【治安の前に】ケニアってどんな国?
アフリカ東部、赤道直下に位置するケニア共和国。
サバンナに湖水地方、山岳地方など、国全体にわたって豊かな自然を擁しています。
1963年にイギリス連邦王国として独立し、1964年に共和制に移行。
今日まで大統領制をとっており、一時期は一党制でしたが1991年移行は複数政党制となっています。
また、ケニア国内には合計で42もの民族が存在しており、キクユ族やルヒヤ族、カレンジン族といった民族が大多数を占めています。
民族の数以上にも言語が存在していますが、現在はスワヒリ語と英語が公用語となっているほか、幾つかの民族語の混合言語・スラングである「シェン」が都会部で流通しています。
ちなみに、アメリカ合衆国44代大統領であるバラク・オバマは両親がケニア系人です。
当時のムワイ・キバキ大統領はオバマ氏の大統領就任を歓迎し、就任日である11月6日を国民の祝日と制定しました。
公用語 | スワヒリ語 英語 |
首都 | ナイロビ |
面積 | 580,367㎢ |
人口 | 4.5億人 |
通貨 | ケニア・シリング(KES) |
首都のナイロビはマサイ語で「冷たい水の場所」という意味であり、アフリカの中心的都市とされています。
国際連合を始め、多くの国際機関が本部、あるいはアフリカの代表部などを置いています。
タンザニアとの国境付近、リフトバレー州カジアド県にあるアンボセリ国立公園は、総面積約392㎢に貴重な動植物が多数生息しています。
広いアンボセリ湖を背景に闊歩するゾウやライオンの群れ、さらに彼方に広がるキリマンジャロは、この目で見ることができたらきっと一生の宝になることでしょう。
またアンボセリから更に北西に行くと、マサイマラ国立保護区があります。
シーズン時にはヌーやシマウマの大移動「グレート・マイグレーション」を見ることができ、日本でも一時期話題となった「マサイ族」の暮らしに触れることもできます。
ケニアに限らず、アフリカに関して「内戦」や「貧困」などといったイメージは付随していますが、
治安に関してかなり改善がされており、今後の発展が見込まれる国です。
しかし、やはり治安面への油断はできない状態であり、もしケニアを訪れるのであれば十分な対策をする必要があります。
ケニアは日本よりも6時間時間が遅いです。
また日本からナイロビ・ジョモ・ケニヤッタ国際空港までの直行便は出ておらず、広州白雲国際空港またはシャルル・ド・ゴール国際空港で乗り換えて渡航します。
ケニアの治安を知る前に外務省が発表する危険レベルをおさらい
外務省が運営する海外安全ホームページでは、治安に対する危険レベルを4段階で発表しています。
紛争やテロなどの治安のほか、感染症や災害に関する危険がある可能性があるため、渡航先の国に関してよく確認しましょう。
レベル1/黄色
「レベル1:十分注意してください。」
その国・地域への渡航,滞在に当たって危険を避けていただくため特別な注意が必要です。
外務省海外安全ホームページ
少なからず事故や危険に遭うような治安情勢です。
渡航はできる状態ですが、渡航の場合は危険を避けるべく十分に注意してください。
レベル2/山吹色
「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」
その国・地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航する場合には特別な注意を払うとともに,十分な安全対策をとってください。
外務省海外安全ホームページ
事故や危険に遭う可能性がかなり高いという治安情勢です。
不急不要の渡航は控え、万一渡航の必要がある場合は、危険に対し十分な注意を払ってください。
レベル3/オレンジ色
「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」
その国・地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。(場合によっては,現地に滞在している日本人の方々に対して退避の可能性や準備を促すメッセージを含むことがあります。)
外務省海外安全ホームページ
治安が悪く、事故や危険に遭う可能性がかなり高いため、渡航は止められています。
日本からの航空の運行はほとんど中止されており、該当地域に滞在している日本人に対して退避および帰国を促されています。
レベル4/赤色
「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」
その国・地域に滞在している方は滞在地から,安全な国・地域へ退避してください。この状況では,当然のことながら,どのような目的であれ新たな渡航は止めてください。
外務省海外安全ホームページ
治安が非常に悪く、渡航することで事故や危険に遭遇します。
目的が何であれ渡航そのものを禁止されており、該当地域に滞在している日本人に対して退避および帰国の勧告が発令されています。
ケニアの治安状況は?
ケニアの南側、首都のナイロビをはじめタンザニア国境側はレベル1、つまり他に比べて最悪な治安情勢ではないものの、滞在にあたり十分な危険への対策が必要とされています。
国立公園に向かう道のりも例外ではありませんので、訪問の際は十分に計画と対策を立てて向かうようにしましょう。
その他、ケニア全土においてテロ、誘拐、一般犯罪など何らかの治安に関する警告が発動されています。
特にウガンダ国境地域やワジル郡,ガリッサ郡の一部では部族間での武力衝突が発生するなど、治安が不安定な状態が続いており、観光客や外国人が巻き込まれる事件も多く発生しています。
要注意なのがソマリア国境側、ダダーブ難民キャンプ周辺やガリッサ郡といった北東郡。
ソマリアを拠点とするイスラム過激派組織アル・シャバーブの活動拠点となっており、テロや襲撃事件が発生しているため、レベル4の退避勧告が出されています。
危険情報マップで確認できる通り、ケニアのほとんどの地域において危険度が示されており、レベル3〜4の地域がまだまだ多くあるのが現状です。
興味半分であってもこの地域への訪問は禁止されているので、くれぐれも注意しましょう。
首都ナイロビの治安状況は?
首都のナイロビは他の地域に比べて比較的治安が安定しており、観光や滞在も比較的可能です。
とはいえ、ナイロビは全域に渡って置き引きや窃盗などの犯罪が横行しているため、十分注意を怠らずに危険を回避しましょう。
ムワンジー・ロード周辺は、ナイロビ最大のショッピングモール「ウエストゲート」があったり、コミュニティーセンターがあったりと、かなり発展しています。
常に人通りも多く、お店も多く営業しているので、比較的安心できる印象の地域です。
注意すべきはナイロビ川南にあるダウンタウン。
街の中心地にも近く「ニューケニアロッジ」などの日本人バックパッカーがよく宿泊する宿もありますが、非常に治安が悪いことで有名であり、あまり昼間でも出歩くのは推奨されません。
建物はカラフルにペイントされ、若干騒がしい雰囲気がありますが、商店の入り口や窓に全て鉄格子があることが治安の悪さを物語っています。
できればこの地域以外の場所での宿泊が望ましいですが、万が一の場合は複数人で行動し、人気の少ないところには立ち入らないように気をつけましょう。
また、ナイロビ郊外のランガタは、ジラフセンターなどの観光施設が集まっていて高級住宅街として知られています。
「ジャングル・ジャンクション」などといった日本人バックパッカー御用達の宿もあります。
しかし、こういった観光客が集まりやすく人通りが少ない地域は、強盗をする人達にとっては非常に好都合です。
過去には宿に強盗が入ったこともあるため、この辺りの治安に関する情報もこまめにチェックする必要があります。
スラム周辺に注意
ナイロビ市内にもいくつかスラムがあり、繁華街のすぐ側に貧困層が身を寄せて住んでいることが多くあります。
その中でもキベラスラムは、アフリカ最大のスラムとも言われています。
銃器や薬物も簡単に手に入りやすい状況からか犯罪者の巣窟となっており、いつどこで犯罪に巻き込まれるかわからない最悪の治安状態と言われています。
道は舗装されておらずグチャグチャですが、小さな路地のひとつひとつに人々が住んでいる様子が垣間見えます。
実はこのキベラスラムは観光ツアーが組まれていることが多いです。
地元のツアー会社が催行しているものから、キベラスラム内にある学校を運営している慈善団体が催行しているものまであります。
きちんとしたツアーに申し込めば、複数人での行動が義務付けられたうえで施行されます。
銃を持った警官の護衛が必須となることも、キベラスラムがどのような治安状態であることが把握できるでしょう。
このツアーに参加することで、日本のような豊かで治安の安定した国にいる時には見えなかったものが見え、色々な事を感じることができた、という声もあります。
命の危険と隣り合わせではあるけれど、決して悲観的ではない、アフリカならではの前向きな人間性が見えてくるのもまた、このスラムなのです。
治安の悪いケニアでも気をつけるべき犯罪5選
ケニアでは、たとえナイロビのような繁栄した都市であっても、治安に関する不安は大きくあります。
その理由の一つとして、貧富の差が大きいことが挙げられます。
経済成長によって富裕層と貧困層との間に大きな差がついてしまい、その中でも特に職につくことができない貧困層の人達が、富裕層や観光客を狙って犯罪に手を染めていることが多いのです。
観光客だからといって見逃してもらえるということは絶対にありません。
アフリカを旅する以上、自分の身は自分で守らなければいけない事を肝に銘じましょう。
気をつけるべき犯罪①:窃盗
ケニアの都心部では、犯罪者集団による窃盗が横行しています。
人通りの多いところで携帯電話をちょっと操作しただけでも瞬時に目をつけられ、ひったくられたり盗難されたりします。
しかし、アフリカでの犯罪はたかが軽犯罪と思わないこと。
相手は銃器や刃物を持っていることもあり、下手に抵抗したら怪我をさせられるか、命に関わる場合もあります。
万が一窃盗に巻き込まれたりしたら下手に相手を刺激せず、要求に従うこと。
パスポートやクレジットカードを盗まれた場合は速やかに最寄りの日本大使館や領事館に連絡し、失効手続をとりましょう。
気をつけるべき犯罪②:賄賂
現地の警察官から職務質問を受け、その際に高額な賄賂を要求される事案が増えています。
賄賂を払わなければ連行するというもので、場合によっては銃口を向けられることもあります。
これらの驚くべき点は、偽物ではなく、正真正銘本物の警官による犯罪行為であるということです。
このような職権乱用は主にナイロビ東部の治安が良いと言われる地域でも常習化され、民族や国籍に関係なく行われるのだとか。
もしこのような目にあった場合、空港警察(0720-263068/0722-255605)または空港入国管理局事務所(0728-741653)に通報するようにしましょう。
ケニア国内において警官の汚職が珍しくないということは、それだけ国内の治安情勢が不安定であるということなのです。
気をつけるべき犯罪③:強盗
強盗犯罪は、ショップや銀行といった公共の場のみならず、宿泊予定の宿も標的にされる可能性が十分にあります。
そしてお金を持っており、警戒心の薄い日本人の観光客は、このような強盗犯の格好のターゲットなのです。
過去には、路上を歩いていたアメリカ人観光客がカバンをひったくられ、抵抗したところ銃撃を受けて死亡したという事例がありました。
強盗犯は他の犯罪同様、銃器を携行しているため、抵抗したり追いかけたりするのは大変危険です。
気をつけるべき犯罪④:カージャック
ケニア国内で非常に多いのが、信号待ちをしていたり、渋滞などでスピードを落としたところを狙うカージャック。
無理やり扉や窓を開けて銃口を突きつけられたり、窓ガラスを割って侵入されることもあります。
車上荒らしといえば駐車中の人が乗っていない車に盗みに入るイメージですが、治安の悪い地域では人が乗っていようが関係なく襲われます。
夜間、特に人が少ない道や、治安が悪い地域の走行は絶対避けましょう。
気をつけるべき犯罪⑤:偽装ツアー
ケニアではツアーガイドを装った犯罪組織による犯行も増えています。
過去にはツアーのふりをして観光客を人気の少ないところに誘導し、待ち構えていた犯行チームによって銃殺されてしまったという事件が起きました。
ガイドは必ずホテルや空港などで、信頼できるツアーガイドを手配することが一番の対策になります。
現地で客引きをしているようなツアーガイドはかなり危険なので、声をかけられても無視するようにしましょう。
治安の悪いケニアでも注意するポイント12選
ケニアに渡航するにあたって、治安面や衛生面で不安を抱えてしまった方もいるのではないのでしょうか。
万が一の備えはきちんとしておくことが大切ですが、あまりネガティブに考えすぎてもよくありません。
ケニアを訪れるにあたって、以下のポイントは気をつけておきましょう。
治安面や衛生面にいつも以上に気をつけていれば、魅力的なケニアの国を楽しむことは十分にできます。
注意するポイント①:写真はあまり撮らないように
ケニアの人々が生活する光景、あるいは広大な自然や独特の風貌の町並みは、写真に残せたらどんなに素晴らしいかと考えている方もいるでしょう。
しかし、ケニアではカメラを持っている人は非常に稀で、かなり目立つ行為だということを念頭に入れましょう。
常にカメラを手に持ったり、道の真ん中で撮影していたりすると、間違いなく犯罪のターゲットにされます。
カメラを首から提げたまま街を歩こうものなら、首を切られてカメラを奪われてもおかしくありません。
また、人にカメラを向けた際、相手がにこやかに対応してくれたところを撮影したら、あとから撮影料を請求されてトラブルに発生したという事案が多くあります。
もしケニアで写真を撮る際はくれぐれも速やかに、また不必要に人にレンズを向けないように注意しましょう。
注意するポイント②:爆発音や銃声が聞こえたらまず隠れる
ケニアの治安はまだまだ不安定。
たとえ市街地であっても、銃撃や爆発が発生する可能性は十分にあります。
これらは日本では絶対に起こりえないことなので、万が一遭遇した場合、パニックになってしまいがちです。
しかし、ここで取り乱したりするのは危険。まずは自分の身の安全を一番に確保しましょう。
自分の近くで銃声や爆発音が聞こえたときは、なるべく身を伏せて、頑丈な壁の近くに避難するようにしましょう。
混乱が落ち着くまでは建物の中からは出ないようにします。
そして何が起こったのか、速やかに情報を入手するようにしましょう。
注意するポイント③:徒歩より車を使う
治安の悪いケニアにおいて、単身で出歩くことは非常に危険。
ケニアにはアジア人は特に少なく目立ちやすいため、移動はなるべくタクシーを使うことをお勧めします。
しかし、先述の通り、車に乗っていても犯罪に遭うことはあります。
車に乗るときは必ず内側からロックをかけ、絶対に窓を開けっ放しで走ることは避けましょう。
スモークガラスで中に誰が乗っているか分からないようにしたり、強固なガラスで銃弾などで破られないようにするのも工夫の一つです。
また、偽タクシーにも注意。
流れのタクシーは偽タクシーの可能性があり、トラブルや犯罪に巻き込まれる危険があるため、必ず空港やホテルなどでタクシーを呼んでもらいましょう。
注意するポイント④:宿泊時も注意
治安が悪い地域に滞在するときは、宿泊時も油断はできません。
過去にはサバンナ観光のためナイロビ郊外にある宿に宿泊したところ、観光客が頻繁に利用するという情報により、強盗に入られたという事例があります。
また、やはり治安の悪い地域では宿の従業員が旅行者の荷物を盗むパターンもあり得ます。
なるべく部屋に貴重品を置きっ放しにせず、就寝時でさえもカバンの中にしっかりとしまっておきましょう。
宿の従業員にはなるべく声をかけたり挨拶をするようにし、どういう人間が働いているのか、セキュリティはしっかりしているのかをきちんと確認するといいでしょう。
注意するポイント⑤:高価なものは携帯しない
携帯を操作しながら歩いたり、食事をする際にテーブルの上に置きっ放しにしておくということ。
日本では平気なこの行為、ケニアでするとほぼ絶対に携帯電話を盗まれます。
また携帯電話のみならず、財布やカメラ、バッグ、腕時計やアクセサリーなどはケニア観光では外しておきましょう。
これらは一発でお金を持っているということがわかってしまい、気付いた時には犯罪グループに目をつけられています。
過去には人通りの少ない場所を歩いていると、身につけていたネックレスをナイフで切られ、無理やり奪われたという事案もあります。
これがもし、首筋を切られていたりしたら冗談では済まされません。
治安の悪い地域を訪問する際は、おしゃれは一旦封印しましょう。
注意するポイント⑥:水道水に注意
ケニアに来た多くの方が、下痢や腹痛に悩まされています。
その理由のひとつがケニアの水道水。
水質が悪く不純物が混入されているため、飲用する事はおろか、うがい、シャワー時に口に入ってしまうのも危ないとされています。
ケニアでは基本的にミネラルウォーターを飲用するようにしましょう。
また、生野菜などは避け、加熱調理されているものを食べるようにすると安全です。
また、地方ではトイレや下水道が完備されていないため、コレラの原因になることもあります。
外出後は手洗いをし、不安な場合は日本から消毒アルコールなどを持っていくといいでしょう。
注意するポイント⑦:象牙は買わないように
ケニアではアフリカゾウの密猟が社会問題になっています。
アフリカゾウの切歯は象牙とされ、一時高級品として取引されていましたが、今は象牙製品の販売を禁止する流れになっているのです。
しかし、ケニアでのマーケットにて、時折密漁された象牙の工芸品が販売されていることも。
それを観光客が購入し、空港の荷物検査で判明して逮捕される事案が発生しています。
象牙の国外持ち出しおよび持ち込みは禁止されており、たとえ「象牙だと知らなかった」場合でも例外なく逮捕されます。
そこから潔白を証明するために裁判にかけられ、その間旅券は全て没収されます。
アフリカ諸国でお土産を購入する際、動物の骨から作られたアクセサリーに関しては十分注意するようにしましょう。
注意するポイント⑧:停電が日常的に起きる
ケニアでは電気の供給が不安定のため、停電が頻繁に起こります。
現地の人たちはさほど気にしていませんが、ケニアに来たばかりの人は驚いて、パニックになりがちです。
いざというときに困らないよう、懐中電灯や蝋燭を準備しておくといいでしょう。
最初は不便に感じたが、滞在しているうちに慣れて停電時のきれいな星空を眺める余裕が出てくるようになった、という声も。
しかし、停電時は当然街が真っ暗になる為、治安が悪い地域では危険な事も。
こういった点からも、暗くなる前に宿に戻ることを推奨しているのです。
注意するポイント⑨:黄熱病の予防接種を受ける
ケニアはWHOによって黄熱病に感染する危険のある国として指定されています。
これらの国に渡航する際は黄熱病の予防接種と、その証明書(イエローカードと呼ばれています)の携行が必須となります。
黄熱病は蚊によって媒介される黄熱ウイルスを病原体とし、発熱、頭痛、背部痛、嘔吐といった症状が見られます。
重症例では腎障害や出血を伴い、黄疸が見られるのも特徴です。
かの野口英世は、この黄熱病の研究途中に感染して命を落としてしまいますが、その後マックス・タイラーというアメリカ人の医師によって黄熱ワクチンが開発されたのです。
ケニア国内での黄熱病の流行については、厚生労働省検疫所ホームページを参照し、最新の情報を確認してください。
また、同時にA型肝炎や麻疹・風疹などの予防接種が必要になってくる場合もありますが、これは期間によって異なるので、やはり渡航前に厚生労働省 国・地域別情報で確認するようにしましょう。
注意するポイント⑩:蚊対策をしっかりと
ケニアやアフリカでは蚊に気をつけましょう。
マラリア、デング熱、黄熱病などの媒介となり、蚊に刺されることで発症するパターンが多いです。
必ず虫除けを準備しましょう。日本のものだと効かない場合があるので、念の為現地でも調達しておくと安心です。
宿によっては蚊帳がついているところもありますが、そうでないところの方が多いため、蚊帳も準備しておきましょう。
また、万が一渡航中に体調が悪くなったら無理せず休息をとり、長引いた時に備えて信頼できる病院を探しておくこともおすすめします。
注意するポイント11:多民族国家である
一統民族である日本では想像がつかないかもしれませんが、ケニアには多数の民族が存在しています。
民族ごとに区分されているところもありますが、都心部では多様な民族が混在して生活しています。
そのため、民族に関する話題は非常にデリケート。
特に大統領選挙の時は民族への意識が高まります。
過去の大統領選挙時にはキバキ派とライラ・オディンガを中心とした改革派(ODM:オレンジ民主運動)との対立が起こり、暴動による多数の死傷者が出たこともありました。
普段表立って差別があるというわけではありませんが、やはり大統領選挙の時はデモや暴動が起こる可能性があります。
こういった時期はなるべく渡航を避け、万が一渡航する場合もなるべく巻き込まれないように行動しましょう。
注意するポイント12:イスラム過激派組織アル・シャバブ
ケニアやアフリカにおいて現在もっとも危険視されている武装集団が「アル・シャバブ」。
ソマリアを拠点とした過激派イスラム勢力で、アメリカ、エチオピア、アフリカ国連に対立しています。
ケニアは2011年にジハーディスト(聖戦主義者)鎮圧にソマリアに侵攻したことから、アル・シャバブの標的となりました。
トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と承認したことに反発し、その報復としてケニアを含む各地でのテロ活動が活発化しています。
2013年にはナイロビのショッピングモールを襲撃、2015年にはガリサ大学を襲撃しており、いずれも多数の死傷者が出ています。
また2014年にはモヤレからナイロビに向かうバスをアル・シャバブが襲撃、乗客らにコーランを暗唱させ、できなかった人を銃殺した事件が起きました。
治安の悪いケニアで、戦争の危険性はある?
ケニアが抱えている火種は2種類「対テロ組織」と「民族紛争」です。
ソマリアを拠点とするイスラム過激派組織「アル・シャバブ」討伐に向け動いているため、特にソマリア国境付近での治安は混沌と化しています。
テロ組織による一般市民への攻撃や、戦争により故郷を失った難民がどんどん増えているため、一刻も早い事態の収束を祈るばかりです。
また、非常に多い民族が暮らしているケニアでは、民族間での紛争もないとは言い切れない現状です。
これらは先述の通り、特に大統領選挙の際に顕著になり、都心部であっても勃発します。
こういった紛争により無関係の人々が巻き込まれ、犠牲になっている現状があります。
治安の悪いケニアで、テロの危険性はある?
現在、ケニア全土でイスラム過激派組織「アル・シャバブ」によるテロが相次いでいます。
先述の通りそのテロの手段は多様であり、いつ、どこででも発生する状況です。
たとえナイロビ市内でも例外ではなく、テロ攻撃が起きる度に多くの一般市民や観光客が犠牲になっています。
事件の都度、ケニア政府は実行犯の逮捕とテロ組織の排除につとめているものの、それに対する報復のテロが続き、予断の許されない状態です。
ケニア滞在中はこまめに情報収集を行い、巻き込まれることがないよう臨機応変に行動するようにしましょう。
ケニア滞在に油断は禁物、常に治安情勢を気にして行動を
ケニアは治安に関していくつもの問題を抱えているのは事実です。
観光客であろうとも犯罪グループのターゲットになり、テロ攻撃に巻き込まれる可能性は十分にあります。
しかし、萎縮してているから防げるというわけではありません。
であれば、十分な対策をしたうえで、しっかりとケニアの国で出会える物事を楽しみたいですよね。
きちんと対策をすれば、きっとケニアでしか出会えない素晴らしい光景に出会えます。
広大な自然に、前向きで楽観的な国民性と、いろいろな新しい発見を楽しみましょう。