【チップの前に】フランスの通貨は?
フランスでのチップの払い方をお伝えする前に、フランスで使われている通貨をご紹介します。
フランスの通貨単位は、ヨーロッパの12ヶ国で使用できるユーロです。
ユーロは€と表記されます。
2019年7月現在、1ユーロはおよそ121円なので、1ユーロ=100円くらいと思って使うと思わぬ出費になってしまって危険なので注意が必要。
ユーロを100分割した、ユーロより細かい単位・補助通貨のことを一般的にはcent(セント)と呼びますが、フランス語圏ではcentime(サンチーム)と呼びます。
発音はどちらかと言うと“ソンチーム”に近いので、聞き取る際は注意してください。
ユーロの硬貨は2ユーロ、1ユーロと50,20,10,5,2,1サンチームの8種類あり、主に2ユーロから20サンチームまでの硬化をチップとして使用する場合が多いです。
ちなみに、チップと言っても通用する場合が多いですが、フランス語でチップをPourboir(プルボワ)と言います。
フランスでチップは必要?
アメリカでは、レストランのウエイター等はレストランから払われるお給料よりも、客から支払われるチップで生計を立てている、といったイメージが強いですが、フランスでチップは必要なのでしょうか。
結論から言うと、フランスはそこまでチップ社会ではないため、フランスでチップは必ずしも必要な訳ではありません。
レストランやホテルはほぼ、サービス料金が請求される料金に含まれています。
ただし、スーツケース等の重たい荷物を運んでもらう等の様に特別なサービスをうけた場合や、高級レストランでの食事、また、良いサービスを受けたと思う時は支払うのが良いでしょう。
義務というよりは、サービスに対して感謝やお礼の気持ちを表す一番良い手段になるのがチップです。
ただし、フランスは日本ほどサービス業に過剰なサービスを期待ができません。
ひどい接客をされることも日常茶飯事なので、普通のことを普通にしてもらえただけでもお礼の気持ちとしてチップを渡すことをおすすめします。
フランスのチップ相場と渡し方①タクシー
それでは、フランスのタクシーでのチップの渡し方はどの様にすれば良いでしょうか。
解説していきます。
料金の5〜10%程度
フランス旅行でタクシーを利用する際、大きなスーツケース等の荷物を荷台に運んでもらったり、降ろしてもらったりする場合があると思います。
そういったサービスを受けた場合、タクシー料金の5~10%、もしくは1つの荷物につき1~2ユーロを渡すと良いでしょう。
最後の支払いの際に、チップの料金を上乗せした料金を支払い、「お釣りはいりません。」という意味の“Gardez la monnaie.(ギャルデ ラ モネ)”と言うのがスマートです。
ちょうど良い料金を渡せない場合は、おつりを貰ってからチップ分だけ“Merci(メルシー)”といって渡すのも。
フランスのチップ相場と渡し方②レストラン
フランス旅行の楽しみのひとつ、レストラン等での食事。
フランスのレストランではどの様にチップを渡せばよいのでしょうか。
こちらではフランスのレストランでのチップの相場と払い方をご紹介します。
バーテンダー:1〜3ユーロ
レストランやカフェでは、カウンターでバーテンダーに直接注文するスタイルのお店もフランスには沢山あります。
バーテンダーに飲み物を注文して、飲み終わった際にカウンターか、お皿(綺麗な場合)に置いておくのがスマートです。
ただ、フランスはそこまでチップの文化は無いため、3ユーロは多すぎる場合も。
会計時スマートに50サンチームから1ユーロくらいの金額を切りの良い数字になる様調整して渡すのも良いでしょう。
ウェイター:1〜3ユーロ
フランスではチップは義務ではないので、良いサービスを受けた時にその対価とした支払うもの、という認識が強いです。
なので、もし接客してもらったウェイターが呼んでもなかなか来なかったり、接客態度がいまいちだと感じた場合は支払う必要はありません。
もし、親切で気持ちのよい接客をしてもらったと感じた場合は1~3ユーロをテーブルに残しておきましょう。
タクシーでのチップの渡し方同様、チップ料金を足した金額を渡し、“Gardez la monnaie.(ギャルデ ラ モネ)”と言うのもおすすめです。
高級レストラン:料金5〜10%程度
フランスの高級レストランでのチップは、食事代金の5〜10%を上乗せして払うと良いでしょう。
現金払いの際は、チップの代金を含んだ金額を渡し、お釣りがいらない旨を伝えましょう。
カード払いの際は、支払いのための伝票をテーブルに持ってこられたらその伝票に、請求額にチップを加えた金額を書き込むか、あらかじめ用意されたチップの欄にチップ金額を書いてカードを渡しましょう。
クレジットカードの読み取り端末にあらかじめ請求金額を入力して持ってこられた場合には、カードでは請求金額のみを払い、テーブルの上にチップ分のお札を置いて出ると良いです。
フランスのチップ相場と渡し方③ホテル
フランス旅行でホテル滞在は欠かせません。
こちらでは、フランスのホテルでのチップの渡し方についてご紹介します。
ベルボーイ:1〜2ユーロ
ベルボーイはフロントから部屋まで、荷物を持って案内してくれます。
荷物はたとえカートで運んでもらったとしても、カートへの上げ下ろしは重労働。
荷物につき1〜2ユーロを、ベルボーイが帰る前にお礼を言う際に渡しましょう。
ドアマン:1ユーロ
パリ等、フランスのホテルは古い建物の場合が多く、入口が階段になっていたり、あまり広くなかったりする場合が多いです。
そういった際にドアマンが荷物を持ってフロントまで誘導してくれます。
フランスの空港からタクシーで直接ホテルに行った際には、タクシーから荷物を預かってくれる場合も。
そうやってお世話になった際には、こちらもお礼を述べる際に1つの荷物あたり1ユーロほどチップを渡しましょう。
ハウスキーパー:1〜2ユーロ
連泊する際、フランスでもホテルの部屋を日中綺麗にハウスキーピングしてくれます。
ハウスキーパーさんへのお礼の気持ちを込めて、1〜2ユーロのチップを、部屋を出る際に枕元やテーブルに置いておくのがおすすめ。
ただ、フランスではホテルの部屋にチップを置く風習があまり浸透しておらず、お客さんが置いてるだけだと思われてそのまま置かれていることも。
Merci.と書いた紙を添えて置いておくと受け取ってもらいやすいかもしれません。
高級ホテルの場合は5ユーロほど置いておくのがおすすめ。
ルームサービス:1〜3ユーロ
ルームサービスも、フランスでは主にホテル代金にサービス料が含まれているため、ルームサービスを持ってきたポーター等は必ずしもチップがもらえることを期待している訳ではありません。
けれど快いサービスを受けたら運んできてくれたお礼に1〜3ユーロ渡すと良いでしょう。
コンシェルジュ
高級ホテルではコンシェルジュがいて、おすすめのレストランを教えてもらえたり、予約を取ってもらえたり、ショー等のチケットの手配をしてくれます。
そういったサービスを受けた場合、かならずチップを渡しましょう。
フランスではチップは義務ではありませんが、スムーズに快適な旅行の手助けをしてくれたお礼に、必ずサービスを受けた人1人あたり2ユーロ以上渡した方が良いでしょう。
フランスでチップは義務ではないけれど、お礼の気持ちを表す最大の手段
フランスではチップは必ずしも絶対渡さないといけないものではありません。
しかし、お礼の気持ちを最大に表すコミュニケーションツールとして、サービスを受けた場合はフランスでもチップを積極的に渡すのがおすすめです。
数サンチーム等といった少額は渡すと返って馬鹿にしていると思われる場合もありますが、チップを貰って嬉しくない人はあまりいないので、チップ文化のあまり盛んではないフランスであってもなるべくスマートにチップを渡しましょう。