イースターバニーの前にそもそもイースターとは?
イースターとは、キリストの死後3日後に復活したことを祝う日です。日本語では、「復活祭」と呼ばれています。
キリスト教徒には重要な日で、イースターの前週はホーリーウィーク(聖週間)と呼ばれています。もしかしたら、キリストが亡くなったとされる、「グッドフライデー」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
これもホーリーウィークの一部で、キリスト教圏では祭日の国もあります。それだけ復活祭は、クリスマスと並んで重要かつ大きなお祝いなんです。
それではイースターでは、何をするのでしょう?
キリスト教徒の多くは、教会でミサに参加し、キリストの復活のお祝いをします。また家族や親せきが集まって、いけにえとして捧げられていたとされる子羊や復活を意味する卵など、国よって様々な食事をイースター当日に食べます。
クリスマスは毎年12月25日と決まっていますが、イースターは毎年、日にちが変わります。なぜなら、春分の日の後の最初の満月から数えて、一番最初の日曜日がイースターになるからです。
そして意外かもしれませんが、西方教会と東方教会によって、使うカレンダーが違います。そのため、数年に1回、両教会で同じ日がイースターの年はありますが、それ以外は全世界イースターが同日ということはありません。
このように、日本とキリスト教圏では、イースターの意味が全く違いますよね。本来は、宗教色の強いお祝いと言えます。
日本のイースターでは想像できませんが、この時期に友達や先生への挨拶は、「Happy Easter(ハッピーイースター)」と各国の言葉でする場合が多いんですよ。
イースター(復活祭)とは?2019年はいつ?イースターエッグを飾ろうイースター(復活祭)とは、どんなお祭り? 年々、日本でも盛り上がりを見せるイースター。
復活...
イースターバニーとはどんな意味?
日本でも見かけるようになった、イースターバニー。なぜ野ウサギかと言うと、1年に何度も妊娠・出産を繰り返せることから、繁栄のシンボルとされています。
ウサギは1回の出産で、何羽の子どもを産むか知っていますか?何と6~10羽と、ネズミと同じように多産なんです。
そして人間では考えられませんが、妊娠中でも次の子供を妊娠出来てしまうんです。このことから、野ウサギが繁栄のシンボルとされているのも納得ですね。
最初にイースターバニーの記録が残されているのは、16世紀代に遡ります。そして、野ウサギが卵を産んで、庭に隠すという話は、17世紀代が初めてと言われています。
またこの神話がアメリカへ渡ったのは、ドイツ人がペンシルバニアに移住した18世紀代と言われており、意外にも歴史が浅い事が分かります。
イースターの時期にキリスト教圏へ行くと、一般家庭やお店などで野ウサギの置物をよく見かけます。またお店では、ウサギの形をしたチョコレートを売っているので、子供たちにとっては嬉しいですよね。
ショッピングセンターでは、子供たちがイースターバニーと一緒に写真を撮れるブースが設置されたり、イースターのイベントでは、生きているウサギがいることもあります。子供たちにとっては、かわいいウサギとしか認識がないかもしれませんが、これもまたイースターについて学ぶ良いきっかけになるんです。
イースターバニーとイースターエッグの関係性は?
イースターバニーは繁栄のシンボルですが、イースターエッグとつながるイメージがありませんよね。ではなぜ、この2つは関りがあるのか、見ていきましょう。
イースターバニーがイースターエッグを運ぶ?
現実の世界では、野ウサギは卵を産みませんが、イースターではこの2つはセットのようになっています。それはなぜでしょう?
ドイツのルーテル教では、イースターの時期に、野ウサギが裁判官となり、子供たちの日頃の行いが良いか悪いかを、評価していたと言われています。そして野ウサギは、卵を産んでそれに色を付け、お菓子やおもちゃをカゴに入れて、良い子供たちに届けていたそうです。
今で言う、サンタクロースに近いでしょうか。どの時代も、良い子にしていないとご褒美はもらえないというのは、一緒ですね。
現代でこの話が起源となっているのが、子供たちが楽しみにしている「エッグハント」と言えるでしょう。エッグハントとは、教会やプリスクール、また各地域で、卵を庭など広い場所に隠して、子供たちが卵を探すゲームの事です。
以前は、本物の卵を茹でて色を付け、エッグハントに使われていました。しかし今では、手間が掛かりますし、見つけられずに放置してしまうと腐ってしまいます。
そのため、お店で買えるカラフルなプラスチックの卵の中に、お菓子やおもちゃ、お金を入れたり、卵型のチョコレートを隠している場合がほとんどです。最近では、本物の卵はきれいに色を付けたり、デコレーションをして、飾るために使われる事が多いようです。
「生命の誕生」
イースターエッグは、ヒヨコが卵の殻を破って生まれてくる様子が、キリストの復活の姿を表していると言われています。また古代では、卵は多産のシンボルでもありました。
そこから卵は、「生命の誕生」のシンボルとなり、イースターバニー同様、イースターには欠かせない存在となりました。
今ではカラフルな色に染める卵ですが、古代ではキリストの血を表して、赤が伝統的な色でした。また卵を飾る歴史としては、イースターバニーより古いと言われています。
野ウサギは繁栄、卵は生命の誕生・復活の象徴と、両者ともイースターには欠かせない存在です。
イースターバニーは、「春の女神」が現実世界に現れる姿?
イースターバニーが「春の女神」と呼ばれるのは、ゲルマンの女神「Eostra(エオストラ)」が起源とされています。エオストラは、新しい命のシンボルでもある春、繁栄の女神とされていました。
なぜ繁栄の女神とされていたのかと言うと、エオストラのシンボルは野ウサギだったからです。そして彼女に敬意を表す宴が、春分の日に行われていました。
またイースターという語源のひとつに、春と繁栄の女神とされているエオストラの名前があるのではないかと、言われています。
イースターバニーとイースターエッグには深い意味があった!
日本では、楽しむためのイベントとされているイースター。しかしキリスト教では、キリストの復活という宗教的に大きなお祝いの日。
イースターバニーとイースターエッグは、繁栄や新しい生命という意味から、このお祝いの象徴となったのは興味深いですよね。これらの意味を知って飾りつけをしてみるのも、良いかもしれません。
次のイースターでは、お祝いの日として過ごしてみると、今までと違った体験が出来るのではないでしょうか。