナパ
- セミリエ・モスク
- ギルネ(キレニア)城
- ファマグスタ
- ニコシア市街地(南キプロス)
それでは、キプロスの観光地を、ひとつずつ詳しく見ていきましょう!
キプロスの観光地①:ペトラ・トゥ・ロミウ(ギリシアの岩)
ギリシャ神話ゆかりの地としても有名なキプロス。
キプロス南西、都市パフォス近郊の村「クークリア」の海岸線には、「アプロディーテ」が誕生した地、ペトラ・トゥ・ロミウと呼ばれる岩があります。
アプロディーテは、日本で「ビーナス」の愛称で有名な神話の神。
美しいビーチで遊びながら、神話の世界を楽しんでみてください。
ペトラ・トゥ・ロミウ(ギリシアの岩)
住所:Kouklia, Paphos, Petra tou Romiou, Cyprus
入場料や利用料:無料
キプロスの観光地②:パフォス城
キプロスに来たら、必ず観光したいのが都市パフォスです。
ペトラ・トゥ・ロミウから車ですぐの場所に、海岸に面して建つパフォス城があります。
潮風によって劣化した外壁が長い歴史を物語っており、パフォスにある他の遺跡とともにユネスコの世界遺産に登録されています。
入場料を支払えば、城内を見学することも可能。
城内から屋上へ登れば、地中海を一望することができますよ。
青い海に佇むパフォス城は一見の価値ありです!
パフォス城
住所:Kato Paphos Harbour, Coastal Broadwalk, Paphos, Cyprus
電話番号:̟+357-26-306217
営業時間:8:30~17:00
定休日:不定休
入場料や利用料:2.5ユーロ
キプロスの観光地③:パフォス考古学公園
パフォスの見どころといえば、忘れてはいけないのがパフォス考古学公園。
考古学公園は都市パフォスのカト・パフォス地区にある広大な野外博物館です。
パフォス城とともに世界遺産に登録されている観光名所で、古代から中世にかけての貴重な遺跡を観ることができます。
ギリシャ神話のワンシーンを描いた美しいモザイク画や灯台、城跡など、日本では観られないものばかりです。
特にテセウスの家やオルフェウスの家、アイオンの家にあるモザイク画は必見!
建物の柱もそのまま残っており、当時の建築物の大きさを感じられますよ。
何時間いても飽きないほどたくさんの作品があるので、ゆっくりと時間をかけて観てほしい観光スポットです。
パフォス考古学公園
住所:Kato Paphos, Cyprus, Archaeological park
電話番号:+357-26-306217
営業時間:8:30~17:00
定休日:不定休
入場料や利用料:4.5ユーロ
キプロスの観光地④:王族の墓
パフォスの海岸線、考古学公園よりも西に行くと、王族の墓跡があります。
広大な土地には様々な墓の跡があり、地下に降りることも可能です。
王族の墓という名前ではありますが、墓自体は誰のものかわかっていません。
ただ、柱の大きさや土地の広さなどを見ると、身分の高い一族の墓であることが窺えますね。
かなり広いので、時間がある人におすすめ!
ぜひ近くでじっくりと見ていただきたい観光地です。
王族の墓
住所:Paphos, Cyprus, Tombs of the Kings
電話番号:+357-26-306295
営業時間:8:30~17:00
定休日:不定休
入場料や利用料:2.5ユーロ
キプロスの観光地⑤:トロードスの壁画聖堂郡
南キプロスにあるトロードス地方は、美しい街並みが人気の観光地です。
トロードスには、歴史的建造物である大聖堂が多く残っており、世界遺産としても登録されています。
特に、聖ニコラウス大聖堂や聖イオアン修道院、アシィヌの生神女聖堂、大天使ミハイル大聖堂などは、人気の観光地となっています。
建物自体のすばらしさはもちろん、天井や壁に描かれたフレスコ画も圧巻!
撮影は禁止となっているので、ぜひ生で見ていただきたいです。
ただし、教会のひとつひとつが離れているため、レンタカーなどを借りるのがベストです。
トロードスの壁画聖堂郡(聖ニコラウス大聖堂)
住所:Agios Nicolaos, Cyprus, Agios Nikolaos tis Stegis
営業時間:不明(要問い合わせ)
定休日:不定休
入場料や利用料:無料
キプロスの観光地⑥:キッコー修道院
トロードス地方の修道院として最も人気なのがキッコー修道院です。
世界遺産に登録されてはいないものの、美しい石畳の外壁や、モザイク画は見る価値があります。
修道院内は、静かな佇まいの外観とは異なり、豪華絢爛。
イコン(キリストや聖人、聖書の一場面などを描いた画像)や美しい壁画も飾られています。
修道院の周りも観光スポットとして人気で、レストランやお土産屋さんなども多数あり、賑わっています。
キッコー修道院
住所:F966, cyprus, Kykkos Monastery
電話番号:+357-22-942435
営業時間:要確認
定休日:不定休
入場料や利用料:要確認
キプロスの観光地⑦:ヒロキティア遺跡
キプロスの観光地ヒロキティア遺跡は、パフォス、トロードスとともに世界遺産に登録されています。
ヒロキティアは、キプロスの遺跡の中でも古く、新石器時代の遺跡が見られる場所です。
広大な敷地には当時の住居跡や墓跡などがあり、人々の生活の様子を窺うことができます。
実際に歩いて見学できるのもヒロキティア遺跡ならではです。
ヒロキティア遺跡
住所:Choirokoitia,Cyprus
電話番号:+35722-865888
営業時間:8:30~17:00
定休日:不定休
入場料や利用料:2.5ユーロ
キプロスの観光地⑧:レフカラ村
キプロスのレフカラ村は、世界でも有数の美しい街並みを持つ村です。
小さな村ですが、その美しさは本当に素晴らしく、青い海と青い空に映える石畳の外壁が、異世界へ来たかのように思わせてくれます。
レフカラ村は、質の良いレースの生産でも有名。
村には多くのレース店があり、お土産としてもおすすめです。
レフカラ村
住所:[Pano Lefkara, Cyprus
キプロスの観光地⑨:アヤナパ
リゾート気分を味わいたいなら、キプロスの人気ビーチ、アヤナパがおすすめです。
アヤナパはヨーロッパからの観光客も多く、欧州のような雰囲気が味わえますよ。
アヤナパはビーチ以外にも、アヤナパ修道院や海の洞窟など、観光名所も豊富。
リッチな時間を過ごしたいなら、ぜひ訪れてみてください。
アヤナパ
住所:Agia Napa, Cyprus
営業時間:24時間
キプロスの観光地⑩:セリミエ・モスク
南キプロスからクロスポイントを通り、少し歩くと、背の高い建築物セリミエ・モスクが見えてきます。
セリミエ・モスクは、南北の境界線沿いの都市ニコシア(レフコシア)にあるイスラム教寺院です。
13世紀に建てられた修道院をモスクとして改築しています。
素晴らしい外観と、遠くからでも見えるトルコと北キプロスの旗。
紛争を感じさせつつも、建造物の美しさは圧巻です。
セリミエ・モスク
住所:Selimiye Sk, Lefkoşa,Cyprus
営業時間:礼拝中以外
定休日:不定休
入場料や利用料:寄付金
キプロスの観光地⑪:ギルネ(キレニア)城
北キプロスの都市ギルネに建つギルネ城。
トルコ語ではキレニア城とも呼ばれています。
このギルネ城は、十字軍によって建てられ、その後改築や修復をしながらキプロスの歴史を伝え続けています。
城内にも入場することができるので、城塞の雰囲気を味わうこともできますよ。
ギルネ(キレニア)城
住所:Küpdemir Sk, Girne, Cyprus, Kyrenia Castle
営業時間:要確認
定休日:不定休
入場料や利用料:要確認
キプロスの観光地⑫:ファマグスタ
北キプロスの東海岸沿いにある都市ファマグスタは、美しい修道院と古代ギリシャ時代の遺跡がある人気の観光地です。
サラミス遺跡では、古代ギリシャやローマ時代に造られた円形の劇場や浴場などが拝見できます。
また、現在モスクとして利用しているラーラ・ムスタファ・パシャ・モスク(旧聖二コラ大聖堂)があります。
ファマグスタ
住所:Gazimağusa, cyprus
営業時間:要確認
定休日:不定休
入場料や利用料:要確認
キプロスの観光地⑬:ニコシア市街地(南キプロス)
最後にご紹介するのが、キプロス共和国の首都ニコシアです。
キプロスの街並みや雰囲気を感じるなら、まずはニコシアを観光してみてください。
南キプロスから北へと渡るメインストリートリドラス通りには、色とりどりの旗が。
ここを通り、クロスポイントを抜けることで、北キプロスへ行くことができます。
市街地を囲む城壁やキプロスの歴史を学べる博物館、修道院など、人気の観光スポットも多数。
目的なく歩くだけでも楽しめる都市です。
ニコシア リドラス通り
住所:Ledras 62, Nicosia, Cyprus
キプロスで観光するならベストシーズンはいつ?冬でも楽しめる?
キプロスは1年を通して穏やかな気候で、特に夏はカラッとした気持ちの良い暑さで、晴れの日が多いのが特徴です。
リゾート地としてバカンスを楽しむなら、やはり6月から9月がおすすめです。
冬は、最低気温がマイナスになることもあり、雪が降ることもしばしば。
そのため、スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツを楽しむことができます。
キプロスでどのように楽しみたいのかによって、観光する季節を決めてみてはいかがでしょうか。
キプロスは観光だけじゃない!ワインや食事も楽しもう!
キプロスでは、地中海でとれた新鮮な魚介類を使用した料理がたくさん!
パエリアやピザなど、ヨーロッパ風の料理がおすすめです。
また、島ではワインも造っており、甘みが強く、飲みやすいワインが楽しめますよ。
ワインが苦手な方でも飲みすぎてしまうほど絶品だとか。
地中海の景色を楽しみながらの一杯は最高ですね。
他にも、日本でも密かなブームになっているハルミチーズという塩漬けのチーズもキプロスの特産品。
ワインのつまみにぜひ食べてみてください。
人気の観光地キプロスで地中海バカンスを。
キプロスは、いまだに南北に分かれて紛争の影響を引きづっていますが、観光地としては平和そのもの。
美しいビーチと世界遺産、そして宗教も人種も異なる南北の雰囲気を存分に味わうことができます。
英語も通じるので、初めての海外旅行にもおすすめです!
人気観光地キプロスで、地中海の島国の魅力を存分に味わってみてください。