【治安の前に】モロッコってどんな国?
モロッコは、「モロッコ王国」という正式名称があり、アラビア語とベルベル語が公用語として使用されています。
最大の都市は「カサブランカ」で有名な都市ですが、モロッコの首都は「ラバト」という都市です。
モロッコの面積は日本の1.2倍と同じくらいの大きさですが、人口は日本の関東よりも少ないのです。
観光で訪れる人もいる有名なサハラ砂漠や標高4000mを超える山があるため、人が住める場所が限られているのも人口が少ない理由の一つとなっています。
モロッコは1956年にフランスから独立したので、モロッコとしては50年ほどの歴史とまだ短いです。
フランスの植民地だったこともあり、モロッコはフランスの影響を今でも大きく受けています。
観光地にいる観光客とかかわることのあるモロッコ人の多くはフランス語を話し、モロッコで話されるアラビア語はフランス語由来の言葉も多くあるのです。
そしてモロッコには、青い街や赤い街、黄色い街など、街によって壁の色が違うのが魅力で、たくさんの観光客が訪れています。
日本からモロッコまでの直行便はないので、日本から行く場合は中東やヨーロッパで乗り継ぎをして入国することになります。
日本とモロッコの時差は8時間で日本のほうが進んでおり、サマータイムになると時差が9時間になります。
モロッコの治安を知る前に外務省が発表する危険レベルをおさらい
モロッコの治安を知る前に外務省が発表している危険レベルをしっかり見ておきましょう。
この危険レベルは、旅行するうえでその場所に行っていいかどうかを判断する大切な基準になります。
レベル1/黄色
レベル1の黄色は、「十分注意してください。」というレベルです。
危険度は一番低いレベルですが、滞在中の危険を避けるために注意が必要です。
レベル2/山吹色
レベル2の山吹色は、「不要不急の渡航は止めてください。」というレベル1よりもさらに危険度が高くなったレベルです。
できるだけ行かないほうがいい危険度になります。
レベル3/オレンジ色
レベル3のオレンジ色は、「渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」という危ないレベルで、このエリアへの旅行はやめてくださいと言われるレベルです。
興味本位で行っていいような危険度ではないので渡航はやめなければいけません。
レベル4/赤色
レベル4の赤色は、「退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」という一番危険度の高いレベルです。
レベル4のエリアへ旅行を計画している場合は、中止することはもちろん、すでにそのエリアにいる場合はすぐに退避してくださいと言われる危険度の高さで、どのような目的であってもそのエリアへ行くことはやめましょう。
モロッコの治安状況は?
それでは外務省が発表する危険レベルを見たあとは、モロッコの治安状況を見ていきましょう。
モロッコは、国全土でレベル1の「十分注意してください。」というレベルに指定されています。
モロッコは、街ごとに街並みの特徴も違うため、一度の旅行でたくさんの都市に行く人もたくさんいます。
現地の公共交通機関を利用する場合は、安全対策をしっかり行いましょう。
旅行としてモロッコを訪れる場合、スリなど観光客を狙った犯罪が増加しているため、注意が必要です。
そして、モロッコが国全土でレベル1の危険度に指定されているのはスリなどの犯罪が理由でしょうか?
実は、スリなどの軽犯罪のほかにテロの脅威があるからなのです。
テロは防ぎようがないかもしれませんが、観光客がたくさん集まるような場所や宗教関連の場所、政治関連の場所にはできるだけ行かないようにするなどの心掛けが必要になります。
さらに、北東部の都市ジェラダという場所では、断続的にデモが行われていることもありデモの群衆などに近づかないようにという警告が外務省からも出ています。
モロッコに限らず、海外に旅行する場合は外務省のホームページで危険レベルをチェックしたり、事前に起こりうる犯罪を調べて安全対策をしておくことも大切です。
首都ラバトの治安状況は?
モロッコの首都ラバトの治安状況も見ておきましょう。
ラバトは、各国の大使館もある発展したエリアです。
ラバトは、モロッコの中でも治安は比較的いいほうだと言われており、昼間に観光する分には危険はあまり感じません。
街も綺麗で、ヨーロッパとアラブ両方の雰囲気を持っている特徴のある都市です。
ラバトは近代的な都市の部分と歴史的な都市を併せ持ち、旧市街と新市街を合わせた街一帯が世界遺産として登録されています。
そのため、観光客が多く、観光スポットやホテル周辺などは観光客を狙ったスリなどの犯罪には注意が必要です。
さらに、ラマダンの時期はいつもよりも注意が必要だと言われています。
ラマダンはイスラム暦の第9月の時期に行われ、約1ヶ月の間夜明けから日没までの間は食事や水分の摂取を一切しません。
イスラム教の義務として行われるラマダンの時期は、テロや一般犯罪率も増加する傾向にあるのです。
ラマダン中はもちろんラマダン前後に旅行に行く場合は、さらに警戒をしたり、旅行の日程を変更するなどの対処をしてもいいでしょう。
治安のいいモロッコでも気をつけるべき犯罪5選
モロッコは、比較的治安はいい国ですが、治安のいいモロッコでも気をつけるべき犯罪を見ていきましょう。
気をつけるべき犯罪①:テロ
モロッコでは、国全土にテロの脅威があります。
テロはたくさんの人が集まる場所や、政治関係の場所で起こることも多く、観光客でにぎわう観光名所などへ行くのは最小限とどめるなどの警戒も必要です。
モロッコでは、2014年にテロへの警戒を強化しました。
それ以降は治安当局の取り締まりによってモロッコの治安は安定してきています。
テロを避けるためには、外務省のホームページやニュースなどの報道から最新情報をしっかりと得ることも大切になってきます。
気をつけるべき犯罪②:デモ
デモは、2016年10月以降モロッコの東北部の地域で社会改革を求めるデモが断続的に起きています。
2017年には、デモの主導者は逮捕されましたが、逮捕者の釈放を求めたデモが起きるなど首都ラバトを含む多くの地域でデモが発生しています。
治安部隊と衝突する大きなデモも起きているため、デモの集会などの群衆には近づかないように気を付けてください。
気をつけるべき犯罪③:スリ
スリは、モロッコに限らず観光客が多く訪れる観光スポットなどではよく発生している犯罪です。
モロッコでも観光スポットやラマダンの時期にスリが起こっていることから気をつけるべき犯罪だと言えます。
特に日本はスリなどの犯罪が少なく、海外に行っても日本と同じ感覚で行動してしまう人も多く、それを知っている犯人は日本人を狙うこともあります。
スリの被害にあわないためには、リュックはチャックのついているものを利用し、後ろでからわずに前で持ったり手でしっかり抱えるようにもつなどの対策が大切です。
買い物中など警戒から意識が薄れてしまうシチュエーションでは、狙われやすくなるため気をつけなければいけません。
気をつけるべき犯罪④:刃物を用いた恐喝
スリの場合は身の危険がなくお金などの貴重品が盗まれることが多いですが、刃物を用いた恐喝の場合はお金だけでなく最悪命の危険も出てきます。
もし刃物を用いた恐喝に巻き込まれてしまった場合は、犯人に抵抗することは絶対にせずに、犯人の言うことをおとなしく聞くほうがいいでしょう。
お金は躊躇せずに渡すなどの行動で犯人は満足することもあるため、お金やクレジットカードの貴重品はひとまとめにせず、分散させて持っておき、被害を最小限に抑えるようにしておくと安心です。
洋服の下につけておけるセキュリティポーチなど、犯人にわからないように貴重品が持てるアイテムを用意しておくことも大切です。
一番に命が助かるように行動できるようにしましょう。
気をつけるべき犯罪⑤:ぼったくり
観光客が多く集まるモロッコですが、人気の観光地ではローカルレストランなどで日本人のぼったくり被害も報告されています。
被害にあった日本人は、ローカルレストランに入って食事が済んだ際にぼったくりにあったようで、メニューの値段よりもはるかに高い値段を請求されたようです。
ぼったくりの被害は、値段表記のないローカルなレストランで夜など他のお客さんがいないときに行われることがあるようです。
観光地には観光客向けの値段が高めのレストランもありますが、そういった観光客向けのレストランに入るようにしたり、夜など人の少ない時間帯は利用を避けることで被害を避けることができます。
旅慣れている人は、現地の人と交流を楽しんだりローカルなレストランに行くのが好きな人も多いですが、しっかりと警戒することが必要です。
観光客を狙った犯罪者もいるということは常に頭にいれておくといいでしょう。
治安のいいモロッコでも注意するポイント13選
治安は比較的いいモロッコですが、注意するべきポイントをご紹介します。
注意するポイント①:事前にモロッコの情報を調べておく
モロッコに限らず、海外旅行に出かける際はその国の情報を事前にしっかり調べておくようにしましょう。
まず調べておいたほうがいいのは、危険な地域はないかです。
観光地であっても、一本道を入るとスラム街があることもあるのです。
さらに、犯罪がよく起こっているエリアがないかなどをちゃんと調べておくだけでそこに近づかないようにすることができます。
一番危険なのが、何も知らないで危ない場所に行ってしまうこと。
知らなかったでは済まされないこともあるかもしれないので、旅行に行く前にはしっかりとモロッコの情報、特に危険情報を調べるようにしましょう。
注意するポイント②:大勢の人の前で財布を出さない
大勢の前で日本と同じように財布を出すことも危険です。
スリなどの犯罪を犯す人はそういった場面をしっかりと見ています。
財布を出した瞬間に盗まれることはなくても、そのあとに人通りの少ない道を通ったり犯人に都合のいいタイミングが訪れれば狙われる可能性もまります。
海外旅行中は日本の財布をそのまま使うのではなく、財布に見えないような小さなバックや巾着などを財布の代わりとして使うのもおすすめです。
そしてお金やクレジットカードは一つにまとめるのではなく、分散させて持っておくようにしましょう。
もし被害にあったとしても、被害を最小限に抑えることができます。
注意するポイント③:荷物は目の届く範囲であっても手を放さない
日本では、カフェで席をとるときにカバンを置いたりすることもありますが、モロッコでは絶対に荷物から目を離さないようにしてください。
目の届く範囲であっても、とられてしまう可能性があります。
海外旅行に行くときは、日本と同じ感覚で行動せずに、常に警戒をして行動しておくことで犯罪に巻き込まれる可能性を低くすることができます。
注意するポイント④:高価なものをむやみに出さない
大勢の前で財布を出さないことはすでに伝えましたが、次に狙われやすいのがスマホやカメラです。
スマホは特に歩きながら使う人もいますが、観光地ならまだしも現地の人しかいないような場所ではむやみに出さないようにしましょう。
スマホは現地の人にとってもかなり高価なものです。
同様にカメラもかなり高価なものなので、首から下げておくなど外に出しておくのはやめましょう。
むやみに出さないように意識しておくだけでとられたり被害にあう確率は少なくなります。
注意するポイント⑤:現地の人だけが集まるお店に注意する
ローカルなレストランで被害にあった日本人もいますが、現地の人だけが集まるお店には注意しておきましょう。
特に女性一人で旅行している場合は、店内にほかの女性客はいるかや、観光客らしき人はいるかというのもお店を選ぶ際の基準にしておくと安心です。
注意するポイント⑥:タクシーに乗るときは事前に行き先を伝える
モロッコでタクシーに乗るときは、まず乗る前に行き先を伝えましょう。モロッコでは、渋滞がひどい場合や行き先が遠すぎる場合、断られることもあるのです。
そしてメーター制なのか固定料金なのか、乗るときに確認しましょう。
ほどんどの観光地ではメーター制のところが多いので、乗った時にしっかりとメーターを確認して、メーターを使ってもらうようにお願いしてください。
もし、行き先を伝えただけでメーターを確認していない場合、着いてから高額な料金を請求される可能性もあります。
注意するポイント⑦:デモの群衆に近づかない
デモは、以前に比べると少なくはなっていますが、デモの集会などの群衆には近づかないようにしましょう。
さらに、政府関係の機関や宗教関係の場所にもできるだけ立ち寄らないようにしておくほうが安心です。
注意するポイント⑧:モロッコの文化や習慣を勉強しておく
モロッコに旅行に行く前には、事前にモロッコの文化や習慣を勉強しておくのがおすすめです。
モロッコは日本から遠く離れていることや宗教が違うこともあり文化が大きく異なります。
たとえば、日本で日常的にやっていることでもモロッコではしないほうがいいことなどもあるかもしれませんし、事前に文化や習慣を勉強しておくことも大切です。
余裕があれば現地の言葉でこんにちはやありがとうなどの言葉を覚えておくのもおすすめです。
モロッコ旅行がさらに楽しくなります。
注意するポイント⑨:露出の多すぎる服を着ない
モロッコでは、イスラム教の人が多いこともあり肌を露出するのはあまりよくありません。
暑い時期であっても、足を出すような服は避け長ズボンを履くようにしましょう。
さらに胸元を露出するのもよくなく、半そでを着る場合でも上から羽織るものを持っておくといいです。
宗教面はもちろんですが、女性の場合露出が多い服を着ていて犯罪に巻き込まれることもあります。
さらに、おしゃれをしたりブランドバッグを持つなどもスリや恐喝などに狙われる対象にもなりかねないのでおすすめしません。
注意するポイント⑩:夜道を一人歩きしない
女性はもちろん男性であっても、むやみに夜道を一人歩きしないようにしましょう。
夜道を一人で歩くことは犯人にとっても好都合になります。
もし夜道を歩く必要がある場合でも、できるだけ人通りの多い道や大通りを通るようにするほうが安心です。
興味本位で人通りの少ない道やスラム街に入らないようにしてください。
注意するポイント⑪:心配な場合はツアーに参加する
モロッコに旅行するときに犯罪など心配がある場合は、団体で行動できるツアーなどに参加するのも安心です。
特に女性一人で旅行する場合、同じ日本人観客と一緒に行動できるツアーがあればそのほうが心配せずに観光できます。
旅行に慣れていない人やモロッコが初めてで心配な人は特に一人で行動することだけでなく、ツアーに参加することも視野に入れておくことが大切です。
注意するポイント⑫:ホテルであっても貴重品はしっかり管理する
少し高価なホテルであれば問題はないと思いますが、ホテル内であっても貴重品はしっかり管理しておくほうが安心です。
掃除のときにものが盗まれてしまうこともないとは言い切れません。
観光や食事などで外に出かけるときは、キャリーバッグには鍵をかけたり、お金やクレジットカードなどの貴重品はセーフティーボックスがあれば利用するなどしっかりと管理しておきましょう。
注意するポイント⑬:生ものや水に注意する
おなかの弱い人は特に生ものを食べないようにしたり、水道水を飲まないようにするなどおなかを壊しそうな危ないことはしないようにしましょう。
さらに、日本から普段使っている薬を持ってきておくのも安心です。
体調が悪くなったときはしっかり休むようにし、体調がよくならない場合は病院に行けるように海外旅行保険に入っておくことも大切です。
日本とは環境や気候が変わるので体調を崩しやすくなる人も多くなります。
せっかくの旅行だからと無理しすぎず、旅行中もしっかり睡眠をとり次の日の観光に備えることも大切です。
特にモロッコではたくさんの都市に行く人は、移動が多くなる場合もあるので、ハードスケジュールにならないように計画しましょう。
治安のいいモロッコで、戦争の危険性はある?
モロッコでは過去にさまざまな戦争があり、大きなもので言えば1859年から半年にわたってスペイン・モロッコ戦争がありました。
スペインではアフリカ戦争として知られています。
モロッコは、ヨーロッパに一番近いアフリカという位置にあるため、フランスやスペイン、イギリスなどから関心をもたれており、植民地や支配をめぐってさまざまな戦争や事件が過去に起きています。
そして最近では、1920年に植民地支配に対する対抗としてリーフ戦争が起きました。
第1次リーフ戦争は第3次リーフ戦争にまで発展していますが、スペイン・モロッコ戦争の紛争の一つと言われています。
特に、スペインやフランスとは植民地支配をめぐって過去に何度も大きな対立してきました。
その後フランスは1954年第1次インドシナ戦争に敗れたことによってベトナムが独立し、植民地支配に行き詰まったフランスが自治を約束したため1956年にはモロッコが独立したのです。
モロッコが独立した現在は戦争の危険性は過去と比較すると心配ありませんが、1990年代以降はテロのほうが問題視されています。
治安のいいモロッコで、テロの危険性はある?
モロッコでのテロの危険性は、すでに解説している通りあると思っていたほうがいいでしょう。
近年でもテロは、モロッコだけでなく周辺国のフランスやスペインでも起きています。
そして2003年には、モロッコの都市カサブランカで同時爆破テロが起こっています。
フランス人やスペイン人を含む40人以上が犠牲になったと言われていますが、その後さらに2007年にもカサブランカでは、爆破テロ事件が起きているのです。
現在も危険レベル1が指定されていて、戦争よりもテロに警戒すべきです。
テロは、犯罪とは違い事前に情報を得てテロに巻き込まれるのを防ぐのは難しいと言えます。
モロッコ旅行中は、観光客がたくさん集まる観光スポットへの立ち寄りは最小限に抑えたり、政府関係の施設や宗教関係の施設にはできる限り近づかないようにしなければいけません。
旅行は本来楽しいものですが、一歩日本の外に出れば何が起こるかわからないという警戒は常に持っておくべきだと言えます。
外務省のホームページには常に最新の情報が出ていますし、報道やニュースなどで現地の最新の情報を手に入れるようにしておくのが安心です。
モロッコは比較的安全だけど注意して楽しもう
モロッコの治安や注意するべき犯罪等をご紹介しました。
モロッコは日本からの直行便はありませんが、最近とても人気のある観光地です。
モロッコに行く際は、事前にモロッコの危険情報や文化、習慣などを調べておき、現地ではスリや恐喝などの犯罪にも対応できる安全対策をしておきましょう。
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