- イタリア料理とは?イタリアンレストランの種類
- 【イタリアンのテーブルマナー①】服装と入店前
- 【イタリアンのテーブルマナー②】ナプキンの使い方
- 【イタリアンのテーブルマナー③】フォーク、ナイフ、スプーンの使い方
- 【イタリアンのテーブルマナー④】スープの飲み方
- 【イタリアンのテーブルマナー⑤】スパゲッティ(パスタ)の食べ方
- 【イタリアンのテーブルマナー⑥】パンの食べ方
- 【イタリアンのテーブルマナー⑦】ピザの食べ方
- 【イタリアンのテーブルマナー⑧】料理のシェア
- 【イタリアンのテーブルマナー⑨】お会計
- イタリアンのテーブルマナーとしてNGなこと5選
- マナーを意識していればかっこよく食べられるイタリアン
イタリア料理とは?イタリアンレストランの種類
イタリアンレストランにはいくつかの種類が存在します。
代表的なものは以下の通りです。
名前 | 概要 | |
---|---|---|
1 | リストランテ | 最高級ランクのイタリアンレストラン |
2 | トラットリア | 高級であるものの、入店しやすいカジュアルさがポイント |
3 | オステリア | どちらかというとお酒を飲みに来るためのレストラン |
4 | タヴェルナ | 気軽に、そしてフラっと入れるランクのイタリアンレストラン |
5 | ピッツェリア | ピザ専門店レストラン |
6 | バール | コーヒーやサンドイッチなどを提供するレストラン |
それぞれのイタリアンレストランは雰囲気がかなり異なります。
多くの場合、リストランテではホワイトカラーのテーブルクロスが使用されており、従業員の制服が統一されています。
それに対してトラットリアでは柄物のテーブルクロスが使用されていたり、従業員の服装が自由であったりするのが一般的です。
オステリアとタヴェルナは食事を取りながらお酒を楽しみたいという人向けであり、よりカジュアル感の漂う場です。
そしてピッツェリアやバールは朝食時や昼食時に混み合う場所であり、軽食を求める観光客なども気軽の立ち寄れるところとなっています。
実のところ、最高級ランクに相当するリストランテであっても、それほど堅苦しいマナーを要求されることは滅多にありません。
また食事の料金も様々で、中にはパスタメニューが10ユーロ台から食べられるところもあります。
基本的に「セレブ」と呼ばれるような人たちのみが来店するようなイタリアンレストランでなければ、たくさんのお金を払って厳格なマナーのもと食事をしなければならないということはありません。
【イタリアンのテーブルマナー①】服装と入店前
先にも少し触れたように、リストランテであっても厳格なマナーを要求してこないお店もあります。
しかし店の雰囲気を壊すことがないよう、服装に関する最低限のマナーは守るべきです。
まずリストランテではフォーマルな服装がふさわしいとされています。
男性はジャケットスタイルかスーツの着用が好ましく、女性はワンピースやスカートがベストです。
多くのリストランテでは男性がノータイでも問題なく受け入れてくれます。
女性の場合は露出が多い服装は避けるべきで、ミニスカートやラフなダメージジーンズはふさわしくありません。
それでもタヴェルナやピッツェリア、そしてバールなどは比較的ラフな服装でも入店が許可されるのが一般的です。
特に旅行者が多く訪れるようなところでは寛容な店が多く、極端に砕けた服装でなければマナー違反にはなりません。
しかし服装以外にも入店前に気をつけるべき点があります。
まず、イタリアンのシェフは自分が提供する料理をお客さんに思う存分楽しんでほしいと感じています。
料理は味だけではなく、香りによっても食べる人を楽しませてくれます。
その香りを邪魔するような強烈な香水をつけて来店することはマナー違反となるために、避けるべきです。
これは周りのお客さんたちにも迷惑をかけることになるために、入店前の香水のチョイスには細心の注意を払うべきです。
またイタリアはレディーファーストの国ですので、本場のイタリアンレストランで食事をする場合は、一緒にいる女性を先に入店させるのがマナーです。
【イタリアンのテーブルマナー②】ナプキンの使い方
「きれいなナプキンを汚してしまってはマナー違反になる」なんて思っていないでしょうか?
イタリアンレストランに置かれているナプキンは汚れを拭くために用意されています。
そのため手や口が汚れた場合、迷わずナプキンを使用することができるのです。
しかし当然のことながら、ナプキンの使用にもマナーが存在します。
ではナプキンの使用法を順を追って見ていくことにしましょう。
多くの場合、イタリアンレストランで用意されているナプキンはテーブルの上に置かれた状態でスタンバイしています。
レストランに入店してテーブルに案内されたら、まずはナプキンを二つ折りにして膝の上に置きます。
このとき折り目を自分の方に向けます。
これは料理が運ばれる前に行うのがマナーとなっていますが、主賓がいる場合はその人が席に着いた後に行うのが一般的です。
また何らかの理由で席を立つとき、ナプキンは持ち運んではなりません。
畳んで椅子の上に置くのがイタリアンレストランでのマナーです。
そして食事が終わり、ナプキンの使用が不要になった時点でナプキンをテーブルの上に置きます。
このとき、ナプキンは畳まずにラフな形で置くようにします。
興味深いことに、この置き方は料理が美味しかったことを従業員に示すサインとなります。
またナプキンで手や口の汚れを拭きとるケースですが、このときはナプキンの内側を使用するようにします。
そうすることで汚れが周りのお客さんたちに見られてしまうのを防ぐことができます。
【イタリアンのテーブルマナー③】フォーク、ナイフ、スプーンの使い方
イタリアンレストランでは注文するメニューによって食べ方が異なります。
そのためフォーク、ナイフ、そしてスプーンの使い方を知っておくべきです。
ではまず使用の順番と、置き方について見ていくことにしましょう。
使う順序
イタリアンレストランでアラカルトを注文した場合、基本的にはそれを食べるために必要なものが出てきます。
このようなケースではフォーク、ナイフ、そしてスプーンの使い方に順番はありません。
しかしコース料理をオーダーした場合、使用に関するマナーを守るべきです。
何本かのフォークやナイフが準備されている場合、出される料理ごとに外側に置かれたものを順番に使用していきます。
思わず間違えてしまった場合は焦らずに従業員にその旨を伝えるべきです。
従業員は新しいものを渡してくれますし、このような行為はマナー違反に相当しません。
また基本的には右手でナイフ、そして左手でフォークを持ち、食事中にこのスタイルを変更することはしません。
置き方
食事中に飲み物を飲んだり、化粧室に行くために席を立つなど、フォークとナイフを一時的にどこかに置く必要が生じることもあります。
このような場合、フォークとナイフを皿の上で八の字になるように置くのがマナーです。
これは食事がまだ済んでいないことを意味しています。
しかし食事が終わった後はフォークとナイフの向きを揃え、それらを右端に置くようにします。
この置き方は食事が終わったことを意味するもので、従業員に皿を下げてほしいという意図を告げるサインとなります。
専用のトレーなどが用意されている場合は、その上に使い終わったフォークとナイフを置くことができます。
【イタリアンのテーブルマナー④】スープの飲み方
イタリアンレストランでのスープの飲み方は、スープ皿の手前からスプーンを入れて奥に向かってそれをすくい、音をたてずに飲むのがマナーです。
ちなみにフレンチはイタリアンと真逆で、スープ皿の奥からスプーンを入れ、手前に向かってスープをすくうスタイルが正式なマナーとされています。
このようにスープをすくうスプーンの動きは料理によって異なります。
このようなマナーの微妙な違いが混乱を招くこともあり、最近ではこの点をあまり気にしなくてもマナー違反に相当しないとみなされることもあります。
そのためイタリアレストランでスープを飲むときは、とりあえず音をたてないように飲むことを心掛けるべきです。
【イタリアンのテーブルマナー⑤】スパゲッティ(パスタ)の食べ方
イタリアンと言えばスパゲッティですが、以下の4つの点を考慮してみましょう。
- イタリアンでスパゲッティを食べるマナー:スプーンは使う?
- イタリアンでスパゲッティを食べるマナー:フォークの上手な使い方
- イタリアンでスパゲッティを食べるマナー:ボンゴレの貝やミートソースなどのの食べ方
- イタリアンでスパゲッティを食べるマナー:絶対に音を立ててはいけません!
1. イタリアンでスパゲッティを食べるマナー:スプーンは使う?
スパゲッティを注文した際にスプーンが料理と一緒に運ばれて来るのであれば、当然のことながらそれを使用するのはマナー違反ではありません。
しかし本場イタリアのイタリアンレストランの中には、スプーンを提供していないところも多々あります。
このような場合、スプーンを使用せずに料理を食べるのが一般的です。
もちろん従業員にお願いし、スプーンを持ってきてもらうことも可能です。
フォークだけを使ってスパゲッティを食べる場合、ソースを上手く絡めて食べなければ、それがお皿に残ってしまいます。
そのためソースを上手に絡めてスパゲッティを食べる自信がないという人は、スプーンをオーダーすることができます。
2. イタリアンでスパゲッティを食べるマナー:フォークの上手な使い方
さて、イタリアンレストランでスパゲッティを食べる場合、フォークを上手に使用できれば非常にかっこよく見えるわけですが、これにはいくつかのコツがあります。
まず、一度にたくさんのスパゲッティをフォークで巻き取らないようにすることです。
フォークがお皿に当たるほど深く入れてスパゲッティを巻き取ろうとすると、大量のスパゲッティがフォークを取り囲むことになります。
このようなものを一口で食べるのは非常に難しく、尚且つ上品な印象を与えることはできません。
そのため少量のスパゲッティを軽くすくうようにして取り、それを優しく巻き取るようにします。
そうすることで巻き取られたスパゲッティの間に隙間ができ、そこにソースを染み込ませることができるのです。
3. イタリアンでスパゲッティを食べるマナー:ボンゴレの貝やミートソースなどのの食べ方
ボンゴレの貝の殻をフォークを使って剥がすのは非常に面倒な作業です。
しかしご心配なく。
イタリアンレストランでボンゴレを食べているとき、貝の殻を手を使って外してもマナー違反にはなりません。
それでも基本的には利き手でない方の手(フォークを使用していない方の手)を用いて殻を剥がすのがマナーです。
そして殻はお皿の端に置くか、もしくは別の容器に入れるようにします。
またミートソースなどのソース系スパゲッティは、ソースをいかに上手に絡めるかがポイントとなります。
上記の項でも考えたように、スパゲッティを巻くときに隙間を作るようにし、そこにソースを絡めるように心掛けます。
4. イタリアンでスパゲッティを食べるマナー:絶対に音を立ててはいけません!
日本の蕎麦やうどんように、音を立てて食べることが許されている食べ物はまれです。
そして当然のことながら、スパゲッティを音を立てて食べるのはイタリアンのマナーに反します。
このような行為はレストランにいる他のお客さんに不快な思いをさせてしまいます。
またスパゲッティをすすって食べるのであれば、ソースが飛び散ってしまう可能性も考えられます。
ペンネなど、いわゆるショートスパゲッティを食べる場合はそれほど気を使わなくてもいいかもしれません。
しかしロングスパゲッティを食べる場合は音が出やすくなりますので、注意が必要です。
【イタリアンのテーブルマナー⑥】パンの食べ方
イタリアンのコース料理ではパンが出てくることがあります。
パンに関する基本的なマナーは、ちぎって食べることです。
ちぎったパンの大きさは食べやすいサイズにし、残りのパンはちぎり目が周りの人たちから見えないようにお皿の上に置きます。
またマナー違反とまではいかないものの、一般的にはパンをフォークやナイフを用いてカットすることはしません。
一見すると上品に思えますが、イタリアンの世界ではあまり見られない行為なのです。
当然のことながら、ちぎったパンも手を使って食べるべきで、フォークやナイフは使用しません。
そしてバターなどはパンをちぎった後に塗るのが基本です。
イタリアンの場合、パンをスープにつけて食べることはマナー違反とはなりません。
しかしソースに関してはマナー違反とみなされることもあります。
ソースをつける場合はちぎったパンを直接お皿に押し当てるのではなく、フォークとナイフでソースを取り、それをパンに塗るようにします。
【イタリアンのテーブルマナー⑦】ピザの食べ方
恐らく多くの人はピザを食べるときは手を使ってそれを口に運ぶことでしょう。
この食べ方はイタリアンの基本で、ふさわしいマナーであると言えます。
注文したピザがテーブルに届けられるとき、ピザカッターのみが運ばれてくる場合は「手で食べる」のが基本です。
しかしナイフとフォークが一緒に運ばれてくる場合、それらを使って食べるのが基本となります。
まずピザの中心にナイフを入れ、外側に向かってカットしていきます。
次に自分の食べやすい大きさにカットされた二等辺三角形のピザを、ナイフとフォークを使ってお皿に移動させます。
さらにこの1ピースのピザを上方と下方に切り分け、上方から食べます。
これがピザをナイフとフォークを使って食べるときのマナーとなります。
【イタリアンのテーブルマナー⑧】料理のシェア
イタリアではレストランで注文した料理を一緒に来店した友人や家族とシェアすることはあまりありません。
しかしシャア自体はマナー違反とはなりません。
そのため「せっかくイタリアンレストランに来たのだから、いろいろなメニューを楽しみたい」という人は、一緒に来店した友人や家族と料理をシェアすることができます。
しかし周りにいるお客さんや、レストランの従業員のことを考え、シェアしたい場合はその旨をあらかじめ伝えておくことができます。
そのようにするなら従業員が料理と一緒に小皿を運んできてくれます。
また親切なイタリアンレストランの場合、あらかじめ小さめのお皿に分けて料理を運んでくれることもあります。
絶対に行ってはいけなのは、シェアする前の料理をお皿からフォークやナイフで取り、それを直接口に運ぶことです。
シェアする場合は必ずお皿に取り分け、それから食べるようにしなければなりません。
【イタリアンのテーブルマナー⑨】お会計
少し高価なイタリアンレストランでは、レジで支払いを行うことはありません。
食事が終わってから従業員に合図をし、伝票を持ってきてもらいます。
その後お金を渡し、レシートをもらって会計は終了となります。
ヨーロッパではゆっくり食事を楽しむ文化が浸透しており、これがイタリアンレストランでも反映されています。
そのため伝票をお願いしても、なかなか運んできてくれないこともあるために、食事が終わったら早めに合図を送るのがベストです。
中には伝票を持ってきた従業員が、そのままどこかに行ってしまうこともあります。
このような場合は伝票が挟んであるボードの上にお金を置いたり、伝票と一緒にお金を挟んでおくと、従業員がそれを持って行ってくれます。
また会計はまとめて行うのがイタリアンのマナーです。
そのため一緒のテーブルで食事をしている人たちが、それぞれ自分がオーダーした料理の料金のみを支払うスタイルは受け入れられません。
またイタリアンレストランでは席代、そしてサービス料金が会計に含まれるのが一般的です。
そのためあえてチップを支払う必要はありません。
しかし親切にしてくれた従業員に感謝を示したいという場合、チップを渡すこともできます。
イタリアンのテーブルマナーとしてNGなこと5選
これまでイタリアンのテーブルマナーについて見てきましたが、「思ったよりも厳格ではないな」という印象を受けた人も少なくないことでしょう。
しかし当然のことながら、絶対に行ってはいけないこともあります。
では今度は避けるべき行為という視点でイタリアンのテーブルマナーを考えてみることにしましょう。
代表的な行為は以下の5つです。
- 音を立てて食べる
- お皿に残ったピザのチーズを手で掴む
- タバコを吸う
- スマホに夢中になる
- 写真に夢中になる
ではこれらを順を追って見ていきましょう。
イタリアンのマナーでNGなこと①:音を立てて食べる
「スパゲッティ(パスタ)の食べ方」の項でも考えましたが、イタリアンレストランで音を立てて料理を食べるのはNGです。
もちろんスパゲッティに限らず、他の料理を食べるときも音を立てないように心掛けます。
この点でピザなどのメニューは問題なく食べることができますが、コースメニューに含まれるスープを飲むときなどは要注意です。
スパゲッティは日本の麺類をすする感覚で食べるのではなく、フォークにしっかりと巻き付けてから一口で食べるようにすることで、静かに食べることができます。
イタリアンのマナーでNGなこと②:お皿に残ったピザのチーズを手で掴む
イタリアンレストランでピザをオーダーすると、熱々のチーズがお皿にこぼれだすことがあります。
このチーズを食べることはマナー違反とはなりません。
むしろシェフは自分の料理をきれいに食べてくれたことを喜びます。
しかしこのチーズ、取り方によってはマナー違反となることがあります。
ピザは手を使って食べることが許されているメニューです。
しかしお皿に残ったチーズは、フォークですくい取って食べるのがイタリアンのマナーです。
イタリアンのマナーでNGなこと③:タバコを吸う
周りにはタバコを吸えないお客さんや子どもが来店している可能性があり、このような場で喫煙するのはマナー違反です。
またタバコのにおいは料理の香りを邪魔するために、お客さんの喫煙を嫌がるシェフもいます。
もちろん喫煙が許されているレストランでタバコを吸うことは問題ありません。
しかし周りにいるお客さんの状況次第では、喫煙可能なレストランであっても自重する必要があります。
イタリアンのマナーでNGなこと④:スマホに夢中になる
イタリア人の気質は明るく、人とのコミュニケーションを楽しみます。
そのため美味しい食事を取りながらの会話は、彼らにとって最高のひと時となるのです。
そんな中でスマホに夢中になってしまうなら、一緒に来店している友人や家族との会話に入ることはできません。
このような態度はお店の明るい雰囲気に悪影響を及ぼします。
またスマホに集中していると、料理をしっかりと味わうことはできません。
これはシェフに対しても失礼に値する態度であり、ふさわしいとは言えません。
イタリアンのマナーでNGなこと⑤:写真に夢中になる
イタリアンレストランで写真を撮ることはマナー違反ではありません。
むしろ美しい店内や美味しい料理の写真を嬉しそうに撮るお客さんを見て、従業員は嬉しく感じるはずです。
しかし写真を撮ることに夢中になりすぎて料理を機械的に食べたり、周りのお客さんの邪魔をするような態度を取ることは許されません。
またシャッター音が大きなカメラの使用は、できるだけ避けるようにします。
このような音も周りの人に迷惑をかけることがあるからです。
マナーを意識していればかっこよく食べられるイタリアン
おしゃれで、尚且つ美味しいイタリアン料理を目にすると、浮足立ってしまうことがあるかもしれません。
しかしイタリアンにはテーブルマナーがあることを忘れないようにしましょう。
これまで見てきたように、イタリアンのテーブルマナーはそれほど難しいものではありません。
そのためしっかりと意識していれば、美味しいイタリアンをかっこよく食べることができるのです。