コサックダンスについて
コサックダンスとは?
コサックダンスは、腕組をしてしゃがみながら、交互に片脚を前に蹴り上げるダンスです。
一度は、みなさんもコサックダンスを試したことがある人もいるのではないのでしょうか。
この特徴的なステップは、多くあるステップのひとつで、他にもさまざまなステップやポーズがあります。
コサックダンスは、リズムカルでテンポの早い音楽に合わせて踊ります。
踊りの終盤には、テンポが激しくなり賑やかな行進曲になり高度なテクニックと身体能力の高さが求められます。
また、コサックダンスはオペラやバレエの一部にも取り入れられています。
コサックダンス発祥の国は?
コサックダンスは、ロシアのダンスと思い浮かべてる方も多いと思いますが、実はウクライナが発祥です!
もちろんロシアでもコサックダンスは踊られますが、元々コサックダンスはウクライナ語で「ホパーク」と呼ばれるウクライナの民族舞踊です。
コサックダンスの伴奏曲は、ウクライナの民謡やロシア民謡に合わせて踊る事が多いです。
コサックの意味は、「自由の人、放浪者、盗賊」の意味があり、ホパークは、「踏み込んで踊る」という意味があります。
コサックダンスは、コサック人のダンスなのですが、コサック人とはどこの人でしょうか。
コサック人の起源は所説ありますが当時、帝国ロシアの厳しい農奴制から逃れた農民や没落貴族や遊牧民、または元犯罪者によって自治共同体を編成したウクライナと南ロシア地方に住む人々の事を指します。
コサックダンスの歴史
コサックダンスの原型は、13世紀半ばにウクライナを侵略したモンゴル人によって持ち込まれた東洋武術が、16世紀初頭にウクライナ・コサック自治体により身体を鍛える曲芸的なテクニックに変容しました。
ダンスのステップは即興的で、スピード感や強さを表現していました。
なので、当時は勇敢さや身体能力、身体を鍛える為に取り入れていたので、男性のみの踊り兼武術として発展しました。
その後、民衆の間でも広く浸透し17世紀末にはウクライナの儀式舞踊の要素が加わり踊り手は男女が円の形やペアで一緒に動く振付になり、軍人の為の武術的踊りは次第に衰退していきました。
女性は、簡単なステップを踊り、揺れ、拍手や輪をつくりクルクルと回り、男性は、軽やかでスピード感のあるステップに、ジャンプや高速回転ターンなどを競争的に踊ります。
そして遂に、18世紀にロシア帝国によってコサックダンスは廃止され衰退。
男女の儀式的な舞踊として、ウクライナの農村部に残り、19世紀には農民の劇場で演じられるようになり、プロの劇団の演目にも取り入れられ人気に。
1832年には、オペラの「ナタール・ポターウカ」の中で初めて披露されたことをきっかけに、コサックダンスへの関心が世間に一気に高まりました。
現代のコサックダンスは、20世紀初めにウクライナ音楽者ヴィスィーリ・ヴェルホヴィーネツイの研究成果により復元を果たし私たちが目にすることができるのです。
また、ウクライナ武術としてコサックダンスを基礎にした格闘技ボーイフレンドヴォイ・ホパークが復活している。
英語圏では、コンバック・ホパークと呼ばれています。
俊敏でダイナミックな動きやジャンプを用いりながら、両手に剣などの武器を持つ技もあり、武術的なホパークの原型に戻る流れもあります。
コサックダンスの衣装
コサックダンスはZaporizhia(ソロチカ)と呼ばれるウクライナの民族衣装で踊られます。
男性は、通常白いリネンやコットンのシャツで幾何学模様が刺繍されていて、腰にベルトとゆったりとしたズボンを履きます。
女性の衣装は、幾何学模様の刺繍がほどこされたシャツにスカート、帽子を被る事もあります。
伝統的な刺繍のデザインは地域によって模様が異なり、魔除けの意味もあるようです。
尚、ロシアで踊られているコサックダンスは、ロシアの民族衣装を着て踊ります。
コサックダンスの踊り!動画で紹介!
ロシア軍隊がコサックダンスを披露しています。
軍人と思えない程、軽やかな動きですね。
高いジャンプ力や俊敏な動き、腕を組みながら足を交互に出す有名なコサックダンスの動きなどを組み合わせた、武術とダンスの融合です。
動画終盤の全員のコサックダンスは圧巻です。
コミカルな音楽に合わせて剣術の要素が含まれたコサックダスです。
剣の使い方や立ち回りなどの武術訓練が原型だったことがよくわかります。
手拍子に合わせて即興的なステップを踏んだコサックダンスです。
ソロやツインになり細やかにステップをしています。
身体能力や男性らしさを表現しているようにみえますね。
昔は、労働者にコサックダンスを披露させて、脚力をみて採用の合否を決めたと言われている話もあります。
こちらは、17世紀末に民衆の間で広まった男女が一緒に踊るお祝いの席などで踊られた儀式的な舞踊スタイルです。
色とりどりの民族衣装に、完璧に揃った美しく舞う男女のダンス。
男性の力強い踊りと女性の軽やかで可愛らしい踊りの融合は、釘付けにされます。
有名なモイセー・エフバレエ団のコサックダンスです。
こちらも男女の踊りで、アクロバティックなダンスからラインダンスまで披露しています。
豊作を祈る、祝う意味を込めて踊られていたというコサックダンスですが、軽やかな動きは人々の歓喜を表現しています。
ロシア人男性が腕を組み、しゃがみながら足を交互に出すという動きだけでないことが、よくわかりますね。
動画の様に当時は、タンバリンや太鼓、バグパイプなの楽器で演奏して踊っていたようです。
「世界の果てまでイッテQ」で森三中がコサックダンスを習っている動画。
ダンサーは子供ですが、柔軟な動きにスピード感のある完璧なダンスは素晴らしいですね。
一般の人がコサックダンスを踊ると、森三中のように上手くできないでしょうね。
本場のコサックダンスはどこで見れる?
本場のコサックダンスは、ロシアの首都モスクワにあるモイセーエフ・バレエ団で見る事ができます。
場所は、ロシアでも有名な「チャイコフスキー記念コンサートホール」です。
モイセーエフ・バレエ団は、世界でも有名なダンスカンパニーです。
一度見たら釘付けになるダイナミックで優美な踊りに世界中に多くのファンがいます。
ロシアの踊りのコサックダンスだけでなく、メキシコやハンガリーなど世界中の民族舞踊がプログラムにあり、観客を魅了します。
モイセーエフ・バレエ団の公演はリピート客や観光客が多く足を運ぶので、チケットは事前に予約しておくのがオススメです。
コサックダンスの踊り方
コサックダンスの踊り方は、簡単に説明するとしゃがんだ姿勢で足を交互に伸ばします。
バランスをとるのが難しいのですが重心は軸足に残しながら、伸ばしている足はかかとを浮かせた状態です。
イメージは前に進む感覚で交互に伸ばしましょう。
横から見た時に膝がまっすぐだと綺麗ですが、慣れるまでは腕を組まずにマットなどを用意して練習してみてくださいね。
こちらの動画はコサックダンス初心者にもわかりやすく説明しているので、気になる方はチェックしてみてください。
コツは、下記の通り4つあります。
- かかとを上げる
- 腰を引きすぎず、背筋も曲げすぎない
- 腰を足にしっかり乗せる
- 出した足を上げすぎない
【番外編】ふなっしーのコサックダンス!
千葉県や船橋市から非公認の国民的ゆるキャラ、ふなっしーのコサックダンスです。
ふなっしーもコサックダンスが踊れるなんてすごいですよね
短い足を一生懸命上げて、上手にバランスを取りながらコサックダンスを踊っています。
ふなっしーの人気の理由がわかりますね。
本場のコサックダンスを見に行きましょう
コサックダンスのイメージが変わった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
軽やかな足のステップに、アクロバティックな大きな動きに東洋武術的な滑らかさと強さ。
迫力ある本場のコサックダンスを鑑賞に行くのもいいですね。
ロシア旅行の新しい楽しみになりそうです。
Igor Moiseyev Ballet (イゴールモイセーエフバレエ団)
住所:https://goo.gl/maps/U6VRzSsqEBw
電話番号:+7 495 232-53-53
営業時間:公演日に従う
定休日:不定休
URL:http://www.moiseyev.ru /