ドイツでチップは必要?
「ヨーロッパの国を旅行する際、チップは必須」と思っていませんか?
実のところ、ドイツでホテルをブッキングしたりレストランで食事を取ると、料金にサービス料が含まれているのです。
つまりチップはすでに支払われていることになるために、改めて渡す必要はないのです。
もちろん、ドイツ国内でチップを渡してはいけないというルールなど存在しません。
要所要所で従業員の親切が示された場合、それに対する感謝をチップという形で示すことは可能です。
またタクシーやトイレの使用の際は、チップを支払うのがマナーとなっています。
ではドイツで支払われるチップの額は、いくらくらいが妥当なのでしょうか?
その点について考慮していきましょう。
ドイツのチップ相場と支払方法①タクシー編
では、ドイツでタクシーに乗った場合、チップの額はどれくらいが妥当なのでしょうか?
この点について見ていきましょう。
タクシー:運賃の10〜15%
当然のことながら国によってタクシードライバーに支払うチップの額は異なります。
ある国ではおつりを受け取らず、それをチップとするとこともあります。
しかしこの国では、そうした仕方でチップを渡す習慣はありません。
この国では運賃の10%から15%を渡すのが一般的です。
しかしおつりの額が運賃の10%から15%に値する場合、おつりを受け取らないという仕方でチップを渡すことができます。
ちなみにこの国のチップの渡し方にルールは存在しません。
そのためどのような形にせよチップを支払うことでドライバーは喜んでくれますので、ご心配なく。
またホテルでタクシーを呼んでもらった場合、レセプションのスタッフにチップを支払うこともできます。
ドイツのチップ相場と支払方法②レストラン・カフェ編
ではドイツのレストランやカフェでのチップ事情について見ていきましょう。
同じ飲食のカテゴリーに入るこの2つの間には、チップの額に違いがあることを覚えておきましょう。
レストランの場合:料金の5〜15%
先ほども少し触れましたが、ドイツのレストランで食事をした場合は料金にサービス料が含まれています。
それでもこの国ではレストランでチップを支払う人が多いために、スタッフもそれを期待しています。
ではチップの額は、いくらくらいが妥当なのでしょうか?
一般的には支払い料金の5%から15%がチップとして支払われます。
当然のことながら高価な食事を取った場合はチップの額も高くなりますので、この点は覚えておくべきです。
カフェの場合:お釣り程度
ドイツのカフェを訪れてチップを支払う場合、おつり程度の額を渡すのが一般的です。
お店に対して感謝を示したいのであれば、お会計の時におつりを受け取らないという仕方でチップを渡せます。
しかし担当してくれたスタッフに対してチップを渡す場合、直接チップを渡すことができます。
この場合はお店に失礼がないよう、お会計したいことを担当スタッフに伝え、伝票を持ってきてもらいます。
その際にお金を渡し、おつりを持ってきてくれた時に「取っておいてください」と伝えることができます。
ドイツのチップ相場と支払方法③ホテル・ゲストハウス編
では次に、ドイツのホテルやゲストハウスでのチップの支払いについて見ていきましょう。
荷物を運んでくれるポーター:荷物ひとつにつき1ユーロ
ドイツのホテルに宿泊すると、ポーターが荷物を運んでくれることがあります。
先にも触れましたが、ホテルの宿泊費にはサービス料が含まれていますので、実際にはチップの支払いは必要ありません。
しかしこの国では感謝の気持ちを込めて、ポーターにチップを支払います。
額は荷物1つにつき1ユーロほどです。
ポーターが荷物を運び終え、部屋を去るときにチップを渡すのが礼儀です。
掃除をしてくれるベッドメイキング:ほぼ不必要
同じホテルで働く従業員であっても、職種に従ってチップを支払わない場合もあります。
ドイツでは掃除をしてくれるベッドメイキングの従業員にチップを渡さないのが一般的です。
その理由は部屋にあるお金を取り、後で窃盗扱いされるのを防ぐためです。
しかしどうしても感謝を表したい場合、1ユーロほどを枕の横や机の上に置くことができます。
この時に「Thank you」や「Danke」と書いたメモを残しておくと、それがチップであると理解してもらえます。
そのようなメモを残さない場合、手付かずに残っていることもあります。
ルームサービス:1〜2ユーロ
ドイツではルームサービスに対して、感謝をチップの形で示す習慣があります。
一般的には1ユーロほどのチップで構いませんが、人数が多い場合は人数分のチップを支払います。
渡すタイミングは注文したものが運ばれ、ルームサービスが帰るときです。
この時もお礼を言うのが一般的ですが、たいていの場合はドイツ語でなくても、英語で「Thank you」と言えば、理解してもらえます
ドイツのチップ相場と支払方法④トイレ編
ドイツの公共施設や商業施設のトイレを使用する際、チップを支払う習慣があります。
では誰に、そしていくらくらい渡せばよいのかを考慮していきましょう。
トイレ:50セント〜1ユーロ
多くの場合、ドイツでトイレを使用したときはチップを支払います。
「トイレでチップ?」と思わるかもしれませんが、支払先は清掃員です。
たいていの場合、トイレには清掃員が作業していたり、入り口の前に座って休憩しています。
それらの人たちを見かけたら、チップを渡します。
チップの額は50セントから1ユーロほどです
大きな額を渡すとおつりがないことがありますので、トイレを使用する際はあらかじめチップを用意しておくと良いでしょう。
もちろん有料トイレもあり、そのようなところは使用料金が定められています。
こうした場所ではチップを支払う必要はありませんが、一生懸命に働いている清掃員がいた場合、感謝を示してチップを渡すこともできます。
チップがいらない場面:ドイツの市内交通やビルのドア
当然のことながらドイツでチップを支払う必要のない状況もあります。
代表的なのはドイツの市内交通機関を利用したときや、ビルのドアを開けてもらったときです。
しかしこの点で注意が必要です。
ドイツ人の中には外国人観光客を見るとビルのドアを開け、チップを要求してくる人がいるからです。
このような人は、「外国人なら騙せる」と感じてチップを求めます。
当然のことながらこうした行為は違法です。
そのためこうした場面に直面したら、無視してその場を立ち去ることができます。
もちろん公共の交通機関を利用した際にも同じようなことが生じる可能性がありますので、注意するべきです。
ドイツでチップの渡し方
ドイツで支払うチップの額は、明確に決められていません。
しかしこれまで考慮してきたことがベースとなるために、それぞれの場面でどれだけの額を支払えばよいのか、見当がつきます。
またチップの渡し方は、状況によって異なります。
おつりを受け取らないという仕方で支払うこともできれば、支払額の何%かを支払う方法もあるのです。
おつりを受け取らない場合は、「チップとして取っておいてください」の意を込めて「Please take it」と言えます。
ドイツ語でなくても、この程度の英語であればたいていの場合は理解してくれます。
またおつりではなく、チップを手渡す場合も同様に「Please take it」と言えます。
もしかすると、相手にこちらの意図が伝わらないこともあるかもしれません。
そのようなときはストレートに「This is a tip」とも言えるでしょう。
もちろん感謝の意を込め、「Thank you」と付け加えることができます。
またドイツではチップを渡す習慣があるとはいえ、目立つ仕方で渡すと失礼に値することもあります。
そのためそっと手渡すべきです。
また従業員が仕事で忙しくしているときではなく、仕事を終えたときや、自分が従業員のもとを去るときなどに渡すようにします。
ドイツでのチップは渡し方、そして渡すタイミングの双方に気を付けるべきです。
ドイツのチップの習慣を明記しておくべき
ドイツではサービス料込みの料金を請求されるのが一般的です。
そのため厳密に言うのであれば、チップを支払わなくても問題ないシーンは多々あります。
しかし歴史的背景も相まって、この国ではチップを支払う習慣が根付いています。
この点をしっかりと覚えておき、ふさわしいシーンでふさわし額のチップを支払うようにしましょう。