- ロシアで人気のおすすめお菓子20選
- 鳥のミルク(プチーチェマラコー)【大変貴重で珍しいもの】
- プラガ【ホテルザッハならぬホテルプラハの職人技が光る】
- メドヴィク【はちみつケーキ】
- ナポレオン【ナポレオン戦争勝利を記念して作られたお菓子】
- カルトーシュカ【見た目がじゃがいも】
- スィルニキ【ミニサイズのパンケーキ】
- ブリヌイ【ロシアのクレープ】
- ザピカンカ【カッテージチーズのチーズケーキ】
- ゼフィール【ゼピュロスが語源のマシュマロ風お菓子】
- パスチラ【コロムナ名物】
- プリャーニキ【しっとりとしたクッキー】
- チュルチヘラ【栄養価の高い保存食的お菓子】
- クランベリーのドラジェ【おしゃれで可愛い見た目がお土産にもピッタリ】
- ハルワ【衝撃の見た目】
- チャクチャク【素朴なロシア風かりんとう】
- スィローク【ロシアで朝食にもおやつタイムにも人気】
- メガチップス【見たことのない大きさのポテチ】
- アリョンカ【レトロパッケージの定番チョコ】
- キスキス【ロシアのキャラメル】
- コジナク【シンプルさの極み】
- ロシアで人気のお菓子のまとめ
それではロシアで人気のあるお菓子を見ていきましょう。
伝統的なものや催事のお菓子など、ロシアにはたくさんのお菓子があります。
ロシアで人気のおすすめお菓子20選
- 鳥のミルク
- プラガ
- メドヴィク
- ナポレオン
- カルトーシュカ
- スィルニキ
- ブリヌイ
- ザピカンカ
- ゼフィール
- パスチラ
- プリャーニキ
- パチュルチヘラ
- クランベリーのドラジェ
- ハルワ
- チャクチャク
- スィローク
- メガチップス
- アリョンカ
- キスキス
- コジナク
鳥のミルク(プチーチェマラコー)【大変貴重で珍しいもの】
「鳥のミルク」とは何という不思議な名前のお菓子でしょうか。
もともとはスラヴ系民族の伝承で、若い娘に言い寄る若者たちを試すために鳥のミルクを見つけてくるように言った、いわゆるロシア版かぐや姫の物語がこの不思議なロシアのお菓子の名前のもとになっているのだとか。
旧ソ連時代に生まれたこのロシアのお菓子は、スポンジの間にバニラクリームやコンデンスミルクとメレンゲを合わせてゼラチンで固めたババロアとムースの中間のような食感の生地を挟んだものです。
日本ではスフレと紹介する記事が多いですが、火を通さないことからババロアと表記するほうがピンとくるでしょう。
周りはグラッサージュショコラでコーティングされていて、見るからに高級そうなお菓子ですが、現在ではカフェやレストランを始めスーパーでも売られているくらい一般的なお菓子なので、ぜひお気に入りを見つけてくださいね。
プラガ【ホテルザッハならぬホテルプラハの職人技が光る】
ウィーンのザッハトルテは有名ですが、ロシアのお菓子「プラガ(プラハ)」はザッハトルテにもよく似たロシアのケーキです。
旧ソ連時代に【鳥のミルク】でも有名なケーキ職人、ウラジミール・グラルニク氏が考案されたと言われています。
ザッハトルテが間にあんずジャムを挟むのに対し、プラガはコンデンスミルクやバタークリームを挟んでいるところがいかにもロシアのお菓子らしいですね。
メドヴィク【はちみつケーキ】
はちみつ嫌いの皇女に間違って献上されてしまったところ、皇女の大好物になったという逸話の残るロシアのお菓子がこちらの「メドヴィク」です。
ロシアでは最も美味しいお菓子のうちのひとつといわれており、スポンジ生地の間にはちみつとサワークリームを挟んで何層にも重ねたお菓子です。
はちみつの甘くてこってりとした食感とさわやかなサワークリームのハーモニーが美味しいお菓子ですよ。
ナポレオン【ナポレオン戦争勝利を記念して作られたお菓子】
日本でもイチゴをたくさん乗せた「ナポレオンパイ」はナポレオンの帽子の形をかたどったと言われる知名度のあるお菓子です。
ロシアのナポレオンはむしろフランスのミルフィーユに近い形状の、パイ生地を幾層にもかさねたお菓子で、1812年の皇帝ナポレオンのロシア侵攻にロシアが勝利したことを記念して、100年後の1912年に考案されたお祝いごとの席のお菓子です。
パイ生地の間にはバニラクリームが挟まっている、広くロシア全地域において国民的なお菓子とも言えるでしょう。
カルトーシュカ【見た目がじゃがいも】
クッキーやビスケットを細かくしたところにバターやコンデンスミルクを混ぜ込んでしっとりとさせ、丸めてカカオパウダーをふり、松の実やアーモンドを差し込めば、見た目がじゃがいもそっくりのロシアのお菓子の出来上がりです。
カルトーシュカとはそのまんまロシア語で「じゃがいも」の意味のお菓子ですが、じゃがいもが入っているわけではありません。
フランス菓子にもポムドテール(じゃがいも)と言う名の同様のお菓子がありますので、ロシアとフランスの歴史のつながりも感じられるお菓子ですね。
スィルニキ【ミニサイズのパンケーキ】
ロシアを始め、北欧各国など北国のパンケーキは、一つが直径10センチほどの小さなサイズのものが多い印象です。
こちらのロシアの素朴なお菓子、スィルニキはロシアのカッテージチーズを焼き込んだ、いわゆる「おばあちゃんの味」的な素朴なお菓子。
材料はシンプルに卵、砂糖、小麦粉、カッテージチーズのみですが、フライパンに落として揚げ焼きにし、朝食やスナックタイムによく食べられています。
ロシアのカッテージチーズ「トゥヴァーログ」は酸味が強く柔らかいのですが、パンケーキをしっとりふんわりさせてくれます。
果物をまるごと砂糖で煮詰めたロシアのジャム「ヴァレニエ」をつけていただきます。
ブリヌイ【ロシアのクレープ】
ブリヌイはロシアでも最も有名でポピュラーなお菓子の一つです。
ブリヌイもパンケーキの一種ですがスィルニキとはちがい、クレープのように薄く平らに焼いたものに、色々な具を巻いて食べます。
ロシアでポピュラーな具はイチゴやラズベリーのジャムやサワークリームでしょう。
ハムやチーズ、特別なときにはイクラを巻いてウォッカと食べたり、ひき肉を巻いて食事にしたりとお菓子としても食事としても食べられています。
ザピカンカ【カッテージチーズのチーズケーキ】
ロシアのチーズケーキの中でも、ロシア人に日常的に欠かせないカッテージチーズ「トゥヴァーログ」を使ったお菓子がこちらのザピカンカです。
手作りチーズのような風合いのトゥヴァーログは、やわらかで少しザラザラしたような舌触り、出来上がりのケーキはずっしりとした重厚な味わいです。
レーズンを焼き込んだり、ヴァレニエ(ジャム)やスメタナ(サワークリーム)をかけていただくのが一般的です。
ロシアにはお菓子以外にじゃがいもを使ったグラタン料理の「ザピカンカ」があり、ポーランドではピザのようなパンを「ザピカンカ」と呼びます。
ゼフィール【ゼピュロスが語源のマシュマロ風お菓子】
ゼフィールは、古代ギリシア神話の西風の神様「ゼピュロス」(そよ風を吹かす)から名付けられた、ふわふわとしたマシュマロに似た食感のお菓子で、旧ソビエト連邦だった現ロシア各国で広く親しまれています。
ロシアの人の中でも、ゼフィールが一番懐かしくて美味しいお菓子という人は多いでしょう。
泡立てた卵白にりんごのピュレ、ゼラチン、砂糖を加えて作る、ホームメイドマシュマロのような、やわらかな食感の果物風味のお菓子です。
市販のものではUdarnitsa(ウダルニッツァ)という会社のものがロシア人イチオシでおすすめですよ。
パスチラ【コロムナ名物】
パスチラはゼフィールの原型とも言えるロシアのお菓子で、モスクワの南東部に位置するコロムナ(Kolomna)の名物です。
ゼフィールと似ているとはいえど、パスチラは14世紀から作られてきた伝統的な焼き菓子で、酸味の強いりんごにベリーやカシスなどの果汁を加えて低温のオーブンで長時間焼いたもの。
ロシア革命以降は伝統を受け継ぎながらもよりマシュマロ風の柔らかいパスチラがンされるようになりましたが、今でもコロムナのパスチラ博物館では伝統的なパスチラが購入できますよ。
プリャーニキ【しっとりとしたクッキー】
プリャーニキはモスクワ南部の州、トゥーラの名物のロシアのお菓子です。
いわゆるロシア人が連想する、最もロシアらしいお菓子ということで人気があります。
見た目は大きなジンジャーブレッドや月餅のような感じでスパイスは入っておらず、しっとりとしたケーキとクッキーの中間のような食感です。
伝統的なものはカステラのように大きく焼いてあり、表面には字や絵が書かれています。
中にはこけももやりんごなどのジャムが詰まっていて、ナイフで切り分けていただきます。
チュルチヘラ【栄養価の高い保存食的お菓子】
チュルチヘラはもともとはロシアでもコーカサス地方を中心とするグルジア(ジョージア)地方の伝統的なお菓子です。
ロシアは東西に広大な国なので、アジアや中東(トルコ)、ヨーロッパなどの近隣の国の影響を受けているお菓子もたくさんあります。
チュルチヘラの見た目はとても変わっていて、糸で30センチほどの長さにつないだクルミなどのナッツを、煮詰めた果物のシロップにつけて干し、乾かしたもので、細長い形です。
シロップはぶどうジュースのものが一般的で、濃くなるまで半量くらいに煮詰めたものに砂糖やはちみつを加え、コーンスターチでとろみをつけています。
変わった見た目のロシアのお菓子ですが、フルーツ味の葛湯につけて干したナッツ、という感じでしっかり乾いたできたてのものは風味があって美味しいですよ。
クランベリーのドラジェ【おしゃれで可愛い見た目がお土産にもピッタリ】
クランベリーはツルコケモモ属の常緑低木で、庭先などに植えられていることも多いですが、通常はジュースやシロップ、ジャムなどに加工されます。
こちらはロシアの有名お菓子メーカー、Udarnitsa(ウダルニッツァ)が販売しているお菓子ですが、真っ白な雪玉のようなドラジェ(砂糖衣)の中にクランベリーが入っている、見た目もおしゃれでかわいらしいお菓子です。
生のクランベリーは渋みがあってスカスカしており、あまり美味しいものではありませんが、こちらは甘酸っぱいクランベリーの酸味と砂糖衣の甘さがぴったりでつい手が出る美味しさです。
ハルワ【衝撃の見た目】
ハルワはもともと中東のお菓子ですが、ロシアではかなり一般的なお菓子で、ロシアの人の中にもロシアのお菓子だと思っている人がいるようです。
見た目はかなり衝撃的で、大きな土の塊のようにも見えますので、美味しそうには見えないのですが、原材料はひまわりやピスタチオなどのナッツのペーストにはちみつなどを加えた自然な風味が特徴のお菓子です。
ハルワは見た目とは裏腹に、新鮮なものはほろほろと簡単に崩れてしまうので、スプーンで削り取ったりナイフで切り分けたりしてそのままいただきます。
削り取ったものをアイスクリームにかけて食べるのもおすすめです。
チャクチャク【素朴なロシア風かりんとう】
チャクチャクは、日本のかりんとうにとても良く似たお菓子です。
もともとはバシコルトスタン共和国(バシキリア)やタタールスタン共和国辺りのお菓子ですが、ロシアではタタールスタンの名物として広く親しまれている一般的なお菓子です。
たっぷりの卵と小麦粉で作った、柔らかめのパン生地を細長く伸ばして油で揚げ、たっぷりのはちみつを絡めて固めてあります。
伝統的なタタールの郷土食で素朴なお菓子ですが、ロシアではどこでも手に入りますし、日本人の口にもあいますのでぜひお試しください。
スィローク【ロシアで朝食にもおやつタイムにも人気】
スィロークはチョコレートでコーティングされた、スティックタイプのチーズケーキのようなロシアのお菓子で、ロシア人には親しみ深く朝食やおやつの時間によく食べられています。
スィールとはロシアでチーズの意味ですが、ここでもやはりロシアの毎日に欠かせないカッテージチーズ、トゥヴァーログが使われています。
クリーミーなほんのり甘いチーズの酸味と、外側の甘いチョコレートのパリパリ感がハマるとクセになる美味しさでロシアでは大人気。
冷蔵のコーナーで色々なメーカーのものが売られています。
メガチップス【見たことのない大きさのポテチ】
メガチップスは、その名前の通りの見た目で、一瞬食べ方を躊躇するくらい大きな長四角の板状ポテトチップスです。
味は数種類ありますが意外に普通で、チキン味やマッシュルーム味、サワークリーム(スメタナ)&オニオンやサワークリーム&チーズなど、馴染みのある味も。
味は普通に美味しいポテトチップスですので、ロシアのお土産にも、話のネタにもピッタリと言えるでしょう。
アリョンカ【レトロパッケージの定番チョコ】
ヨーロッパの高級チョコレートとは趣が違いますが、実はロシアはお菓子だけではなくチョコレート大国としても知られる国です。
旧ソ連時代から変わらないレトロパッケージが人気のロシアのチョコレート、「アリョンカ」は実在の女の子をモデルにしていて、ロシアの定番とも言えるチョコレートです。
アリョンカとは、エレナ(レーナ)の愛称ですが、スカーフを巻いたぷにぷにほっぺの女の子がレトロかわいいと人気で、2017年頃からアリョンカモチーフのショップやカフェがオープンするほどの人気です。
中味は分厚いチョコクリームを挟んだウエハースをチョココーティングした、ざっくりとした食感のお菓子です。
キスキス【ロシアのキャラメル】
こちらも、旧ソ連時代からロシアで愛されてやまないレトロパッケージが可愛らしいキャラメルです。
猫好きが多くて有名なロシアですが、ロシアでは猫を呼ぶときに「キスキスキス・・・」という事からパッケージは反転の黒白ねこ柄!
ロシアのキャラメルは、日本のような柔らかいキャラメルとは違って、表面がちょっと乾いてカサカサしていますが、中味が柔らかく昔風の懐かしい味。
つい手が伸びてしまう甘いお菓子です。
コジナク【シンプルさの極み】
コジナクは、もとはグルジア(ジョージア)のお正月料理として出されていたお菓子で、ひまわりの種の中身、くるみ、ヘーゼルナッツ、アーモンドなどのナッツ類をカラメルやはちみつで棒状に固めたお菓子です。
素朴でシンプルな味わいはロシアの昔ながらのお菓子と言った感じで、家庭でも簡単に作れるお菓子として人気です。
香ばしいナッツの風味と、素朴なカラメルの甘さが一つにまとまって、シンプルですが誰にでも好まれる味のお菓子です。
ロシアで人気のお菓子のまとめ
ロシアの伝統的なケーキから、庶民に愛される素朴なお菓子まで色々とご紹介してきましたが、お気に入りにものは見つかったでしょうか。
ロシアは広大な土地に多民族が共存する国ですので、お菓子も東から西まで、世界各地の伝統を受け継いだものが多く見られます。
また伝統的な製法を守るお菓子の中には、現代のローフードやスローフードに通じる健康的なお菓子もロシアには多くありますね。
日本ではなかなか手に入りにくいロシアのお菓子ですので、現地を訪れた際にはぜひ試してみてくださいね。