【治安の前に】ブラジルってどんな国?
ブラジルは南米大陸で最も大きな国土を持つ国でサンバやカーニバル、サッカーなどで有名な国です。
ブラジルの国土の面積は854.7万㎢と日本の約23倍に相当する広大な面積です。
ブラジルの人口は約2億人と日本の2倍程度で面積、人口ともに日本よりもはるかに大きい国となっています。
ブラジルの広大な面積にはたくさんの観光資源があり絶景スポットから都会的な街まで様々な顔を持つ国です。
ブラジルの首都はブラジリアでリオ・デ・ジャネイロと勘違いされている方もいらっしゃいます。
ブラジルでは首都が3回ほど変わっており、現在のブラジリアに遷都される前の1960年まではリオ・デ・ジャネイロがブラジルの首都となっていました。
ブラジルの有名な観光スポットとしてはコルコバードのキリスト像やイパネマのビーチ、イグアス国立公園など自然豊かな観光名所がたくさんあります。
また、リオのカーニバルやサッカーなど情熱的なイベントは熱気溢れる生のブラジルを体で体験することができます。
ブラジルの治安を知る前に外務省が発表する危険レベルをおさらい
海外旅行を検討する際には渡航先の治安についての情報を外務省のホームページで確認することができます。
危険レベルに応じて色分けがされておりそれぞれのレベルごとに渡航の是非を検討する際の基準を示しています。
外務省 海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/
以下ではそれぞれのレベルがどの程度の危険度を示すものであるか解説していきます。
レベル1/黄色
レベル1では旅行に際しては十分な注意が必要なレベルで、渡航や滞在するにあたって十分な治安対策を行ったうえで旅行するようにしましょう、とするレベルです。
強盗や恐喝などが多発している地域などで渡航や滞在にあたり特別な注意が必要な危険度レベルです。
レベル2/山吹色
レベル2ではその国や地域への旅行などはなるべく避け、止むを得ずまたは渡航する必要がある場合には特別な注意を払うとともに,十分に治安対策を行ったうえで渡航してください、というレベルです。
社会情勢、治安情勢を考慮し渡航すべきかどうかを十分に検討してほしいレベルの危険度です。
レベル3/オレンジ色
レベル3では渡航の中止勧告となります。
治安が悪化しており、武装勢力などによる犯罪に巻き込まれる可能性が高いためその国への渡航の延期、滞在している人はその国からの退去の準備を促す危険度レベルです。
どのような理由や目的があっても、レベル3の国や地域へは渡航しないようにしましょう。
レベル4/赤色
レベル4は退避勧告ですので、その国への渡航はできず、滞在中の方は日本へ帰国することを勧告する場合に発せられます。
内乱や戦争などなどに巻き込まれる可能性がある場合の危険度レベルです。
ブラジルの治安状況は?
ブラジルの治安状況は比較的よく外務省のホームページでも危険度レベルは発せられていません。
しかし、日本と同じ感覚でブラジルの治安を考えてはいけません。
特に、リオ・デ・ジャネイロやサンパウロなどブラジルの大都市では外務省の治安情報に関わらず危険があることを前提に行動するよう心がけましょう。
首都ブラジリアの治安状況は?
ブラジルの首都であるブラジリアの治安状況はブラジルの中では良いといえるでしょう。
ブラジリアは1960年に計画都市として作られた街でその歴史は比較的新しく未来都市をイメージした個性的な街です。
ブラジリアの街自体、1987年に世界遺産に登録されておりたくさんの観光スポットがある人気の観光地となっています。
ブラジリアにはメトロポリタン大聖堂やドンボスコ聖堂など多くの観光スポットがありいずれも近代的でおしゃれな建物となっています。
ブラジリアでは繁華街を歩くというよりも、多くの観光スポットをバスやタクシーを利用して巡るようになります。
リオ・デ・ジャネイロやサンパウロなどと比べてもブラジリアの治安は比較的良好で、しっかりと治安対策をしておけば犯罪に巻き込まれることはないでしょう。
バスやタクシーを狙った強盗やひったくりなどもあまり発生しておらず安心して観光スポットを巡ることができます。
ただし、貴重品などは目につかない場所にしまうようにするなど治安対策は必要です。
また、バスターミナルや地下鉄の駅、ショッピングセンターなどブラジルの地元の人が利用する施設の周辺も注意が必要です。
ブラジリアはリオ・デ・ジャネイロやサンパウロなどの都市と比較すると比較的治安はよく、のんびりした雰囲気のある街です。
しかし、人が多く集まる場所では実際に強盗事件などが発生しており、治安が良くない場所もあります。
リオ・デ・ジャネイロやサンパウロなどの都会からブラジリアに入ると比較的治安が良いため少しホッとしてしまいがちです。
適度な緊張感を持ちつつ、しっかりと治安対策を取りながら観光地を巡ることが重要になってきます。
ブラジリアは比較的新しい都市で、ブラジルの他の都市や観光地と比べても治安は良い方です。
治安が良いのはあくまでブラジル国内で比較した場合であって、日本と同じ感覚は持たないようにしましょう。
スリやひったくりなどの犯罪は日常的に起きるものとして気をつけておいた方が無難です。
治安のいいブラジルでも気をつけるべき犯罪5選
気をつけるべき犯罪①:スリ
観光地や空港、バスターミナルなど観光客がたくさん集まる場所で発生しやすい犯罪です。
リオ・デ・ジャネイロやサンパウロなどのブラジル国内でも有数の都市部で多発している犯罪です。
ブラジルは外務省の危険レベルは現在(2019年6月現在)のところ出ていませんが、治安に対して日本と同様の感覚でいると非常に危険です。
治安の良い地域といわれる場所でも発生しやすい犯罪なので十分に注意が必要です。
気をつけるべき犯罪②:置き引き
ブラジルに限らず海外旅行で日本人が遭遇しやすい犯罪の一つが置き引きです。
日本の感覚で自分の荷物から離れたり、不意に目を離した隙に遭いやすい犯罪です。
単独で観光客の荷物を持ち去る犯罪だけでなく、観光客に話しかけている隙に別の人間が荷物を持ち去るという複数犯の犯行も見受けられます。
ポルトガル語で話しかけられてもあまり相手にはせず、自分の荷物から目を離さないように注意が必要です。
気をつけるべき犯罪③:強盗
タクシーの乗降時や治安の良い地域でも少し入り込んだ路地などで発生しやすい犯罪です。
ブラジルでは貧富の差が激しく高級住宅街の裏側にスラムがあるなど治安の良し悪しに関わらず路地や人気のない所など危険な場所があります。
もし強盗被害に遭っても絶対に抵抗してはいけません。
犯人が少年である場合もあります。
脅されるだけではすまないことにもなり兼ねませんので絶対に抵抗してはいけません。
気をつけるべき犯罪④:ひったくり
治安が悪い地域でなくても、車の交通が激しい通り沿いや人通りの激しい地域で注意が必要な犯罪がひったくりです。
背後から徒歩や自転車などで近づき、手に持っているカバンやスマートフォン、音楽プレイヤーなどを奪っていきます。
荷物を盗られるだけならまだ良いですが、その場で盗られないように抵抗した人に殴りかかったりするケースもありますので、ブラジルでは狙われないようにしっかり対策しておくことが必要です。
気をつけるべき犯罪⑤:スキミング
クレジットカードなどを利用して現地のATMで現金を引き出そうと考えている方は十分に注意が必要です。
スキミングはカードの磁気情報を不正に入手してクレジットカードのコピーを作り出す犯罪です。
ATMを利用する際は周囲に怪しい人間がいないかどうか注意しつつ利用するようにしましょう。
治安のいいブラジルでも注意するポイント10選
ブラジル国内では様々な犯罪が発生する可能性が高いです。
特に都市部などでは、スラム街が近くにあることも影響して治安が悪くなりがちでスリやひったくりなどが日常的に発生しています。
そのような犯罪に巻き込まれないためにもブラジルを旅行する上では十分な治安対策が必要です。
ここでは、ブラジルで犯罪に合わないための治安対策として様々な方法をご紹介していきます。
注意するポイント①:手に荷物は持たない
ブラジルに限らず海外旅行をする際は、治安の悪い地域ではもちろん治安の良い地域でも手に荷物を持たないようにしましょう。
治安の良し悪しに関係なく、日本と違い海外ではスリやひったくりが日常茶飯事に発生すると考えておくべきです。
手に持っている荷物などは持って行ってくださいと言ってるようなものですので、なるべくカバンにしまうようにしましょう。
また、身につけているアクセサリーなどもターゲットにされやすいです。
手には荷物を持たずアクセサリーなども身につけないで歩くようにすることでターゲットにされにくくなり、治安対策となります。
注意するポイント②:スマートフォンは路上で使用しない
日本人がやってしまいがちな行動にスマートフォンの路上使用も挙げられます。
海外でスマートフォン、特にiPhoneは高級品として認識されています。
ブラジルのように貧富の差が激しい国では、治安の良い地域でもスラム街側の人間がウロウロしています。
スマートフォンはスリやひったくりのターゲットになりやすいので、ターゲットにされないためにも路上での使用は控えましょう。
また、路上で使用せず手に持っているだけでもターゲットにされます。
スマートフォンは貴重品でありお金やパスポート同様に扱うようにして未然に治安対策をしておきましょう。
注意するポイント③:カメラなどは首からかけない
カメラもスマートフォンと同様にスリやひったくりに狙われやすい所持品です。
最近ではあまり見かけなくなりましたがカメラを首からかけている観光客の方が昔はたくさんいらっしゃいました。
観光客であることをアピールし狙ってくださいと言っているようなものです。
治安の良い地域でもブラジルの都市部などを歩く際にはカメラはカバンにしまい込むようにしましょう。
観光地で写真を撮る際も、観光スポットなどで写真を撮った後などカメラを使用しない場合にはカバンにしっかりしまって目につかないようにすることが大事です。
注意するポイント④:カバンは前にしっかり持つ
ブラジル国内を移動する際や都市部を歩く際にはバックパックを前にかけてしっかり両手で押さえて持つようにしましょう。
ブラジル都市部などでは後ろに背負っていたり肩からかけるタイプのカバンは簡単にひったくりなどに狙われます。
海外旅行の際は、ブラジルに限らず治安の悪い場所や人の多く集まる都市部などではショルダーバックやハンドバックを持っていくのは控えた方が良いでしょう。
どこの国でもスリやひったくりは発生する可能性のある犯罪です。
スリやひったくりに狙われないようにするためにも、しっかり抱えられるカバンを準備し都市部や観光地に関係なくしっかり持って歩けるようにしましょう。
注意するポイント⑤:現地のATMはなるべく使用しない
クレジットカードやスマホでの決済などが進み、旅行先でもATMを利用する旅行者が増えました。
しかし、ATMや両替所などはブラジル国内の治安の良い地域でも注意が必要です。
スキミングの被害の可能性やATMからおろした現金を狙った強盗などの犯罪のリスクが考えられます。
ブラジルの都市部は発達した都会なのでATMなどを利用した方が便利な場合もあります。
ただし、それを狙っている犯罪者がいることをしっかり認識しておきましょう。
どうしてもATMを利用する際は、周囲に怪しい人間はいないか確認しつつ、引き出した後に声をかけられても無視して足早に立ち去ることが賢明なです。
注意するポイント⑥:絶対抵抗しない
ブラジルでは残念ながら強盗やひったくりの被害に遭ってしまっている観光客がたくさんいます。
もし不運にも犯罪に遭ってしまった場合には絶対に抵抗してはいけません。
ブラジル国内でスリや強盗の大半はファベーラに住む貧困層の犯罪者によるものです。
スリや強盗、ひったくりなど日常的に犯している彼らは慣れていますので抵抗するとエスカレートする危険があります。
また、単独で行動していますが周囲に仲間がいる可能性もあります。
下手に抵抗することで複数人に囲まれてしまう場合もあります。
所持品を奪われるだけなら補償してくれる海外旅行保険もありますので、抵抗せずに諦めることも大事になってきます。
しかし、命まで奪われてしまっては元も子もありません。
犯罪者が少年であったとしてもブラジルでは絶対に抵抗してはいけません。
注意するポイント⑦:ファベーラには絶対入らない
ブラジルは貧富のさが激しく高級住宅地や高級なリゾート地のすぐ近くにファベーラと呼ばれるスラム街がたくさんあります。
ブラジルのスラムは世界的に見ても非常に危険で治安の悪い場所です。
ブラジルに住む地元の人も近づかない場所であり警察の力も及ばない場所もあります。
最近ではファベーラを巡るツアーなどもありますが、ツアー中に銃で撃たれる事件も起きています。
ファベーラに立ち入る場合には必ず現地の人間と複数人で行動するようにしましょう。
どんなに治安の良い国であってもスラム街に興味本位で近くことは非常に危険なので絶対に入らないようにしましょう。
注意するポイント⑧:貴重品は分散して所持する
海外旅行をする際には治安の良し悪しに関係なく、パスポートや現金などの貴重品は分散して所持するのが鉄則です。
パスポートなどは下着の下につけられるウェストバックなどにしまい込み犯罪被害に巻き込まれても気づかれないようにしましょう。
ブラジルなどの治安のあまり良くない地域を旅慣れている人は一部の現金は靴の下に入れて所持しているなど工夫をしています。
また、ダミーの財布を持っておき貴重品が入っている財布を狙われにくくする工夫をしている旅行者もいます。
貴重品は一箇所にまとめて持つのではなく、分散して持つことで治安対策となりますので海外旅行の際には貴重品を分散させて持ち歩くように心がけましょう。
注意するポイント⑨:日本人だとすぐわからないように心がける
治安対策としてターゲットにされにくくすることも重要です。
犯罪者は主に、お金を持っていそうな観光客や貴重品が目に入った観光客などを狙って犯罪を犯します。
ブラジルにおいて、日本人観光客はお金を持っているイメージがまだまだ根強く残っています。
明らかに日本人と分かるとターゲットにされやすいので現地の服装を着用し現地の人と同じような格好で出歩くことでも治安対策となります。
ブラジル国内で日本人は目立ちます。
なるべく日本人とすぐには分からないような格好をするだけでも犯罪者に狙われにくくなりますので、効果はあります。
注意するポイント⑩:大使館などの緊急時の連絡先をしっかり確認しておく
もし何か犯罪に遭遇してしまった場合にはすぐに日本大使館に連絡できるようにしておきましょう。
緊急事態に陥った場合、頼りにすべきは日本大使館や領事館です。
慌てているとすぐに連絡先を調べられない事態にもなり兼ねません。
事前に連絡先などをメモした紙を所持しておき、何かあった場合の連絡先として所持しておきましょう。
ブラジル国内にはリオ・デ・ジャネイロやサンパウロなどの都市部に大使館や領事館があります。
治安対策という意味では何かあった場合の緊急連絡先を控えておくことも大事になってきます。
治安のいいブラジルで、戦争の危険性はある?
ブラジルで戦争が起こる危険性は2019年の時点ではほとんどないといって良いでしょう。
ブラジルは近年、急激に経済発展を遂げ国内経済は一時期非常に良い状態となっていました。
ここ数年では国内における治安問題や汚職問題に対する国民の声が拡大しており、国内における治安問題が争点となっています。
ただし、イスラエルにおけるブラジル大使館のエルサレムへの移転によりこれまでイスラエル・パレスチナ紛争に干渉してこなかったブラジルの立場は今後変更される可能性があります。
この決定に対してエジプトやカタールなどではブラジル大使館の移転に反対の立場を示しており、ブラジル政府内でもブラジルと中東との安全保障上の問題発生が懸念されています。
しかし、世界的に見ても戦争は減少しており、上記のことをもってブラジルが他国と武力衝突する可能性は現在のところ限りなくゼロに近いといえるでしょう。
20世紀以降のブラジルは国内でのクーデターや国内安定のための政変などが起こっていますが、第二次世界大戦以降は他国と戦争をした歴史はありません。
ブラジルは21世紀の大国ともよばれており先進国の仲間入りをするのも時間の問題といわれていますので、現在のところ戦争とは縁の遠い国といえるでしょう。
治安のいいブラジルで、テロの危険性はある?
戦争の危険はなくともブラジル国内におけるテロの危険性はゼロとはいえないでしょう。
これはブラジルに限らずどこの国でも海外を旅行する上でテロの危険性は考慮すべきです。
テロは治安の良し悪しに関係なく突如として発生します。
最近ではリゾート地などで観光客を狙った無差別テロなどが治安の良い国でも発生しています。
国や地域の治安に関係なく発生してしまうのがテロなので旅行者が対策を立てにくいことが問題でしょう。
治安の悪い場所に近づかないことはもちろん、たくさんの人が一箇所に長く滞在するような場所を避けたりすることでリスク回避できますが、テロの危険性がゼロとは言い切れません。
世界的な治安情勢やブラジルの問題などにも注意を払いつつテロの危険性を考慮しおいてが方が良いです。
PCを始めスマートフォンなどリアルタイムに情報を得る手段はたくさんあります。
旅行前に情報を得ておくことも大事ですが、現地でも治安の情勢や治安に関する情報は常に収集しておくことが重要となります。
ブラジルのみならず治安のよい国や治安の悪い国、治安の悪い地域など旅行する先の情報を収集しておくことが自身の身を守ることに繋がります。
ブラジル観光時に注意するべき犯罪や安全点についてのまとめ
ブラジルを始め南米を旅する際には十分な治安対策が必要です。
日本人は日本の治安に慣れており世界の治安情勢に対して不十分な場合があります。
海外、特にブラジルを始めとした南米の国々を旅する際には現地の情報を十分に収集して旅することが重要です。
今回はブラジルで起こりやすい犯罪やその対策についてご紹介してきました。
今回紹介した犯罪や対策は治安の悪い国や地域などを旅する際にも共通する内容となります。
海外旅行を安全で楽しいものにするためにもぜひ、参考にしてみてください。