ポーランドの言語、公用語は何??
ポーランドの言語、公用語はポーランド語です。あまり聞いたことのない言語ですね。
日本でポーランド語に接することはほぼないでしょう。ロシア語やドイツ語、ラテン語などの影響を受けたポーランド独自の言語です。
歴史の中で、国が分断され消滅した時期もあれば、ドイツやロシアの侵攻により自治権を失った時期もあるポーランド。そんな激動の歴史の中でも独自の言語を失わなかったのは、ポーランド人がポーランド語を愛していたからに違いありません。
発音の難しさや文法の複雑さから、習得が難しいと言われるポーランド語。ですが、ただ難しいだけではなく、歴史があり、ポーランド国民に大切にされ守られてきた貴重な言語なのです。
ポーランドに行く前に、ポーランド語とはどんな言語なのか、日常ではどんな表現を使うのか、少し勉強してから出かけましょう。ポーランド語を少し練習していけば、ポーランド人のハートをぐっとつかめるはずです。
ポーランド語が超難解と言われる理由
ポーランド語は世界の言語の中でも習得が難しい言語とされています。ポーランド語が超難解と言われるいくつかの理由について考えてみます。
ポーランド語は、英語と発音がまったく違う
ポーランド語の文字はラテン文字、つまりローマ字なので、なんとなく読めそうに感じます。ただし、英語とは全く読み方が異なるので、初見ではまず読めません。
表記と発音の違い、そこがポーランド語の一つ目のハードルなのです。単語の最後の子音は発音しないとか、「j」は「h」で発音するなどのルールが存在します。
このルールは他の言語でもあることですが、ポーランド語はそれだけでは終わりません。アルファベットそれぞれに発音記号が付いています。
母音や子音に発音記号が付くとそれぞれ読み方が変化します。2つか3つの子音が組み合うと別な音になります。
こういった読み方、発音の仕方を覚えないことには歯が立ちません。英語風の読み方は通用しないのです。
ポーランド語は、名詞や動詞、形容詞の変化(活用)が多い
もう一つのハードルは、動詞や名詞の変化がものすごく多いという点です。例えば日本語では、名詞の後に「に」や「が」などを付けて意味を表します。
『風が強い』とか、『風に飛ばされる』、などといった表現です。これがポーランド語の場合は「風」という単語自体が変化して表現するわけです。
さらに、名詞にはそれぞれ男性形、女性形、中性形の分類があります。バナナは男性形、コップは女性形、椅子は中性形といった具合です。
文を作る場合は、女性形の名詞には女性形の形容詞を使わなければならないというルールがあります。『良いコップだ』と言いたい場合、『良い』は男性形、『コップ』は女性形なので、『良い』を女性形に変化させる必要があります。
こういう変化のバリエーションすべてを覚えなければ文を作ることができないのです。それで、ポーランド語は世界の中でも習得が難しい言語に分類されています。
ポーランドでは英語は通じるの?
ポーランドでは英語が通じる場所がどんどん増えています。もともとポーランドはヨーロッパ大陸の中心に位置し、各国と陸続きなので、いろいろな言語の影響を受けています。
それで、ドイツ語やフランス語、ロシア語などを話す人も少なくありません。習ったことはないけれど、なんとなく話せるという人が多いのです。
日常的に多国語に接しているポーランド人ですが、やはり英語の普及率が一番高く、若い人のほとんどが英語を話します。40代以上はソ連時代の支配下で教育を受けているので、ロシア語の方が得意なようです。
ですが、英語がまったく通じなくて困ることはほぼありません。込み入ったやり取りは難しくても、簡単な英会話はほとんどの人が可能です。
ポーランドで英語が通じるスポット
英語が通じなくて困ることは少ないポーランドですが、英語が通じるスポットはあるのでしょうか。いくつか紹介していきます。
都市部のレストラン
首都ワルシャワにあるレストランや、大きめのショッピングモールに入っているレストランでは基本的に英語が通じます。観光地のパブやカフェなどでも英語で大丈夫です。
店によっては英語のメニューを用意しているところもあります。店内利用か、持ち帰りか聞かれたり、注文の個数を確認したりといったやり取りが英語でできるのは安心ですね。
バスや国鉄
バスの券売機は英語モードを選択することができます。停留所や運転手さんはポーランド語のみなので要注意です。
ポーランド国鉄はホームページから予約が可能で、英語で予約できるので安心です。
都市部のホテル、ショップ
ワルシャワなど都市部のホテルでは英語が通じます。周辺のショップやお土産店なども、若い人が働いているので英語がわかる人がほとんどです。
大きなショッピングモールなどなら英語だけで大丈夫です。
観光スポット
首都ワルシャワや港湾都市グダニスク、ショパンの生家や世界遺産など、見どころ満載のポーランドですが、それらの観光地では英語が通じます。外国からの観光客が多いだけあって、英語の看板やインフォメーションなどもあります。
ポーランドの言語教育事情
ポーランドではほとんどの小学校で1年生から英語を学びます。地域によってはドイツが第2言語として認識されている土地もあるのですが、そうした場所でも英語熱が高まっています。
子どもを含め、若い人の間で特に英語のニーズが高まっている理由のひとつは、ポーランドの就職事情にあります。ヨーロッパの中央に位置するポーランドでは、ヨーロッパ圏内の各国へ働きに出る人が多いからです。
ホワイトカラーのビジネスマンだけでなく、技術職で会ったとしても、隣国に就職する可能性が高いのです。中には高校の代わりに外国の職業訓練校に進む十代の学生もいます。
そのため、早くから実用的な英会話を学ぶ傾向にあります。外国人が日常的にいる環境から、英語を使う場面も多く、英語力の向上にもつながっているとも考えられます。
日常会話で使えるポーランドの数字の数え方
数字 | 表記 | 読み方 |
---|---|---|
1 | jeden | イェデン |
2 | dwa | ドゥバ |
3 | trzy | チ |
4 | cztery | チュテリ |
5 | pięć | ピエン |
6 | sześć | シェシチ |
7 | siedem | シェデ |
8 | osiem | オシェム |
9 | dziewięć | ヂェヴィエンチ |
10 | dziesięć | ヂェシェンチ |
100 | sto | スト |
1,000 | tysiąc | ティシャン |
10,000 | dziesięć tysięcy | ジェシェンチ ティシャンツ |
ポーランドの日常会話で使う便利な挨拶10選
では、ポーランドの挨拶で覚えておきたいフレーズを見ていきましょう。
ポーランドの挨拶で覚えておきたいフレーズには以下のものがあります。
- おはよう
- こんにちは
- ありがとう
- ばいばい/さようなら
- OK
- 私は○○です。
- 私の名前は○○です。
- あなたの名前は何ですか?
- すみません
- ごめんなさい
続いて、ポーランドの挨拶で覚えておきたいフレーズをそれぞれ詳しくみていきます。
おはよう
Dzień dobry
ヂェィン ドブルィ
こんにちは
Dzień dobry
ヂェィン ドブルィ
ありがとう
Dziękuję
ヂェンクイェン
ばいばい/さようなら
Pa pa/Do widzenia.
ド ヴィヅェーニャ
OK
tak
タック
私は○○です。
Mam○○
マム○○
私の名前は○○です。
Nazywam się○○
ナズィバム シィ○○
あなたの名前は何ですか?
Jakie jest twoje imię?
ジャケェィ エスト トェ ィエ?
すみません
Przepraszam
プシェプラシャム
ごめんなさい
Przepraszam.
プシェプラシャム
ポーランドの日常会話でよく使う便利なフレーズ10選
では、ポーランドの日常会話で覚えておきたいフレーズをみていきましょう。
ポーランドの日常会話で覚えておきたいフレーズには、以下のものがあります。
- ○○をください。
- これはいくらですか?
- お会計をしてください。
- クレジットカードは使えますか?
- 写真を撮ってもいいですか?
- ○○に行きたいです。
- 旅行の目的を尋ねられて/観光です。
- 滞在日数を尋ねられて/○日です。
- おすすめの料理はなんですか?
- おいしいです!
続いて、ポーランドの日常会話で覚えておきたいフレーズを、それぞれ詳しくみていきます。
○○をください。
Proszę, daj○○
プロッシェッ ダイ
これはいくらですか?
Ile to kosztuje?
イレ ト コシュトィエ?
お会計をしてください。
Sprawdź to.
スプラブッチ ト
クレジットカードは使えますか?
Czy mogę użyć karty kredytowej?
シチィ モゲ ジュルカルティ クレジットゥエィ?
写真を撮ってもいいですか?
Czy mogę zrobić zdjęcie?
シチィ モゲ ジロビッ ジデルケィ?
○○に行きたいです。
Chcę iść○○
スチェ イシチ
旅行の目的を尋ねられて/観光です。
To zwiedzanie
ト ズザーニア
滞在日数を尋ねられて/○日です。
To ○dni
ト ○デニ
おすすめの料理はなんですか?
Co polecasz?
ツォ ポレザッシ
おいしいです!
Smaczne!
スマッチネ!
ポーランドの味、色、景色!!
英語も通じて、治安も比較的よく、魅力的な建物が立ち並ぶポーランドに、一度は行ってみたいと思う人も少なくないでしょう。日本ではなかなかお目にかからないポーランド料理も、実はロールキャベツやコロッケ、カツレツなどの日本の洋食に似た日本人好みの優しい味が特徴です。
ショパンの旋律を生んだ美しく切ない風景や、ぬくもりが伝わるポーランド食器など、その魅力は尽きません。
まだまだ知らないポーランドの美味しさ、美しさ、味わいに行ってみませんか?