【治安の前に】ヨルダンってどんな国?
ヨルダンは、正式名称「ヨルダン・ハシェミット王国」です。
首都は「アンマン」で、主にイスラム教が信仰されており、アラビア語が話されています。
面積は、北海道とほぼ同じ大きさで、首都アンマンを含むヨルダン西部は地中海性気候、その他の地域は大陸性の砂漠気候です。
死海近辺の海沿いでは、夏は高温多湿で蒸し暑くなる一方、砂漠地帯では灼熱の暑さとなりますが、乾燥しているため不快さはありません。
ちなみに、冬は10度以下になる日があり、年間で温度差が非常に大きい国となっています。
人口は約970万人で、近隣諸国から来た難民も多く住んでいます。
ヨルダンの周辺国は、イラク、サウジアラビア、シリア、イスラエル、パレスチナといった情勢不安定な国や地域に囲まれていますが、ヨルダン自体の治安は安定しています。
ヨルダンには、際立った産業はありませんが、国内には、死海、ペトラ遺跡、ワディラム砂漠など観光資源に恵まれていることから、観光産業に力を入れています。
中でもペトラ遺跡は、1989年に公開されたアメリカ映画「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」のロケ地として世界的に有名で、日本人のみならず世界中から多くの観光客が訪れています。
ヨルダンの治安を知る前に外務省が発表する危険レベルをおさらい
外務省は、渡航者や滞在者向けに、その国の治安や社会情勢を総合的に判断し、その国の安全対策の目安(危険レベル)を発表しています。
渡航前に、この危険レベルをしっかり把握しておきましょう。
レベル1/黄色
レベル1の黄色は、「十分注意してください。」というレベルです。
危険度は一番低いですが、滞在中は油断禁物です。
レベル2/山吹色
レベル2の山吹色は、「不要不急の渡航は止めてください。」というレベルです。
レベル1よりも危険度が高いので、可能な限り渡航しないようにしましょう。
レベル3/オレンジ色
レベル3のオレンジ色は、「渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」で、外務省がその国の情勢などを総合的に判断した上での「渡航中止勧告」になるので、身勝手な行動は謹み、渡航の中止を検討しましょう。
レベル4/赤色
レベル4の赤色は、「退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」という一番危険度の高いレベルです。
レベル4のエリアには渡航を中止しなければいけないレベルです。すでにそのエリアにいる場合はすぐに退避する必要があります。自身の身を守るためにも勧告に従いましょう。
ヨルダンの治安状況は?
それでは、実際にヨルダンは安全なのでしょうか?
ヨルダンの国境付近以外は、レベル1の「十分注意してください。」レベルとなっています。
一方、シリア、イラクとの国境付近は、「不要不急の渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」のレベル2です。
ヨルダンは近隣諸国と比べると治安は安定しているものの、シリア情勢などの影響でテロが発生する可能性が十分あります。
イスラム過激派組織のISILの勢力は弱まっているものの、過去にはヨルダン国内においてテロを扇動するビデオが発表されたり、世界各地でISILやその支持者などによって、一般市民や外国人観光客をターゲットにしたテロが発生しています。
また、シリアとイラクの国境沿いは、依然不安定な情勢です。
シリア国内は、現在も武力衝突が発生しており、その影響でヨルダン側に砲弾が着弾したり、国境沿いで銃撃戦が起こるなど、非常に危険な状態です。
また、イラクも引き続き情勢が安定しないことから、ヨルダンーイラクのの国境沿いの治安の悪化は確認されていないものの、訪問にするには危険な地帯とされています。
決して興味本位で訪れることはしないでください。
現在では、どこでも誰でもテロの被害を被る可能性があり、しかも事前にテロの発生を予想することは非常に困難です。
しかし、常に情報収集を行いながら、政府機関や宗教的施設、人が多く集まる場所には可能な限り近づかないなどといった予防策が必要となります。
首都アンマンの治安状況は?
首都アンマンは、ヨルダン国内の中でも比較的治安がよいと言われています。
しかし、アンマンは、外国人観光客がヨルダンに入国する玄関口です。ヨルダンに進出している他国の企業や各国大使館なども多く、外国人が多く住む都市です。
そのような街はもちろん、外国人が多く集まる観光エリアも点在し、訪れた外国人を狙ったスリ・ひったくりや、外国人を狙ったテロの標的になりやすいということを肝に命じて行動してください。
また、首都アンマンでは、車を使ったひったくり事件が多発しています。主に女性がターゲットにされる傾向があるので、人通りの少ない道を歩くことは避けましょう。
ヨルダンは、アラブ諸国の中でも、比較的自由の気風が漂う国ではありますが、イスラム教の戒律を尊重して過ごしましょう。
特に、女性は肌の露出を避けてください。
飲酒に関しても、他アラブ諸国より寛容ですが、アルコールを摂取しすぎて人に迷惑をかけることなどもってのほかです。
お酒は、常識の範囲で楽しみましょう。
【例外】ヨルダンで治安の悪い地域
外務省が危険レベル2「不要不急の渡航は止めてください。」に指定しているシリア、イラクの国境地域は現在どのような状況なのでしょうか。
ヨルダンを訪れるのであれば、治安の悪いと言われている地域に近づくことがないよう、危険地域について事前にチェックしておきましょう。
シリア、イラク国境地域
シリアとイラクの国境地域は非常に危険なので近づかないようにしてください。
ヨルダンは、シリアとの国境地帯を閉鎖しており、事前調整なしに訪問した場合には、訪問者に対して厳正な処分が下されることになります。
2016年には、爆弾を積んだ車両がシリア側からヨルダン軍施設に突入して爆発し、ヨルダン軍関係者が死亡する事件が発生しています。
また、2017年にも自動車による爆弾攻撃や、シリア領内からミサイルが発射され落下するなど、シリア国内では、政府軍、穏健反体制派、ISIL等イスラム過激派組織による武力衝突が起こっており、ヨルダンとの国境沿いで銃撃戦が繰り広げられることもあります。
直近の2018年には、シリア政権側と反政府組織の停戦合意がなされ、シリアによる国境地帯の支配が解かれましたが、引き続き一部国境が封鎖されている状況です。
一方、イラクでは、みなさんご存知のとおり、情勢は未だ安定しておらず、ISILの掃討作戦が実施されています。
2017年には、ISILが、ISIL支持者などにヨルダンに対するテロを指示するビデオを発表しており、依然としてヨルダンにおけるテロの危険性が残ります。
2016年12月には、ヨルダン中部のカラクにある観光地において、警察官やカナダ人観光客10名が死亡する襲撃事件が発生しました。
この事件は、ISILの犯行とされ、前述のビデオでISILの関与が示唆されています。
2017年にヨルダンーイラクの国境が再開されたものの、以前イラクの情勢は不安定です。
近隣諸国の情勢の影響を受けるヨルダンの国境地帯では、今後さらに治安が悪化する可能性はゼロではありません。
ここ数年、日本人が人質となったり、テロに巻き込まれた事件について、みなさんも記憶に新しいことでしょう。
ヨルダンの周辺では、ISILやその支持者が依然活動を行っており、いつどこでどのような事件が起こるか誰も知ることはできません。
自身の身を守るためにも、興味本位で上記の地域には決して近づかないでください。
治安のいいヨルダンでも気をつけるべき犯罪5選
アラブ諸国の中でも比較的自由で治安の安定している国ですが、訪問した際に気をつけるべき犯罪についてご紹介します。
気をつけるべき犯罪①:テロ
前述のとおり、ヨルダンでは引き続きテロが発生する危険性があります。
公的機関や外国人観光客が集まるレストラン、観光地などを訪れる際には警戒が必要です。
外務省や在ヨルダン日本大使館からの情報や報道などに常にアンテナを張りながら、危険を回避できるよう準備をしておきましょう。
また、万が一テロに遭遇した場合の対処方法について、事前に知識として学んでおくのもいいかもしれません。
気をつけるべき犯罪②:デモ
ヨルダンでは、経済危機、物価上昇、パレスチナ情勢などを背景としたデモや集会等が活発化しており、時には死傷者が発生する暴力的な事件になる場合もあります。
2019年3月現在でも、在ヨルダン日本国大使館周辺におけるデモの開催の注意喚起が外務省によって行われています。
ヨルダンではイスラム教が信仰されており、イスラム教では、金曜日に礼拝が行われます。
その礼拝が終了する午後1時頃を中心に、デモや集会が開かれ、中には1,000人規模の住民が集まるケースもあるそうです。
そのような人混みやデモなどに遭遇した場合には、危険な状況に巻き込まれる危険性があるので、すぐその場を離れましょう。
また、事前に情報収集を行い、デモなどが行われている場所には近づかないよう心がけましょう。
気をつけるべき犯罪③:ひったくり
首都アンマンでは、車を使ったひったくり被害が多発しています。
市内の繁華街や住宅街(シュメサーニ,スウェフィーヤ,ウム・ゼイナ地区等)で特に頻発しているので、それらの地域を訪れる際には要注意です。
主に女性をターゲットとしたグループによる犯行で、大通りから離れた人通りの少ない路地で多く発生しています。
身の回り品をひったくられるだけでも悲劇ですが、強引にひったくられたことで現地で怪我を負ってしまった場合、さらに大変な事態になるので、十分気をつけてください。
人通りの少ない路地を歩かない、バッグをたすき掛けしない、できる限り車道から離れた場所を歩く、後方から来る車・人に注意を払うなど、常にそれらのことを念頭に置きながら外を歩きましょう。
気をつけるべき犯罪④:性的犯罪、性的嫌がらせ
ヨルダンでは、殺人などの犯罪件数は減少しているものの、性犯罪が増加しており、国籍を問わず被害に合う女性が多くいます。
特に外国人女性は狙われやすく、日本人の女性が強姦されたり、痴漢の被害に合うなどといったケースが報告されています。
イスラム教の国では肌の露出は禁物です。
胸元の空いた服や短パンは避け、女性の一人歩きはしない、早めに帰宅する、男性の態度がおかしいと感じたときは大声を出して助けを求める、その場から逃げるなど、イスラム教の国であることを念頭に置きながら行動しましょう。
最近では、タクシー運転手による女性客への性的嫌がらせも発生しているようです。
助手席に座るよう促されても乗らない、財布の中身は見せないようにしましょう。
海外では、曖昧な態度ではなく、毅然とした態度で接することが大切です。
嫌なときはNOと意思表示をしましょう。
気をつけるべき犯罪⑤:銃犯罪
ヨルダンでは、許可を取れば銃の所持が可能であるため、銃を使った強盗にも気をつけましょう。
もし銃をつきつけられたときに一番大切なことは、決して抵抗をしないということです。
クレジットカード、現金、パスポートは誰も取られたくありませんよね。
ですが、目の前には銃を持った強盗犯がいる、そんな状況下で、
パニック状態に陥って、抵抗してしまうかもしれません。
冷静に、お金と命、どちらが大切か考えましょう。
強盗犯に金品を渡すよう要求されたら、犯人に刺激を与えず、そして抵抗もせずにすぐに手放すことが命を守るためのベストな対処方法です。
治安のいいヨルダンでも注意するポイント10選
これからヨルダンに行く予定のある方は、次のポイントに注意すれば、安全に楽しむことができるはずです!
注意するポイント①:ヨルダンの文化、習慣を知る
旅行をする前に、まずは現地の国のことを学んでから行くと楽しみや新たな発見が増え、本記事でご紹介した危険を回避する上でも大切なことです。
ヨルダンはイスラム教の国です。
特に、イスラム教の各宗教行事、日の出から日没まで断食を行うラマダンがいつ行われるか把握することによって、人混みに遭遇する危険を避けることができます。
危険を回避ことができることはもちろん、事前にイスラム教の文化を知ることで、ヨルダンをより深く知り、楽しむことができるでしょう。
注意するポイント②:事前に危険地域を調べる
先にご紹介したとおり、ヨルダンでは、シリア、イラク地帯が危険レベル2として外務省に指定されています。
外務省ホームページや、在ヨルダン大使館のホームページでは、常に最新情報が掲載されているので、それらをチェックするのと同時に、危険レベルが高い地域への訪問を避けたスケジュールを組みましょう。
注意するポイント③:荷物は身近に置く
海外旅行によく行かれる方は、常に気をつけていることかと思いますが、荷物には十分気をつけてください。
日本では、お店などで荷物を置いたまま席を離れるという場面をよく見かけますが、海外ではあり得ないことです。
現金、パスポートなどを盗まれると、せっかくの旅も台なしです。
常に警戒心を持ちながら、日本の環境とは異なることを念頭に持ちましょう。
注意するポイント④:人通りの少ない路地は歩かない
人通りの少ない路地は、なにかあった場合、助けを求めることができません。
実際に、ヨルダンで多発している車をつかったひったくり事件は、人通りの少ない路地を中心に発生しています。
外を散歩していると、現地の人が生活道として使う狭い小路をついつい冒険したくなりますが、危険な地域である可能性もありますので、できるだけ大きい通りを歩くようにしましょう。
注意するポイント⑤:女性のひとり行動は避ける
ヨルダン国内で発生する犯罪の中でも、性犯罪や性的嫌がらせの件数が増加しています。
あなたが女性の場合には、一人で行動することは避けましょう。
女性ひとり旅の場合、ツアーへ参加したり、宿で知り合った人たちと一緒に行動し、一人にならない環境をつくることも安全に旅を楽しむ上で必要なことです。
男性から執拗に声をかけられたり、後をつけられたり、少しでもおかしいと感じたときには、はっきりと断り、必要であれば逃げる、大きな声を出して助けを求めるなど勇気を出して行動に移しましょう。
注意するポイント⑥:服装に注意する
注意するポイント⑤に関連しますが、イスラム教では、女性たちが肌を露出することはよろしくないとされています。
イスラム教の女性たちは、外では肌を露出しないよう手と顔以外は隠すことが原則です。
それは、肌を露出することで男性たちに変な気を持たせないようにするために、女性たちを守るためのイスラムの教えなのです。
ですので、ヨルダンにいる間は、胸元のあいた服、短パン、半袖、足のラインが出るようなスキニージーンズなどを身につけることは控えましょう。
ヨルダン観光において、「死海に浮いて本を読む」はマストな観光アクティビティではありますが、できるだけ肌を隠すような格好(ビキニそのままではなく、せめてTシャツを水着の上から着るなど)で楽しんでください。
スカーフを1枚持っていくと、半袖を着た場合でも腕を隠せるほか、ヨルダンの熱い日差しを避ける日よけにもなります。
とても便利なアイテムなのでおすすめです。
注意するポイント⑦:人混みに近づかない
外務省や在ヨルダン日本国大使館でも注意喚起を行っているように、ヨルダンでは、デモや集会などが活発化しています。
時には、暴力事件沙汰になる場合もあります。
人混みがある場所には近づかず、事件に巻き込まれないように気をつけましょう。
注意するポイント⑧:現地にいても情報収集を行う
現地にいても常に情報を知りたい、けど情報収集する余裕もない、むしろ楽しみが先行して危険が潜んでいることを忘れてしまう、という方も多いと思います。
ヨルダン自体の治安は比較的よいのですが、近隣諸国の情勢は不安定であるために、残念ながらテロが発生しやすい国となっています。
ヨルダンにいる間でも、常に危険と隣合わせであるという意識を持っておく必要があります。
自分で進んで情報を探すことができない、情報を探すことが面倒くさいという方におすすめのサービスがあります。
それは、外務省が実施しているサービスで、海外渡航者に登録を推奨している「たびレジ」です。
「たびレジ」について詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
外務省「たびレジ」について
このたびレジに登録すると、現地の安全情報がメールで配信され、常に最新の情報を把握することができます。
しかも外国語ではなく、日本語で詳しい情報を知れるというのはありがたいですよね。
もしあなたがたびレジを登録した場合、現地の大使館にあなたの情報が伝わっていますので、現地で大地震に遭遇した場合など、もし万が一何かあった際には、素早く支援が受けられるメリットもあります。
たびレジに登録するのは簡単で、渡航者情報、メールアドレスや日程などを入力するだけですぐ登録が完了します。
自身の身を守るためにも、安心して楽しく旅をするためにもぜひ登録してみてはいかがでしょうか。
注意するポイント⑨:ラクダに触らない
中東では、ラクダなどを感染源とするMERS(中東呼吸器症候群)が発生しています。
MERSは、風邪などの一般的症状を引き起こし、下痢などを併発する場合も報告されています。
MERS患者の致死率は約36%と言われており、重症化する場合もあるようです。
そんなMERSの感染源動物とされるラクダは、ヨルダンの砂漠地帯、特にペトラ遺跡などで商用に利用されているものが多く見うけられます。
観光客用にラクダに乗れるサービスを提供していたり、観光客も触れる距離にラクダが休憩していることがありますが、かわいいからといって安易に撫でることはやめましょう。
注意するポイント⑩:生水・生野菜を摂らない
ヨルダンでは、ミネラルウォーターを買って飲むようにしてください。
この国では、水は貴重な資源であり、水道水はタンクに貯めた水を使用しているため衛生面が心配されるからです。
また、火を通さない生野菜などを食べることで、赤痢アメーバ症などといった感染症にかかる可能性があり、下痢や嘔吐などといった症状が出る場合があります。
下痢の場合は、無理に下痢止めを使用せず、水分をとってゆっくり休養を取ることが大切です。
症状がひどい場合には、決して無理はせず、近くの病院を受診しましょう。
ちなみに、外務省のホームページで各国ごとに医療機関が紹介されていますので、そこを参考にすると安心して治療を受けることができるでしょう。
治安のいいヨルダンで、戦争の危険性はある?
ヨルダンは、オスマン帝国に400年支配されていた歴史があります。
第一次世界大戦後には、枢軸国側であったオスマン帝国は解体され、イギリスの委任統治下に入りました。
現在では、ヨルダン川をはさんで東側がヨルダン、西側はイスラエルとなっていますが、当時は、今あるヨルダンのある地域は、すべてパレスチナとなっていました。
その後、1946年にヨルダン王国として独立しました。
これによってパレスチナはヨルダン川の東西で分断され、西岸のみをパレスチナ、東岸をトランスヨルダンと呼ぶようになりました。
第一次中東戦争(パレスチナ戦争)や、第3次中東戦争を経て、1994年イスラエルと平和条約を結びました。
アラブ諸国の中でも、ヨルダンは、イスラエルと平和条約を結んだ数少ない国の一つで、アメリカやヨーロッパ諸国と連携して、周辺のアラブ諸国と良好な関係を保ち、比較的安定した国政を維持しています。
しかし本記事でも指摘しているように、ヨルダンの治安は、周辺国の情勢に左右されやすく、またISILによるテロの脅威が懸念されます。
治安のいいヨルダンで、テロの危険性はある?
これまで解説してきたとおり、テロの危険性はあります。
ヨルダンのみに限らず、昨今では、世界各地で日本人を含む外国人を狙ったテロが相次いて発生しており、日本人の被害が出たケースもあります。
ヨルダンでは、2018年8月に、フヘイス市の音楽祭で警備担当をしていた治安部隊を狙った爆弾テロが発生し、2名死亡、5名負傷しています。
その後、サルト市において、テロリスト側の反撃があり、治安機関員4名が死亡したことに加え、20名以上が負傷する事態が発生しました。
ヨルダンは、情勢の安定しない国に国境を接していることから、国境付近は危険レベル2となっています。
興味本位で危険レベルの高い地域には訪れないようにしましょう。
また、その他の地域は、危険レベル1に指定されていますが、決して油断はせず、行動範囲に気をつけ、常に警戒しておく必要があります。
テロは、どこでも起こり得るものなので、事前に回避することはとても困難です。
せめて、外国人観光客が多く集まるエリアへの滞在時間を短くする、公共機関、宗教関係の施設、デモや人混みには近づかないなど、できる範囲で周囲に注意を払いながら旅行を楽しみましょう。
また、外務省や在ヨルダン日本国大使館がホームページに掲載する情報や、たびレジに登録した方は配信された情報をこまめにチェックしておくことをおすすめします。
それでもヨルダンは魅力的!
ヨルダンの治安や犯罪などについてご紹介してきましたが、必要最低限、ここに書かれてあることを守って実行すれば、安全に楽しくヨルダンの素晴らしい遺跡群や絶景を堪能できるはずです。
ヨルダンを旅行する前に、安全対策やイスラム文化のことを少しだけおさらいしてくださいね。
旅行中は楽しくてついついテンションが上がってしまうものですが、現地情報には常にアンテナを張り、楽しい旅にしてください。