【治安の前に】コスタリカってどんな国?
コスタリカは中米に位置する国で、「幸せの国」とも呼ばれています。
首都はサンホセで、ニカラグアとパナマに国境を接している国です。
スペインの植民地だったことからスペイン語が公用語として使われています。
スペインから独立したのは1821年と国として長い歴史があります。
コスタリカは、エコツーリズムの考え方が発達していて、自然保護や環境保全を尊重しているため、観光によって自然が壊れないような管理や取り組みが行われています。
マグマによって地下加熱された温泉に入ったり、日本では見られない熱帯の生物を見ることができる自然公園などの観光スポットがあります。
さらに、最近ではスペイン語留学の地としてコスタリカを選ぶ日本人も増えてきています。
物価や学費は日本とほとんど変わらず、ほかの国へ留学する場合よりも高くなることもありますが、治安の良さや環境で選ぶ人が多いです。
日本からコスタリカへは、現在直行便は就航していないため、アメリカで乗り継ぎをしたり、成田からメキシコシティの便を利用してメキシコ経由で入国することもできます。
日本からは遠いため、ほかの国も一緒に周遊旅行する人も多くいます。
通貨にはコスタリカ・コロンが使われています。
コスタリカは、ヨーロッパやアジアからの移民も多く、様々な国の本格料理が食べられるのも魅力のひとつです。
コスタリカの治安を知る前に外務省が発表する危険レベルをおさらい
海外へ旅行する際は、外務省が発表している海外安全ホームページをチェックしておくとその国の最新情報がわかります。
ここでは、海外安全ホームページにのっている危険レベルについておさらいしていきます。
レベル1/黄色
レベル1は、海外安全ホームページの中で一番危険度の低いレベルで、黄色で表されています。
安全な国の中には、レベル1にもなっていない国もあります。
そのため、危険度では一番低いレベルですが、危険度はあるということになります。
海外安全ホームページでは、「十分注意してください。」と表記されています。
レベル2/山吹色
レベル2は、次に危険度があがるレベルです。
海外安全ホームページでは、「不要不急の渡航は止めてください。」となっています。
レベル3/オレンジ色
レベル3は、渡航中止勧告が出るレベルで、オレンジ色で表されています。
どんな目的であっても渡航をやめる必要があります。
レベル4/赤色
レベル4は、退避勧告が出る一番危険なレベルです。
そのエリアへはもちろん、周辺エリアにもいかないようにするべき危険度です。
コスタリカの治安状況は?
コスタリカは、周辺国に比べると比較的治安はいい国で、外務省が発表している海外安全ホームページでは、レベル1のエリアがひとつあるだけで、ほかのエリアには危険レベルは指定されていません。
首都サンホセの治安状況は?
コスタリカは比較的治安がいい国だとお伝えしましたが、ひとつだけ危険レベルが指定されているのが首都サンホセです。
近年は、麻薬組織が絡んでいる凶悪な犯罪が増加している傾向にあります。
1990年代以降から不法滞在者が増加していたり、麻薬が蔓延していたり、銃所持者も増加しています。
さらには、中途退学者などによる犯罪の低年齢化などが問題視されています。
危険なのはサンホセ市をはじめ、カリブ海沿いのリモン市などです。
このエリアでは、殺人や強盗などの凶悪犯罪が多発しています。
コスタリカ政府によって警察官の増員や警備の強化などの治安対策をやっていますが、犯罪は多く発生しており、夜間だけでなく白昼のショッピングモールなどでも発生しているため、旅行中は注意が必要です。
さらに、現在隣国のニカラグアの情勢が悪化しているため、多くのニカラグア人がコスタリカに流入してきたことによって、ニカラグア人とコスタリカ人の衝突が発生しています。
凶悪犯罪も増加しているコスタリカですが、近年問題になっているのは麻薬です。
コスタリカは、南米産の麻薬をヨーロッパやアメリカに運ぶ際の中継地点になっていることや、麻薬の消費地にもなってきています。
特にコカインの押収量は年々増加しており、麻薬の密輸も増加していると見られています。
コスタリカでは、麻薬組織が犯罪に関与しているのはもちろん、麻薬欲しさに麻薬の購入代金を手に入れるための殺人や強盗事件が発生しています。
他には、麻薬中毒者が麻薬購入代金を払えずに殺害されるケースもあるようです。
麻薬に手を出さないことはもちろんですが、関係のない一般人が事件に巻き込まれるケースも多くなっています。
サンホセに旅行する際は、最新情報を確認することが重要になっています。
さらに、サンホセ中心部の歩行者天国や中央市場周辺などでスリやひったくりなどの一般犯罪も発生しています。
観光客は特に注意するようにしてください。
麻薬取引も行われていたり、強盗目的の殺人も昼夜問わずに発生しているので、昼間だから安心ということでもありません。
外出時は十分安全対策をとっておきましょう。
治安のいいコスタリカでも気をつけるべき犯罪5選
ここでは、治安のいいコスタリカでも気をつけるべき犯罪をご紹介します。
事前によく起こっている犯罪を知っておくことで安全対策ができます。
安全対策をすることで防げる犯罪もあるので、ぜひしっかり見ておいてください。
気をつけるべき犯罪①:スリやひったくり
スリやひったくりは、サンホセ中心部の歩行者天国や中央市場周辺ホスピタル地区など観光で訪れる場所で起きています。
スリやひったくりを防止するためには、まずチャックのついたリュックを使い、前でしっかり抱えるように持っておくことが大切です。
スリはいろいろな人を見てどの人をターゲットにするか見定めています。
そして隙を探して物を盗んでいくので、隙を与えないようにすることが大切です。
ひったくりに関しても、肩から掛けるカバンはひったくりにあいやすいので注意してください。
リュックやショルダーバッグなどとられにくいカバンを選ぶことも大切です。
海外旅行中は、手提げのカバンや肩から掛けられるカバンは危ないので使わないようにしましょう。
気をつけるべき犯罪②:置き引き
日本だと、カフェやレストランなどで荷物を置いて場所取りすることもありますが、海外では絶対に同じような荷物での場所取りはやってはいけません。
観光地であるマンサニージャやタマリンド、マヌエル・アントニオなどで置き引きの被害が発生しています。
置き引きにあわないためには、荷物を自分から離さないことが大切です。
目の届く範囲であっても手の届かない場所に置くのは危険なので置かないようにしましょう。
気をつけるべき犯罪③:強盗
強盗は、最悪の場合殺人に発展するケースもありますので、細心の注意を払う必要があります。
強盗は、昼夜関係なく発生しているうえ、ショッピングモールや住宅街などでも起きているため十分注意してください。
強盗の手口としてはたくさんの手段があります。
歩いている人を無理矢理車に乗せて金品を強奪する方法や、走行中の車を停車させて、運転手を引きずりおろして車を強奪する方法などとても恐ろしい犯罪手口ばかりです。
車に乗る場合は、必ず中からしっかりロックしておきましょう。
ほかには、背後から近寄り首をしめたり、複数人に囲まれて刃物で脅すケースもあるため、一人での外出は危険です。
さらに、特に危ないのが銃を使った強盗です。
バイクで通行人に近づき銃を突き付けて金品を強奪したり、車の助手席の窓を割り銃で脅す方法、車を駐車して降りた時を狙って銃を突きつける方法などもあるため、銃を突き付けられたら抵抗せずに犯人の言うことを聞くようにしてください。
銃は殺人になるかもしれないため本当に危険です。
抵抗すると殺されてしまう危険もあるので注意してください。
気をつけるべき犯罪④:殺人
殺人は、麻薬組織による抗争や、麻薬中毒者が麻薬購入代金を踏み倒すことなどで起こるケースが多いです。
ただし、麻薬に関連した殺人事件でも、一般人も巻き込まれた事件も発生しているため、麻薬にかかわっていなくても事件に巻き込まれる可能性があります。
コスタリカでは、2017年に477件もの殺人事件が発生しており、そのうちの7割が銃を使った犯罪と、銃の使用率がかなり高いです。
殺人事件のうち半数は麻薬組織が関与しているようなので、安心はできません。
2016年に比べると、殺人事件件数は減っていますが、麻薬によって犯罪が凶悪化しています。
気をつけるべき犯罪⑤:麻薬関連
コスタリカは、南米産の麻薬をヨーロッパやアメリカへ運ぶ際の中継地になっています。
そのため、麻薬の消費量も増加傾向にあり、麻薬組織による凶悪犯罪も増加しています。
麻薬組織の絡んだ犯罪には、殺人や強盗事件も多く、銃が利用されていることも多いです。
さらに、麻薬の使用者が増えることで、麻薬を買うお金を作るための強盗やスリ、ひったくりも発生しています。
麻薬を使っていなくても事件に巻き込まれてしまう可能性もあるため、昼間であっても外出時は注意してください。
治安のいいコスタリカでも注意するポイント11選
コスタリカは、比較的治安のいい国ですが、治安のいいコスタリカでも注意するべきポイントがいくつかあるのでご紹介します。
治安のいいコスタリカで、犯罪に巻き込まれないために旅行中はしっかりと注意して行動するようにしてください。
注意するポイント①:日本と同じ感覚で行動しない
日本は平和ボケしているともいわれるほど安全な場所が多い国です。
カフェで荷物を置いて席をとっていても盗まれないような国なので、日本と同じ感覚で海外でも行動している人は狙われやすいと言われています。
コスタリカは、治安はよくても日本とは違い、置き引きやスリなどの一般犯罪も起きています。
席をとるために荷物を置いておく、など荷物を自分の手元から離して置いておくいうことは絶対にしないようにしてください。
さらに日本人は海外旅行に行くときに、おしゃれをしたりブランドバッグを持ったりする人も多くいます。
犯罪に巻き込まれないためには、高価なものを身につけないようにしたり、多少生活感のあるような服装をすることも安全対策のひとつです。
注意するポイント②:現金は多く持ち歩かない
コスタリカに行く際はもちろん、海外に旅行に行くときに現金をたくさん持っていくのはとても危険です。
もし現金で持っていかなければいけない場合でも、ホテルの金庫などに置いておいて、使う分だけ持っていくなどの対策をするようにしましょう。
すべての現金を持って歩いていると、強盗にあったときなどにすべて取られてしまいます。
街にあるATMを利用すれば海外キャッシングもできるので、できるだけ現金を持ち歩かないようにしたり、クレジットカードが利用できるお店ではクレジットカードを利用することも検討してみてください。
現金はもし盗まれても補償されないので危険です。
注意するポイント③:貴重品や現金は分散させて持つ
現金はあまり持ち歩かないほうがいいですが、持ち歩くときは必ずいくつかの場所に分散させて持っておくようにしましょう。
もし、強盗にあって金品を要求されたときに、分散させて持っておけば被害を最小限にすることができます。
ここでも日本と同じ感覚にはならず、とられてしまうかもしれないという警戒心を持って行動するようにしましょう。
特に現金だけでなく高価なカメラやスマホなどもスリや強盗の対象になるので、あまり観光客の雰囲気を出しすぎているのも危険です。
強盗にあわないためには、できるだけ高価なものは外に出さないようにしておくことも大切です。
注意するポイント④:財布を必要以上に出さない
スリの多いエリアでは、犯人はたくさんの人の中からスリに絶好のターゲットを狙っています。
財布を必要以上に出していると、それだけ犯人に見られているかもしれません。
財布がカバンのどこに入っているのか、お金がどのくらい入っているのかなどを財布を出す度にチェックされているかもしれないので、あまり必要以上に財布を出さないようにしておきましょう。
さらに、上記の「貴重品や現金は分散させる」と同じ理由で、財布の中にクレジットカードやパスポート、キャッシュカードなど一緒に入れておくのは危険です。
旅行中に使わないカード類を持ち歩かないのはもちろんですが、クレジットカードやデビットカードなども必要以上に持ち歩かず最低限利用するものだけを持ち歩くようにしましょう。
できれば日本で利用しているような長財布をそのまま利用することは避け、海外旅行用に小さな財布を用意しておくのがおすすめです。
注意するポイント⑤:人通りの少ないエリアに行かない
行動するときは、できるだけ人通りの多い場所を歩くようにしましょう。
観光客の多い場所や人通りの多すぎる場所もスリなどの危険がありますが、人通りが少なすぎる場所ももし何か起きた時でも誰にも気付いてもらえないなどの不安があります。
宿泊するホテルのフロントで、行かないほうがいいエリアや通りなどがないかどうか教えてもらうのもおすすめの方法です。
事前に危ない場所を調べて、人通りの少ないエリアや危ない場所には近づかないようにしてください。
人通りの少ないエリアを避けるだけでも、犯罪に巻き込まれる確率はかなり下がります。
安全対策を行い、人通りの多い場所で行動してください。
注意するポイント⑥:カバンはチャックのあるものを使う
スリは、しっかりと防犯対策をすることで防げる場合も多いです。
カバンは、日本で使っているような中身がすべて上から見えるようなカバンではスリの対象になりかねません。
カバンは必ずチャックのあるものを使い、前でしっかり抱えるように持っておくのが安心です。
スリは警戒心の少ない人や、とりやすい人からとるはずです。
できるだけスリされにくいカバンと行動を心がけましょう。
注意するポイント⑦:パスポートはしっかり管理する
パスポートは、旅行に必ず必要なものですが、パスポートを出す必要のある場所に行くとき以外は持ち歩かないことをおすすめします。
普段はパスポートのコピーを携帯して、パスポートはホテルの金庫に入れておくと強盗やスリにもしあってしまった場合でも安心です。
パスポートは無くすと再発行の手続きに時間と手間がかかり、パスポートがないと帰国できなくなってしまうので十分注意してください。
注意するポイント⑧:夜間に一人で出歩かないようにする
コスタリカで起きている犯罪は昼夜問わず発生しています。
しかし、やっぱり夜になればなるほど犯罪率が上がるのも事実です。
まわりからあまり見えない暗さを利用する犯人も多くいます。
コスタリカに旅行に行く場合は、できるだけ昼間の明るい時間に行動するようにし、夜間には一人で出歩かないようにしましょう。
注意するポイント⑨:麻薬に興味本位で手を出さない
海外旅行に行くと、日本じゃないから少しくらい大丈夫かな、と興味本位で麻薬に手を出してしまう人も少なからずいます。
麻薬にはまってしまうと中毒になってしまったり、人生を台無しにしてしまいます。
最悪の場合は、麻薬組織の凶悪犯罪に巻き込まれたりする恐れもあります。
興味本位で麻薬に手を出さないようにしてください。
注意するポイント⑩:強盗にあったら犯人に抵抗しない
コスタリカは比較的治安のいい国ですが、強盗やスリも発生しています。
もし強盗にあってしまったら、抵抗せずに犯人の言うことを聞いてください。
抵抗したことで怪我をさせられてしまったり、最悪の場合殺人に発展することもあり得ます。
強盗にあってしまったら、犯人の言うことを聞き、金品など要求されたものを渡すようにしてください。
注意するポイント⑪:命さえあったらいいと思う
これは最悪の場合を想定してのことですが、もし強盗にあったり何か犯罪に巻き込まれた場合、金品を渡したり、荷物を置いて逃げられる場合なら逃げるなど、最悪の状況になってしまったら命が助かるだけでいいという気持ちを持つことも大切です。
でも、まずは犯罪に巻き込まれないように安全対策や防犯対策をしっかりし、一人で出歩かないなど警戒して行動することが大切です。
治安のいいコスタリカで、戦争の危険性はある?
コスタリカでは、戦争の危険性はほぼありません。
実は、コスタリカは、日本と同じで平和憲法を持った国なのです。
さらに、コスタリカは日本と違い「軍隊のない国」として、現在は警察官と国境警備隊のみで、警察官は銃を保持していません。
コスタリカでは、1948年に内戦があり1ヶ月半のうちに2000人がなくなりました。
この内戦をきっかけに、二度と内戦をしないようにするために軍隊を持つのをやめようという意見が出たのが始まりです。
そして1949年にできた今の憲法に常備軍を持たないことが記されています。
実は、コスタリカは経済的に豊かではなかったことも軍隊を持たなくなった理由のひとつだと言われています。
軍事費を教育費に充てることで国は発展すると考えられたのです。
そして実際に軍隊を持つのをやめ、軍事費に充てられていた資金はすべて教育費にまわされました。
そのおかげで、現在コスタリカの識字率は97%にもなっています。
今、コスタリカにはコスタリカ国立劇場という美しい建物がありますが、コスタリカで戦争がないのは、この美しいコスタリカ国立劇場を壊すのが嫌だからという風に言われるほどコスタリカ人に愛されています。
治安のいいコスタリカで、テロの危険性はある?
現在コスタリカでは、イスラム過激派やテロ組織の活動は確認されていません。
でも、コスタリカでテロに巻き込まれる可能性がないわけではありません。
現在チュニジアなどで観光客をターゲットにしたテロ事件で日本人が死傷した事件も発生しています。
さらに、フランスやドイツ、トルコ、ベルギーなど日本人が多く訪れる国でもテロが発生していることから、コスタリカに行くときも最新情報を報道などから得ておくことが大切です。
テロのほかにも、誘拐や脅迫などに巻き込まれないためにも、海外の安全情報をしっかり入手するようにしておきましょう。
テロは、観光客が多く集まる博物館やショッピングモールで起きていることも多く、観光施設への立ち入りは注意が必要です。
外務省のホームページや、いろいろなサイトなどでテロが近くで起きた時はどういった行動をしたらよいのか書かれているものもあるので、そういった情報を読んでおくのも大切です。
たとえば、爆発や銃声が聞こえた場合、その場所には近づかないようにする必要があります。
さらに、部屋にいた時に音が聞こえた場合でも、窓からのぞかないようにしてください。
そして、テレビやスマホの受信音が標的になる場合もあるので電源を切るなどの対処ができます。
夜に起きた場合は、部屋の電気を消すことも大切です。
そして、近くでテロが起きた場合まず伏せることが大切だと言われています。
テロが近くで起きた時にどうするかわかっておくだけでも少し対策になるでしょう。
コスタリカは周辺国に比べて治安のいい国
コスタリカは、軍隊を持たず平和憲法を持った比較的治安のいい国だということをご紹介しました。
コスタリカは、エコツーリズムの考え方が発達していて自然の魅力が多い国です。
ただし、近年は麻薬組織による凶悪犯罪なども増加してきています。
最低限の安全対策をやったうえでコスタリカ旅行を楽しんでください。