【治安の前に】ホンジュラスってどんな国?
スペイン語で深みという意味を持つホンジュラスですが、コロンブスがこの地を訪れた時に大西洋沿岸の海が深かったようでこの名がつけられたと言われています。
国はグアテマラと隣接しており、またエルサルバドルとも隣りですしニカラグアとも隣接でいている位置に属する国です。
中米は日本人にとってあまり馴染みのない国々が多くあります。
しかし、太平洋と大西洋に挟まれているために貿易が栄え文化が交流している国々でもあります。
この国の本土の75%は山岳地帯で太平洋と大西洋に挟まれているので山と海の国です。
さらに多くの島々も有しておりバイア諸島という島々もホンジュラスの一部です。
中米の中でも特に山の多い国でしかもあまり開発が進んでいない理由なのか、自然が多くあり滝もあって美しいランの花も見ることができます。
リオ・プラタノ生物圏保護区やコパンのマヤ遺跡といった世界遺産も存在します。
ホンジュラスの治安を知る前に外務省が発表する危険レベルをおさらい
外務省は国や地域での危険度を色分けによって分かりやすく状況を知らせてくれています。
詳しくはこちらの外務省のホームページにて詳しく調べることができます。
ホンジュラスのように中米の国々では情勢の変化が目まぐるしいので常に調べておくことは大切です。
また、レベルが1だから安心と感じて油断することもできません。
特に近年はホンジュラスの隣国グアテマラも治安は悪くなってきており、中米全体は治安の維持に政府が苦労している様子が続いています。
それで、治安情報として提供される以上に状況は悪いと思って理解するのは慎重で賢明な情報の読み取り方です。
そこで下記のそれぞれの色にはどのような意味があるのかよく知っておくことは助けになります。
また、重要な点として更新はその時々によって多少のずれがありますので、もし現地の治安状況に詳しい人がいるならその人から情報を得ることも大切です。
レベル1/黄色
この色での危険レベルでは十分に注意するようにという意味があります。
それで、渡航は止めるようにすすめられてはいないものの入国するかどうか十分に熟慮する必要があります。
全般的に治安が比較的安定している地域を指すもののスリ、強奪といった犯罪があることを表しています。
さらには局地的にデモ行進といった治安維持困難な状況になり日本政府からのバックアップを緊急事態でも受けにくいような状況にもこの危険信号が発せられます。
レベル2/山吹色
大切な目的もなしに入国することは危険であるレベルです。
危険度という点からして渡航は禁じられてはいません、しかし安全策を講じていないなら渡航することは不適切であるといえます。
このレベルは基本的にはレベル1とレベル3の間でどちらか判断が付きにくいときに記される危険レベルです。
不要不急であるなら渡航を控えるのが賢明です。
レベル3/オレンジ色
渡航は止めなければいけないレベルの危険度を表しています。
渡航中止勧告ともいえるでしょう。
治安はもちろん安定しておらずテロリスト、山賊、海賊といった武装勢力によって被害を受けるような状況です。
もしすでにその地域にいてこの警報が出たならすぐに国外あるいは危険地域から退避することを強くすすめます。
もし、これからこの危険地域に入ろうとする予定であったなら渡航を延期することが賢い選択であるといえます。
レベル4/赤色
退避すべき、渡航は止めるべきレベルの危険度です。
このレベルは治安を維持すべき政府や当局などが機能していないような状況で当然無法に近い状況なので安全が全く確保されていないような状況を表しています。
状況次第では日本大使館の職員も退避することもあるので日本人への援助がより皆無に近い状況になりかなり危険であることを意味します。
取材等であっても自粛するよう要請されることもあります。
つまり、それほど危険であるという事です。
ホンジュラスの治安状況は?
ホンジュラスの治安状況は外務省の海外安全ホームページを見ていただくと分かる通りすべての地域に色が付いており南半分が黄色レベル1で、北半分が山吹色のレベル2です。
ただホンジュラスの治安についてよく表している数字が人口当たりの殺人事件発生率が世界で一番高い国であるという点です。
ホンジュラスの国立自治大学の研究所の調べによると1日に平均で11人もの人が殺害されています。
さらにキャラバン隊を組んでメキシコからアメリカに入国するホンジュラス人の様子から分かる通り貧困のレベルが想像以上に悪いので2017年の強盗、誘拐といった問題は急激に増加しているようです。
さらにホンジュラスの治安を悪化させている別の要因は麻薬の主要なルートとなっていることです。
麻薬組織が各地を支配しており組織による抗争に加えてギャング団も多いのでこれに関係した犯罪が絶えず生じています。
治安はとても良いとは言えません。
首都デグシカルパの治安状況は?
では首都デグシカルパの治安についてですがこちらも危険レベルは山吹色のレベル2となっています。
昼夜関係なく強盗が多発している地域で、特に市内を通るチョルテカ川を挟んで西の地域は治安が著しく悪い地域ともなっています。
また南米で生産されている麻薬を北米へと運ぶ上での重要なルートとなっているのがホンジュラスです。
主に麻薬の活動が活発なのはカリブ海沿岸地域そして西部国境地域なので首都はその点この二つの間に位置しており、影響を受けないでいるということは無理のようです。
世界第三あるいは第五位とも呼ばれているほど都市別での殺人事件が多い街で危険を回避することは大変!
あえてこの地区で安全なのはどこか?となるとそれは時間帯はなるべく明るい時間帯に移動すること、買い物はお金のある高級住宅地や高級街に行くなら比較的安全ではあります。
治安が特に悪いとされるところでもある首都デグシカルパと隣接するコマヤグエラ市の地区やコマヤグエラ市そのものには必ず行かないようにすべきです。
首都の隣りに位置するコマヤグエラの位置はこちらになります。
治安の悪いホンジュラスでも気をつけるべき犯罪5選
前述でお説明した通りホンジュラスは麻薬組織やギャングのたまり場ともいえる国であってそれに関連した犯罪が横行しています。
世界一危険とも言われるほどの環境ですから犯罪の質も非常に危険極まりないので以下の5つの犯罪に巻き込まれないとは言えないぐらい危険な国です。
安全性はどうなのか知るためにも以下の犯罪についてお伝えします。
気をつけるべき犯罪①:強盗
ギャングによって組織化されているので強盗も彼らにとっては一つの仕事のようなものです。
であるからこそ強盗は多く見られます。
本来、ホンジュラスの方々は温厚な性格の持ち主です。
しかし、貧富の差があまりにも大きすぎて生活の術を得るために今のような悲惨な状況になっています。
例えば街の中の人混みのあるところではケチャップをかけてふき取るように見せて盗む人もいます。
さらに車から手を伸ばしてひったくりに遭うこともあります。
日本人であるならより目立つので街を歩くときは独特な危険な雰囲気や空気感に飲み込まれそうになるのでこの不安な気持ちも冷静さを失わせ安全のための決定を下すのに妨げともなりえます。
気をつけるべき犯罪②:銃
ホンジュラスは上記で説明しましたように麻薬組織がかなりの力を持っています。
であるからこそギャングたちは当然武装しておりいつでも銃によって脅されるようなことはあり得ることです。
多くの方が銃を持っているわけですから、これで脅されるならなす術がないということです。
脅されるだけならまだしも銃で命を奪われることも非常に高い確率で起きます。
特に上記のコマヤグエラ地区の中心部は銃撃が頻発している地域ですから、まずそのようなところには足を踏み入れないことが鉄則です。
気をつけるべき犯罪③:強姦
ホンジュラスから大きなキャラバンを組んでアメリカへ移動する難民が増えているホンジュラスですが、それゆえにこそ治安維持はより困難な状況へと陥っています。
実際に暴力が激化している環境だからこそ難民が増えているがその中にあって強姦が起きています。
このような環境だからこそホンジュラスでこの種の問題を避けられるかというと100パーセント安全とは断言して言えません。
もちろんこの情報は難民に限っての情報ですが、国内の情勢はさらに悪化しているからこそ気を付けなければいけません。
貧困に伴い道徳のレベルも相当低いのでホンジュラスに入る前にこの点を十分に知っておく必要があります。
気をつけるべき犯罪④:スリ
中米で最も危険というレッテルを張られる原因の一つが悲惨なまでの貧困です。
となると当然、モノを手に入れるためにスリも多くあります。
危険な場所はバスのターミナルで人が多く集まり、集団で巧妙にスリを仕掛けてきます。
話をされてその間に別の仲間がスリをするという手段を講じてきます。
ターミナルに限らず市場など人混みの多いところでは危険極まりないので背負うものが少なければそれに越したことはありません。
特に荷物が多いとスリに対して適切な判断を下すのに選択肢が狭められます。
また決定を実行するのにも何かと足かせになるので荷物はできるだけ少なく小さなリュック一つだけぐらいがベストです。
気をつけるべき犯罪⑤:Pandillero
Pandillero(パンディジェ―ロ)とはスペイン語であり日本語ではいわゆるヤクザのような位置付けでもありチンピラとも言えます。
このPandilleroに関わると大変であり、どこから来たのか?どこへ行くのか?と聞かれ銃で殺されるというようなことがあります。
彼らにテリトリーがあって、マラスあるいはバリオ18と呼ばれるギャングの軍団の付近に行ったり入ったりすると恐ろしいことになります。
このPandilleroは基本、銃を携帯しています。
多くの市民やその子供達が銃殺されるような冷酷な現状があるので、日本人に憐みを示されるということは期待できません。
とにかく地元の人に情報を確認してPandilleroに近づかないことは重要です。
治安の悪いホンジュラスでも注意するポイント10選
治安は悪いと断言できるホンジュラスですが特に注意するポイントも幾つか挙げておきます。
何度もお伝えしている点ですがギャングによって支配されている部分と貧富の差が大きいという点がこの国をより悪化させているので注意する点はこれらに大きく関係してきます。
犯罪が一つのビジネスともなっているのがこの国の現状で、多くの人がこのような犯罪に関与することが日常茶飯事になっているので巻き込まれる率が大の国です。
注意点をあげれば切りのないほど危険な国ですが、今回は10のポイントをお伝えします。
それぞれの注意点でどのようにすべきかとめてみましたので参考にご覧ください。
注意するポイント①:タクシー
タクシーでのグループでの犯行の可能性もありますから基本的にはタクシーは乗らない事をおすすめします。
ラジオタクシーRadio Taxiと南米では言われていますが、電話で予約した割高なタクシーのことですがこの方法が比較的安全なタクシーでの移動手段です。
移動手段はないのか?となりますが、地元でも安心できる割高のタクシーでの移動をおすすめするので現地につながりのある人を通してプライベートなタクシーをゲットできるのならそれがベストです。
注意するポイント②:ターミナル
ターミナル内は人が多く、置き引きやスリの多い場所です。あと長距離の移動をするにしてもバスも値段の低いバスを選択すると荷物の預かりのための安全性も危険です。
この場合は値段の割高な長距離バスを選択することをおすすめします。
ただバスでの移動はタイヤのパンクや道路の封鎖に巻き込まれる可能性が高いために安全が全くもって保証されているとは言い難いので、可能なら飛行機でのホンジュラス出国外移動をおすすめします。
注意するポイント③:誘拐
ホンジュラスには誘拐の問題もあるので日本人は特に警戒しなければいけません。
南米や中米ではかなり高い率での誘拐があるので道を歩く時にも逃げ場のない路地裏や一通りの少ない場所や時間帯には出向かないことが大切です。
誘拐は営利目的つまりマラスのようなギャンググループによる犯罪なので、これに関与すると大変です。
彼らはお金を搾取できそうな人々をターゲットにして実行するので日本人は当然、彼らにとっては恰好のターゲットですから警戒すべきです。
注意するポイント④:麻薬
ホンジュラスで気を付けるべき点は麻薬の重要なルートとなっているという点でこれに絡んだ問題があるので注意する必要があります。
麻薬に直接関与することはないにしても日本人ということで特別な標的にされて近づいてくる人もいるかもしれません。
それで、身を引き締めて関係を持たないように細心の注意を払う必要があります。
注意するポイント⑤:ギャング団の抗争
ホンジュラスには上記でお伝えしたギャング団に加えてマラ・サルバチャルと呼ばれる大きなギャンググループがいます。
ロサンゼルス発祥の移民から構成されるギャングが強制送還されて中米で組織されたグループです。
問題なのは組織が多くあって頻繁にギャング団の間で抗争が生じていることです。
それでこの抗争に巻き込まれないように気を付ける必要があります。
日本人は特に目立ってしまうので抗争が始まったと感じたならすぐにその場から離れることです。
また、ギャングの抗争は国境付近、都市の中心部などで見られますから、最初からギャングが頻繁に活動する地区についての位置情報を知っておいてそこには入らないようにすることが大切です。
注意するポイント⑥:外国人
外国人というだけでスリ、強盗、値段のつり上げ、集りに遭うという問題が付きまといます。
そのようなことは無かった、意外と安全だったという旅ブログが見られますが、それはたまたまのことであって日本人というだけで危険です。
それで、ある程度の価格での問題は飲み込んで、それよりも安全を最優先させた旅のほうがより重要です。
外国人のグループだけであるならなお危険で犯罪に巻き込まれる可能性は高いので気を付ける必要があります。
ターゲットになるのは確実で命を奪われる事は殺人発生率から見てもあり得ることと考えておきましょう。
注意するポイント⑦:サンペトロスーラ
ホンジュラス第二の都市で世界の中でもアフガニスタンよりも治安が悪いとされているところです。
この場所が悪いとされているのはマラスの活動が活発なので犯罪が多いとされています。
ホンジュラスでは銃の所持率が高いのでこのサンペトロスーラでは当然、銃による犯罪はあるので行く必要のない都市として把握しておくべきです。
また、このように大きな街(人口は70万人以上)であるにもかかわらず貧困層が7割をこえているのが状況をさらに悪化させています。
また別の懸念点としてはサンペトロスーラは交通の便が良いところでこの街から近隣の国に行けたり主要都市にも行けるバスハブターミナルとなっています。
どうしても通過しないといけないとしても、なるべく通らないようにする事をあえてお伝えします。
注意するポイント⑧:ハリケーン
カリブ海に面するホンジュラスであるからこそどうしても避けがたい別の大きな問題は巨大ハリケーンです。
ハリケーンによる被害はアメリカのマイアミ、プエルトリコなどがよくニュースで報道されていますが、ここホンジュラスでも大きな問題となっています。
20年以上前ではあるものの1998年にハリケーン・ミッチが襲ったときには残念ながら1400人以上の方が命を落としてしまいました。
毎年のようにハリケーンシーズンがある度にホンジュラスも暴風域の中にあるので警戒する必要があります。
特に8月から10月にかけてがハリケーンシーズンになるのでこの時期に旅をするときはこの点を考慮しなければいけません。
注意するポイント⑨:暴力
単純な表現ですが、この国ではこれが通常どこでも見られる光景となってしまっています。
ホンジュラスでは90分に一人が殺されているような国です。
それで滞在中にこのような暴力を目にすることが十分にあり得ます。
そこで、暴力が起きそうになったり、そのような地区に行くことは決して賢明ではありません。
危険を察知していつも行動する必要があります。
注意するポイント⑩:国境付近
ホンジュラスにとっての隣国、グアテマラやエルサルバドルの国境付近は麻薬組織の活動があるので犯罪に巻き込まれる可能性はあります。
中米を縦断中で国境を通っていかなければならないにしてもこの点を考慮して旅をする必要があります。
なるべく滞在期間を短くするか通らないで空路で行くことをおすすめします。
治安の悪いホンジュラス、戦争の危険性はある?
ホンジュラスはエルサルバドルとグアテマラに挟まれた国でエルサルバドルとのサッカー戦争が1969年にありました。
隣国とはうまくいかないのはどの地域にも言えることですが、実際に戦争まで発展した経緯もあります。
ただここ数年では戦争といった視点からすると比較的安定した状態がみられるので戦争はない状態が続いています。
ただ2009年に軍事クーデターが起きたり、2013年の選挙にて民衆が大規模デモを行って非常事態宣言が出るなどの不安定さは見られます。
また最近生じたキャラバン隊の大移動もあったりと秩序の無さと不安定によって誘発される内線の可能性があるので戦争がおきないとは断言できないです。
治安の悪いホンジュラスではテロの危険性はある?
ホンジュラスは主要なテロ組織は1990年には活動が停止しているとなっており、イスラム過激派によるテロ活動が他の国々のようにあるわけではないようです。
しかし、テロ並みの危険なレベルでのギャングによる活動が頻繁化しているので、危険であるという意味ではテロと同レベルの危険性があると言っても過言ではありません。
ただ、政府の状態があまりにも状況が難しいのでテロのような事件が起こる可能性は否めない状態です。
過去において首都にて大統領の私邸付近に爆発事件が生じていることからするとこれと類似したテロが起きてもおかしくはないです。
ホンジュラスは失われた美しい山国
本来美しい山と鳥それに太平洋と大西洋の両方を満喫できる美しい国です。
それが人間の支配によってすべてを台無しにしてしまってい典型的な国の一つです。
ホンジュラス市民も温厚な方が多いですが経済状況がひどすぎるために良さを失いつつあります。
治安が非常に悪い国であるために訪れるのに今は待つことが賢明なのかもしれません。